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early music / orchestral / concerto / chamber / instrumental
theatrical / vocal works / contemporary / historical recordings / etc.
 

kapsberger

"Il Tedesco della Tiorba" Kapsberger
Paul O'Dette

カプスベルガー(c.1580-1651)は初期バロックの器楽音楽に多大な影響を及ぼしたリュート奏者だった。しかし多くの追随者を産み出す一方で、保守的な人々からは音楽の破壊者と見なされていたといわれる。
カプスベルガーへの非難の主なものは「旋律がない」というもの。ルネサンス期の器楽音楽はほとんどが歌の旋律をそのまま楽器に移し替えたものだった。つまり、歌えたのである。ところがカプスベルガーはアルペジオだけで曲を作ってしまった(1)。おい、旋律はどこへ行った、というわけだ。
器楽は長い間歌や踊りの伴奏だった。聴くための独立した音楽となっていく過程で、演奏家(=作曲家)たちはその楽器でなければ表現できない奏法を開拓していった。フレスコバルディは鍵盤楽器でないとできない表現を、カプスベルガーはリュートやテオルボ(キタローネ)でなければできない表現を、追求していったのである。
(1)から(4)までが出世作となった『キタローネのためのタブラチュア 第1巻』に含まれるもの。すでに歌謡的旋律から自由になった器楽形式が完成している。最後の7曲は1640年刊の『第4巻』から。

Paul O'Dette, lute

・Recorded in 1989
Harmonia Mundi USA
HMU 907020

♪ Toccata Arpeggianta

廉価盤で
Baroque Lute Music (1)

Virtuoso Lute Music
キタローネ・ヴィルトゥオーソ

 
1. Toccata Arpeggiata (1604)
2. Gagliarda XI
3. Toccata V
4. Aria di Fiorenza
5. Toccata I (1611)
6. Gagliarda I
7. Corrente I
8. Toccata VI
9. Gagliarda X
10. Corrente VII
11. Corrente II
12. Ciachone
13. Toccata V (1611)
 

14. Gagliarde XII
15. Corrente XII
16. Toccata III
17. Gagliarda IV
18. Corrente XI
19. Toccata I (1640)
20. Corrente II
21. Toccata II
22. Bergamasca
23. Kapsberger
24. Colascione
25. Canario

カプスベルガー Kapsberger: Libro Primo d'Intavolatura di Lauto
Hopkinson Smith

カプスベルガーはヴェネツィアの生まれだが、父親がドイツ人だったため「テオルボ弾きのドイツ人」と呼ばれていた。いいとこのお坊ちゃんだったらしい。故郷で『キタローネのためのタブラチュア 第1巻』(1604)を発表して成功を収めたのち、新時代の名手としてローマに移り住む。高貴な家柄のため苦労もなかったようで、順調にこの『リュートのためのタブラチュア 第1巻』発刊にこぎつける。1611年のことだ。その後宗教曲などにも手を広げ、かなりの数の作品を遺している。
この曲集はトッカータ、ガイヤルド、クーラントが中心。400年ほど昔の作品なのだが、ずいぶんモダンにきこえる。それ以前の音楽に較べてモダンなのは当然だが、今の耳で聴いてもモダンなのだ。大胆なハーモニー、シンコペーションの使用、表情の多彩さが要因だろう。トッカータなど聴いていると半音進行や転調の多さにも驚く。カプスベルガーはたいへんなイノヴェーターだったのである。
ホプキンソン・スミスは10コース20弦のリュートを使用。上記オデット盤に較べておとなしい印象もあるが、ていねいな表情づけが好ましい。

 

Hopkinson Smith, lute

・Recorded in 1995
Auvidis Astree
E 8553

Libro Primo d'Intavolatura di Lauto

 

 

1. Gagliarda V
2. Toccata I
3. Canario
4. Corrente VIII
5. Toccata II
6. Corrente VII
7. Toccata III
8. Gagliarda X
9. Toccata IV
10. Corrente X
11. Toccata V
12. Corrente XII
13. Gagliarda XII

  14. Toccata VI
15. Gagliarda IX
16. Gagliarda I
17. Toccata VII
18. Gagliarda III
19. Gagliarda II
20. Toccata VIII
21. Corrente VI
22. Corrente I
23. Toccata Arpeggiata
24. Corrente XI
25. Gagliarda IV
カプスベルガー

