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early music / orchestral / concerto / chamber / instrumental
theatrical / vocal works / contemporary / historical recordings / etc.
 

フレスコバルディ

Frescobaldi: Toccatas & Partitas, Book 1
Sergio Vartolo

ジロラモ・フレスコバルディ(1583-1643)はイタリア・バロックの、というよりバロック音楽全体の、最初の鍵盤音楽ヴァーチュオーソであり、大作曲家であった。1608年から終生サン・ピエトロ大聖堂のオルガニストを務め、かれが即興演奏を行う日には大聖堂に入りきれないほどの聴衆がつめかけたといわれる。
トッカータ、パルティータなどの楽曲はかれによって発展、定着させられ、バロック時代を通じて主要な形式となっていった。このアルバムは1615年に初版が出た『トッカータ集 第1巻』の全曲録音。この曲集は再版を重ねるごとに修正や追加が行われ、現在の姿になったという。『トッカータ集』という通称は初版がトッカータ12曲しかなかったため。

セルジオ・ヴァルトロの演奏はユニークなものだ。といっても風変わりな解釈をしているのではなくて、ただテンポが遅いだけ。颯爽としたアレッサンドリーニ盤の対極にある。かっこよさ、すごさは感じられないが、初期バロック特有のたゆたうような和声と、それゆえのファンタジーが見事に再現されている。

Sergio Vartolo, cembalo and organ

・Recorded in 1987
Tactus TC 58060780 (3CDs)

Toccatas & Partitas, Book 1

オルガン作品集
Keyboard Music
Partite & Toccate
First Book of Capricci

 
<CD 1>
1. Toccata I
2. Toccata II
3. Toccata III
4. Toccata IV
5. Toccata V
6. Toccata VI
7. Toccata VII
8. Toccata VIII
<CD 2>
1. Toccata IX
2. Toccata X
3. Toccata XI
  4. Toccata XII
5. Partita on Aria Romanesca
6. Partita on La Monicha
<CD 3>
1. Partita on Aria Ruggiero
2. Partita on Folia
3. 4 Correnti
4. Capriccio on La Battaglia
5. Aggiunta: Balletto
6. 100 Partita on Passachagli
7. Capriccio Aria Ruggiero
8. Balletto e Ciaccone
9. Capriccio on La Pastorale
ヴァルトロ Frescobaldi: Toccatas & Partitas, Book 2
Sergio Vartolo

フレスコバルディの『トッカータ集 第2巻』全曲録音。個人的に好きな曲が多いのでわたしはこっちを聴くほうが多い。ヴァルトロはここでも、ときに遅すぎるくらいのテンポでゆったりと演奏している。深呼吸して雑念を払ってからでないと、聴いていていらいらしてしまうのが難点だ。せっかちな人には耐えられないかも知れない。

1627年にこの曲集がローマで刊行されたとき、バッハもラモーも生まれていなかった。まだ平均律も機能和声もなかったのだ。音楽はまだ旋律線を中心に書かれていた。複数声部が産み出す和声は複数の旋律を重ねた結果生じるもので、あらかじめ進行を決めて書いていたわけではない。多少の不協和は気にしていない(としか思えない)し、旋律じたい気の向くままに自由に流れていく。
バロックの代表的形式であるフーガがないのにお気づきのかたもいるだろう。ああいう理詰めの展開をもつ曲を、フレスコバルディはほとんど書いていないのだ。上記『第1巻』も次の『カプリッチョ集』も、即興演奏にルーツのあるトッカータ、同様に形式をもたないカプリッチョ、変奏曲と考えられるパルティータ、いずれも感興にまかせて書けそうな曲ばかり。
最後の数曲は声楽をともなう。“hinno”とあるのは“inno”と同じで聖歌のこと。聖歌のフレーズとオルガン演奏が交互にあらわれる。教会で聴いている雰囲気たっぷり。『マニフィカト』が3曲、第1旋法、第2旋法、第3旋法(教会旋法です)の順で演奏されているのも要注目。

 

Sergio Vartolo, cembalo and organ

・Recorded in 1993
Tactus TC 580681 (3CDs)

Toccatas & Partitas, Book 2

 

 

<CD 1>
1. Toccata I
2. Toccata II
3. Toccata III
4. Toccata IV
5. Toccata V
6. Toccata VI
7. Toccata VII
8. Toccata VIII
9. Toccata IX
<CD 2>
1. Toccata X
2. Toccata XI

  3. Ancidetemi pur D'Archadelt
4. 6 Corernti
5. Canzona I, II, III, IV, V, VI
6. Gagliarda I, II, III, IV, V
<CD 3>
1. Aria detta La Frescobalda
2. Hinno della Domenica
3. Hinno dell'Apostoli
4. Hinno iste Confessor
5. Hinno Ave Maris Stella
6. Magnificat I, II, III
7. Aria detto Balletto
フレスコバルディ:カプリッチョ Frescobaldi: Capricci
Sergio Vartolo

