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early music / baroque / orchestral / concerto / instrumental
theatrical / vocal works / contemporary / historical recordings / etc.
 

ヴラニツキ:フルート四重奏

Pavel Vranicky: Flute Quartets Op.28
Loic Poulain

ヴラニツキの『フルート四重奏曲(作品28)』の世界初録音。ロイク・プーランとプラハのドレジャル弦楽四重奏団メンバーによる演奏だ。同い年のモーツァルトが書いたフルート四重奏とおなじ編成。ちなみにプーランが使用しているのはムラマツフルートで、ウチのオーナーとおなじモデルである。
曲は「佳品」といっておこう。構成力はあるし旋律はきれいだし、第1番などなかなかの聴き応え。フルートとヴァイオリンの絡みもうまい。しかし第3番ではせっかくの美しいモティーフがうまく活かされず、平凡な仕上がりになってしまっている。出版の都合で無理やり3曲セットにしたのかも知れない。

○現在当録音はレーベル移行によって‘アコール (Accord)’から出ている。
 アルバムデザインも変わっている。

Loic Poulain, flute
Jirt Fiser, violin
Karel Dolezal, viola
Petr Hejny, cello

・Recorded in 1992

Vranicky: Flute Quartets

モーツァルトの作品は
Mozart: Flute Quartets

 
1. Flute Quartet No.1, op.28-1
2. Flute Quartet No.2, op.28-2
  3. Flute Quartet No.3, op.28-3
ウラニッキ:六重奏曲 Vranicky: Sextets for Flute, Oboe & String Quartet
Jiri Valek/ Jana Brozkova

パーヴェルとアントニンという、ヴラニツキ兄弟の珍しい室内楽。フルート、オーボエに弦楽四重奏という六重奏で、弦楽四重奏はヴィオラが2本という変則。内声部充実のためと考えられるが、こんな編成は他に聴いたことがない。最初のひとつが弟アントニンの曲で、あと3曲は兄パーヴェルのもの。
聴いてみるとフルートとオーボエのブレンドが美しく、まず音色に魅せられる。雰囲気だけでも最後まで気持ちよく聴けてしまうが、よく聴いても楽しめる作品ばかり。がっちりした古典派の枠組みの中でのびのび軽やかな楽想が展開される。
兄の作品(変ホ長調)では自身の交響曲と類似したモティーフが現れ、室内楽らしからぬスケールの大きい展開が聴かれる。他の2曲も起伏が大きい。
弟の方が小編成らしい楽想で、こちらはハーモニー・ムジークに近い雰囲気だ。録音の極度に少ない作曲家だが実力はありそうである。

追記)フルートのイルジー・ヴァーレクは現在チェコ・フィルの首席。
 

Jiri Valek, flute
Jana Brozkova, oboe
with Stamic Quartet

・Recorded in 1998
Supraphon Records

Vranicky: Sextets

イルジー・ヴァーレクの録音
モーツァルト:フルート協奏曲
Vivaldi: Flute Concertos

 
-Antonin Vranicky
1. Sextet No.7 in G major
  -Pavel Vranicky
2. Sextet No.3 in E-flat major
3. Sextet No.4 in C major
4. Sextet No.6 in D minor
カルッリ

Ferdinando Carulli: Flute Trios
Claudio Ferrarini

カルッリはベートーヴェンと同年生まれのギタリスト。ギター協奏曲やギターを含む室内楽を多く遺している。古典派を代表するギタリストの一人で、おもにパリで活動していた。このアルバムはギターを含むフルート三重奏(トリオ・コンチェルタンテ)を集めた二枚組。一枚目がフルート、ヴァイオリン、ギターのための三重奏曲集、二枚目がフルート、ヴィオラ、ギターのための三重奏曲集になっている。
編成が編成だしセレナーデみたいなものかと思ったが、けっこう書き込まれた佳品ぞろい。古典派楽曲の典型的な楽章構成と展開方法で書かれ、演奏時間も長い。BGMにしても心地よいがちゃんと聴いても楽しめるのだ。
作品12はとくに聴き応えがある。荘重なラルゴに導かれたアレグロは気品と風格があり、展開部のスケール感と自由な雰囲気が素晴らしい。第三楽章の変奏曲ではプレイエルの主題を用い、変化に富んだ変奏を繰り広げる。三つの楽器がブレンドされたり会話したり、カルッリの創意工夫の妙が楽しめる。最終楽章も表情が豊かで、調性の扱いの巧みさに感心する。
フルートはMondo Musicaレーベルではおなじみのクラウディオ・フェッラリーニ。“Mozart”と名づけられた14金のフルートを使用。輝かしい音色だ。ヴァイオリンとヴィオラはクルトミル・シスコヴィッチ、ギターはクラウディオ・ピアストラが担当している。

