クラシックレビュー
バルビローリ歴史的録音   アドマックス「カフェマキシマム」  
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バルビローリ・ソサエティ

1 / 2 / 3 / 4 / [5] / 6 / 7 / 8 / 9 / 10 early music / baroque / orchestral / concerto / chamber
instrumental / theatrical / vocal works / contemporary / etc.
 
ヴォーン=ウィリアムズ

Barbirolli Conducts Vaughan Williams
Halle Orchestra/ Barbirolli

ヴォーン=ウィリアムズ(1872-1958)の交響曲はボールトとバルビローリが代わりばんこに初演したとどこかに書いてあった。厳密にはそうではなかったが、RVWはこのふたりの指揮者を愛し、いくつかの交響曲の初演を任せている。このアルバムの2曲では『第8番』がバルビローリに献呈されたものである。
もうひとつの『ロンドン交響曲』について、バルビローリはRVWとの内緒の話をばらしてしまった。作曲家は自分の書いた交響曲のうちでこれがいちばん好きだと言ったというのである。ロンドンの街の一日を描いた親しみやすいこの交響曲を好きだなどというのは恥ずかしかったのかも知れない。ビッグベンの音色とともに夜が明け街が次第に喧噪に包まれていく第一楽章から、聴き手は自分がロンドンの街角にいるかのような感覚にとらえられる。形式的にはソナタ形式なのだが、ゆたかなオーケストレーションから浮かび上がる旋律が人なつこく、交響曲然としていないのである。親しみやすすぎて評価が低いというのが実際のところ。
『交響曲 第8番』は1956年5月2日にマンチェスターで初演された。もちろんハレ管の拠点である。この録音は同年6月のもの。ニ短調という明確な調性を持つが響きはそれなりにモダン。のちの『第9番』に較べて地味な気もするが、バルビローリは生涯にわたってこの作品を演奏しつづけた。「ファンタジア」と題された変奏曲が第1楽章。行進曲ふうのスケルツォが第2楽章。美しいカヴァティーナの第3楽章につづいて力強いトッカータが全曲を締めくくる。

Halle Orchestra
John Barbirolli, conductor

・Recorded in 1956 & 57
Dutton Laboratories
CDSJB 1021

Barbirolli Conducts Vaughan Williams

Vaughan Williams & Brahms
A London Symphony
Symphonies 4 & 5

 
1. A London Symphony (1957.12.28&29)
2. Symphony No.8 in D minor (1956.06.19)
バルビローリ:イギリス音楽 The Barbirolli English Music Album
Halle Orchestra/ Barbirolli

バルビローリによる稀少録音を含む英国音楽集。エルガーやヴォーン=ウィリアムズのほか、バックス、バターワース、アイアランドの管弦楽作品が聴かれる。このうちバックス(1882-1953)の『ファンドの園』とバターワース(1885-1916)の『シュロープシャーの若者』はパイのLPでセットで出ていたもの。英ニクサでCD化されたこともある。前者はEMIに再録音がある。
『エニグマ』は既出CDSJB1017に収録のものの5ヶ月前に録音されており、これまで未発表だったもの。ディスコグラフィには載っていなかったはず。『バヴァリア舞曲』の「子守歌」は別テイクである。

 

Halle Orchestra
John Barbirolli, conductor
Parry Jones, tenor*
The Halle Choir*

・Recorded in 1946 - 56
Dutton Laboratories
CDSJB 1022 (2CDs)

English Music Album

 

 

<CD 1>
1. Bax: The Garden of Fand (1956.06.21)
2. Butterworth: A Shropshire Lad (1956.06.20)
3. Ireland: The Forgotten Rite - Prelude for Orchestra (1949.05.31)
4. Ireland: Mai-Dun - Symphonic Rhapsody (1949.05.31)
5. Ireland: These Things Shall Be* (1948.05.01)
<CD 2>
1. Vaughan Williams: Fantasia on 'Greensleeves' (1948.02.26)
2. Vaughan Williams: Fantasia on a Theme by Thomas Tallis (1946.06.06)
3. Elgar: Enigma Variations, Op.36 (1947.05.12)
4. Elgar: Bavarian Dance No.2 'Lullaby' (1947.05.30)
5. Barbirolli: An Elizabethan Suite (1954.01.05)
6. Purcell/Barbirolli: Suite for Strings (1956.06.22)

