ブラスバンド、吹奏楽
フィリップ・スパーク   アドマックス「カフェ」  
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ネス湖

Johan de Meij: Loch Ness, etc.

表題曲はヨハン・デ・メイの『ネス湖』。バグパイプを使用した民族色濃厚な交響詩である。時の移ろいとともに姿を変えていく幻想的なネス湖の風景が目に浮かぶ。バンドはうまいのだが嵐の部分など少しばかり迫力不足を感じる。
コジェフニコフの『交響曲第3番《スラヴェンスカ》』も民族色を前面に押し出した作品。第1楽章の民謡素材の舞曲は迫力満点。実にワイルドである。第2楽章の叙情的な旋律との対比があざやかだ。
アプシルの『ルーマニアーナ』はよく演奏される作品で、ルーマニアの各地方で採集した旋律を用いたもの。5楽章からなる組曲。人気に見合うほどの曲だとは思えないのだが、どうだろう。楽しい曲だとは思うが。
ニクソンの『パシフィック・セレブレーション組曲』も人気作だ。この4曲の中では一番アヴァンギャルドな響きをもっている。祝祭的な盛り上がりがすばらしく、難解さはない。思索的な第2楽章の《祈り》は傾聴に値する。両端楽章を際立たせるだけでなく、テンションを保った深い音楽になっている。

 

The Dutch Royal Military Band
Pierre Kuijpers, conductor

・Recorded in 1990
Ottavo Recordings
OTR C39029

Loch Ness

ヨハン・デ・メイは
こちらも

 
1. Boris Kozjevnikov: Symphony No.3 "Slavenska"
2. Johan de Meij: Loch Ness - A Scottish Fantasy
3. Jean Absil: Roumaniana op.102
4. Roger Nixon: Pacific Celebration Suite
カレル・フーサ

カレル・フーサ:プラハのための音楽 1968 他

ドナルド・ハンスバーガー指揮イーストマン・ウインド・アンサンブルによるフーサの名曲『プラハのための音楽 1968』。1968年のワルシャワ条約機構軍チェコ侵攻に抗議して書かれたものだが、政治的背景を知らなくても十分感動的な作品だ。4楽章からなり、祖国の古謡の引用、打楽器用法の工夫、木管のブレンドの妙など、作曲技法上も聴きどころが多い。吹奏楽界屈指の名曲のひとつ。
ヴォーン=ウィリアムス最晩年(1957年)の『吹奏楽のための変奏曲』もよく書き込まれた名曲。老人の作品とは思えないほど意欲的で若々しい。主題と11の変奏で構成され、リズムやテンポの変化、カノン、フーガ、コラールなどの技法の変化で聴かせる。オリジナルはブラスバンド用なので、ハンスバーガーがウインド・アンサンブル用に編曲した版を用いている。
コープランドの『クワイエット・シティ』はウィントン・マルサリスがゲスト参加。美しくもの憂い曲調にかれの美音がぴったり合っている。聴いているとホッパーの絵を見ているような虚脱感さえ覚える。

 

ドナルド・ハンスバーガー指揮
イーストマン・ウインド・アンサンブル
ウイントン・マルサリス(トランペット)

1988年録音

国内盤は
プラハのための音楽
輸入盤は
Quiet City

『変奏曲』のブラスバンド版は
Brass Links

ホッパーの画集は
Edward Hopper:1882-1967

 

1. ヴォーン=ウィリアムス:トッカータ・マルツィアーレ
2. ヴォーン=ウィリアムス:吹奏楽のための変奏曲
3. ヒンデミット:吹奏楽のための演奏会用音楽(作品41)
4. コープランド:クワイエット・シティ
5. フーサ:プラハのための音楽 1968

フレデリック・フェネル

Stars & Stripes: Frederick Fennell

この人を出さないわけにいかない。フレデリック・フェネル。神さまである。神さまが名人ばかりのクリーヴランド管弦楽団の管楽セクションを率いて録音した名曲集。悪かろうはずがない。
とくにお薦めはヴォーン・ウィリアムスの『イギリス民謡組曲』。演奏する側も聴く側も楽しませる名曲中の名曲。親しみやすい旋律が次々とあらわれ、無類の楽しさ。同じ英国からグレインジャーの『リンカーンシャーの花束』も収録。これも民謡素材の曲だが表情ゆたかで起伏に富む。散漫にならないところがさすがだ。米国代表サミュエル・バーバー『コマンド・マーチ』のかっこよさも魅力。モダンな響きをもった作品で、切れのいい演奏が冴えわたる。
ほかにも『錨を上げて』『星条旗よ永遠なれ』『ラデツキー行進曲』などしつこいくらいの名曲大サービス。あえて文句をつけるならうますぎることかな。とても真似できないから。

