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SP録音

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instrumental / theatrical / vocal works / contemporary / etc.
 
マルセル・モイーズ Marcel Moyse: Flute Fantastique

マルセル・モイーズ(1889-1984)のSP覆刻による小品集。バッハ、ドビュッシー、ドップラーなどに混じって、ノブロー、ベネディクト、ユーといった珍しい作曲家の作品がおさめられている。このあたりよほどのフルート好きかフルート学習者でないとなじみがないのではないだろうか。伴奏はほとんどがピアノ。ひとつだけオケの伴奏があるが、指揮しているのがなんとアンリ・トマジ。時代を感じる。古い録音ばかりだが音の状態はよく、温かみのある魅力的な音色がきれいに再現されている。

モイーズの奏法、テクニックは最近のフルーティストとは異質なものだ。アゴーギクを多用した柔軟な解釈で、コルトーに通じるロマンチックな演奏。驚くような超絶技巧も聴かせるが、わたしたちになじみの名手のような機械的な正確さは感じない。これは音楽的な正確さというべきだろう。温かみを感じる魅力的な演奏だ。

Marcel Moyse, flute
Georges Truc, piano
Louis Moyse, piano
Henri Tomasi, conductor

・Recorded in 1927 - 1935
Pavillion Records
Pearl GEM 0206

Flute Fantastique

モイーズ関連本
モイーズとの対話

楽譜はこちら
演奏会用フルート名曲集<1>
演奏会用フルート名曲集<2>
演奏会用フルート名曲集<3>

 
1. Bizet/Borne: Carmen Fantasy
2. Saint-Saens/Taffanel: The Swan
3. Noblot: Melody
4. Gaubert: Madrigal
5. Sechers: Souvenir de Gand
6. Reichert: Fantasie et Variations
7. Bach: Polonaise - Badinerie
8. Taffanel: Scherzettino
9. Debussy: Syrinx
  10. Taffanel: Andante Pastorale
11. Doppler: Fantaisie Pastorale Hongroise
12. Bizet: Menuet from L'Arlesienne
13. Benedict: Carnaval de Venise
14. Gluck: Ballet des Champs-Elysees
15. Wetzger: Am Waldesbach
16. Tchaikovsky: Andante Cantabile
17. Hue: Fantasie pour Flute
ピアノの女王 Dame Myra Hess, Vol.1

マイラ・ヘス(1890-1965)の1928年から37年までのSP録音を覆刻したもの。バッハの『主よ、人の望みの喜びよ』のピアノ版を作った人として、あるいは初代「ピアノの女王」として、知っている人は少なくないと思う。女王というのは戦争中に防空壕の中でピアノを弾いて人々を勇気づけたということから英国のジャーナリストが贈った称号で、演奏についての評価ではないといわれる。称号はともかく、かの女が優れたピアニストだったことは遺された録音から十分うかがい知ることができる。

シューベルトのソナタがよい。この時代、シューベルトのソナタを採り上げるピアニストはほとんどいなかったという話だが、ヘスの演奏は素直でよくこなれており、古典的たたずまいの中からシューベルトらしいロマンチックな香りが漂ってくる。現代にも通用する優れた演奏だ。
フォイアマンと組んだベートーヴェンのチェロソナタ(作品69)も素晴らしい。フレッシュで推進力のあるチェロをヘスの風格あるピアノがきっちりサポートしており、聴き終えると爽快感が残る。いわゆる巨匠芸ではないが、真摯なベートーヴェンだ。なにより品があるのがよい。
おなじみ『主よ、人の望みの喜びよ』は最後に入っている。

 

Myra Hess, piano
Emanuel Feuermann, cello (Beethoven)
Hamilton Harty, piano (Dvorak)

・Recorded in 1928 - 1937
Pavillion Records
Pearl GEMM CD 9462

Dame Myra Hess, Vol. 1

女王の弾く『皇帝』
Beethoven: Piano Concerto No.5
『第4番』は
Beethoven: Piano Concerto No.4
国内盤では
バッハ:主よ、人の望みの喜びよ

