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リュート作品ほか 1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 / 7 / 8 / 9 / [10]
early music / orchestral / concerto / chamber / instrumental
theatrical / vocal works / contemporary / historical recordings / etc.
 

クイケン

Corelli: 12 Concerti Grossi, Op.6
La Petite Bande/ Kuijken

アルカンジェロ・コレッリ(1653-1713)は長いこと合奏協奏曲(コンチェルト・グロッソ)の創始者と目されてきた。実際はそうでもなかったらしいのだが、かれがこの分野で最初の傑作群を産み出した人物であることは間違いなさそうである。12曲からなる『作品6』はコレッリの死の翌年、弟子たちの協力のもとアムステルダムで出版された。ただ1681年頃にローマを訪れたゲオルク・ムファトがコレッリ本人の指揮による演奏を聴いたと記しており、このころすでにいくつかの作品は完成していたと考えられている。推敲をかさね、彫琢を施したのちに出版するのが常だったコレッリのこと、時間がかかったのも無理はないのかも知れない。
ジギスヴァルト・クイケン率いるラ・プティット・バンドはナチュラルな響きで作品の古典的な均衡と品のよさを再現して見事。録音は1976年から翌年にかけて行われ、ドイツレコード批評家賞を受賞した。人数が少なくてスケール感やのびやかさには乏しい気がするが、名演といっていいだろう。有名曲だけに全曲録音は多く、現代楽器でもマリナー、イ・ムジチなどすぐれた録音が目白押し。ファースト・チョイスとしてはそれらの盤と当盤、あるいはシャープで闊達なピノック盤あたりから選ぶのがいいと思う。ピノック盤は脚さばきがよくて都会的な美女のイメージ。クイケン盤は清楚な村娘のイメージ。

1. 合奏協奏曲 第1番 ニ長調 作品6の1
2. 合奏協奏曲 第2番 ヘ長調 作品6の2
3. 合奏協奏曲 第3番 ハ短調 作品6の3
4. 合奏協奏曲 第4番 ニ長調 作品6の4
5. 合奏協奏曲 第5番 変ロ長調 作品6の5
6. 合奏協奏曲 第6番 ヘ長調 作品6の6
7. 合奏協奏曲 第7番 ニ長調 作品6の7
8. 合奏協奏曲 第8番 ト短調 作品6の8 「クリスマスコンチェルト」
9. 合奏協奏曲 第9番 ヘ長調 作品6の9
10. 合奏協奏曲 第10番 ハ長調 作品6の10
11. 合奏協奏曲 第11番 変ロ長調 作品6の11
12. 合奏協奏曲 第12番 ヘ長調 作品6の12

La Petite Bande
Sigiswald Kuijken, direction

・Recorded in 1976&77
Deutsche Harmonia Mundi
77007-2-RG (2CDs)

12 Concerti Grossi, Op.6

Trevor Pinnock
I Musici
Neville Marriner

アンサンブル415 Corelli: 12 Concerti Grossi, Op.6
Ensemble 415/ Banchini/ Christensen

コレッリの『12の合奏協奏曲集 作品6』の大編成版。ローマにおいてコレッリ自身の指揮で催されたという屋外演奏会の再現である。第1番から第8番までの「教会コンチェルト」が39名で、残る「室内コンチェルト」4曲が20名の編成で演奏されている。この人数については当時のさまざまな演奏記録から割り出したもの。オラトリオなどは100名を超す人数で上演された記録もあり、大編成はそれほど珍しいものではなかったらしい。最近の古楽器演奏は各パート1人などという人数を切りつめた編成で演奏することが多いので、39名のコンチェルト・グロッソは新鮮である。

コンチェルト・グロッソは合奏を大小の二群に分ける。大きいほうがリピエーノ、小さいほうがコンチェルティーノである。コンチェルティーノはヴァイオリン2本と通奏低音、つまりトリオソナタの編成。この小グループとリピエーノ(トゥッティ)の対比によって曲が作られていく。コレッリの作品では楽章の冒頭部分はふたつのパートが仲よく進み、途中から独自の動きをみせ始める。コンチェルティーノが先行してリピエーノがそれを追いかけたり、別旋律を奏したり、さまざまに変化していくのである。このアルバムではリピエーノの人数が多いので音量の差が大きく、その辺りをききとりやすい。なお収録順は下記のとおりで教会コンチェルトと室内コンチェルトがランダムにあらわれる。