Kapsberger: Libro Quarto d'Intavolatura di Chitarone
Rolf Lislevand

カプスベルガーが1640年に刊行した『キタローネのためのタブラチュア 第4巻』。ブックレットはロルフ・リーズルヴァントみずから書いていて、シュトックハウゼンやチック・コリアを引き合いに出している。当時の人々にとってカプスベルガーの出現はそれくらい衝撃的だっただろうというのだ。
オデット盤のところに書いたように1604年の第1巻はちょっとしたセンセーションだったらしい。29年後の第4巻で注目すべきは通奏低音の付加だ。通奏低音はバロック音楽のお約束なのだが、キタローネ(テオルボ)独奏に通奏低音をつけるのはきわめてめずらしい。曲そのものももはや自在の境地に入っており、独特の不思議な世界を現出する。ソロのトッカータはとくにファンタジック。
今回は舞曲が入っているので、通奏低音に打楽器まで加えて演奏している。悪のり?いやいやこれが楽しいのだ。通奏低音には大幅な自由が認められていたのだから邪道とは言えない。テオルボの低音弦からかっこいいベースラインが繰り出され、クラシックとは思えないドライヴ感が味わえる。なんだか400年前のポップスかジャズを聴いているような…。
さいごの『トッカータ・アルペジアータ』はオマケ。1604年の曲集に入っていたいわくつき(?)の名作。

 

Rolf Lislevand, theorbo, colascione
Eduardo Eguez, baroque guitar
Brian Feehan, chitarrone
Guido Morini, organ, cembalo
Lorentz Duftschmid, violone
Pedro Estevan, percussion

・Recorded in 1993
Auvidis Astree
E 8515

Libro Quarto d'Intavolatura di Chitarone

 
1. Toccata I
2. Capona - Sferraina
3. Toccata IX
4. Toccata X
5. Passacaglia in la
6. Canario
7. Ballo Primo
8. Toccata VII
9. Ciaccona
  10. Passacaglia in re
11. Passacaglia in sol
12. Bergamasca
13. Canzone I
14. Toccata II
15. Kapsberger
16. Battaglia
17. Colasione
18. Toccata Arpeggianta
コルベッタ Francesco Corbetta: La Guitarre Royalle
Antonio Ligios

フランチェスコ・コルベッタ(c1615-81)のギター曲集に「王宮の」の文字が付せられているのは、かれがヨーロッパ各地の王侯貴族にギターを教えていたため。若き日のルイ14世もかれにギターを教わっている。ギターはまず高貴な方々の間で流行し、18世紀から19世紀にかけてブルジョワ家庭に、さらに一般市民の家庭へと普及していったのだ。ジュリアーニやカルッリらイタリア出身のギタリスト、ギター教師が活躍するのは19世紀前半。コルベッタはその大先輩ということになる。
この曲集は1671年にパリで発表された。様式はバロック初期。前奏曲といくつかの舞曲で構成される組曲になっている。単独の小品として『スイスのタンブール』『フォリア』を併録。後者はスペイン起源のあの有名な旋律を変容させていくもの。

使用楽器は1676年にパリで製作された楽器のコピー。まさにコルベッタの時代。ちなみに左の絵を描いたワトーはコルベッタの死後3年して生まれている。友人をモデルにして描いたという話が伝わっている。

 

Antonio Ligios, baroque guitar

・Recorded in 1997
Stradivarius Dulcimer
STR 33484

La Guitarre Royalle

Corbetta: Guitar Music
Tinto: Los Otros

 
1. Suite in G minor
2. Suite in G major
3. Tambour de Suisse in G minor
4. Suite in A minor
  5. Folie in D minor
6. Suite in D major
7. Suite in D minor
コルベッタ Corbetta & de Visee: Suites for 2 Guitars & Theorbos
Eric Belloq & Massimo Moscardo

コルベッタによるギター二重奏とロベール・ド・ヴィゼ(c1650-c1725)のテオルボ二重奏の組み合わせ。奏者は二人ともコンセール・スピリチュエルのメンバーで、ピリオド楽器を用いている。
ド・ヴィゼはフランス王室のギター、リュート奏者だった。テオルボ作品も多いが二重奏は珍しいと思ったら、ソロ作品がオリジナルだった。二重奏だと作曲家が施した対位法的な処理が明確に聴きとれるという利点がある。
コルベッタの『王宮のギター』は二巻あり、それぞれルイ14世、チャールズ2世に献呈されている。「ファンファーレ」と名づけられた小品があったり王宮っぽいかも。バロックのポリフォニックな構造が2本のギターで判りやすく奏される。