フレスコバルディの『カプリッチョ集 第1巻』全曲録音。ほかの人の録音はCD1枚に収まっているものがあるが、さすがヴァルトロというべきか、テンポが遅いため2枚組になっている。
題名が語るように「ドレミファソラ」や「カッコウ」の音型、あるいは当時流行の旋律をモチーフにして奇想曲らしい自由な展開をみせる。即興性が強く、フレスコバルディの即興演奏もこういうものだったのだろう。ただ後世の奇想曲とはちがい、一つの展開を一段落させてから改めて次の展開に入っていく。組曲のようでもあり変奏曲のようでもある。フーガのように同じ音型が別の声部で後を追うところもある。聴けば聴くほどいろいろなことに気がついて興味深い曲集だ。
1番と2番のモチーフがそれぞれ上昇音階、下降音階になっていたり、半音進行を用いた曲があったり、どの曲も多彩で魅力的。演奏にもっと推進力があったらインパクトが増したと思われるが、そこは持ち味ということで…。

 

Sergio Vartolo, cembalo

・Recorded in 1991
Tactus TC 580691 (2CDs)

Frescobaldi: Capricci

First Book of Capricci
Il Primo Libro di capricci

 
<CD 1>
1. Capriccio I, Ut, Re, Mi, Fa, Sol, La
2. Capriccio II, La, Sol, Fa, Mi, Re, Ut
3. Capriccio III, Il Cucho
4. Capriccio IV, La, Sol, Fa, Re, Mi
5. Capriccio V, la Bassa Fiamenga
<CD 2>
1. Capriccio VI, la Spagnoletta
  2. Capriccio VII, Or Che Noi Rimena in Partite
3. Capriccio VIII, Cromatico con Ligature al
  Contrario
4. Capriccio IX, di Durezze
5. Capriccio X, di Obligo di Cantare la Quinta
  Parte
6. Capriccio XI, un Soggetto
7. Capriccio XII, l'Aria di Ruggiero
アレッサンドリーニ

Frescobaldi: Toccatas & Partitas, Book 1
Rinaldo Alessandrini

リナルド・アレッサンドリーニが1993年にリリースしたフレスコバルディ『トッカータ集 第1巻』は、古楽ファンの間にセンセーションを巻き起こした。華々しい演奏だったからだ。テクニックは万全。テンポは速めで、切れ味鋭く明晰なタッチがこの上ない爽快感をもたらす。ヴァルトロ盤がCD3枚を要するのに対しアレッサンドリーニ盤は2枚。若干の省略があるとはいうものの、早いのである。いやそれともこれが適正で、わたしがヴァルトロに慣れすぎただけかも知れないのだが。

アレッサンドリーニのアプローチはフレスコバルディのすごさを味わうには最適。即興性の強いトッカータはとくに効果的で、自在なファンタジーが迫力をもって再現される。作曲者自身の腕前もそうとうなものだっただろうと思わせる。曲ごとの性格の弾き分けも見事。『バッタリア』などリズミカルな曲の愉悦感はヴァルトロ盤からは得られないものだ。番号順に演奏せず、曲種もシャッフルしてあるのは単調さを避けるための配慮だろう。
チェンバロはヴェネツィアのチェレスティーニ(1605年頃)、オルガンは1630年製のメイアリーニ。楽器の状態も録音もよい。

 

Rinaldo Alessandrini, cenbalo and organ

・Recorded in 1992
Arcana A 904 (2CDs)

Toccatas & Partitas, Book 1

 
<CD 1>
1. Toccata I
2. Balletto, Corrente del Balletto, Passacagli
3. Partita on Aria Romanesca
4. Balletto e Ciaccone
5. Toccata II
6. Capriccio on La Battaglia
7. Toccata IV
8. Partita on Aria Ruggiero
9. 100 Partitas on Passacagli
10. Toccata III
11. Partita on Aria Monica
12. Capriccio on Aria Ruggiero
  <CD 2>
1. Toccata XI
2. Capriccio on La Pastorale
3. Toccata XII
4. Toccata IX
5. Partita on L'Aria di Folia
6. Toccata VII
7. Passacagli
8. Balletto II
9. Toccata V
10. Balletto, Corrente del Balletto, Passacagli
11. Toccata VI
12. Corrente e Ciaconne
13. Toccata VIII
14. Corrente IV
15. Toccata X
フィオーリ・ムジカーリ

Frescobaldi: Fiori Musicali
Rinaldo Alessandrini

フレスコバルディの『フィオーリ・ムジカーリ(音楽の花束)』は1635年に刊行された。いわゆるオルガン・ミサで、『主日のミサ』『使徒のミサ』『聖母のミサ』の3曲からなる。
この録音は教会での演奏を想定したもので、聖歌隊によるグレゴリオ聖歌との組み合わせ。たとえば『聖母のミサ』はフレスコバルディが書いたのは12の小曲だが、聖歌が加わるので全部で17トラックある。ミサの進行に合わせて演奏するため、ミサ開始を告げるトッカータ、聖体拝領後のカンツォーナなど、それぞれが性格的な小曲になっている。平均すると2分程度の短い曲の連続。構造もシンプルなものが多いが書法の洗練はさすがと言うべきだろう。
バッハはこの曲集で対位法を学んだと伝えられる。フレスコバルディは長きにわたって影響を及ぼし続けたのだ。

