ブラスバンド、吹奏楽
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ブルー・インパルス

ブルー・インパルス
航空自衛隊航空中央音楽隊/進藤 潤

航空中央音楽隊は1961年に浜松に誕生した。数年後、清水の小学校で鼓笛隊に入っていたマスターはかれらの演奏を聴きに行った記憶がある。大人のバンドはすごいなぁという驚きはあたりまえといえばあたりまえだが、長いことトップクラスの実力を保ち続けているスーパーバンドであることは間違いない。作曲は前半4曲が矢部政男、残る5曲が斉藤高順による。
さて、レパートリー豊富な航空中央音楽隊が、ここでは「ブルー・インパルス」にまつわる作品をあれこれ集めて聴かせてくれる。おなじみ斉藤の『ブルー・インパルス(青い衝撃)』がもちろんスカッとかっこいい。同じ斉藤の『オーバー・ザ・ギャラクシー』はコンクール課題曲だったので挑戦したことのある人は多いかも。
変化に富む組曲『エメラルドの四季』は若狭湾、沖縄、十和田湖、オホーツク海のそれぞれ春夏秋冬を描いた叙情的な名品。映画音楽も書いていた作曲家らしい味わいのある組曲で、アルバムの構成に深みを与えている。

 

航空自衛隊航空中央音楽隊
進藤 潤:指揮

・Recorded in 1998
Denon COCQ83113

ブルー・インパルス
世界のマーチ
空の精鋭/ライヴ・コンサート
ワールドポップinブラス

 

1. The Simmer of the Air
2. Dolphin in the Sky
3. 航空自衛隊行進曲『空の精鋭』
4. ノーザン・エコー
5. 行進曲『オーバー・ザ・ギャラクシー』

 

6. ブルー・インパルス(青い衝撃)
7. エメラルドの四季
8. フライング・エクスプレス
9. オンリー・ワン・アース

ギルガメシュ

ギルガメシュ
大阪市音楽団/井上道義

新鋭ベルト・アッペルモントが満を持して発表した交響曲『ギルガメシュ』。録音してくれたのは大阪市音楽団(市音)と井上道義のコンビだ。粘土板に刻まれた世界最古の叙事詩を素材にドラマチックに展開していく4楽章構成の力作。叙事詩の内容についてはブック・レビューを見ていただくとして、演奏効果抜群の、作曲者の手際のよさが最大限に活かされた作品だ。打楽器の活躍が目立つ色彩的な展開が楽しく、発表直後から話題をさらったのもうなずけるというもの。
このアルバムには28歳で夭折した作曲家貴志康一の交響組曲『日本スケッチ』が収められている。1934年(昭和9年)にみずからベルリンフィルを指揮して初演したという作品。日本的というより東洋的と言ったほうがいい気もするが、シンフォニックなスケールと豊かな表情を持った曲になっている。吹奏楽版への編曲は森田一浩。

 

大阪市音楽団
井上道義:指揮

・Recorded in 2005
Cryston/Octavia Records Inc.
OVCC-00028

ギルガメシュ

宇宙の音楽(世界初演ライヴ)
オデッセイ
ニュー・ウィンド・レパートリー2005

 
1. ギリングハム:ウィズ・ハート・アンド・ヴォイス
2. 貴志康一/森田一浩:交響組曲「日本スケッチ」
3. シェーンベルク:主題と変奏 作品43a
4. アッペルモント:交響曲 第1番「ギルガメシュ」
ぐるりよざ

ぐるりよざ―伊藤康英作品集
大阪市音楽団/木村吉弘

大阪市音楽団による『ぐるりよざ』は『飛鳥』につづく邦人作品集第二弾だった。タイトル曲は伊藤康英(1960年浜松生まれ)の代表作であり、隠れキリシタンをテーマにしたもの。今では多くの楽団がレパートリーに入れている。
「ぐるりよざ」は“Gloriosa”の訛ったものだ。第1楽章「祈り」には合唱が、第2楽章「唄」には龍笛が加わるユニークな作品。聖歌や民謡を素材にしながら構築的で深みのある音楽が展開されていく。複雑でつかみにくい印象があるが、ようく聴いてはじめて、あ、なるほどねと得心するところが面白いのである。変奏(シャコンヌ)の数が13というのも意味深いではないか。
あの「金比羅船々…」をモチーフにした『吹奏楽のための舟歌』は一転して陽気だが、そこは伊藤康英、ただの編曲ではない。「ずらして重ねる」という手法で思いがけない舟歌を作りあげてしまった。中間部ののどかな航行でさえポリリズムである。
この中でいちばん新しい『ラ・ヴィータ』(1998)は三つのシーンが連続する華麗な作品。わざわざイタリア語を使ったのはこの語が「人生」も「生命」も意味するからで、伊藤のそれらに寄せる讃歌のように思える。

