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early music / orchestral / concerto / chamber / instrumental
theatrical / vocal works / contemporary / historical recordings / etc.
 

トレッリ

Baroque Music of Bologna
St James's Baroque Players/ Ivor Bolton

ジュゼッペ・トレッリ(1658-1709)を中心とするボローニャ楽派の作品集。ペトロニオ・フランチェスキーニ(c.1650-80)、ジュゼッペ・ヤッキーニ(c.1663-1727)、ドメニコ・ガブリエリ(1651-90)の曲が一つずつで、あと6曲はトレッリのもの。『クリスマス協奏曲』の名で知られる(3)や(1)(6)(8)あたりはよく演奏されるが、ほかは珍しい。
独奏協奏曲は17世紀後半にボローニャで誕生したといわれる。わたしがクラシックを聴き始めたン十年前は、合奏協奏曲はローマのコレッリが、独奏協奏曲はボローニャのトレッリが発明したといわれていた。その後「そうとばかりもいえない」ことが判明したようだが、この二人がそれぞれの分野で果たした役割の大きさと作品の完成度の高さは永遠に不滅だ。かれら以前と以後では器楽曲の規模、展開の多彩さ、表現の幅などに大きな違いが見られる。
古楽器アンサンブル、セント・ジェイムズ・バロック・プレイヤーズのしなやかなアプローチがリラックスしたひとときを味わわせてくれる。トランペットの牧歌的な響きが美しい。

David Staff, Mark Bennett, trumpets
St James's Baroque Players
Ivor Bolton, cembalo & conductor

・Recorded in 1988
Teldec
4509-91192-2

Baroque Music of Bologna

 
1. Torelli: Concerto in D major
2. Franceschini: Sonata with 2 Trumpets
3. Torelli: Concerto in G minor, Op.8 No.6
4. Torelli: Concerto for 2 Trumpets
5. Torelli: Concerto in A major
  6. Torelli: Sinfonia in D major (G23)
7. Jacchini: Sonata with 2 Trumpets
8. Torelli: Concerto for Strings in G major
9. D. Gabrielli: Sonata in D major
ジュゼッペ・トレッリ

Torelli: Concertos
Collegium Musicum 90/ Simon Standage

コンチェルトと名のついた器楽曲が最初に出版されたのは1666年、ボローニャにおいて。対位法に基づくこの新しい楽曲が誕生したとき、バッハはまだ生まれておらず、コレッリはまだ13歳。しかしバロック協奏曲の完成者はコレッリであり、5歳年下のトレッリだった。この二人がヘンデルやバッハに影響を及ぼしていくのである。
最初の曲『二つのヴァイオリンのための協奏曲 イ短調』はバッハの同種作品ニ短調(BWV1043)を先取りしている。類似したフレーズが出てくるのは偶然ではないかも知れない。いきなりヴァイオリン二本のからみあいで始まったり、ラプソディックともいえる自在な旋律が展開されたり、300年も昔の作品とは思えない新しさに満ちた傑作コンチェルトといえる。
このアルバムには作品8から7曲が選ばれている。最晩年に刊行された当曲集はトレッリの最も重要な曲集であり、古楽器でこれほどのレベルの録音が登場したのは喜ばしい。この作品8にはほかにもソロ・ヴァイオリンのための優れた協奏曲があるので、残る5曲もぜひ録音して欲しいと思う。

 

Catherine Weiss, violin
Crispian Steele-Perkins, trumpet
David Blackadder, trumpet
Collegium Musicum 90
Simon Standage, violin & director

・Recorded in 2003
Chandos/ Chaconne
CHAN 0716

Torelli: Concertos

 

1. Concerto for 2 Violins, Op.8 No.2
2. Concerto for Violin, Op.8 No.8
3. Sinfonia for Trumpet in D major (G8)
4. Concerto for 2 Violins, Op.8 No.5
5. Concerto for 2 Violins, Op.8 No.6

