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Beethoven:
The String Quartets
Amadeus Quartet
アマデウス弦楽四重奏団によるベートーヴェン全集は、マスターがクラシックを聴き始めた頃は代表的名盤だった。それが最近、ガイドブックの類にも雑誌の人気投票にも顔を出さない。なぜだろう。
そう思ってあらためて聴きなおしてみた。『ラズモフスキー第3番(弦楽四重奏曲第9番 ハ長調)』。この曲はメンバー個人個人の技量がよく分かるからだ。
第一楽章から野暮ったさが感じられる。ソロパートの連続する第二楽章に入るとピッチの不正確さに気づく。とくにチェロ。第一ヴァイオリンも切れ味がよくない。第二ヴァイオリンもヴィオラも鈍い。これではアンサンブルがすっきり聴こえないのは当然。「楽譜を見ているような」という表現からはほど遠い演奏である。
アインザッツの正確さもいまいちだから第三楽章以降のトウッティの切れ味も悪い。若い世代の四重奏団のような小気味のいいテクニックがないのである。要するにへたくそ。そのへたくそが一所懸命にやっているから、聴いていて野暮な印象を受けるのだ。今どきうけないタイプ。
冷徹なまでに研ぎ澄まされた若手のベートーヴェンはかっこいいと思う。正確なピッチ、澄んだ響き、アインザッツの正確さ。どれをとっても感心するが、感心と感動は別物だ。アマデウスの野暮なベートーヴェンのほうが味があり、聴いていて感動することができる。「無駄な正確さ」ばかり追求した結果、音楽的充実がおろそかになってしまったのではないか。正確なだけではベートーヴェンの深みには到達できない。聴きなおしながらそんなことを考えてしまった。
○弦楽四重奏曲16曲と『大フーガ』を含む通常の「全集」。7枚組。
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Amadeus Quartet
Recorded in 1959 - 1963
Deutsche Grammophon
463 143-2 (7CDs)
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Beethoven:
The String Quartets
ブラームスの全集は
Brahms:
The String Quartets
アルバン・ベルクSQで
Beethoven:
The Complete String Quartets
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Mendelssohn:
The String Quartets
Melos Quartet
メロス弦楽四重奏団によるメンデルスゾーンの弦楽四重奏曲全集。14歳の作品(1)と4つの小品(8)を含むほぼ完璧な全集である(ほかにいくつかのフーガがある)。
『第1番 変ホ長調 作品12』は第二楽章の「カンツォネッタ」が単独でよく演奏されるが、一般的には作品44以降の作品がおなじみだろう。ライプツィヒで初演された作品44の3曲、最晩年(といっても36歳)の『第6番
ヘ短調 作品80』は、メンデルスゾーンの室内楽中でもとくに完成度の高いもの。
メンデルスゾーンの魅力である美しい旋律と明快な形式、弾むようなリズムが名技性とうまく融合し、楽しくて聴き応えある作品を生みだしている。ビギナーのかたはあの『ヴァイオリン協奏曲』と同じ調性をもつ『第4番
ホ短調 作品44の2』からお聴きになるといいと思う。曲想もちょっと似ているし「スケルツォ」楽章の軽快な疾走感はメンデルスゾーンの得意技を味わうのに最適。なにせ「スケルツォのメンデルスゾーン」と呼ばれていたくらいの人なのだから。
メロス弦楽四重奏団の比較的初期の録音。メンデルスゾーンが楽譜に書いた指示を真に受けた(?)真摯で推進力ある演奏が楽しめる。
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<Melos Quartet>
Wilhelm Melcher, violin
Gerhard Voss, violin
Hermann Voss, viola
Peter Buck, cello
・Recorded in 1976 - 81
Deutsche Grammophon
415 883-2 (3CDs)
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Mendelssohn:
The String Quartets
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1. 弦楽四重奏曲 変ホ長調
作品番号なし
2. 弦楽四重奏曲 変ホ長調 作品12
3. 弦楽四重奏曲 ヘ短調 作品80
4. 弦楽四重奏曲 イ短調 作品13
5. 弦楽四重奏曲 変ホ長調 作品44の3 |
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6. 弦楽四重奏曲 ニ長調 作品44の1
7. 弦楽四重奏曲 ホ短調 作品44の2
8. アンダンテ、スケルツォ、カプリッチョ
とフーガ 作品81 |
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Franck
& Debussy: Violin Sonatas, etc.