 

The Cleveland Symphonic Winds
Frederick Fennell, conductor

・Recorded in 1978 & 79

Stars & Stripes

フレデリック・フェネル、語る

 

1. Arnaud: Three Fanfares
2. Barber: Commando March
3. Leemans: Belgian Paratroopers
4. Fucik: Florentiner, Op. 214
5. Karl King: Barnum and Bailey's Favorite
6. Alfred Miles: Anchors Aweigh

  7. Strauss: Radetzky March
8. Vaughan Williams: Sea Songs
9. Sousa: The Stars and Stripes Forever
10. Vaughan Williams: Folk Song Suite
11. Grainger: Lincolnshire Posy
12. Grainger: .Shepherd's Hey
サーカス・マーチ

Screamers / March Time: Frederick Fennell

フェネルのマーチ集。サーカス・マーチを集めたアルバム“スクリーマーズ”の16曲とゴールドマン作品を含む“マーチ・タイム”の12曲。
“スクリーマーズ”の演奏がみんなテンポが速めなのはサーカス用だからで、とても行進なんかできないような速いものがある。サーカスの定番カール・キングも4曲あるが、ヘンリー・フィルモアの『ローリング・サンダー』がえらくかっこいい。こんなアップテンポで完璧に吹ききってしまうイーストマンのうまさにも舌を巻く。おなじフィルモアの『ボーンズ・トロンボーン』は一転してユーモラスな作品。かれはトロンボーンの名手でもあった。フチークの『雷鳴と稲妻(別名「剣士の入場」)』も愉快な曲。だれでも聴けば「ああ、あの曲か」と思うだろう。
後半の“マーチ・タイム”はまずゴールドマン作品が6曲つづく。親しみやすい明快な作品ばかりだ。なかでも『子供のマーチ』は『メリーさんの羊』や『ジングルベル』が引用され、ネコやニワトリの鳴き声まできこえる。フェネルたちの演奏もリラックスして楽しげだ。

 

Eastman Wind Ensemble
Frederick Fennell, conductor

・Recorded in 1957 & 62

Screamers(Circus Marches)
スクリーマーズ

 
-スクリーマーズ
1. 嵐と陽光の中に
2. 鞭と拍車
3. インヴィクタス
4. ビッグ・ケージ
5. ボーンズ・トロンボーン
6. ゼム・ベイシズ
7. サーカスの人気者
8. スクリーマー
9. 雷鳴と稲妻
10. ロビンソンの堂々たる入場
11. サーカスの日々
12. ホラ吹き
13. スキーラー
14. ローリング・サンダー
15. ベネットの凱旋
16. ブラヴーラ
  -マーチ・タイム
17. ラッパと太鼓
18. 「イリノイ」行進曲
19. 子供のマーチ
20. インターローケン・ボウル
21. 前進,上昇
22. アメリカのボーイ・スカウト
23. 我らアメリカ人
24. 当直士官
25. グランディオーソ
26. コネティカット・ナショナル・ガーズ
   第2連隊マーチ
27. 風変わりな少佐
28. ガダルカナル行進曲
海を越える握手 Hands Across the Sea: Frederick Fennell

フェネルのマーチ集もう一発。こちらはどうだまいったかの有名曲集だ。マーチの王様スーザの『海を越える握手』で始まり、そのあと7曲はフランスのガンヌなどヨーロッパのマーチがつづく。全体としては米国作品が多い。
聴き覚えのある曲が多いと思うが、プロコフィエフの『行進曲Op.99』をご存知だろうか。思わずニヤリとするような「ふざけた」作品なのだ。旋律、和声が意外な方に「転んで」いくので、これで行進したらこける。
演奏については何も言うことはない。完璧。バンド人間にとっては永遠の目標、永遠の憧れである。
 