1. 合奏協奏曲 第1番 ニ長調 作品6の1
2. 合奏協奏曲 第2番 ヘ長調 作品6の2
3. 合奏協奏曲 第9番 ヘ長調 作品6の9
4. 合奏協奏曲 第3番 ハ短調 作品6の3
5. 合奏協奏曲 第10番 ハ長調 作品6の10
6. 合奏協奏曲 第4番 ニ長調 作品6の4
7. 合奏協奏曲 第5番 変ロ長調 作品6の5
8. 合奏協奏曲 第11番 変ロ長調 作品6の11
9. 合奏協奏曲 第6番 ヘ長調 作品6の6
10. 合奏協奏曲 第12番 ヘ長調 作品6の12
11. 合奏協奏曲 第7番 ニ長調 作品6の7
12. 合奏協奏曲 第8番 ト短調 作品6の8 「クリスマスコンチェルト」

 

Ensemble 415
Chiara Banchini & Jesper Christensen, direction

・Recorded in 1991
Harmonia Mundi France
901406.07 (2CDs)

12 Concerti Grossi, Op.6

1-6

7-12

Corelli: 12 Concerti Grossi, Op.6 1-6/7-12
Modo Antiquo/ Banchini/ Sardelli

上記大編成版でも驚いたが、この管楽器入りの『合奏協奏曲集 作品6』はさらに衝撃的だった。弦楽器だけの編成のはずなのに、フルート、オーボエ、トランペットが加わっているのである。これも史実に基づいて録音されたのだという。ローマでオットボーニ枢機卿(コレッリのパトロン)の援助で催された演奏会で、コレッリ本人の指揮による管楽器入り合奏協奏曲が演奏されたことが判明。このアルバムはそれを再現した録音なのである。そのときの楽譜は現存しないため、1714年の通常版楽譜から再構成している。
すぐ想像がつくように、華やかさと明るさ、色彩感のある曲に変貌している。ただ管楽器は独立パートというより基本的に弦にダブらせるように書かれており、曲そのものが変わったという印象はない。色彩的要素が付加されたという感じだ。ほんとうにこのように演奏されたのかは確かめようがないが、それなりに根拠のある処置なのだろう。
コンチェルティーノとリピエーノ(コンチェルト・グロッソ)には大小の対比のほかに音色の対比も生まれることになり、その意味ではたいへんわかりやすい演奏形態といえる。長調の曲はとくにその晴れやかさが心地よく、ときに祝祭的な響きさえ感じる。これは弦楽合奏版では得られなかったものだ。サルデッリのアタックを利かせたきびきびしたアプローチも今どきのイタリア古楽ふうである。

(曲目はクイケン盤参照)

 

Modo Antiquo
Federico Maria Sardelli, directionr

・Recorded in 1997
Tactus TC 650307/TC 650308

Concerti Grossi 1-6
Concerti Grossi 7-12

ラ・フォリア Corelli: 6 Sonate per flauto e basso
Claudio Ferrarini

コレッリの『ヴァイオリンソナタ集 作品5』は1700年にローマで出版された。わずか2年後にはロンドンでリコーダー版が出版され、1720年までに20回も再版されるほどの人気だったという。出版者の名前をとってウォルシュ版と呼ばれるこの曲集は全12曲のうち後半7曲を編曲したもので、有名な『ラ・フォリア』を含む。
このクラウディオ・フェッラリーニの演奏はそのウォルシュ版をもとにしたもの。装飾音は自分で工夫したらしい。フルート(現代楽器)を使用しているのでけっこう華やか。しかし驚かされるのは『ラ・フォリア』だ。鳥のさえずりや雷鳴などの効果音入りなのだ。邪道である。しかしなぜか楽しいから困ったものである。もの憂い雨模様の昼下がりなんぞに聴くとぴったりはまってしまうのがおそろしい。ほかの曲は「しかけ」のない演奏で、フェッラリーニにしてはしっとりしたていねいな仕上がり。物好き向きの一枚ではあるが、個人的にははずせない(笑)。
おまけで入っているイ短調の『ボローニャソナタ』がめずらしい。出版されていないのはもちろん、ほかのアルバムでも聴いた覚えがないのだ。教会ソナタの型式をとり、典雅で美しい作品。ボローニャの図書館で発見されたもので、もとはヴァイオリン用だったと推測されるという。

1. Sonata "La Folia" in G minor, Op.5 No.12 - Tema e 22 variazioni
2. Sonata in C major, Op.5 No.9
3. Sonata in G major, Op.5 No.10
4. Sonata in G minor, Op.5 No.7
5. Sonata in G minor, Op.5 No.8
6. Sonata in G major, Op.5 No.11
7. Sonata in A minor "di Bologna"