Kyung Wha Chung/ Radu Lupu
正直なところ、何度か手放そうとしながら思いとどまったアルバム。メロス・アンサンブルの『序奏とアレグロ』が気に入っていたからだ。ソリッドなアンサンブル、勢いのあるフレッシュなアプローチが素晴らしい。表情づけも自然で、音楽が無理なく流れていく。
三重奏ソナタは優れた競合盤が多いのでわざわざメロスでなくてもいいのだが、オシアン・エリスのハープが抜群のセンスを示し、捨てがたい魅力をもった演奏になっている。
いっぽうチョン・キョンファとラドゥ・ルプーというコンビはわたしの好みからいうと今ひとつ。フランクのソナタはこの曲のもつ情熱的側面を強調したもので、チョンの芸風が好きな人にはたまらない魅力だろう。ルプーの繊細なピアノは積極的にチョンにからむことなく若干控えめ。わたしはふだんピアノが対等に渡りあう演奏を聴いているので、どうしてももの足りなく思える。チョンを聴くべき演奏ということか。
ドビュッシー円熟期のソナタは繊細さと力強さが求められる。このコンビはその両方がもの足りない。とはいえチョンの切れ味のいいアプローチ(とくに第三楽章)は爽快なもの。スケール感はないがフレッシュな魅力は味わえる。
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Kyung Wha Chung, violin (1,2)
Radu Lupu, piano (1,2)
Osian Ellis, harp (3,4)
Melos Ensemble (3,4)
・Recorded in 1962 & 77 (1,2)
Decca 421 154-2
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Franck
& Debussy: Violin Sonatas
おすすめのフランク
Zino Francescatti
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1. フランク:ヴァイオリン・ソナタ
イ長調(1886)
2. ドビュッシー:ヴァイオリン・ソナタ(1917)
3. ラヴェル:序奏とアレグロ(1905)
4. ドビュッシー:フルート、ヴィオラとハープのためのソナタ(1905) |
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Schubert:
Piano Trio in B-flat Major, Op.99
Suk Trio
チェコの至宝スーク・トリオによるシューベルト。人気の高いパネンカ在籍時の録音で、スプラフォンとの共同制作だったもの。デンオンPCMによる1975年の(!)ディジタル録音。
『ピアノ三重奏曲 第1番』は晩年の室内楽傑作群のなかでも完成度の高さと親しみやすさで群を抜く作品(弦楽五重奏曲は渋いからな〜)と言える。この『第1番』を女性的、『第2番』を男性的という評価もあるが、それはシューマンの評を受け継いだものだろう。優雅でわかりやすく、深い抒情に満ち、いかにもシューベルトらしい魅力にあふれている。女でも男でもどっちでもよろしい。
耳当たりのいい作品だが構成もみごと。よく書き込まれた第1楽章、自由な歌謡楽章、切れ味のいいスケルツォ、巧みな転調が聴かれるロンド楽章、いずれも珠玉と呼びたい仕上がりだ。
スーク・トリオの演奏はむやみにスケールを大きくしないのがいい。パネンカの粒立ちのきれいなリズミカルなピアノがアンサンブルに生気を与えている。
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<Suk Trio>
Jan Panenka, piano
Josef Suk, violin
Josef Chuchro, cello
・Recorded in 1975
Denon 33CO-1587
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Schubert:
Piano Trio No.1
廉価盤で
Schubert
& Mendelssohn
Tchaikovsky:
Piano Trio
Beethoven:
Piano Trio
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1. ピアノ三重奏曲第1番 変ロ長調 作品99
2. ノットゥルノ 変ホ長調 作品148
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Schubert:
Piano Trio in E-flat Major, Op.100
Oppitz/ Sitkovetzky/ Geringas
ゲルハルト・オピッツ、ドミートリ・シトコヴェツキー、ダヴィッド・ゲリンガスという贅沢なトリオ。1985年の録音なので、今となっては懐かしい気もする。かれらの若々しい息吹きが曲のパワーをうまく引き出した魅力的な演奏で、20年来の愛聴盤になっている。
技術的に申し分ないだけでなく、メリハリのきいたというか、思いきりのいいというか、ヴィーン風を意識しない明快なアプローチ。にもかかわらずスケール感がほどほどに制御されているのがいい。オピッツのピアノが表情豊かで、第2楽章「アンダンテ」など慈しむような美音が素晴らしい。そしてドラマチックな盛り上がりの自然さ。「スケルツァンド」の軽やかさも巧みだ。
かれらのシューベルトの特徴をひとことで言うなら「わくわくする演奏」ということになるだろうか。スーク・トリオにはない魅力だ。
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Gerhard Oppitz, piano
Dmitry Sitkovetzky, violin
David Geringas, cello
・Recorded in 1985
Novalis 150 003-2
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Schubert:
Piano Trio No.2
Schubert:
Piano Trio No.1
廉価盤セットで
Schubert:
Piano Trios
オピッツのヴェーバー
Complete
Works for Piano & Orchestra
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1. ピアノ三重奏曲第2番 変ホ長調
作品100
2. ソナタ楽章 変ロ長調 作品番号なし |
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Schubert:
Piano Trios, Op.99 & 100
Voces Intimae
CDの時代になって、シューベルトのピアノ三重奏曲2曲を1枚のアルバムに収めることができるようになった。77分半もあるからうれしいようなしんどいような…。