 

Claudio Ferrarini, flute
Crtomir Siskovic, violin & viola (op. 103)
Claudio Piastra, guitar

・Recorded in 1996
Mondo Musica
MM 96011 (2CDs)

Carulli: Flute Trios

フルートとギターのデュオ
Carulli: 6 Serenades
Carulli: Music For Flute & Guitar
ギターソナタ集は
Carulli: Guitar Sonatas
同時代の同様の曲集
Francesco Molino

 
<CD 1>
3つのトリオ 作品9
1. トリオ・コンチェルタンテ 作品9の1
1. トリオ・コンチェルタンテ 作品9の2
1. トリオ・コンチェルタンテ 作品9の3
4. トリオ・コンチェルタンテ 作品12
  <CD 2>
3つのトリオ 作品103
1. トリオ・コンチェルタンテ イ長調
2. トリオ・コンチェルタンテ ニ長調
3. トリオ・コンチェルタンテ ト長調
シューベルト『鱒』

Smetana Quartet w. Panenka: Schubert & Beethoven

パネンカ&スメタナSQの『鱒』。名前を見ただけで5つ星をつけたくなる顔合わせ。録音は1960年と記されている。ほかにシューベルトの弦楽四重奏曲断章(ハ短調)とベートーヴェンの弦楽四重奏曲第1番ヘ長調(1962年録音)が収録されている。
チェコの室内楽は昔からレベルが高いが、それを象徴するような素晴らしい演奏だ。アンサンブルの緊密さを保ちながらも自由な感情の発露が感じられる。ほどほどの緊張感が生み出すゆとり。親しみやすさ。かれらのアプローチはマシンみたいな正確さや突きつめた表現を好む人には微温的に感じられるだろう。スケールも小さい。しかしこれは室内楽である。ムジツィーレンの伝統を守り、聴衆に聴かせる前にまず自分たちが《音楽する喜び》を分かち合っている。だから聴いていて幸せな気分になれるのだ。
『鱒』は青年シューベルトの感性が香りたつような清々しい演奏だ。『断章』は調性のわりにおだやかな印象。しかしシューベルトの意欲的な表現は充分感じとることができる。ベートーヴェンは作品自体が覇気のあるもの。スメタナSQは恣意的な表現をとろうとはしていないが、淡々とした演奏から自然と感興がわきあがってくる。
古い録音が24ビットリマスタリングによってたいへん聴きやすい音に生まれ変わっている。このみずみずしさは感動もの。

 

Smetana Quartet
with
Jan Panenka, piano
Frantisek Posta, contrabass

・Recorded in 1960 & 62
Supraphon Records
SU 3738-2 111

Smetana SQ: Schubert & Beethoven

 

1. Schubert: Piano Quintet in A major
2. Schubert: String Quartet No. 12 in C minor
3. Beethoven: String Quartet No.1 in F major

シューベルト

The Viennese Guitar
(Schubert/ Kreutzer/ Beethoven)

シューベルトの珍しい四重奏曲が聴ける。これはボヘミア出身のギター奏者・作曲家のマティエカ(Matiegka 1773-1830)の作品『フルート、ギター、ヴィオラのためのノットゥルノ』(作品21)にシューベルトがチェロのパートを書き加えたもの。アマチュアチェリストだった父親のために書いたと伝えられ、シューベルトはギターのパートを担当するはずだった。が、完成間近でシューベルトは放棄してしまう。父親が演奏するには難しすぎたらしい。そんなわけで、ここでは補筆完成されたものが演奏されている。当然シューベルトっぽさはないが、かれが家庭で演奏したいと思っただけのことはある、楽しい作品になっている。
ヨゼフ・クロイツァーはベートーヴェンがヴァイオリンソナタ(作品47)を献呈したクロイツァーの兄弟。かれの『大三重奏曲』はフルート、クラリネット、ギターで演奏される。地味ながら聴き応えある作品。叙情的なアダージョ楽章もいいが、リズミカルな最終楽章(アラ・ポラッカ)が面白い。
ベートーヴェンの『セレナーデ』(作品8)は弦楽三重奏がオリジナル。発表当初から人気があり、作曲者の存命中にいくつもの編曲版が作られている。このフルート、クラリネット、ギターのための版は前記マティエカによるもの。二人は面識があったという。ベートーヴェンらしからぬメランコリックな曲調にクラリネットがぴったり合い、ことに第4楽章の美しくも悩ましげな雰囲気が魅力的だ。
この曲はベームによるフルートとピアノための編曲が有名だ。美しい版なのでこちらもご参考までに。
ジョーアン・ファレッタのギターとアレクサ・スティルのフルートを中心としたアンサンブルの演奏。ていねいで落ち着いたアプローチには好感がもてる。