 

大阪市音楽団
木村吉弘:指揮

・Recorded in 1998
Brain BOCD-7402

ぐるりよざ

飛鳥
風紋
嗚呼!
ぐるりよざ(東京佼成)

 
1. 吹奏楽のための交響詩「ぐるりよざ」
2. 未完のオペラへの間奏曲
3. ジュビリー・シンフォニー(祝典交響曲)
  4. 吹奏楽のための舟歌
5. 交響三頌「ラ・ヴィータ」
6. 日本サッカーの歌(坂本龍一)
ラーフ・ヘッケマ

Paganini: Caprices arr. for Saxophone
Raaf Hekkema

なんともすごいアルバムが出たものである。ヴァイオリンの鬼神パガニーニが書いた難曲中の難曲『カプリース』をサックスでやってしまった。パガニーニになりきっている写真の男はラーフ・ヘッケマ。オランダが生んだサックスの鬼神である。手にしているのはアルトなのだが、やけにごつい。キィの数が多い。そう、改造楽器なのだ。この改造サックスと巧みな編曲(ヘッケマ本人による)により、できるわけないだろと思われたサックス版『カプリース』の誕生となった。
むろん楽器の音域が広がったとか重音奏法ができるとかいうだけでは原曲のすごさは再現できない。ヘッケマのおそろしくなめらかなテクニックがそれを可能にしたのである。音色の美しさも特筆すべきもの。
ヘッケマ自身が書いた解説が面白い。24曲のすべてについて、曲の解釈、編曲の工夫、奏法の秘密などが書かれているのである。読んだからといってだれもがこんなふうに吹けるわけではないのが悲しいところ。

 

Raaf Hekkema, alto & soprano saxophones

・Recorded in 2005
Musikproduktion Dabringhaus und Grimm
MDG 619 1379-2

Paganini: Caprices

RAAFHEKKEMA.COM

 
1. 24 Caprices Op.1 arr. for saxophone
エルガー、タネジ

Black Castles - British Music for Brass
Brass Partout

英国近現代のブラス作品集。収録されているのはエドワード・エルガー、アーサー・バタワース、デリク・ブルジョワ、ジョン・タヴナー、ジョン・ピッカード、マーク=アンソニー・タネジの6人。このうちエルガーの『セヴァーン組曲』についてはシャンドス盤で既出。ほかは当サイト初登場となる。
吹奏楽界ではおなじみのブルジョワ『ウィリアムとメアリ』はウィリアム3世とメアリ2世のことで、新教徒弾圧や名誉革命など英国の激動の時代を描いている。1677年のふたりの婚礼から1688年の革命までを5曲からなる組曲で描写していく。ブルジョワらしいパワフルでドラマチックな展開だ。
タイトル曲『黒い城』はピッカードによる。アイスランド北部にある溶岩流でできた奇岩の風景を描いたもの。ねじれるようにそそり立つ岩のありさまが城や大聖堂のように見えるのだという。不気味で神秘的な音楽である。
現代音楽作曲家として人気のタネジは狂乱のバッカナーレを提供。ジャズの影響が濃厚で多彩な変幻を見せる作品である。

演奏しているのはブラス・パルトゥーという13人編成のドイツのブラバン。この顔ぶれで15年以上活動しているそうで、地元では有名らしい。若々しく堅実な演奏が好ましいグループ。

1. Edward Elgar: Severn Suite Op.87 (1930)
2. Arthur Butterworth: Triton Suite, Op.46 (1972)
3. Derek Bourgeois: Williams and Mary, Op.106 (1981)
4. John Tavener: Trisagion (1981)
5. John Pickard: Black Castles (2002)
6. Mark-Anthony Turnage: Set To - Bacchanale (1992/93)

 

Brass Partout
Hermann Baumer, direction

・Recorded in 2003
BIS Records
BIS CD 1354

Black Castles

Playgrounds for Angels

brass partout

 
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