Eastman Wind Ensemble
Frederick Fennell, conductor

・Recorded in 1956 & 58

Hands Across the Sea
ハンズ・アクロス・ザ・シー

 
1. スーザ:海を越える握手
2. ガンヌ:勝利の父
3. サン・ミゲル:ゴールデン・イアー
4. タイケ:旧友
5. プロコフィエフ:行進曲Op.99
6. ハンセン:ヴァルドレス・マーチ
7. チューゼ:イングレシーナ
8. コーツ:ナイツブリッジ行進曲
9. スーザ:合衆国野戦砲兵隊
10. スーザ:雷神
  11. スーザ:ワシントン・ポスト
12. スーザ:キング・コットン
13. スーザ:エル・カピタン
14. スーザ:星条旗よ永遠なれ
15. ミーチャム:アメリカン・パトロール
16. ゴールドマン:オン・ザ・モール
17. マッコイ:ライツ・アウト
18. キング:バーナムとベイリー
19. アルフォードボギー大佐
20. クローア:ザ・ビルボード
ホルスト

Holst / Vaughan Williams: Frederick Fennell

マーキュリー時代のフェネルを代表する名盤。ホルストの『1組』『2組』、ヴォーン=ウィリアムスの『民謡組曲』と『トッカータ・マルツィアーレ』の4曲が入ったLPをマスターは擦り切れるほど聴いたものである。
テンポ設定、節回し、ソノリティ、演奏技術、どれをとっても最高水準の演奏。吹奏楽をやっている人にはこれ以上はないお手本であり、これ以上はない目標でもある。じっさいこれを聴いてからというもの、ほかのバンドの演奏を聴いても満足できなかった。これほどマシンのような正確さをもち、各パートの動きがきちっと聴きとれ、なおかつゆとりと共感に満ちたあたたかい演奏には出会ったことがない。
CDには別のアルバムから採られたメニンの『カンツォーナ』、パーシケッティの『賛歌』、H.O.リード(A.リードではない)の『フィエスタ・メキシカーナ』が収められている。メニン作品は初期バロックの曲を素材にしているようだが、ポリフォニックでかなり難易度の高いもの。イーストマンの鮮やかな演奏には驚かされる。深みと変化のあるパーシケッティ作品、祝祭的な盛り上がりをみせるリード作品も聴き応えがある。
古いモノラル録音だが臨場感たっぷりの素晴らしい仕上がり。マーキュリーの録音技術の素晴らしさは特筆ものである。

 

Eastman Wind Ensemble
Frederick Fennell, conductor

・Recorded in 1954 & 55

Frederick Fennell: Holst
ホルスト:組曲第1&2番

日本のバンドを指揮したもの
イギリス民謡組曲

The Wind Band Masterworks of Holst, Vaughan Williams & Grainger
English Folk Songs

 
1. Holst: Suite No.1 in E-flat, op.28a
2. Holst: Suite No.2 in F, op.28b
3. Vaughan Williams: Folk Song Suite
4. Vaughan Williams: Toccata Marziale
  5. Mennin: Canzona
6. Persichetti: Psalm
7. Reed: La Fiesta Mexicana
イギリスのブラスバンド

British and American Band Classics: Frederick Fennell

上記アルバムに較べるとちょっと渋めの定番集。しかし中身が濃いことには変わりない。ジェイコブの『ウィリアム・バード組曲』は英国ルネサンスの作曲家の鍵盤作品から素材を借りたもの。多彩な曲集の中から親しみやすいもの、当時の流行歌の編曲などが選ばれているため、聴きやすく心なごむ小品集になっている。
ウォルトンの勇壮なマーチに続くホルストの『ハマースミス』は劇的で深みのある名作。複雑なテクスチャーを難なく処理してしまうフェネルには恐れ入る。当アルバム最大の聴きものだ。
ベネット作品は力作ではあるが、ホルストの後に出てくると楽しいというよりふざけているように感じられる。わかりやすいしひねりは利いているし、ステージ受けすることは間違いないだろう。和声面での新しさをユーモアに包んで聴きやすくしたのだと考えれば納得が行くが。そうか、これだけ取り出して聴きゃいいのか。
クリフトン・ウィリアムズは間違いなく名曲である。かっこよさと深さとをフェネルくらい鮮やかに再現できればの話だが。この完成度の高さは他に類を見ない。

 

Eastman Wind Ensemble
Frederick Fennell, conductor

・Recorded in 1958& 59

British and American Band Classics
ブリティッシュ&アメリカン

 
1. Jacob: Suite "William Byrd"
2. Walton: Crown Imperial
3. Holst: "Hammersmith" Prelude & Scherzo
4. Bennett: Symphonic Songs for Band
5. Williams: Fanfare and Allegro
フレデリック・フェネル

