クラシックレビュー
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early music / baroque / orchestral / concerto / instrumental
theatrical / vocal works / contemporary / historical recordings / etc.
 
アメデー・ラゼッティ

Amedee Rasetti: Trios, Op.18
Trio Amedee

アメデー・ラゼッティ(1759-1799)の父親はフランス王室のヴァイオリニスト、母親はカサノヴァが一目惚れしたほどの美女。そんな家庭で幸せに育ったかどうかは判らないが、生前は楽譜出版社がかれの作品を奪いあったほどの人気作曲家だったという。何故忘れられてしまったのだろう。
この『三重奏曲集 作品18』は3曲セットで、ピアノ、フルートとバスーンで演奏される。フルートとバスーンの代わりにヴァイオリンとチェロでもよいことになっているが、バスーンのパートはスタッカートの多用やフレーズからいって管楽器がふさわしい。この形が本来のものだろう。
作曲者自身クラヴィアの名手だったというだけあり、ピアノパートが素晴らしい。ヤン・フィリップ・シュルツェのきびきびした演奏が、華やかな技巧に彩られ天才的ひらめきに満ちた音楽を見事に再現していく。ダグ・イェンセン(16歳でベルゲン・フィルの団員になったという)のバスーンもすごい。作曲当時こんな譜面をこなせる奏者がいたんだろうか。アンドレア・リーバークネヒト(東京国際室内楽コンクール1位)のフルートは「第3番」で活躍。この曲の最終楽章は聴き応えのある変奏曲になっている。どの作品も音楽する楽しさに満ち満ちており、衝動買いだったが至福のひとときを味わうことができた。次が楽しみだけど、出るかな。

<Trio Amedee>
Jan Philip Schulze, piano
Andrea Lieberknecht, flute
Dag Jensen, bassoon

・Recorded in 2005
Musikproduktion Dabringhaus und Grimm
MDG 603-1332-2

Rasetti: Trios, Op.18

 
1. Trio No.1 in F major
2. Trio No.2 in C major
  3. Trio No.3 in B-flat major
フィリッポ・グラニャーニ

Filippo Gragnani: 3 Sonatas for Violin & Guitar
Fornaciari/ Annunziati/ Bini/ Migliorini

フィリッポ・グラニャーニ(1767-1812?)は古典派時代に活躍したイタリア系ギタリストたちの中では最も古い世代に属する。3歳年下のカルッリとは友人であり、このアルバムの『3つのギター二重奏曲』はかれに献呈されている。パリに住んでいたのだが1812年以降の活動がまったく分からず、その年に死んだのだろうということになっている。作品の多くも失われてしまった。
残された範囲ではギターを含む室内楽が目立つ。イタリアの作曲家らしいのびのびした美しい旋律が特徴で、古典派の様式の中でゆたかな歌を繰り広げていく。『ヴァイオリンとギターのための3つのソナタ』はパガニーニやジュリアーニの同種作品に較べても遜色がない。『3つのギター二重奏曲』はインティメイトなやさしさが魅力だ。こぢんまりした3楽章制デュオソナタだが『第2番 イ短調』など悩ましいほどの美しさと哀しみをたたえている。

 

Marco Fornaciari, violin
Marco Annunziati, guitar
Riccardo Bini, guitar*
Carlo Mascilli Migliorini, guitar*

・Recorded in 1992
fone (Italy)
93 F 18 CD

3 Sonatas for Violin & Guitar

Gragnani: 3 Duos, Op.8
Les Grands Duos de la Musique Italienne

 
1. Sonata No.1 in D major for Violin & Guitar
2. Sonata No.2 in C major for Violin & Guitar
3. Sonata No.3 in A major for Violin & Guitar
  4. Duet No.1 in D major for 2 Guitars
5. Duet No.2 in A minor for 2 Guitars
6. Duet No.3 in G major for 2 Guitars
フンメル/グラニャーニ

Hummel, Gragnani: Grand Serenades & Quartet
Consortium Classicum

またヘンなものを出してきたなとお思いか。確かにヘンかも知れない。フンメルの『大セレナーデ』は二つとも編成がギター、ピアノ、ヴァイオリン、クラリネットとバスーン。よく思いつく。そして曲だが、パッチワークをあしらったジャケットが示すように他人の旋律の寄せ集め。要するにポプリ(今ふうに言えばヒットパレード?)なのだ。剽窃の作曲家の誉れ高いフンメルだが、これだけ徹底していれば文句もあるまい。借用されちゃったのはモーツァルト、ロッシーニ、ケルビーニなど。『第1番』のフィナーレは『フィガロの結婚』序曲がそのまんま使われており、当時は大うけだったんじゃあるまいか。
ふざけているようだが演奏は難しい。原曲はオーケストラで演奏されるわけで、そのダイナミズムをわずか5人の奏者に表現させようとしているからだ。ピアニストがいちばん負担が大きいようだが、作曲者がピアノの名手だったことによるのだろう。ちなみにこの作品はシェーンブルン宮殿の植物園で初演されている。

グラニャーニの『四重奏曲』は2本のギターとクラリネット、ヴィオラという編成。これもヘンか。しかし曲は真面目で前項アルバムの作品同様のびのび美しい。リズミックな部分の処理がうまいなと思ったらギターはソーニャ・プルンバウアーが参加、クラリネットはディーター・クレッカーだった。納得。

 