追記)マティエカの作品21はオリジナル版が出ている。

 

JoAnn Falletta, guitar
Alexa Still, flute
Robert Alemany, clarinet
Paul Neubauer, viola
Ronald Thomas, cello

・Recorded in 1997
KOCH International Classics
KIC-CD-7404

The Viennese Guitar

マティエカの作品集
Matiegka: Complete Flute & Violin Trios
Original Romantic Music
Matiegka: Works for Guitar

クロイツァーの室内楽
Joseph Kreutzer: Trios

 
1. シューベルト:フルート、ギター、ヴィオラとチェロのための四重奏曲 D.96
2. クロイツァー:フルート、クラリネットとギターのための大三重奏曲 作品16
3. ベートーヴェン:フルート、クラリネットとギターのためのセレナーデ 作品8
トリオ・アペルト

Chamber Music by French Female Composers
Farrenc/ Boulanger/ Chaminade/ Manziarly

フランスの女性作曲家による室内楽曲集。シャミナード(1861-1944)はフルート好きにはおなじみだが、あと3人はちと珍しい。ナディア・ブーランジェ(1887-1979)は音楽教師として有名なあの人。妹のリリー・ブーランジェ(1893-1918)が早世してのち作曲の筆を折ったと伝えられ、遺された作品は少ない。マルセル・ド・マンジャリー(1899-1989)はそのナディアの弟子。もうひとりルイーズ・ファランク(1804-1875)は最近発掘の進む女性作曲家のなかでもとくに優れたひとりだ。
ファランクのピアノ、フルートとチェロのための『三重奏曲』はヴィーン古典派の流れを汲む、明快に構成された聴き応えある作品。魅力的な旋律に満ちており、4曲中いちばん優れたものだろう。ファランクはベルリオーズやグリンカと同世代で、ロマン派の香りが漂うのはそのためだろう。
ブーランジェのチェロとピアノのための『3つの小品』は短いが気の利いた作品。筆を折ってしまったのが惜しまれるできばえ。シャミナードは有名な『コンチェルティーノ』のピアノ伴奏版。このヴァージョンもチャーミングでいいものだ。
マンジャリーの『三重奏曲』は1952年と新しい。セリーも学んでいるそうだが、この曲は20世紀前半の標準的な室内楽のイメージ。ほどほどの緊張感が魅力。

 

<Trio Aperto>
Dagmar Becker, flute
Martin Ostertag, cello
Werner Genuit, piano

・Recorded in 1955/56
Classic Talent
DOM 2910 49

Chamber Music by French Female Composers

シャミナードは
La Flute Enchantee
Music for My Friends
ゴールウェイ・ベスト

女性作曲家作品集
Women of Note
Great Women Composers

 
1. Louise Farrenc: Trio in E minor, op.45 (for piano, flute & cello)
2. Nadia Boulanger: Three Pieces for cello & piano
3. Cecile Chaminade: Concertino for flute & piano, op.107
4. Marcelle de Manziarly: Trio for flute, cello & piano
ルイーズ・ファランク

Louise Farrenc: Piano Quintets 1& 2
Linos-Ensemble

ルイーズ・ファランク(1804-1875)は女性であるというバイアスをかけた評価がふさわしくない。「女性にしては」とか「女性ならではの」といった表現が失礼にあたると思うのだ。といっても男っぽい作風という意味ではない。技術的にも感覚的にもきわめて洗練されており、未熟さや弱々しさが微塵もない。
時代的には初期ロマン派であり、端正なたたずまいの中に感情のたゆたいをつづっていく。シューベルトがお好きなら気に入るだろう。美しくやさしい旋律は自然な和声に支えられて心地よく響いてくる。一方スケルツォ楽章の切れ味のいいリズム、華やかなパッセージはメンデルスゾーンを連想するかも知れない。かっこいい!ちゃんとメリハリも効いているんである。
ピアニストとして活動していただけあり、ピアノパートの充実ぶりは見事なもの。4つの弦楽器を従えて女王さまの風格を見せたり、スマートに疾走したり、きらびやかに弦をサポートしたり大活躍。

○このアルバムは「ドイツ・レコード批評家賞」を受賞している。

 

<Linos-Ensemble>
Konstanze Eickhorst, piano
Winfried Rademacher, violin
Barbara Westphal, viola
Mario Blaumer, cello
Jorg Linowitzki, Double Bass

・Recorded in 1991
CPO 999 194-2

Farrenc: Piano Quintets

Farrenc: Musique de Chambre
Farrenc: Piano Works
Farrenc: Symphonies

 
1. Quintet No.1 for Piano, Violin, Viola, Cello & Double Bass in A minor, Op.30
2. Quintet No.2 for Piano, Violin, Viola, Cello & Double Bass in E major, Op.31
ランパル20世紀作品集