  6. Concerto for 2 trumpets in D major
7. Concerto for 2 Violins, Op.8 No.4
8. Concerto for Violin, Op.8 No.11
9. Sinfonia for 2 Trumpets in D major (G23)
10. Concerto for Violin, Op.8 No.9
イ・ムジチ

Torelli: Concerti Grossi, Op.8
I Musici/ Mariana Sirbu

ジュゼッペ・トレッリの作品8は『合奏協奏曲集』というのが正式名称。しかし同時代のコレッリが書いた合奏協奏曲とちがい、トレッリの作品8では独奏がヴァイオリン二つ(1〜6番)、もしくは一つ(7〜12番)になっている。コンチェルティーノの人数を減らしていったらとうとう一人になってしまったということだろうか。
イ・ムジチ盤は全12曲のうち6曲を抜粋。上記スタンデイジ盤とダブる曲が多く、ト短調の『クリスマス協奏曲』(作品8の6)は最初のボルトン盤ともダブる。人気曲だからはずせないのだが、パストラールな雰囲気をもった魅力的な曲なのはたしか。
演奏はスタンデイジ盤同様きびきびしたもの。ところが楽器のちがい(こちらは現代楽器)と奏法のちがいで印象がだいぶ異なる。ロマンチックに響くのだ。バッハどころか古典派まで通り越して初期ロマン派の曲を聴いているような錯覚に襲われる瞬間がある。

 

I Musici
Mariana Sirbu, violin
Antonio Perez, violin (3,4,5)

・Recorded in 1992
Philips 432 118-2

Torelli: Concerti Grossi, Op.8

Christmas Concertos
Vivaldi: Complete Flute Concertos
Vivaldi: Concertos Op.8

 
1. Concerto for Violin in D major, Op.8 No.12
2. Concerto for Violin in E minor, Op.8 No.9
3. Concerto for 2 Violins in E minor, Op.8 No.2
  4. Concerto for 2 Violins in G minor, Op.8 No.6
5. Concerto for 2 Violins in E major, Op.8 No.3
6. Concerto for Violin in C minor, Op.8 No.8
トレルリ:シンフォニア

Torelli: Sinfonie e Concerti, Op.5
Insieme Strumentale di Roma/ Giorgio Sasso

ジュゼッペ・トレッリの『作品5』はこれしか全曲録音がない。1692年にボローニャで出版されており、3声のシンフォニアと4声の協奏曲が6曲ずつ。それぞれの楽曲の創生期ということもあり12曲で60分かからないほど短いのだが、そこはトレッリ、進取の気性を感じさせる作風が楽しめる。
シンフォニアと協奏曲のちがいも明確でない。シンフォニアでさえソロ・ヴァイオリンもしくは2本のヴァイオリンが合奏と対比させられる部分がある。それはともかく、バロック中期において合奏音楽分野でようやくイタリアらしさが出てきたのが、この作品あたりからなのだ。上記『作品8』を最初の到達点と見るならば、その一歩手前の段階が『作品5』だと言えるだろう。

 

Insieme Strumentale di Roma
Giorgio Sasso, conductor

・Recorded in 1996
Stradivarius/ Dulcimer
STR 33461

Sinfonie e Concerti, Op.5

 

1. シンフォニア 第2番 ハ長調
2. 協奏曲 第4番 ト短調
3. シンフォニア 第6番 ホ短調
4. 協奏曲 第5番 ヘ長調
5. シンフォニア 第3番 ト短調
6. 協奏曲 第3番 ニ長調

  7. シンフォニア 第1番 イ短調
8. 協奏曲 第1番 ニ短調(フランス風)
9. シンフォニア 第5番 ニ長調
10. 協奏曲 第2番 イ長調
11. シンフォニア 第4番 イ長調
12. 協奏曲 第6番 ト長調
トレッリ:トランペット協奏曲

