クラシックレビュー
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early music / baroque / orchestral / concerto / instrumental
theatrical / vocal works / contemporary / historical recordings / etc.
 
villa-lobos

Villa-Lobos: Music for Flute
William Bennett and Friends

英国のフルート奏者ウィリアム・ベネットによるヴィラ=ロボスの室内楽集。予想どおりというべきか、ネクタイをしたヴィラ=ロボスだ。しかし堅苦しいわけではない。ラテン的な「熱」と「色気」こそ薄らいでいるものの、曲の魅力はちゃんと味わうことができる。編成がさまざまで盛り沢山。楽しめるアルバムだ。最後の曲だけはフルートが入っていないのでよろしく。
『ショーロ』『モディーニャ』といった作品は民族色が希薄な分、モダンさが際立ってくる。『バッキアーナ・ブラジレイラ 第6番』(フルートとバスーンのデュオ)も清々しい仕上がりだ。
アブストラクトな作品は民族色が関係なくなるので誰でも楽しめるだろう。シア・キングらによる『三重奏曲』はその典型だ。ヴィラ=ロボスが20世紀の音楽家だったことをあらためて思い起こさせる。ドライなハーモニー、交錯するリズム。かれはルーセルやストラヴィンスキーと同時代者なのである。

William Bennett, flute
Neil Black, oboe
Janice Knight, cor anglais
Thea King, clarinet
Robin O'Neill, bassoon
Charles Tunnell, cello
Simon Weinberg, guitar

・Recorded in 1987
Hyperion Records
CDA 66295

♪ Song of Love

Villa-Lobos: Music for Flute

Villa-Lobos: Woodwind Music

 
1. Quinteto em forma de Choros, for flute, oboe, cor anglais, clarinet and bassoon (1928)
2. Modinha, for flute and guitar (1926)
3. Bachiana Brasileira No.6, for flute and bassoon (1938)
4. Distribution of Flowers, for flute and guitar 81937)
5. The Jet Whistle, for flute and cello (1950)
6. Choros No.2, for flute and clarinet (1924)
7. Song of Love, for flute and guitar (1958)
8. Trio, for oboe, clarinet and bassoon (1921)
dora seres

Dora Seres: Flautissimo
(Mouquet/ Francaix/ Damase/ Liebermann, etc.)

ドーラ・セレシュはブダペストのリスト音楽大学を2002年に卒業。その後アドリヤン、ニコレ、パユ、ベネット、ロビソンに教えを受け、ハンガリー放送管弦楽団の首席フルート奏者を務めている。来日経験があるそうだ。
若いセレシュが取り組んだのはほとんど知られていない20世紀のフルート作品たち。フランスのムーケ、フランセ、ダマーズ、チェコのフェルド、ハンガリーのドホナーニ、米国のリーバーマン。
ムーケ(1867-1946)の『牧神の笛』は「牧神と羊飼いたち」「牧神と鳥たち」「牧神と妖精たち」と名づけられた小曲からなる組曲。ルーセルの『笛吹きたち』を連想させる、いかにもフランス近代の作風だ。
フェルド(1925-)の『フルートソナタ』は1957年に書かれている。古典的形式に複数の旋法を持ち込むなど興味深い作風。リズミカルでかっこいいが難易度は高い。セレシュの手際のよさには驚かされる。
リーバーマン(1961-)はスイスのリーバーマンとは別人。若いが米国の保守的作曲家グループの一員で、上記作品のあとに出てきても違和感がない。はっきりした旋律線をもち、だれが聴いても判るくらい明確な形式で書かれている。

 

Dora Seres, flute
Emese Mali, piano

・Recorded in 2004
Hungaroton Records
HCD 32299

Dora Seres: Flautissimo

近代フランス作品集
フランスの伝統
フルート・イン・スタイル
French Flute Concertos

 
1. Mouquet: La flute de Pan
2. Francaix: Divertimento
3. Feld: Flute Sonata
  4. Dohnanyi: Aria
5. Damase: Rhapsodie
6. Liebermann: Flute Sonata
ヨンゲン