 

Claudio Ferrarini, flute
Francesco Corelli, cembalo (Grimaldi)

・Recorded in 1996
Mondo Musica MM960008

6 Sonate per flauto e basso

walsh1702 Corelli: Sonates pour flute a bec et basse continue
La Serenata

こちらが真正のウォルシュ版。フリュート・ア・ベックというのはリコーダーの仏名である。ソロはクリスチャン・メンドウズ、通奏低音はジョルジオ・バルボリーニのクラヴサン、ブルーノ・レのヴィオラ・ダ・ガンバ。まずは標準的な演奏と考えていいだろう。調性は楽譜どおりのようだが装飾音は独自のものが加えられているという。手許にはヴァイオリン版の楽譜しかないが、リコーダー版は演奏しやすいように調性を変え、旋律を単純化し、音域をせまく設定して超絶技巧の持ち主でなくても吹けるように編曲されているのだそうだ。調性についてはヴァイオリン版と較べてみていただきたい。原曲どおりのものはなく、ト短調、ト長調が多くなっている。リコーダーはヴァイオリンの音域をカヴァーできないため、高音域はオクターヴ低く、低音域は逆に高くしてある。結果としてヴァイオリン版のような華やかさが乏しくなる。とはいえリコーダーのやわらかな音色で『ラ・フォリア』など数々の名作ソナタを聴けるのは楽しいかぎりである。

フランス・ブリュッヘンはセオンにこの6曲を録音している(1979年)。しかしかれはウォルシュ版を採用せず、独自の編曲を用いた。調性も旋律もコレッリのヴァイオリン版に則り、驚くべき技を聴かせてくれる。そういうとんでもない名手の演奏と較べるとウォルシュ版はずいぶんシンプルでおとなしい印象があるわけだが、楚々としたたたずまいに癒されるのもたしか。また録音するくらいの人は素人じゃないわけで、調性はいじらなくても装飾音をたっぷり付加して派手にしている場合もある。メンドウズの再録音はかなり華やかだという話だが未聴。

1. Sonata No.7 in G minor, Op.5 No.7
2. Sonata No.8 in G minor, Op.5 No.8
3. Sonata No.9 in C major, Op.5 No.9
4 Sonata No.10 in G major, Op.5 No.10
5. Sonata No.11 in G major, Op.5 No.11
6. Sonata No.12 "La Folia" in G minor, Op.5 No.12

 

<La Serenata>
Christian Mendoze, flute a bec
Giorgio Barbolini, clavecin
Bruno Re, viola da gamba

・Recorded in 1988
Pierre Verany
PV.789022

Sonates pour flute a bec

ブリュッヘン(Seon)
Ensemble Fitzwilliam
Fiori Musicali
Christian Mendoze 1-6
Christian Mendoze 7-12

涙のパヴァーヌ

corelli

ジョルジオーネ

Corelli: Sonate per Viola da Gamba & basso continuo
Guido Balestracci

アルカンジェロ・コレッリの『ヴァイオリンソナタ集 作品5』は1700年の出版直後からヨーロッパ中の評判となり、規範と見なされるほどの高い評価を得た。バロック中期から後期への転換期にあって、器楽の充実発展に果たしたコレッリの役割はとてつもなく大きいものだったが、最も影響力の大きかったのが『作品5』だった。
『作品5』の影響はヴァイオリンという範囲にとどまらず、英国では上記のようなリコーダー版が、フランスでは当アルバムのようなヴィオラ・ダ・ガンバ版が作られて広く流通した。ほかの楽器の奏者が自分の楽器で演奏したいと思うほど、『作品5』は魅力的だったのだろう。

このバレストラッチ盤はパリ国立図書館所蔵の楽譜を使用している。楽器が楽器なのでどの曲も渋い。まず気づくのはテンポのちがいだろうか。ところどころオリジナルより遅い楽章があり、それは楽譜の指定なのだそうだ。たしかにヴィオラ・ダ・ガンバは鈍重な楽器であり、ヴァイオリンなみのテンポでは弾ききれないのだろう。重く地味な音色になるのでそれにふさわしいテンポというものもある。しかしそれが結果として編曲臭を消すことになったのかも知れず、ナチュラルな運びが心地よい。転調された曲もいくつかあるようだが、それも問題はない。やわらかくて深みのあるガンバの魅力をたっぷり味わうことができ、優雅に落ち着いた雰囲気を楽しめる。装飾音についてはロジェ版を基本にしている曲があった。それ以外は奏者オリジナルの装飾音が施されているそうで、これが即興性を感じさせてなかなか楽しい。
ロジェ版というのは1710年にオランダで出版されたものを指し、コレッリが書き残したとされる装飾譜例が付せられていた。これはのちにコレッリの真作ではないことが判明したというが、メルクス盤などこの譜例を用いた録音がいくつかある。