 

1. Bach: Gigue (French Suite No.5)
2. Schubert: Piano Sonata in A Major, D664
3. Beethoven: Cello Sonata in A Major, op.69
4. Chopin: Nocturne in F-sharp minor
5. Mendelssohn: Song without Word No.18
6. Brahms: Capriccio in B minor

  7. Dvorak: Slavonic Dance in C Major
8. Debussy: Poissons d'Or
9. Debussy: La Fille aux Cheveux de Lin
10. Debussy: Minstrels
11. Bach: Jesu, Joy of Man's Desiring
myra hess

Dame Myra Hess, Vol.2

マイラ・ヘスのシューマン・プログラム。『協奏曲イ短調』が1937年、『謝肉祭(作品9)』が1938年の録音。いずれもロマンの香り高い演奏で、忘れがたい感銘を残す。表情は豊かだが大袈裟なところはなく、ダイナミクスの変化もテンポ・ルバートもきわめて自然。むしろ端正な感じがする。上記第一集の演奏もそうだったが全体のバランスのよさにも感心する。
その美点が『協奏曲』ではよく活かされている。ありがちな散漫な印象は皆無。最終楽章の情熱のほとばしりも知的コントロールの効いたもの。これでこそこの作品は名曲となるのだ。
一転してシューマンらしい気ままな作品『謝肉祭』ののびやかさ、楽しさ。性格的小品の連鎖というやっかいな曲なのに、さらっと一気に弾いてしまったように聴こえる。じっくり聴いてみると部分への細やかな気配りと全体構成の把握がうまいバランスで両立しているのが判る。
おまけはマクダウェル(1860-1908)の『海の小品』から『西暦1620年』、グリフェス(1884-1920)の『ローマのスケッチ』から『白い孔雀』。後者は印象派ふうなどと評されるらしいが、どうでもいいやってのが正直なところ。

 

Myra Hess, piano
Unknown symphony orchestra
Walter Goehr, conductor (concerto)

・Recorded in 1928 - 1938
Pavillion Records
Pearl GEMM CD 9463

Dame Myra Hess, Vol. 2

別レーベルから
The Complete Pre-War Schumann Recordings

 
1. Schumann: Piano Concerto in A minor
2. Schumann: Carnaval
  3. MacDowell: Sea Pictures No.3
4. Griffes: Roman Sketches No.1
フランチェスカッティ Zino Francescatti
(Lalo/ Franck/ Debussy/ Bach, etc.)

フランクのソナタはこれほど有名なのに何故よい演奏がないのだろう。何年もそう思い続けてきた。著名演奏家の録音を次々と聴いてみたがどれも納得がいかず、ことに女性ヴァイオリニストたちの品のない演奏には辟易していた。20年以上経ってようやく巡り会えた理想の演奏は、なんとこんなに古い録音。フランチェスカッティとカザドゥシュのコンビだ。かれらにはベートーヴェンの名演もあるが、このフランクは比較にならないほどずば抜けた演奏だ。
高貴にして親しみやすく、繊細にして力強く、深々としていながらしつこさがない、絶妙のバランスのうえに成り立っている。この曲特有のおそろしく息の長い旋律がこれほど魅力的に心をとらえた例はなかった。各楽章の描き分けもきわめて自然で、わざとらしいところは微塵もない。余計なことを気にせず、ゆったり音楽に浸ることができる。
ラロの『スペイン交響曲』はクリュイタンスの指揮。古いSP録音なので細かいところは聴きとれないが、なかなか香り高い演奏で、こちらも気に入っている。

 

Zino Francescatti, violin
Robert Casadesus, piano (Franck)
Max Lanner, piano
Columbia Symphony Orchestra
Andre Cluytens, conductor (Lalo)