Frederick Fennell: Pomp & Pipes!
Paul Riedo/ Dallas Wind Symphony/ Fennell

副題に“Powerful Music for Organ, Winds, Brass & Percussion”とあるように、オルガン、管楽器、打楽器による一大サウンド・スペクタキュラー。心臓の弱い人は避けた方が無難。
カルク=エーレルト、デュプレ、ヴィドールといった連中はオルガンの名手として知られ、壮大なオルガン作品を書いている。かれらが管楽器と打楽器まで手に入れたらどうなるか。はらわたに響く超低音から脳天を突き刺すシンバルまでを駆使した大迫力音楽の誕生だ。圧倒的な音の量感が聴き手をなぎ倒す。
パーシー・グレインジャーの『ローマの権力とキリスト教徒の心』に注目。おなじみの民謡編曲とはまったく違う。『リンカーンシャーの花束』みたいな親しみやすさはなく、半音進行を多用した不思議な響きに支配された作品。静かな部分が多くてあまり盛り上がらない。友人ディーリアスの作風を連想させるところもある。作曲家としてのグレインジャーはやはり20世紀の人だったということか。
吹奏楽ではなじみのアルフレッド・リード、ロン・ネルソンらの作品も収録。やはり迫力がけた外れ。ほかの人たちと違って作風が明快なのは出自をあらわす。スカッと気持ちのいい作品たちである。

 

Dallas Wind Symphny
Paul Riedo, organ
Frederick Fennell, conductor

・Recorded in 1993
Reference Recordings
RR-58CD

Pomp & Pipes!
パンプ&パイプス

DWSとフェネル
Fennell Favorites!
Trittico
Marches I've Missed

 
1. カルク=エーレルト:ドラムとシンバルをもて主をほめたたえよ
2. リード:アレルヤ! 御身を賛美し奉る
3. ジグー:グラン・コア・ディアローグ(大合唱の応答)
4. ウィリス:ヴァイキング
5. グレインジャー:ローマの権力とキリスト教徒の心
6. デュプレ:英雄的な詩
7. ネルソン:ペブル・ビーチ・サジャーン
8. ヴィドール:主よ、汝が民を救い給え
9. ヴァインベルガー:ポルカとフーガ
フェネル:セレブレーション

セレブレーション!
東京佼成ウィンドオーケストラ/フレデリック・フェネル

難曲ばかり集めた感のある東京佼成の名演集。このバンドが世界的レベルにあることが納得できる一枚。フィリップ・スパーク『セレブレーション』はこのバンドの委嘱作。みっちり書き込まれた非常に難易度の高い作品で、国内はもとより海外のバンドでもこの曲を採り上げることはまれだ。各パートの技術レベルが高いところで平均されていないと演奏不能におちいる。すっきり明快な作品が多いスパークとしては例外的ともいえる。ただスパークらしいかっこよさは楽しめるし、難曲をあっさり消化してしまう東京佼成の名技も楽しめる。
インゴルフ・ダールはよく演奏されるが、これもがっちりした構成が特徴だ。聴き応えある3楽章形式。(4)はバレエ音楽『アパラチアの春』から人気のあるメロディを抜き出して、コープランド自身が吹奏楽用に書き直したもの。短いけれど美しくて楽しい作品だ。アルバム中のオアシスといった感じ。
ノーマン・デロ=ジョイオの『ファンタジー』も変化に富んでいて楽しめる作品。きびきびしたリズムの処理が要求されるが、東京佼成は軽快にこなしていく。細かいフレージングも完璧に奏されている。シンフォニックな盛り上がりも自然で、フェネルの棒に見事に応えている。たいへんなバンドである。

 

東京佼成ウィンドオーケストラ
フレデリック・フェネル(指揮)

・Recorded in 1992
佼成出版社 音楽出版室
KOCD 3571

セレブレーション!

東京佼成WOの録音
シンフォニック・ソング
蒼き波の上のバッカス
ハンガリー狂詩曲
フィーチャリング須川展也
ニュー・サウンズ・スペシャル
ニュー・サウンズ・イン・ブラス
ゴジラ
ふるさと
Jポップ&フュージョン
行進曲集
民謡集

東京佼成ウィンドオーケストラ

 
1. スパーク:セレブレーション
2. ダール:シンフォニエッタ
3. シェーンベルク:「グレの歌」のモティーフによるファンファーレ
4. コープランド:「アパラチアの春」-シェイカー教徒の旋律による変奏曲
5. パール:神聖なる行列
6. デロ=ジョイオ:ハイドンの主題によるファンタジー
 
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