Jongen: Danse Lente - Music for Flute
Marc Grauwels and Friends

マルク・グローウェルスによるジョンゲン(1873-1953)のフルート作品集。ジョンゲンはかのルクーの3年後、ベルギーのリエージュに生まれている。ルクーが後期ロマン派の香りを濃厚に漂わすのに対し、ジョンゲンはフランス近代の粋な和声を活かした明快な作風が特徴だ。
フルートとハープのための『ゆるやかな踊り』は第一次大戦の難を逃れてロンドンに渡っていた時期に書かれたもの。心なしか憂鬱な雰囲気がある。
チェロが加わった『三重奏曲』は友人だったルネ・ルロワ、マルセル・グランジャニーのために書かれた。名手を想定した華やかさをもち、ロマンチックな情熱をも発散する名品だ。つづく『フルートソナタ』もルロワのために書かれている。新古典主義の枠組みの中で新鮮な旋律線、ゆたかな和声を惜しげもなく展開してみせる。調性感は明確だがそれなりの冒険もあり、何度聴いても新たな発見を楽しませてくれる。
残る2曲はフルート4本用。巧みな対位法的展開を聴かせるのが『エレジー』。『2つのパラフレーズ』は管弦楽作品から作曲者自身がフルート四重奏のために書き直したもの。故郷ワロン地方に伝わる古いノエルが素材だという。なるほど、この楽しさはクリスマスだからか。

 

Marc Grauwels, flute
Marie Hallynck, cello
Sophie Hallynck, harp
Dalia Ouziel, piano
Flute Quartet of the Brussels Royal Music Conservatory

・Recorded in 1997
Syrinx Record
CSR 98102

レーベル移行
Jongen: Music for Flute
ジョンゲン: フルート作品集

Complete Chamber Music with Harp
String Quartets

 
1. Danse Lente for Flute & Harp, Op.56bis
2. Trio for Flute, Cello & Harp, Op.80
3. Sonata for Flute & Piano, Op.77
  4. Elegie for 4 Flutes, Op.114 No.3
5. 2 Paraphrases on Noel Wallons for 3 Flutes
  & Alto Flute, Op.114 Nos.1 & 2
アンドレ・カプレ

Caplet: Chamber Music
Calamus Ensemble

アンドレ・カプレ(1878-1925)の木管楽器のための室内楽を集めた一枚。カプレはドビュッシーとの交遊で知られ、かれの作品のオーケストレーションを引き受けたりしている。しかしどういう作曲家だったのかはほとんど知られていないのではないかと思われる。
カプレは印象主義の作曲家に分類される。代表作である『赤死病の仮面』などを聴くと時代にふさわしい新しい和声と神秘主義的な妖しさ、暗さ、エロティシズムが感じられるだろう。それほどドビュッシーには似ていない。
ここに聴かれる作品はオーケストレーションの名手らしい管楽器用法の巧みさが味わえるもの。木管五重奏を二倍の編成にした『ペルシャ風組曲』は典型的で、色彩的楽しさと名技性の面白味が味わえる。奏者はかなりしんどいと思うが。
フルートを主役にした作品では神秘性が感じられ、ジョリヴェの登場を予見させる。野性的呪術的な雰囲気を加えたらそのまんまジョリヴェだと思うんだけど。

 

Calamus Ensemble

・Recorded in 1994
Musikproduktion Dabringhaus und Grimm
MDG 603 0599-2

Caplet: Chamber Music

Antour de Debussy
Caplet & Magnard: Wind Quintets
A Saxophone for a Lady
French Flute Music

 
1. Quintet for Piano, Flute, Oboe, Clarinet
  & Bassoon (1898)
2. Reverie for Flute & Piano (1897)
3. Petite Valse for Flute & Piano (1897)
  4. Improvisations for Flute & Piano (1920)
5. Suite Persane for 2 Flutes, 2 Obes,
  2 Clarinets, 2 Horns & 2 Bassoons (1900)
アンドレ・カプレ

Caplet: Conte Fantastique, Septuor, etc.
Ensemble Musique Oblique

アンドレ・カプレの室内楽や歌曲を収めたアルバム。『幻想的物語』は『赤死病の仮面』(Le Masque de la Mort Rouge)をハープと弦楽四重奏のために編曲したもの。ポーの短編がもとになっており、この小編成でも不気味さはたっぷり味わえる。神秘的な響きが素晴らしい。
神秘的といえば『七重奏曲』もそう。弦楽四重奏と女声三重唱との組み合わせでえもいわれぬ不思議な音楽をつむぎ出す。1909年の作曲で、ドビュッシーのほかスクリャービンあたりの影響もあるのだろう。
ハープのための『ディベルティメント』は有名だからいいとして、歌曲『祈り』の録音はめずらしいだろう。ハープと弦楽四重奏の伴奏で歌われる宗教的な祈り3曲。これがアヴァンギャルドなのだ。ハープ伴奏の『2つのソネット』はそれほどでもないのだが、こちらは調性がほとんどわからない。カプレ氏、ずいぶん進んだ作曲家だったのだ。

 

Sharon Coste, soprano
Sandrine Piau, soprano
Sylvie Deguy, mezzo-soprano
Laurence Cabel, harp
Ensemble Musique Oblique

・Recorded in 1992
Harmonia Mundi France
HMC 901417

廉価盤に移行
Conte Fantastique, Septuor, etc.