さて、このヴォーチェス・インティメー(親密な声)の演奏は古楽器でその2曲を演奏したもの。ピアノはシューベルトの時代に製作されたグラーフを使用している。現代楽器のようなスケールがないためか、こぢんまりした「親密な」印象を受ける。
『第2番』(こちらが先に作曲されたとされる)はベートーヴェンに通じる力強さを持った作品。よく男性的と評される。演奏はしなやかさを感じさせるもので切れ味もよく、聴き応えのある仕上がりになっている。
しかし『第1番』のほうがこのグループの資質に合っているかも知れない。余韻の短い打楽器的な音色のピアノが音を転がすさまが楽しく、弦のやわらかい旋律がそれに美しくからんでいく。繊細なアプローチからこの曲のもつ抒情性がごく自然に立ちのぼってくるのだ。
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<Voces Intimae>
Riccardo Cecchetti, fortepiano
Luigi De Filippi, violin
Sandro Meo, cello
・Recorded in 1999
Symphonia SY 99172
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Piano
Trios, Op.99 & 100
ピアノ三重奏曲集(インマゼール)
ピアノ三重奏曲集(シフ)
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1. ピアノ三重奏曲第2番 変ホ長調
作品100
2. ピアノ三重奏曲第1番 変ロ長調 作品99 |
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Schubert:
String Trio & Arpeggione Sonata
Les Musiciens
弦楽三重奏という分野はあまり曲数に恵まれていない。三つの楽器というのは合奏の基本なのだが、シンプルすぎるのかも知れない。一つ多い四重奏のほうが工夫のしがいがあるのだろう。シューベルトも完成させたのは『第2番』と呼ばれる変ロ長調の作品だけ。『第1番』は第2楽章の途中で放棄されている。
しかしこの二つとも珠玉の作品だ。シューベルトらしい親しみやすいひそやかさがある。気のあったもの同士が静かに語り合うような。もちろんかれならではの美しい旋律に満ちているのだが、アレグロ楽章でさえ短調部分では深い愁いを帯びている。パスキエの繊細なヴァイオリンが効果的だ。
有名な『アルペジォーネ・ソナタ』はいまさら言うまでもないだろう。まさに美旋律の宝庫と言える傑作ソナタだ。ローラン・ピドゥのチェロはリズムを伸縮させながらゆったりと歌っていく。ゆたかな表情づけが自然な呼吸で行われているため、決して大げさになることがない。上品なのである。
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<Les Musiciens>
Regis Pasquier, violin
Bruno Pasquier, viola
Roland Pidoux, cello
Jean-Claude Pennetier, piano
・Recorded in 1980
Harmonia Mundi France
901035
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String
Trio & Arpeggione Sonata
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1. 弦楽三重奏曲第2番 変ロ長調
D.581
2. 弦楽三重奏曲第1番 変ロ長調 D.471(第1楽章 アレグロ)
3. アルペジォーネ・ソナタ イ短調 D.821 |
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Schubert:
Complete Works for Violin & piano
Jaime Laredo/ Stephanie Brown
なんだアメリカ人のシューベルトか、なんて言わないでいただきたい。ハイメ・ラレードのシューベルトはしなやかでとても美しいのだから。
作品自体はシューベルトの室内楽全体から見たらたいしたことないかも知れない。3曲のソナチネなどスケールは小さいし、聴いて深い感銘を受けるような作品ではない。しかしそこはシューベルト、小ぶりながら愛すべき曲に仕上がっている。
スケールを求めるなら二枚目に入っている3曲だろう。『二重奏曲』の名で知られる『ソナタ イ長調』は堂々とした4楽章の作品。ドラマチックな高揚もあるメリハリの利いた曲で、聴き応え充分の名品だ。『ロンド』も15分を超える大規模なもの。名技的な部分も用意され、かっこいい。凡庸なヴァイオリニストではスカッとあざやかに弾ききることはできないだろう。
そして大作『幻想曲 ハ長調』が控えている。自由に書かれたヴァイオリン・ソナタと考えてもいいのだが、文字どおり幻想的な、不思議な雰囲気をたたえている。イントロからシューベルトらしからぬ調性感のあいまいな旋律が現れ、ピアノもアヴァンギャルドな伴奏をつけていく。お得意のリズミカルな展開になってもヴァイオリンは夢見るように調性を失いかける。こういうスリルはこれまでのシューベルトにはなかったものだ。最晩年に至って、シューベルトには新しい世界が見えていたのではないか。そんな気がする。
附記)表紙の油彩はクリムトによる『ピアノを弾くシューベルト』
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Jaime Laredo, violin
Stephanie Brown, piano
・Recorded in 1989
Dorian Recordings
DOR-90137 (2CDs)
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Complete
Works for Violin & piano
ラレードの小品集
Favorite Violin Encores
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<CD 1>
1. Sonatina in D major, Op.137 No.1
2. Sonatina in A minor, Op.137 No.2
3. Sonatina in G monor, Op.137 No.3 |
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<CD 2>
1. Sonata in A major, Op.162
2. Rondo in B minor, Op.70
3. Fantasy in C major, Op.159 |
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