フェイバリッツ Barbirolli - Halle Favourites 3
Halle Orchestra/ Barbirolli

「ハレ・フェイヴァリッツ」の第3集。1950年代後半の録音で『ウィリアム・テル序曲』と『ヘンゼルとグレーテル序曲』以外はステレオ。ニコライ、ヴェーバー、ロッシーニやプッチーニなど、オペラからの選曲が多いのは第1集に似ている。面白いと思ったのはCD初登場のジェレマイア・クラーク『トランペット・ ヴォランタリー』とスーザの『星条旗よ永遠なれ』。こういう曲が混じるといかにもプロムナード・コンサートという感じがする。
演奏も普段着っぽいもので、悪く言えばていねいさがいつもほどでないのだが、深刻になるような曲は含まれていないのだった。ただメリハリのつけかたや追い込みかた、夢みるような歌わせかたはさすがバルビローリ。曲でいえば『オベロン』のスピード感と香り高いロマンがわたしのお気に入り。

 

Halle Orchestra
John Barbirolli, conductor

・Recorded in 1957 - 59
Dutton Laboratories
CDSJB 1023

Barbirolli - Halle Favourites 3

 
1. Mendelssohn: The Hebrides - Fingal's Cave(1957.05.29)
2. Nicolai: The Merry Wives of Windsor - Overture (1957.08.09)
3. Tchaikovsky: Andante Cantabile (1957.08.10)
4. Weber: Oberon - Overture (1959.04)
5. Rossini: Semiramide - Overture (1958.09.04)
6. Rossini: William Tell - Overture (1957.05.29)
7. Clark/arr. Wood: Trumpet Voluntary (1957.08.11)
8. Puccini: Manon Lescaut - Intermezzo Act3 (1958.09.04)
9. Humperdinck: Hansel and Gretel - Overture (1957.05.03)
10. Souza: The Stars and Stripes Forever (1957.08.09)
バルビローリ:シューベルト The Barbirolli Viennese Album
Halle Orchestra/ Barbirolli

じつはわたしが初めて買った『グレート』のLPがこのバルビローリ盤だった。荻窪にまだ「五番街」というレコード店があった時代。曲はラジオで聴いて知っていた。バルビローリもディーリアスの輸入盤のほかブラームスの『第2番』を持っていた。例のヴィーンフィルとのものだ。廉価盤漁りをしていた頃で、値段につられたということもある。しかし聴いてすぐ、返しに行こうかと思った。全然イメージが違ったから。
わたしはこの曲をベーム/ベルリンフィルで聴いて気に入ったのだ。その後トスカニーニ/フィラデルフィアのとんでもない疾走演奏もエアチェックしていた。
何なんだこの腑抜けたシューベルトはっ!そう思いながら結局ずっと持っていたのは、いずれJBの意図がわかるようになるだろうと考えたからだ。こういうのもありかなと受け容れられるようになったのは10年も経ってから。JBはこの長大な交響曲をゆったりしたロマン一色に染め上げようとしたのだ。1953年のモノラル録音では起承転結の明確な引き締まった演奏をしていた。再録音に当たってJBはアプローチを変えたのである。あのヴィーンフィルとのブラームス『第4番』にも共通する超ロマンチックなシューベルト。ただ好みは大きく分かれそうである。

ほかの曲はシュトラウスなど華やかなりしヴィーンの夜会の雰囲気で。これらはJBお得意のプロムス・レパートリーだった。ほかにフランツ・フォン・スッペの序曲が6曲も選ばれている。超有名な『軽騎兵』序曲や『詩人と農夫』序曲に混じって『ヴィーンの朝、昼、晩』を演っているのが面白い。これらはまとめてリリースされたもののようで、都合LP3枚分が収められている。

 

Halle Orchestra
John Barbirolli, conductor

・Recorded in 1957 - 66
Dutton Laboratories
CDSJB 1024 (2CDs)

The Barbirolli Viennese Album

 
<CD 1>
1. J. Strauss II: Blue Danube - Waltz, Op.314 (1966.12.30&31)
2. J. Strauss II: Thunder and Lightning - Polka (1966.12.30&31)
3. J. Strauss II: The Gypsy Baron - Overture (1966.12.30&31)
4. J. Strauss II: Perpetuum mobile, Op.257 (1966.12.30&31)
5. J. Strauss I: Radetzky March, Op.228 (1966.12.30&31)
6. Lehar: Gold and Silver- Waltz, Op.79 (1966.12.30&31)
7. R. Strauss: Der Rosenkavalier - Waltzes (1966.12.30&31)
8. J. Strauss II: Champagne Polka, Op.211 (1966.12.30&31)
9. Suppe: Morning, Noon and Night in Vienna - Overture (1957.06.28&29)
10. Suppe: Queen of Spades - Overture (1957.06.28&29)
11. Suppe: The Jolly Robbers - Overture (1957.06.28&29)
<CD 2>
1. Schubert: Symphony No.9 in C major 'The Great', D.944 (1964.06.2&3)
2. Suppe: Poet and Peasant - Overture (1957.06.28&29)
3. Suppe: Light Cavalry - Overture (1957.06.28&29)
4. Suppe: Beautiful Galatea - Overture (1957.06.28&29)
リムスキーコルサコフ Sibelius: Symphony No.1, etc.
The Columbia Masters - Vol.1/ Barbirolli