French Chamber Music
Caplet: Le Miroir de Jesus

 
1. Conte Fantastique
2. Les Prieres
3. Divertissements pour Harpe
  4. Deux Sonnets
5. Septuor
ライネッケ

Carl Reinecke: Fantasy Pieces, Trio & Sextet
Csaba Klenyan/ Gergely Ittzes/ Ildiko Cs. Nagy, etc.

カール・ライネッケ(1824-1910)はよく「ブラームスの陰に隠れた作曲家」の中に入れられてしまうが、実はたいへん個性的な作曲家であり、旋律や和声にかれならではの不思議な魅力を発揮している。
クラリネットとピアノのための『幻想小曲集』はシューマンの同名作品を思い出す。触発されたことは間違いないだろう。シューマン同様に繊細な和声構造をもつがそれほど似ているわけではなく、気ままにたゆたうような旋律がとても美しい。ことに第3曲のレントラーはもの憂い3拍子と特徴的リズムのトリオ部分との対比が鮮やか。
『三重奏曲』はクラリネット、ホルンとピアノで奏される。発表されたのは20世紀に入ってからなので、いかにも後期ロマン派といった主題の変容、和声の移ろいが聴かれる。抒情性に重きが置かれ、名技的面白さはないがじっくり聴けるタイプ。
最後の『六重奏曲』はフルート、クラリネット、オーボエ、ホルン(2)、バスーンという管楽器のみの編成。まず響きの美しさに魅せられる。シンフォニックな方向には向かわず、いかにも室内楽的な各楽器間のやりとりや音色のブレンドの楽しみを追求していく。もっとも活躍するのはフルートだが、6人の奏者がそれぞれ勝手なことをやっているようにきこえる部分もある。それでも調和が失われないのが面白い。

 

Csaba Klenyan, clarinet
Gabor Bizjak, horn
Gabor Toth, horn
Ilona Csizmadia, oboe
Gyorgy Lakatos, bassoon
Ildiko Cs. Nagy, piano

・Recorded in 2003
Hungaroton Records
HCD 32277

Fantasy Pieces, Trio & Sextet

Reinecke: Trios
Reinecke and Friends
Reinecke: Opp.83, 216 & 271
Berlin Philharmonic Wind Quintet

 
1. Fantasy Pieces for Clarinet & Piano, Op.22
2. Trio for Clarinet, Horn & Piano, Op.274
  3. Sextet, Op.271
ライネッケ

Carl Reinecke: Chamber Music
Reinecke Trio

上記アルバムがハンガリー人たちのライネッケなのに対し、こちらはイタリア人たちのライネッケ。室内楽集とあるが、ピアノ独奏のための『南国の絵』も入っている。これはドイツから見た南国、スペインやイタリアをイメージしたもの。ゴンドラ漕ぎの歌やらボレロやら、憧れの南国を描いたそれはそれは美しい組曲。
ライネッケのメロディ・メーカーぶりはヴィオラのための『幻想小曲集』でさらに遺憾なく発揮される。涙を浮かべた美女のような「ロマンス」、気まぐれな少女のような「アレグロ・モルト・アジタート」、お祭りにはしゃぐ村娘のような「モルト・ヴィヴァーチェ」。いずれも魅力的な旋律に満ちている。
聴き応えという点では『三重奏曲』だが、これも抒情的な美しさを湛えている。何かの物語が背景にありそうな、おとぎ話的な不思議な雰囲気が何とも言えない。
クラリネットとピアノのための『幻想小曲集』は上記アルバムと同じもの。そういえばジャケット裏にビュフェ・クランポンとヴァンドーレンのロゴが印刷してある。解説には何も書いてないが、セルジオ・ボシはビュフェ・クランポンにヴァンドーレンのリードかマウスピースを付けて演奏しているのだろう。

 

<Reinecke Trio>
Sergio Bosi, clarinet
Roberto Molinelli, viola
Riccardo Bartoli, piano

・Recorded in 1993
BonGiovanni
GB 5537-2

Reinecke: Chamber Music

Flute Sonata 'Undine'

 
1. Trio for Clarinet, Viola & Piano, Op.264
2. 3 Fantasy Pieces for Viola & Piano, Op.43
  3. 4 Fantasy Pieces, Op.86 "Bilder aus Sueden"
4. Fantasy Pieces for Clarinet & Piano, Op.22
 
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