Torelli: Concerti, Sinfonie & Sonate
Maur/ Budapest Chamber Orchestra/ Pacor

世にトランペット協奏曲の数が少ないため、トレッリやフンメルの作品は昔からよく演奏されてきた。バロック時代に限るとトレッリのほかにはテレマンくらいしか思い当たらない。それくらい少ないのである。
トレッリ作品は現存するトランペット協奏曲では最古の部類。協奏曲誕生の頃に書かれたものだ。曲名はソナタだったりシンフォニアだったりするが、いずれも独奏トランペットと弦楽合奏、通奏低音のために書かれている。各楽章は短くてそれほどの展開をみせないものの、構成感のある完成度の高い曲が多い。
1960年生まれのマウロ・マウルは明るくまろやかな音色でイタリアの青空のような晴れやかな演奏を聴かせる。ブダペスト室内管弦楽団のサポートも美しい。

○残念ながらこのイタリアのレーベルは消滅してしまったらしい。現在ほぼ同じ曲目が伊ボンジョヴァンニから出ている(右記)が、明るさという点で少々もの足りない感じをうける。全集と称する二枚組は未聴。

 

Mauro Maur, trumpet
Budapest Chamber Orchestra
Giovanni Pacor, conductor

・Recorded in 1989
Erresse by Darpro
RS 6367-07

Sonate, Sinfonie e Concerti
Complete Trumpet Concertos
Trumpet Concertos & Sonatas
Famous Trumpet Concerti
Trumpet Masterpieces (Andre)

 
1. Sonata in D major, G1
2. Sinfonia in D major, G2
3. Sonata in D major, G3
4. Sinfonia in D major, G4
5. Sonata in D major, G5
6. Sonata in D major, G6
  7. Sonata in D major, G7
8. Sinfonia in D major, G8
9. Concerto in D major, G9
10. Sinfonia in D major, G14 "Avanti l'Opera"
11. Concerto in D major "Etienne Roger"188
holloway

Biber: Die Rosenkranz-Sonaten
John Holloway/ Tragicomedia

ビバーの『ロザリオのソナタ集』はメルクスのLPをよく聴いていた。CDで買いなおすにあたってホロウェイを選んだのは先生方の評価が高かったのもあるが、ホロウェイの真摯でおしつけがましさのない演奏で聴きたかったのと、グィド・レニ(1575-1642)の『聖母戴冠』が使われているという、いわばジャケ買い。
このソナタ集は聖母マリアの15の秘蹟(玄義)を題名とするソナタと終曲(ヴァイオリン独奏による『パッサカリア』)で構成される。大天使ガブリエルによる「受胎告知」から「イエスの誕生」「イエスの磔刑」「復活」を経て「聖母昇天」天国での「聖母戴冠」に至るまでが描かれている。ビバーの自筆譜には15の秘蹟の銅版画が添えられている。いちおう秘蹟の情景描写音楽のようだが、物語を知らないので何を描写しているのか判らないのが難。とはいえふつうにヴァイオリンソナタとして楽しめる名曲ぞろいで、ドイツバロック最初の(作曲者はボヘミア出身だけど)傑作ソナタ集と見なされている。
またこの曲集はスコルダトゥーラを用いた最も有名な作品でもある。スコルダトゥーラは弦楽器を正規の調弦でない特殊な調弦で演奏する方法。『ロザリオ』の16曲のうち通常のG-D-a-eで演奏するのはニ短調の第1曲と最後の『パッサカリア』(ト短調)のみ。演奏に当たっては移調楽器みたいになるが、通常の調弦では難しい旋律や和音を弾くことができる。4弦すべてを高めに調弦すれば緊張感も生まれる。最近のCDでマンゼ(右記参照)がその解説を入れている。

 

John Holloway, violin
Davitt Moroney, chamber organ, cembalo
with Tragicomedia

・Recorded in 1989
Virgin Classics
0777 7595512 5 (2CDs)

