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SP録音

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instrumental / theatrical / vocal works / contemporary / etc.
 
gieseking:beethoven

Walter Gieseking Plays Beethoven
(Sonata Nos.17, 21, 23 & 28)

ヴァルター・ギーゼキング(1895-1956)1930年代のベートーヴェン録音。この音源は米コロンビア盤LPで出ていたことがあり、わたしは『ヴァルトシュタイン』と『熱情』の入ったのを持っていた。
猛スピードで始まる『ヴァルトシュタイン』には誰しも驚くだろう。わたしもはじめて聴いたときは回転速度を間違えたかと思った。こんな速いテンポでこんな正確な打鍵ができるとは!『熱情』も同様、ひたすら疾走する。なにをそんなに急いでいるのか。大事なものが抜け落ちてしまわないか。そんな心配をよそに最後まで弾ききってしまい、しかも内容は完璧。すべての音が意味あるものとしてあるべきところに収まっており、ベートーヴェンならではの起伏に富んだドラマが見事に再現されている。なんてこった。これじゃ奇跡だ。
ギーゼキングは放送録音を含め何回か同曲を録音しているが、スピード違反はこの録音だけ。ギーゼキングファンなら一度は聴いておくことをお奨めする。

Walter Gieseking, piano

・Recorded in 1931 - 1939
VAI Audio
VAIA 1088

Gieseking Plays Beethoven

 
1. Piano Sonata No.21 in C major, Op.53 "Waldstein"
2. Piano Sonata No.17 in D minor, Op.31 No.2 "Tempest"
3. Bagatelle in E-flat major, Op.33 No.1
4. Piano Sonata No.28 in A major, Op.101
5. Piano Sonata No.23 in F minor, Op.57 "Appassionata"
レトロスペクティブ

Walter Gieseking, A Retrospective Volume I

カヴァーはヴァルター・ギーゼキング1947年の写真。一緒に写っているのは娘のフレイア。ゲルマン神話の豊饒の女神と同じ名前だ。壁に掛かっている版画はオスカー・ココシュカではないだろうか。
英パールがリリースしたギーゼキングのSP覆刻を中心にした『レトロスペクティヴ』シリーズ1枚目。最も古いのが1924年のプーランク。作曲から6年後の録音ということになる。まさに同時代者の演奏だが、ドビュッシーもスクリャービンもギーゼキングには同時代者だった。それら、言うなれば当時の現代音楽を古典的なバランス感覚で仕上げてしまう力量には感心するしかない。じつによくこなれているのである。
主要レパートリーであるバッハやベートーヴェンの完成度は言わずもがな。基本的アプローチはLP時代とほとんど変わらず、むしろ若々しさが魅力になっている。なおブラームスの『奇想曲』とメンデルスゾーンはこれまで未発表だった1956年のライヴ録音。後者はレパートリー的にも珍しいのではないだろうか。

 

Walter Gieseking, piano

・Recorded in 1924 - 1956
Pavilion Records
Pearl GEMM CD 9930

A Retrospective Vol.1

Plays Debussy and Ravel

 

1. Bach: Partita No.1 in B-flat Major
2. Beethoven: Bagatelle in E-flat, Op.33-1
3. Beethoven: Sonata No.20 in G Major, Op.49-2
4. Beethoven: Sonata No.30 in E Major, Op.109
5. Brahms: Intermezzo in B-flat minor, Op.117-2
6. Brahms: Capriccio in F-sharp minor, Op.76-1

  7. Mendelssohn: Andante and Rondo Capriccioso
8. Debussy: 2 Arabesques
9. Poulenc: Mouvements Perpetuels
10. Chopin: Barcarolle, Op.60
11. Faure: Nocturne No.4 in E-flat Major, Op.36
12. Scriabin: 4 Pieces, Op.51
ギーゼキング

Walter Gieseking, A Retrospective Volume II

ギーゼキング『レトロスペクティヴ』の第2集。これも興味深いレパートリーを多く含む。まずショパン。ギーゼキングはLP時代にショパンをまったく録音しておらず、わたしもこのシリーズを聴くまでかれのショパンを知らなかった。次にファリャ『スペインの庭の夜』、スクリャービンの『ソナタ 第5番』。この2曲は初出のライヴである。EMIへの公式録音がいかにほんの一部のレパートリーしか採り上げていなかったかがわかるというもの。
おなじみのレパートリーでは1939年の『イタリア協奏曲』と1931年の『テンペスト』がさすがの仕上がり。かれは「ピアノで弾くバッハ」に一家言もっており、チェンバロ曲をただピアノに移し替えただけではない「解釈」が聴かれる。録音は何種類かあるが、これがいちばん清々しいかも知れない。

 

Walter Gieseking, piano
Sinfonie Orchester des Hessischen Rundfunks
Kurt Schroeder, conductor (5)