 

Guido Balestracci, viola da gamba
Eunice Brandao, viola da gamba (CD1)
Paolo Pandolfo, viola da gamba (CD2)
Gaetano Nasillo, cello
Eduardo Eguez, tiorba (CD1)
Luciano Contini, arciliuto (CD2)
Massimiliano Raschietti, organ, cembalo

・Recorded 1998 & 2001
Symphonia SY 98163
Symphonia SY 01189

Viola da Gamba Sonatas, Vol.1
Viola da Gamba Sonatas, Vol.2

 
<CD1>
1. Sonata III
2. Sonata X
3. Sonata XI
4. Sonata V
5. Sonata VII
  <CD2>
1. Sonata IV
2. Sonata VIII
3. Sonata VI
4. Sonata I
5. Sonata IX
6. Sonata XII "La Follia"
エンリコ・ガッティ Corelli: Sonate da Chiesa
Ensemble Aurora/ Gatti

コレッリの『12のトリオソナタ集 作品3』全曲と遺作7曲を収録した2枚組。1689年に出版された『作品3』はソナタ・ダ・キエーサ(教会ソナタ)で『作品1』(1681年)と同じ曲種。遅/速/遅/速の4楽章構成を基本とし、2つのヴァイオリンと通奏低音という3声のために書かれている。『作品1』と較べると書法は念入りになっており、ヴァイオリンの対位法はさまざまな工夫に満ちて刺激的。通奏低音も以前より書き込みが多くなっているようで、低声部の動きがきっちり指定されている部分がある。
教会ソナタは教会の典礼で(ミサなどに組み込まれて)演奏されたはずであり、そう思うと技巧的に華やかすぎないかと思うことがよくある。しかしガッティたちのしっとりした丁寧なアプローチは祈りの場での演奏を髣髴させ、説得力をもつ。どこやら哀しく、イタリア人だから明るいかと思うとはずされる。表紙の『悔悟のマッダレーヌ』の雰囲気そのままなのである。

遺作とされる作品は15曲ほどあり、このアルバムはそのうち教会ソナタのみを7曲採り上げている。ニ長調のソナタ(WoO 4)はなんとトランペット入りである。ナチュラルトランペットのやわらかく典雅な響きがコレッリの美旋律を歌うのは快感そのもの。楽譜がヴィーンで発見されたため真贋を疑う人もいるそうだが、これだけ美しければ誰でもいい。あと6曲はじつは『2つのヴァイオリンとオルガンの通奏低音のためのトリオソナタ』として作曲者の没後(1714年)に出版されたもの。コレッリの意図に反して出版されたこともあり、信憑性が疑われている。聴いたかぎりでは充分コレッリふうで完成度も高く、出版するほどではないが捨てるに忍びなくて遺して置いたと思えなくもない。

01. Sonata I in Fa maggiore, Op.3 No.1
02. Sonata II in Re maggiore, Op.3 No.2
03. Sonata III in Si bemolle maggiore, Op.3 No.3
04. Sonata IV in Si minore, Op.3 No.4
05. Sonata V in Re minore, Op.3 No.5
06. Sonata VI in Sol maggiore, Op.3 No.6
07. Sonata VII in Mi minore, Op.3 No.7
08. Sonata VIII in Do maggiore, Op.3 No.8
09. Sonata IX in Fa minore, Op.3 No.9
10. Sonata X in La minore, Op.3 No.10
11. Sonata XI in Sol minore, Op.3 No.11
12. Sonata XII in La maggiore, Op.3 No.12
13. Sonata in Re maggiore, WoO 4
14. Sonata in La maggiore, WoO 5
15. Sonata in Re maggiore, WoO 6
16. Sonata in Re maggiore, WoO 7
17. Sonata in Re maggiore, WoO 8
18. Sonata in Sol minore, WoO 9
19. Sonata in Sol minore, WoO 10

 

Enrico Gatti, violin
Odile Edouard, violin
Guido Morini, organ or clavecin
Alain Gervreau, cello
Karl-Ernst Schroder, chitarrone
Gabriele Cassone, trumpet

・Recorded in 1997
Arcana A902 (2CDs)

Corelli: Sonate da Chiesa

 
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