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美術の本 |
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Karl
Blossfeldt
ブロッスフェルト(1865〜1932)は造形の教師をしていた。しかしかれが造形の教材として使用していたおびただしい数の植物写真は、いつしか教材の枠を超え、芸術作品として高く評価されるようになった。年譜をみるとバウハウスで個展を開いたと記してある。
かれの写真はほとんどが茎や葉、芽、種子などのクローズアップ。自然の造形の美しさ、多彩さを学生たちに見せ、教材として利用したと考えられる。身近なはずの植物も一部分を切り取って拡大することによって思いがけない形や表情を見せる。宇宙船みたいな種子がある、人間の顔みたいな新芽、現代アートのオブジェみたいな南瓜の蔓も…。
かれの卓抜な着眼には恐れ入る。真似したくなるが、マクロレンズを引っぱり出して手近の野菜や草花を写してもこうはいかない。被写体が厳選されているのだ。セッティングも念入りである。情熱、技術、センスが揃ってはじめて可能になる、きわめて完成度の高い作品たち。見飽きることのない素晴らしい造形。
○本の内容はお見せできないので→こちらをどうぞ
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Blossfeldt
(MIDSIZE)
こちらもおすすめ
Art
Forms in the Plant World
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Annunciation(受胎告知)
ビザンチンのモザイクからジオット、フラ・アンジェリコを経てウォーホルに至るまで、さまざまな画家・彫刻家たちの「受胎告知」を集成した美しい画集。英国の名門Phaidon社から出ているNew
Testament Seriesの一冊。他に「磔刑」「降架」「最後の晩餐」がある。
120点を超える「受胎告知」はそれぞれ完成度が高く個性的で、見ごたえは充分。お決まりのフラ・アンジェリコは3点しか選ばれていないが、ふだん目にしないプッサン、ドニ、ティソ、マグリットらの作品に触れられるのは貴重。ステンドグラスや中世の写本からとられた作者不詳の作品も美しい。制作年代がさまざまなので、静謐な中世の作品、動きのあるバロック作品、解釈の自由な20世紀作品、といった時代ごとの作風のちがいもよく分かる。
16×14cmとコンパクトで装幀もお洒落。ギフトにも最適な一冊。ただし「磔刑」と「降架」の二冊は非キリスト教徒には残酷に見えると思うので、念のため。
○装幀が金色なのでうまく写せなかった。写真はフラ・アンジェリコ。
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Annunciation
「最後の晩餐」100%
Last
Supper
「磔刑」100%
Crucifixion
「降架」100%
Descent
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Edward
Hopper
表紙の作品はホッパーの代表作“Nighthawks”。大都会のワンシーンを描いている。当時最新だった蛍光灯や巨大板ガラス、深夜にも活動する人々。それらは米国文明の繁栄を示すものなのだが、描かれた人々はそれを謳歌しているようには見えない。
ホッパーを描いたカリカチュアがある。神経質そうなやせた少年が分厚い本を二冊抱えているもので、一冊にはフロイト、もう一冊にはユングと書いてある。たしかにかれが心理学を学んでいたと思いたくもなる。大都会の孤独。かれの作品を見るものは誰しもそれを感じとるだろう。複数の人間が描かれた作品でさえ、そこに会話がないものが多い。歴史もなく、風土もなく、絆もなく、分断された「個」となってしまった人間たち。お洒落なティールームの中で、開放的なモーテルのソファの上で、ピアノのあるリビングで、かれらは満たされない表情をして黙っている。風景を描いても同じだ。灯台も、ビルも、ガソリンスタンドも、ドラッグストアも、トンネルも、深い孤独と空虚感をただよわせる。
20世紀前半の米国の姿は、今や他国の話でも過去の話でもない。何もかも手に入れたはずの文明生活。しかし何かが失われている。欲望を原動力として突き進んできた資本制社会、大量消費生活。それは正しいものだったのか。つき動かされてきたものからふと我にかえったとき、わたしたちもかれらのような表情を浮かべてしまうのではないか。…怖い作品たちである。
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Edward
Hopper
ハードカバーで
Edward
Hopper
こんなCDが出ている
Nighthawks
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Modigliani
: Phaidon Colour Library
薄幸の画家モディリアニ。破滅型天才の典型のような生涯を送り、35歳の若さで命を終えている。1958年の映画「モンパルナスの灯」をご記憶の方も多いだろう。主演したジェラール・フィリップもわずか36歳で亡くなっているため「いわくつき」とまで言われる映画である。自暴自棄とも思えるその一生は映画そのままだったという。
この画集ではかれの生涯とその作品を手短にたどることができる。独自の作風を確立する前の作品からブランクーシに学んでいた頃の彫刻作品やデッサン、得意の肖像画から裸婦にいたるまでの全容が一望できる手頃な一冊。
師のブランクーシが形態の単純化から抽象に至ったのに対し、モディリアニは人物表現にこだわりつづけ、人物の内面描写に卓越した才能を発揮していった。かれの肖像画の魅力は描かれた人物の魅力をそのまま写しとったところにある。この画集は肖像画が多く収録されている。友人スーチン、コクトーはじめ、かれをとりまくさまざまな人物の素顔を見ることができる。ジャンヌ・エビュテルヌの肖像がほとんどないのが不満と言えば不満だが…。