・Recorded in 1924 - 1951
Pavilion Records
Pearl GEMM CD 9011

A Retrospective Vol.2

 
1. Bach: Italian Concerto, BWV971
2. Beethoven: Sonata No.17 in D minor, Op.31-2
3. Chopin: Mazurka in A minor, Op.17-4
4. Chopin: Berceuse
  5. Falla: Nights in the Gardens of Spain
6. Liszt: Hungarian Rhapsody No.12
7. Scriabin: Sonata No.5 in F-sharp, Op.53
retrospective

Walter Gieseking, A Retrospective Volume III

『レトロスペクティヴ』第3集はマルケヴィッチ指揮の『ジュノム』が目を引く。オケはフランス国立管。1955年9月にモントリューで収録されたライヴであり、これがたしか世界初出だった。カセラの『ソナティナ』(1916年作曲)も初出。たびたび演奏会で採り上げていたそうだが、この演奏は作曲者の死の年1947年に録音されたもの。追悼ライヴだったかどうかは残念ながら不明。カセラはギーゼキングを高く評価しており、ブックレットにはかれの賛辞が英訳されて載っている。
最後に収録されている ラヴェルの『水の戯れ』は1923年12月21日の録音。これがラヴェル作品の記念すべき初録音だったそうである。もちろん作曲者存命中のこと。古いSPのノイズの向こうから輝かしく活き活きしたギーゼキングのピアノの響きがきこえてくる。

 

Walter Gieseking, piano
Orchestre National de Paris
Igor Markevitch, conductor (1)

・Recorded in 1923 - 1955
Pavilion Records
Pearl GEMM CD 9038

A Retrospective Vol.3

 

 
1. Mozart: Concerto No.9 in F-flat Major, K.271
2. Brahms: Romance in F Major, Op.118-5
3. Brahms: Rhapsody in G minor, Op 79-2
4. Chopin: Polonaise in A-flat Major, Op.53
5. Chopin: Etude No.1 in A-flat Major, Op.25-1
6. Chopin: Etude No.2 in F minor, Op.25-2
  7. Chopin: Nocturne in B Major, Op.9-3
8. Chopin: Nocturne in F-sharp Major, Op.15-2
9. Chopin: Ballad in A-flat Major, Op.47
10. Casella; Sonatina, Op.28
11. Ravel: Jeux d'eau
ギーゼキング:モーツァルト

Walter Gieseking Plays Mozart

カンテッリ&ニューヨーク・フィルとのライヴ『ピアノ協奏曲 第21番』は以前イタリア盤で出ていたものと同じ。1955年3月26日収録とあるが、音はそれにしてはよくない。ただ演奏はカンテッリのきびきびした棒が素晴らしく、ギーゼキングも若干速めのテンポで小気味よく音楽を進めていく。ところが有名な第2楽章アンダンテは意外なほどロマンチック。ゆったり大きくテンポを動かし、ギーゼキングのモーツァルトは淡々としているものだと思っていると驚く。
もうひとつローザンヌ録音の『ピアノ協奏曲 第27番』はさらに音がよくない。1948年のライヴで、ギーゼキングの凛々しいピアノはよくわかるが、オケの音がビリビリ割れる。それが我慢できればノーブルでやさしく香り高いモーツァルトが楽しめるのだが…。曲目はいずれも正規録音では出ていないもの。
『ピアノソナタ 第17番』は1956年のシアトル録音で、これもライヴ。モーツァルトのソナタの中では難しい曲で対位法の巧みな使用が聴きどころ。各声部の弾きわけと和声の美しい響きはさすがギーゼキングである。

 

Walter Gieseking, piano
New York Philharmonic Orchestra (1)
Guido Cantelli, conductor (1)
The Lausanne Chamber Orchestra (3)
Victor Desarzens, conductor (3)

・Recorded in 1948 - 56 (Live)
Pavillion Records
Pearl GEMM CD 9236

Gieseking Plays Mozart

 
1. Piano Concerto No.21 in C major, K.467
2. Piano Sonata No.17 in D major, K.576
  3. Piano Concerto No.27 in B-flat major, K.595
edwin fischer Edwin Fischer
(Handel, Marcello, Bach, Mozart, Beethoven, Schubert)

エドウィン・フィッシャー(1886-1960)の落ち穂拾い的なSP覆刻コンピレーション。かれの主要レパートリーがうまい具合に組み合わせられており、魅力的なアルバムになっている。
15分に及ぶバッハ『前奏曲とフーガ 変ホ長調』が力演だ。フーガ主題に『聖アンナの賛歌』を用いた作品で、ここではブゾーニによる編曲版を演奏。『平均律』に定評のあるフィッシャーが、スケール感のある堂々たるバッハを聴かせてくれる。
モーツァルトの『トルコ行進曲付き』は一転してチャーミング。端正な奏法が高貴なほどの芳しさを感じさせて素晴らしい。
ベートーヴェン後期の『ソナタ 第31番』では振幅を大きくとり、抒情的な深みからロマンチックな(ロマン派的なという意味で)感情のほとばしりまでをみごとに再現する。技術的に今どきのピアニストには及ばないのだけれど、説得力は並はずれたものがある。
最後の『六声のリチェルカーレ』は自身の編曲による。室内オーケストラはベルリン・フィルのピックアップ・メンバーだ。フルトヴェングラーと強い信頼関係にあったフィッシャーは、かれらを自由に使うことができたのだという。