Consortium Classicum

・Recorded in 1984
Koch Schwann
CD 310 006 F1

Grand Serenades & Quartet

Hummel: Chamber Music
Arranged by Hummel

 
1. Hummel: Grand Seranade No.1, Op.63
2. Hummel: Grand Serenade No.2, Op.66
  3. Gragnani: Quartet, Op.8
マウロ・ジュリアーニ

Mauro Giuliani: Music for Violin & Guitar
Kussmaul/ Prunnbauer

クスマウルとプルンバウアーによるジュリアーニ(1781-1829)作品集。作品番号85の『グランド・デュオ・コンチェルタンテ(協奏的大二重奏曲)』はかつてランパル盤LPを擦り切れるほど聴いたためか、このヴァイオリン版は新鮮でよい。4楽章のごく普通のソナタと考えていいが、ギターの積極的なからみがコンチェルタンテなのだろう。はずむような楽しさ、明るさでうきうきさせてくれる名作だ。
『変奏曲 イ短調』はシチリアーノの主題に4つの変奏が続き、闊達なポロネーズで締めくくられる。『デュオ・コンチェルタンテ ホ短調』も第2楽章が変奏曲。ジュリアーニは変奏曲が得意で、ギター独奏のための変奏曲も多い。ここでも名手らしい巧みな展開をみせ、聴き手を飽きさせない。
クスマウルのストラディヴァリが美しくしなやかで、これら愛すべき作品を香り高く聴かせてくれる。プルンバウアーは古典派時代の楽器のコピーを使用。この人の安定感のある演奏にはいつも感心する。

 

Rainer Kussmaul, violin
Sonja Prunnbauer, guitar

・Recorded in 1998
Musikproduktion Dabringhaus und Grimm
MDG 603 0860-2

Giuliani: Music for Violin & Guitar

Mozart, Giuliani, Carulli
Vienna Guitar Duos

 
1. Grand Duo Concertant in A major, Op.85
2. Variations in A minor, Op.24a
  3. Duo Concertant in E minor, Op.25
ジュリアーニ

Giuliani: Complete Duos & Trio
Palola/ Virta/ Luolajan-Mikkola

ジュリアーニが書いたヴァイオリンとギターの二重奏曲すべてと唯一の三重奏曲を収めたアルバムだという。三重奏は『セレナーデ 作品19』のことで、作曲者27歳の頃に書かれたと考えられている。3つの楽器のバランスがよく、品のいい親しみやすい作品に仕上がっている。
最大の聴きものは『デュオ・コンチェルタンテ 作品25』だろう。旋律の美しさ、展開の巧みさ、スケール感、どれをとっても満足度が高い。第2楽章の変奏曲もよく書かれている。ギターとヴァイオリンが主役を交代したり、ふっと調性を替えてみたり、変化があるのだ。パロラのヴァイオリンは上項クスマウルよりロマンチックなアプローチ。第1楽章マエストーソがほのかな憂愁をともなって聴こえるのはそのせい。
CD1枚目にはジュリアーニお得意の変奏曲が二つ。さすが出来映えがいいけれど、こちらは上質なセレナーデを聴いているような、気軽に聴ける作品たち。

 

Erkki Palola, violin
Ilkka Virta, guitar
Markku Luolajan-Mikkola, cello*

・Recorded in 1996
Alba Records
ABCD 124:1-2 (2CDs)

Giuliani: Complete Duos & Trio

Les Grands Duos de la Musique Italienne

ジュリアーニ作品集

 
<CD 1>
1. Polonaise in A
2. Variations in A minor, Op.24a
3. Six Variations, Op.63
4. Seconde Polonaise in G
  <CD 2>
1. Serenade in A major, Op.19*
2. Duo Concertant in E minor, Op.25
ランパル

Flute & Guitare
Rampal/ Bartoli

マスターが初めてジュリアーニを知ったのはランパルとバルトリのコンビによるこの演奏だった。ルイエのソナタとド・ヴィゼのギター組曲との組み合わせ。このCDではバルトリ独奏のバッハの前奏曲、ソルの小品が加えられている。
『グランド・ソナタ』は『グランド・デュオ・コンチェルタンテ』と同じ曲。ランパルの明るく輝かしいフルートが曲のもつ愉悦感を見事に再現し、うきうきする楽しさだ。アンダンテ楽章のしみじみした歌もメランコリーを漂わせて美しい。LPを擦り切れるほど聴いたもんである。

 

Jean-Pierre Rampal, flute
Rene Bartoli, guitar

・Recorded in 1966 & 67*
Harmonia Mundi
HMP 390711

Flute & Guitare

 
1. Bach: Prelude in D major*
2. Loeillet: Sonata for Flute & Guitar, Op.1
3. De Visee: Suite for Guitar
4. Giuliiani: Grand Sonata in A major, Op.85
  5. Sor: Etude XVII
6. Sor: Etude XVIII
7. Sor: Andante - Largo, Op.43 No.5
マウロ・ジュリアーニ

Giuliani: Divertimento Italiano
Najfar/ Swete

ジュリアーニのフルート&ギター作品集。イラン人ナイファとオーストリア人シュヴェーテのコンビは切れ味のいい闊達なアプローチだ。上記ランパル盤ほどのなめらかさはないものの、うきうき度では負けていない。テンポが若干速めなのでジュリアーニがフルート奏者に課した超絶テクニックのすごさがよくわかる。(1)と(2)の最終楽章はその典型だ。とくに(2)は曲のスケール感もあり、ぐんぐん白熱していくさまが恐ろしい、いや、素晴らしい。ギターもかなり走らされる。
(3)は1〜2分ていどの小品のセット。ディヴェルティメントとはいえ技巧的に高度なものが含まれ、これも手応えあり。

 

Reza Najfar, flute
Alexander Swete, guitar

・Recorded in 1998
Koch Discover International
DICD 920537

Divertimento Italiano

Works for Flute & Guitar I
Works for Flute & Guitar II
Works for Flute & Guitar III

 
1. Gran Serenata, Op.82
2. Gran Duetto Concertante, Op.52
  3. 18 Divertimenti Notturni, Op.86
 
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