裸婦は多くない。かの女たちの文字どおり赤裸々な姿はあまりにインパクトが強くて、個人的には少々苦手なのだが、見る者の前にぽーんと投げ出された無防備な肢体の存在感!ここまで単純化されてなお生々しい体温を感じさせるとは。たとえば表紙の作品。温かい血の流れる裸体と冷たい色をした壁との対比が描かれた女の境遇を象徴しているようで、容易に正視できない。描いたモディリアニ自身の姿まで重なって見えてくるからだろうか。
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Modigliani
(Colour Library)
こちらも手頃
Amedo
Modigliani 1884-1920
モンパルナスの画家たち
The
Artists of Montparnasse
和書では
モディリアニ
(岩波世界の巨匠)
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Whistler:
Phaidon Colour Library
ホイッスラーは表紙の『うちわを持つ少女』をはじめ、母親の肖像など人物画ばかり紹介されるような気がする。しかしかれは風景画の傑作も多数遺しており、この画集はその代表作の多くがおさめられた貴重な一冊だ。
かれが「色彩の画家」であることも、風景画を見ればよく分かる。移ろいゆく光の一瞬をとらえた美しい色彩のシンフォニーはモネに通じるものがある。南米チリで描いた『ヴァルパライソ』は日没の数時間で一気に描き上げたと言われる傑作。微妙な色合いの美しさには感嘆するしかない。浮世絵の影響を示す橋げたを大胆にトリミングした作品では、霧にけむる水面と黒いシルエットと化した橋との白と黒の画面構成がまるで抽象画のよう。ほかにも抽象の一歩手前まで近づいた作品がいくつかある。
それらを見たあとで人物画を見ると、人物画でも色彩の構成が主要なテーマになっていることに気づく。色の組合せ、配置への細心の配慮。
このシリーズ(Colour Library)は価格もさることながら、大判であること、1作品1頁であることが大きいメリット。見開きだと綴じの部分が見えないことがあるので、こういう編集はありがたい。各作品の制作経緯が簡略に付されているのも鑑賞の参考になる。
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Whistler
(Colour Library)
邦訳版も出ている
ホイッスラー(西村書店)
ハードカバーで
Whistler:
Uneasy Pieces
読み物としては
Whistler
and His Mother
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Sisley:
Phaidon Colour Library
印象派に分類される画家の中で、シスレーはとくに地味な存在だ。個性に乏しいとか、モネのまねだとか評されることもある。さいごのほうに載っている大聖堂の絵はたしかにモネと同じ題材であり、連作を描いたという点でも共通する。しかしモネの関心が光と色彩にあり、果てしなく抽象に近づいていったのに対し、シスレーの作品から「形」が失われることはなかった。シスレー作品の根底には風景そのものへの愛情がある、と思う。だから形がなくなるなどあり得ないことだったのだ。
シスレーの風景画からは暖かさ、寒さ、風や光が感じられる。街並みや鉄橋や並木道が、それら climate と一体となってキャンバスに描かれたとき、見るものはシスレーのやさしいまなざしを追体験するのだ。自然とともにある人間の営み。人物はほとんど出てこないけれども、静かな街並みが空虚に見えないのはそのためだろう。
シスレーは認められることなく不遇のまま死んでいった。作風同様人間的にも控えめな人物だったそうだ。しかし完成度の高い作品からは並々ならぬ情熱が感じられる。こんなに美しくおだやかな作品がなぜ受け容れられなかったのか不思議でならない。
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Sisley
(Colour Library)
邦訳版はこちら
シスレー(西村書店)
ハードカバーでは
カラー図版の豊富な
Alfred
Sisley
読み応えのある
Alfred
Sisley
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Cubism:
Phaidon Colour Library
解説ページの最初に出てくる図版はパリ時代のピカソの妙にハンサムな写真、次がブラックの油彩。キュビスムはこの二人が中心人物だから当然だろう。ただ解説文には二人の出逢いや共同作業についての記述は多くない。世界中に視野を拡げているのでやむを得ない。
カラー図版の最初はセザンヌの静物画だ。かれは20世紀美術の祖であり、前衛芸術の生みの親とされている。セザンヌの立体のとらえ方はキュビスムに直結しているのだ。ほかに収録されている画家・彫刻家はレジェ、シャガール、グリス、ドローネー、デュシャン、アルキペンコ、ピカビア、モンドリアン、マルク、オザンファンなど。意外な感じのする人物も混じるが、いわれてみればなるほどキュビスムなのである。
キュビスムがいかに広汎なムーヴメントだったかが分かる興味深い一冊。個人的にはブラック作品が多いのがうれしい。かれこそはもっとも熱心なキュビストだったし、優れた色彩感覚の持ち主でもあった。ピカソやグリスにブラックそっくりの色使いの作品があるのも面白い発見だった。
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Cubism
(Colour Library)
邦訳版はこちら
キュビスム(西村書店)
同様の画集は
Cubism
(Basic Art) The Cubist Epoch
ブラックとキュビスム
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美術の本 |
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