・Recorded in 1945 & 46
Pavillion Records
Pearl GEMM CD 9250

Zino Francescatti

これもお奨め
Beethoven: 3 Violin Sonatas
イタリア・ヴァイオリン名曲集

 
1. Lalo: Symphonie espagnole
2. Franck: Violin sonata in A major
3. Debussy: La fille aux cheveux de lin
4. Debussy: Minstrels
5. Schumann: Prophet bird
  6. Shostakovitch: Polka (The Age of Gold)
7. Bach: Prelude from Partita No.3
8. Wieniawski: Etude-Caprice in A minor
9. Tartini: Variations on a theme of Corelli
ゲルハルト・タシュナー Gerhard Taschner spielt Franck & Beethoven

ゲルハルト・タシュナー(1922-76)とヴァルター・ギーゼキング(1895-1956)によるフランクとベートーヴェン。いずれもタシュナー20歳代の録音。
23歳のときのコンサート録音であるフランクの『ソナタイ長調』。若々しさより風格が前面に出た堂々たるフランク。自信に満ちた力強いボウイングで粘っこくて息の長い旋律を巧みに歌っていく。上記フランチェスカッティ盤ほどの繊細さはないが、この曲のもつデモーニッシュな面が強調された説得力ある演奏だ。
ベートーヴェンの『クロイツェル』はさらにデモーニッシュ。ドイツっぽいと言うべきか、秘められた情熱の無意識の発露といった感じの、熱のこもった演奏だ。この曲はとくにピアノの役割が重要だが、ギーゼキングも積極的にタシュナーの熱い演奏に応えている。コンチェルタンテなうねりの中からじわりと官能の響きが生まれてくる。このふたり、演奏に先立ってトルストイを読んでいたんじゃないかな。

◎ドイツ・レコード批評家賞受賞盤

 

Gerhard Taschner, violin
Walter Gieseking, piano

・Recorded in 1947 (1), 51 (2) & 45 (3)
Bayer Records
Dacapo BR 200 053

Taschner: Franck & Beethoven

ほかには
The Art of Gerhard Taschner

読んでから聴きますか
クロイツェル・ソナタ

 
1. フランク:ヴァイオリンソナタ イ長調
2. ベートーヴェン:ヴァイオリンソナタ第9番 イ長調 作品47「クロイツェル」
3. ベートーヴェン:同 第三楽章
ギーゼキング Walter Gieseking
His First Concerto Recordings, Volume 1

ヴァルター・ギーゼキング1930年代の協奏曲録音。すべてSPの覆刻である。
個人的な話をすると、わたしがベートーヴェンの『ピアノ協奏曲 第1番』の魅力を認識した最初の演奏がこのギーゼキングだった。バックハウスもアシュケナージもリヒテルも、魅力を教えてくれなかったのだ。中には未熟なつまらない作品のように聴こえるものも(誰とはいわないが)あった。
ギーゼキングのすっきりしたたたずまいの演奏は、作品のもつバランスのよさ、フレッシュさ、チャーミングさをストレートに伝える。雑念がない。これはギーゼキングに雑念がないのか、聴いている側が雑念を払われてしまうのか、どっちかわからない。素直に音楽に没入できる、ごく自然な演奏であることは間違いない。ほかにこういう演奏ができるのはソロモン、もう一人あげるならグルダくらいのものだろう。
モーツァルト作品も21歳という若さで書かれたもの。『ジュノーム』というニックネームでも知られる人気作。 モーツァルト演奏に定評のあるギーゼキングらしい、端正な中からゆたかな情感がたちのぼる名演だ。

 

Walter Gieseking, piano
Berlin State Opera House Orchestra
Hans Rosbaud, conductor

・Recorded in 1936 & 37 (3)
Apppian Publications & Recordings
APR 5511

First Concerto Recordings 1

ソロモンの録音
Beethoven: Piano Concertos Nos. 1 & 2
Beethoven: Piano Concertos Nos. 3 & 4
Beethoven: Piano Concerto No.5
グルダ盤は
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲

 
1. モーツァルト:ピアノ協奏曲 第9番 変ホ長調 K.271
2. モーツァルト:ピアノソナタ 第17番 変ロ長調 K.570
3. ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第1番 ハ長調 作品15
ギーゼキング

Walter Gieseking
His First Concerto Recordings, Volume 2

前項と同じヴァルター・ギーゼキング1930年代の協奏曲録音。こちらはベートーヴェンの『第4番』と『第5番』で、指揮者がベーム、ヴァルターという顔ぶれだ。見ただけで食指が動く。
ギーゼキングのアプローチはやはり端正なもので、この後のいくつかの同曲録音と基本的に同じ。無駄な動きなしでスケール感と表現の深みを産み出していく。まだ若いベーム、ヴァルターの指揮にはぶっきらぼうなところを感じる。晩年の細かさがウソのような大雑把さ。そのかわり勢いがあって、ギーゼキングがその勢いに乗ってさっそうと走っていく。粒の揃った美しい音色。それがはずむように連なり(このなめらかさにも驚く)、若々しいリズムの愉悦に満ちた音楽を紡ぎだしていく。内省的でロマンチックな『第4番』でさえ青年の音楽みたいに聴こえてくる。

 

Walter Gieseking, piano
The Saxon State Orchestra
Karl Boehm, conductor (1)
The Vienna Philharmonic Orchestra
Bruno Walter, conductor (2)

・Recorded in 1934 & 39 (1)
Apppian Publications & Recordings
APR 5512

First Concerto Recordings 2

 
1. ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第4番 ト長調 作品58
2. ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調 作品73
3. バッハ:パルティータ 第1番 変ロ長調より メヌエットとジーグ
ギーゼキング Walter Gieseking
His First Concerto Recordings, Volume 3

ヴァルター・ギーゼキングのロマン派協奏曲録音。すべてSPの覆刻。ギーゼキングにしては珍しいリスト作品が収められている。レパートリーの広い人だったが、リストとショパンはほとんど録音していないのである。
で、そのリストが素晴らしい。ギーゼキングへの悪口として言われるノイエ・ザッハリヒカイト(新即物主義)な演奏という指摘がいかに的はずれかがわかる、起伏の大きい表情ゆたかな演奏なのだ。さすがに大袈裟なところはないけれど、時代様式を踏まえたロマンチックなアプローチ。しかめっ面したり髪を振り乱したり(髪の毛がない!)しないから、凛々しさが感じられる。かっこいいリストである。
グリーグのイ短調も凛々しい。ロスバウトの伴奏はけっこうロマンチックなのだが、ギーゼキングのピアノともども、繊細さが脆弱さや厚化粧につながらないのだ。適度のテンションが心地よく、力強くて品がある。ギーゼキングは指のなめらかさもダイナミズムも十分で、美しさ、造形の完璧さ、陰影の深さに感銘を受ける。

附記)このシリーズはほとんど既出音源だが、リマスタリングによって音質が大幅に改善されている。古いCDをお持ちの方が買い換えても納得のいくものだと思う。

 

Walter Gieseking, piano
The London Philharmonic Orchestra
Sir Henry wood, conductor (1)
The Berlin State Opera House Orchestra
Hans Rosbaud, conductor (3)

・Recorded in 1932 & 37 (3)
Apppian Publications & Recordings
APR 5513

First Concerto Recordings 3

フルトヴェングラーとのグリーグ
Beethoven & Grieg: Concertos
カラヤンとの共演
Karajan Edition - Schumann & Grieg

 

1. リスト:ピアノ協奏曲 第1番 変ホ長調
2. フランク:交響的変奏曲
3. グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調 作品16
4. グリーグ:抒情小曲集より「ゆりかごの歌」作品68の5
5. グリーグ:抒情小曲集より「フランス風セレナード」作品62の3

 
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