 

Rinaldo Alessandrini, organ

・Recorded in 1989
Auvidis Astree
E 8714(2CDs)

廉価盤に移行
Fiori Musicali

 
1. Missa della Domenica
2. Missa della Apostoli
3. Missa della Madonna
メールラ Tarquinio Merula: Complete Organ Works
Francesco Cera

半世紀ほど前に活動していたメールロ(Claudio Merulo)というオルガニストがいるのでよく混同する(笑)。こちらはタルクィニオ・メールラ(1595-1665)という初期バロックの作曲家だ。クレモナで音楽を学びヨーロッパ各地で活動したというが遺された作品は少なく、オルガン独奏のための曲をすべて集めたらこのようにCD1枚に収まってしまったのだという。
同時代の同国人フレスコバルディが巨大すぎるので影が薄くなってしまったものの、捨てがたい魅力をもった作曲家だ。『第2旋法によるトッカータ』(4)などはフレスコバルディなみのスケール感をもち、自在な展開が見事。また半音階を多用したカプリッチョ、イントナツィオーネ(小規模なトッカータと考えられる)のファンタジックな世界はかれの独自性を感じさせるもの。右手の細かな動きはジャズのインプロヴィゼーションを連想させるほど即興性が高い。ずいぶん現代的な音楽を聴いているような気がする。
演奏は(1)から(9)までが通常の教会オルガン(1526年製)、残る7曲はポジティーフ・オルガン(1675年製)を用いたもの。

 

Francesco Cera, organs

・Recorded in 1999
Tactus TC 591301

Merula: Complete Organ Works

Merula: Curtio Precipitato
Canzoni, Danze e Variazioni
Ostinato

 
1. Sonata Cromatica
2. Canzone Seconda
3. Canzone Quarta
4. Toccata del Secondo Tono
5. Canzone Prima
6. Canzon la Monteverde
7. Intonazione Cromatica del Terzo Tono
8. Canzon la Marca
  9. Toccata e Genus Cromaticum Primi Toni
10. Capriccio Cromatico
11. Canzone Terza
12. Intonazione Cromatica del Quatro Tono
13. Capriccio
14. Canzone Quinta
15. Due Versetti del Primo Tono
16. Intonazione Cromatica del Nono Tono

ミケランジェロ・ロッシ

Michelangelo Rossi: Toccate e Correnti
Francesco Cera

ロッシという名前の作曲家は同時代に少なくとも3人いる。このミケランジェロ・ロッシ(1602-56)は鍵盤音楽の作曲家として知られるが、若い頃は「ヴァイオリンの天使ミケール(Michel Angelo del Violino)」と讃えられるほどのヴァイオリンの名手だったという。作品が遺っているなら聴いてみたいものだ。
ロッシはフレスコバルディに学んでいる。しかし聴いてみたところ、印象はかなり違う。とくにトッカータがへんてこというかいい加減というか、思わぬ方向に展開していくのだ。旋律も和声も。師匠フレスコバルディもかなり自由だが弟子ロッシはさらに自由。この時代の音楽は長調/短調という区別は意味をなさないが、旋法という面でもはずれているのではないだろうか。現代の耳からするとアヴァンギャルドな響きと言える。
一部のコレンテ(クーラント)の書法にフーガの萌芽がみられる。この時代、カプリッチョがフーガふうに書かれることもあるが、ロッシはコレンテでそれを試みた。やがてバッハにおいて完成に達するフーガ形式の、ごく初期の姿が聴かれるわけだ。

曲目中(*)がついているのはボローニャの音楽資料館に保存されていた手書き譜によるもの。未出版と思われる。
使用楽器は<CD1>がクリストフォリのコピー。<CD2>は1650年製のルカ・ネリのオルガン。最後の3曲のみ室内オルガン(1986年製)を使用している。

 

Francesco Cera, cembalo & organs

・Recorded in 1996
Tactus TC 601801/TC 601802

Toccate e Correnti, parte prima
Toccate e Correnti, parte seconda

ヴァルトロの演奏で
Toccatas and Correnti [Naxos]
ほかには
Toccatas and Madrigals
La Tavola Cromatica

 
<CD1>
1. Toccata VII
2. Toccata II
3. Corrente I
4. Corrente II
5. Toccata IV
6. Corrente III
7. Corrente IV
8. Toccata V
9. Corrente VI
10. Toccata VI
11. Corrente IX
12. Toccata VIII
13. Corrente X
14. Partite sopra la Romanesca*
15. Toccata 3*
  <CD2>
1. Toccata X
2. Corrente I
3. Corrente II
4. Toccata I
5. Toccata III
6. Corrente VII
7. Corrente VIII
8. Toccata IV
9. Toccata IX
10. Versetto I*
11. Versetto II*
12. Toccata 1*
13. Toccata 2*
14. Toccata 4*
15. Corrente V
16. Corrente VI
17. Corrente IX
 
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