 

Edwin Fischer, piano
Edwin Fischer Chamber Orchestra (7)

・Recorded in 1931 - 1938
Pavillion Records
Pearl GEMM CD 9481

Edwin Fischer

フィッシャーといえば
The Well-Tempered Clavier, 1
The Well-Tempered Clavier, 2

Fischer Plays Mozart
Fischer Plays Beethoven

 

1. Handel: Chaconne in G major
2. Marcello/Bach: Adagio from Concerto in D minor
3. Bach/Busoni: Prelude and Fugue in E-flat major BWV.552
4. Mozart: Piano Sonata No.11 in A major, K.331
5. Beethoven: Piano Sonata No.31 in A-flat major, Op.110
6. Schubert: Impromptu in B-flat major, Op.142 No.3
7. Bach/Fischer: Ricercar for Six Voices from 'A Musical Offering' BWV.1079

ソロモン:チャイコフスキー Tchaikovsky: Piano Concerto No.1, etc.
Halle Orchestra/ Harty

ソロモン(1902-88)28歳のチャイコフスキー。英パールのSP覆刻盤はノイズリダクションなどのテクノロジーを敢えて使わず、往年の音色をそのまま再現している。狭いダイナミックレンジ、低音部が弱く少々硬めの音、シューシューパチパチいうサーフィスノイズもそのまま。覆刻に用いたSPの保存状態に大きく左右されるわけだ。
運よくこのチャイコフスキーはかなり状態がよく、若いソロモンのフレッシュな演奏が堪能できる。鍵盤の上を滑るように走る指使いが見えるよう。この人は大袈裟な身振りや深刻な表情なしですいすい音楽を流していくタイプだが、表現力は若いうちから充分だったようだ。ハミルトン・ハーティの指揮はまずまず。オケの切れ味の悪さがなければもっとすっきり仕上がっただろうに。
ショパン、リストは盤の状態がよくない。これらの音源はのちに英テスタメントから音質のいいものが出ているので、そちらで聴いたほうがいいだろう。演奏はソロモンらしいきりっと整ったもの。

 

Solomon, piano
Halle Orchestra
Sir Hamilton Harty, conductor

・Recorded in 1929 - 34
Pavillion Records
Pearl GEMM CD 9478

Tchaikovsky: Piano Concerto No.1

 
1. Tchaikovsky: Piano Concerto No.1 in B minor, Op.25
2. Chopin: Polonaise No.3 in A-flat major, Op.53
3. Chopin: Etude in A-flat major, Op.25-1
4. Chopin: Fantaisie in F minor, Op.49
5. Chopin: Etude in F major, Op.10-8
6. Chopin: Etude in F major, Op.25-3
7. Chopin: Polonaise in A major, Op.40
8. Liszt: Hungarian Rhapsody No.15 in A minor 'Rakoczy March'
9. Liszt: Etude in F minor 'La leggierezza'
ジョン・バルビローリ Barbirolli Conducts Satie, Britten & Dvorak

1969年1月22日、アムステルダム録音。客演指揮の多かったバルビローリだが、コンセルトヘボウとの録音があるとは知らなかった。録音状態がまずまずなので、コンセルトヘボウの魅力的な音色でバルビローリ節を堪能できる。
わたしが注目したのはブリトゥンの『シンフォニア・ダ・レクイエム(鎮魂交響曲)』。20歳代半ばの若き作曲家に日本政府が委嘱したもので、皇紀2600年の祝賀演奏会で演奏される予定だったもの。内容が祝賀にふさわしくないとして却下され、初演は当時ニューヨークにいたバルビローリが引き受けることになった。バルビローリはブリトゥンのヴァイオリン協奏曲も初演しており、自国の俊英を高く評価していたのだった。
悲痛な印象の強い管弦楽曲。たしかに祝祭には向かないが、一度聴くと忘れられないだけの魅力をもっている。ブリトゥンはニューヨークでバルビローリの演奏を聴き、ジョンBの演奏はたいへん真摯なもので「痛み」を充分に表現していたと書き残している。このコンセルトヘボウ盤でも、バルビローリは情感ゆたかに深い哀しみや最後の審判に引き裂かれる苦しさ、静かな祈りを紡いでいく。
ドヴォルザークはバルビローリの十八番(おはこ)。サティは録音バランスがちょっと気になるが、美しい仕上がりだ。次頁に見るようにバルビローリは若い頃からラヴェルやドビュッシーも主要レパートリーとしていたのだ。

 

Concertgebouw Orchestra, Amsterdam
John Barbirolli, conductor

・Recorded in 1969 (Live)
Testament SBT 1252

Barbirolli Conducts Satie, Britten & Dvorak
シンフォニア・ダ・レクイエム

 
1. Satie: Gymnopedie No.3
2. Satie: Gymnopedie No.1
  3. Britten: Sinfonia da Requiem, Op.20
4. Dvorak: Symphony No.7 in D minor, Op.70
 
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