20th Century Flute Masterpieces
(Martinu/ Hindemith/ Prokofiev/ Poulenc)

ランパルがエラートに遺した20世紀作品を集成した2枚組。1枚目が協奏曲集で2枚目がソナタ集になっている。ピアノ伴奏はすべてヴェイロン=ラクロワ。かれはクラヴサン奏者として知られるがピアノも一流である。
最後に入っているプーランクはランパルが初演者。1957年に作曲者のピアノ伴奏で初演している。プーランクの室内楽としては後期の作品で、凝縮されたような完成度の高さが特徴だ。ランパルの求心力のある演奏が素晴らしい。プーランクには欠かせない〈粋〉も充分感じられる。
プロコフィエフはメカニカルというかテクニカルというか、譜面どおりにあざやかに吹ききってしまえばそれだけでも充分効果の挙げられる作品だ(それさえ簡単にはできない難曲なのだが)。表情などつけなくてもいいのである。しかしランパルはそんなドライな演奏が性に合わなかったのか、ふくよかさと情感を与えようとしているように思える。
ヒンデミットは別の難しさをもった作品だ。構成が複雑なうえ複調など当時最新の現代音楽の手法が用いられている。ただそれは演奏する側の話で、聴いて難解なものではない。調性感の希薄なモダンな響き、ミステリアスな雰囲気を楽しもう。
マルティヌーの作品がわかりやすいのはルーセルの影響があるからだろう。新古典主義をベースに適度の新しさがちりばめられている。力強さはルーセル、マルティヌーに共通する特徴であり、ランパルの解釈もそのあたりを捉えたもの。4曲中で最高のできばえではないだろうか。

 

Jean-Pierre Rampal, flute
Robert Veyron-Lacroix, piano (CD 2)
Orchestre de l'association des Concerts Lamoureux (CD 1-1 & 3)
Orchestre national de l'O.R.T.F. (CD 1-2)
Louis de Froment, conductor (CD 1-1)
Jean Martinon, conductor (CD 1-2)
Andre Jolivet, conductor (CD 1-3)

・Recorded in 1969 - 1978
Erato Disques
2292-45839-2 (2CDs)

Flute Masterpieces

ちょっと曲目が違うけど
フランス近代 フルート作品集
シランクス〜近代フルート作品集

 
<CD 1>
1. Ibert: Flute Concerto (1934)
2. Khatchatourian: Flute Concerto (1940)
3. Jolivet: Flute Concerto (1949)
  <CD 2>
1. Martinu: Flute Sonata (1945)
2. Hindemith: Flute Sonata (1936)
3. Prokofiev: Flute Sonata in D (1943)
4. Poulenc: Flute Sonata (1956)
ランパル/ラスキーヌ

Flute & Harp
Jean-Pierre Rampal with Lily Laskine

ジャン=ピエール・ランパルとリリー・ラスキーヌのコンビ。王さまと女王さまの顔合わせだ。CD化にあたって追加されたドビュッシーの三重奏ソナタはピエール・パスキエが参加。これがいい。パスキエの軽さ、明快さが曲の近代フランス風の魅力を際だたせているからだ。切れ味の悪いヴィオラだとここまで粋な感じは出てこないし、ランパル、ラスキーヌのスケールに負けてしまうだろう。うるさいことを言えば若い頃ほどのしなやかさがないのだが、水準以上のできばえではある。
デュオのほうではイベールの『間奏曲』が名演。この輝かしさはさすがだ。ロッシーニのかわいらしい『導入と変奏』がていねいに演奏されているのも好感がもてる。
ほかはこのコンビなら当然という気がしてしまう。クルムフォルツとダマーズは曲の魅力がいまいち。とくにダマーズ作品はこの二人のために書かれたもの(1964年作曲)なのだが…。ま、二人の腕前のすごさを引き出すという点では成功していると言えるか。

◎国内盤はドビュッシーが含まれていないのでご注意。

 

Jean-Pierre Rampal, flute
Lily Laskine, harp
Pierre Psquier, viola (7)

・Recorded in 1968 & 74
Erato Disques
2292-45837-2

Ibert: Entr'acte

Flute & Harp
グリーンスリーヴス

ドビュッシーはこちらを
ドビュッシー室内楽作品集

日本人コンビで
フルートとハープのデュオ

 
1. Anonyme: Greensleeves (Variations)
2. Krumpholz: Sonata in F major
3. Rossini: Introduction & Variations
4. Faure: Lullaby, op.16
  5. Ibert: Entr'acte
6. Damase: Sonata for Flute & Harp
7. Debussy: Sonata for Flute, Viola & Harp
 
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