 

Eric Belloq & Massimo Moscardo, guitars & theorbos

・Recorded in 1996
Naxos International
8.553745

Suites for 2 Guitars & Theorbos

 
1. de Visee: Suite in E minor for 2 Theorbos
2. Corbetta: La Guitarre Royallle for 2 Guitars
3. de Visee: Suite in G major for 2 Theorbos
  4. Corbetta: Concert in E minor for 2 Guitars
5. Corbetta: Sarabande in A minor for 2 Guitars
サンス

Sanz: Instruccion de Musica sobre la Guitarra Espanola
Ernesto Bitetti

スペインのギター音楽史に欠かせないガスパール・サンス(1640-1710)だが、かれの教則本『スペイン・ギター音楽入門』は誤解している人が少なくない。この教則本に掲載されている曲はかれのオリジナルではなく、スペインの民謡や当時の流行歌なのだ。サンスはそれら既存の素材をギター用に編曲し、さまざまな演奏技法を修得できるよう編集したのである。
イエペスが10曲ほどを選んで『スペイン組曲』と名づけて頻繁に演奏したため、そちらを聴いたことのある人は多いと思う。またロドリーゴが書いた『ある貴紳のための幻想曲』はすべてこの教則本にある旋律で構成されている。
この2枚組は“Integral”と銘打ってあるので、それを信じれば全曲録音ということになる。メキシコのギタリスト、エルネスト・ビテッティはいつもながらのくつろいだアプローチで膨大な数の小品をすいすいこなしていく。イエペスみたいな謹厳実直スタイルだとしんどくなってしまうかも知れないので、適任だったといえる。

 

Ernesto Bitetti, guitar

・Recorded in 1984
Hispavox
CMS 5 66023 2

Complete Works of Gaspar Sanz

Bitetti Plays Rodrigo
Sanz: Spanish Guitar Music
スペイン・ギター作品集

 
<CD 1>
1. Libro Primo
2. Libro Segundo (Part 1)
  <CD 2>
1. Libro Segundo (Part 2)
2. Libro Tercero
ホプキンソン・スミス Sanz: Instruccion de Musica sobre la Guitarra Espanola
Hopkinson Smith

1674年刊のサンス『スペイン・ギター音楽入門』抜粋。演奏は古楽界の重鎮ホプキンソン・スミスで、もちろんバロック・ギターを使用している。上記ビテッティ盤は現代の楽器を用いたクリアな演奏なので学習者にはいいかも知れない。スミス盤は鑑賞用というか、当時の音色を楽しみたい人にはお奨めだ。左のヴェラスケスの絵に見るように、楽器が小さく弦の張りも弱いのでインティメイトな雰囲気が味わえる。くれぐれも大きい音でお聴きにならぬよう。端正丁寧で情感を込めたスミスの演奏にも好感がもてる。
選曲もいい。有名な『マリサパロス』『ラントゥルル』や教会旋法による『パッサカリア』、愉快な舞曲、ラッパを模した曲、英国やフランス起源の曲など、さまざまなタイプの曲が選ばれている。

 

Hopkinson Smith, baroque guitar

・Recorded in 1995
Auvidis Astree
E 8576

Sanz: Instruccion de Musica sobre la Guitarra Espanola

Baroque Guitar (Bream)
Encuentro Sanz & Santa Cruz

 
1. Clarines y Trompetas
2. Marizapalos
3. La Esfachata de Napoles
4. La Minina de Portugal
5. La Minona de Cataluna
6. La Coquina Francesca
7. Zarabanda
8. Passacalles por segundo tono
9. Jiga al Aire Ingles
10. Pavanas con Partidas al Aire Espanol
11. Jacaras I
12. Fuga
  13. Matachin
14. La Tarantela
15. Preludio o Capricho Arpeado
16. Zarabanda Francesa
17. Preludio y Fantasia
18. Clarin de los Mosqueteros del Rey de Francia
19. Folias
20. Jacaras II
21. Passacalles por quatro tono punto alto
22. Lantururu
23. Cancion
24. Canarios
 
バロック音楽 1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 / 7 / [8] / 9 / 10
early music / orchestral / concerto / chamber / instrumental
theatrical / vocal works / contemporary / historical recordings / etc.