廉価盤に移行している
Die Rosenkranz-Sonaten

Die Rosenkranz-Sonaten (Manze)
ロザリオのソナタ集(マンゼ)
ヴァイオリンソナタ集(寺神戸 亮)

 
<CD1>
1. I- The Annunciation
2. II- The Visitation
3. III- The Nativity
4. IV- The Presentation
5. V- The Finding in the Temple
6. VI- The Sweating of Blood
7. VII- The Scourging at the Pillar
8. VIII- The Crowning with Thorns
 

<CD2>
1. IX- The Carrying of the Cross
2. X- The Crucifixion
3. XI- The Resurrection
4. XII- The Ascension
5. XIII- The Descent of the Holy Ghost
6. XIV- The Assumption of the Virgin
7. XV- The Coronation of the Virgin
8. Passacaglia

ビーバー

Biber: Marienvesper 1693, Sonaten
Salzbuger Barockensemble/ Arman

ビバーの『聖母マリアの夕べの祈り』。器楽演奏のソナタが前奏曲、後奏曲として演奏されている。マリアの祈りはアカペラの聖歌(アンティフォナ)とビバーの書いた伴奏つき合唱(「聖書」の「詩篇」に曲をつけたもの)とで構成される。実際に教会で演奏された形態をそのまま録音したアルバムである。
 『聖母マリアの夕べの祈り』は競争相手の多いジャンルだが、ビバーの作品は楚々とした仕上がりが魅力。『マニフィカト』もこぢんまりした清楚な印象だ。器楽曲ばかり演奏されるビバーにこういう愛すべき教会音楽があったとは、あまり知られていないんじゃないだろうか。

1. Sonata VIII
2. Marienvesper
3. Sonata IX

 

Kym Amps, soprano
Christopher Robson, altus
Anton Rosner, tenor
Albert Hartinger, bass
Salzburger Barockensemble
Blazerkreis Innsbruck
Salzburger Bachchor, etc.
Howard Arman, directon

・Recorded in 1986
Ars Musici AME 3022-2

Marienvesper 1693

ローゼンミュラー

Rosenmuller: Vespro della beata Vergine
Cantus Colln/ Junghanel

ボッチチェッリの美しい『受胎告知』をあしらっているのはヨーハン・ローゼンミュラー (c.1619 -1684)の『聖母マリアの夕べの祈り』。ライプツィヒ大学に学びシュッツに影響された作品を書いていたローゼンミュラーは早くから才能を認められ、作曲家・音楽教師として順調な生涯が約束されているように見えた。ところが1655年の春、生徒との同性愛の嫌疑がかけられ逮捕、投獄。罪状の真偽のほどは不明だというが、かれは監獄から抜け出してイタリアへ逃亡した。それが長いイタリア暮らしの始まりだった。この作品はかれが長く住んだヴェネツィアで発表されたもの。
ドイツ音楽ではあるが声楽パートの音の動きはだいぶイタリアふうになっていて華麗なものがある。管楽器を含むアンサンブルの華やかさも楽しい。もはやシュッツの影はほとんど感じられず、むしろバッハの先取りといった意味でのドイツっぽさが感じられる。ユングヘーネルらの演奏はこぢんまりした印象だが、技巧的な側面と真摯な祈りをバランスよく表現していると思う。
ちなみに原題の“Vespro della beata Vergine”はイタリア語。“beata”は「祝福された」という意味。晩課(晩のおつとめ)で歌うので“vespro=vesper(晩祷)”と呼ばれる。上記ビバー盤の“Marienvesper”はドイツ語で、“beata”に相当する語が抜けている。最後にマリアの賛歌『マニフィカト』が入るのも器楽ソナタが間奏曲として奏されるのも共通する。

1. Vespro della beata Vergine

 

Cantus Colln,
Canticum,
Concerto Palatino,
Konrad Junghanel, direction

・Recorded in 1996
Harmonia Mundi France
HMC 901611.12 (2CDs)

Vespro della beata Vergine

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