延々と続いたハレ管シリーズのあとはニューヨークフィルが4枚続く。すべて米コロンビアの音源。第二次大戦中のモノラル録音ばかりなので当然モノラルだが、さすがダットン・ラボラトリーズ、かなり聴きやすい。
第1集はお得意シベリウスのほかリムスキー=コルサコフの『スペイン奇想曲』、そしてチャイコフスキーの『組曲 第3番』から最終楽章の『主題と変奏』。つまりあの曲のいちばん聴き応えのある部分だけやっているわけだ。
ジャケット写真が若すぎて不安になるが、実際はバルビローリすでに40歳を過ぎており、若々しい推進力を残しながら円熟期の味わいが感じられる。ことにシベリウスは曲がいいので、そのあたりがよくわかる。

 

New York Philharmonic-Symphony Orchestra
John Barbirolli, conductor

・Recorded in 1940 & 42
Dutton Laboratories
CDSJB 1025

Sibelius: Symphony No.1, etc.

 
1. Rimsky-Korsakov: Capriccio Espagnol, Op.34 (1940.11.16)
2. Tchaikovsky: Tema con variazioni from Suite No.3 (1942.04.11)
3. Sibelius: Symphony No.1 in E minor, Op.39 (1942.04.11)
ベニー・グッドマン Mozart: Symphony No.25 and Concertos
The Columbia Masters - Vol.2/ Barbirolli

バルビローリ&ニューヨークフィルのモーツァルト・アルバム。これが4枚のうちいちばん魅力的かも知れない。ロベール・カザドゥシュとの『ピアノ協奏曲 第27番』とベニー・グッドマンとの『クラリネット協奏曲』が収められているからだ。ふたりのソロイストはともにモーツァルトを得意にしており、当時の米国を代表する演奏家でもあった。
音はさすがに古さを感じさせるが、カザドゥシュの高雅にしてチャーミングなピアノの魅力はちゃんと伝わってくる。バルビローリの棒もこの曲独特の精妙さを引き出すのに成功している。残念なのはグッドマンのほうで、せっかくの未発表録音の登場なのにゴロゴロした雑音が入っている。メタルマスターに入っていたのだそうだ。
『交響曲 第25番』はいわゆる『小ト短調』。「走る哀しみ」を具現化したかのような疾走する演奏が圧倒的。ただこれも、今では考えられないことだが短縮版による演奏だ。SPの時代には枚数を減らすためによくこういうことが行われた。

 

Robert Casadesus, piano (1)
Benny Goodman, clarinet (3)
New York Philharmonic-Symphony Orchestra
John Barbirolli, conductor

・Recorded in 1940
Dutton Laboratories
CDSJB 1026

Symphony No.25 & Concertos

 
1. Piano Concerto No.27 in B-flat major, K.595 (1940.11.03)
2. Symphony No.25 in G minor, K.183 (1940.11.03)
3. Clarinet Concerto in A major, K.622 (1940.12.16)
バルビローリ:ブルッフ Berlioz, Debussy, Ravel and Bruch
The Columbia Masters - Vol.3/ Barbirolli

第3集のメインはミルシテインとのブルッフ。ミルシテインはバルビローリと同様、最晩年になってから巨匠と呼ばれるようになった。したがってこの録音は巨匠以前のふたりが共演しているわけだが、これがいい。これまでわたしの聴いた同曲は砂糖と脂が多すぎて食べ残してしまうものがほとんどだった。しかしこの盤は残さず食べられる。充分ロマンチックではあるが大仰な身振りが少なく潔いのである。
ベニー・グッドマンは前記モーツァルトと同日録音のドビュッシー。どことなく粋な感じがするのはジャズミュージシャンだから?メロウな音色が活かされた魅力的なラプソディになっている。それに較べてラヴェルがいまいちなのは録音のせいなのかオケのせいなのか、それともJBのせいなのか。

 

Nathan Milstein, violin (5)
New York Philharmonic-Symphony Orchestra
John Barbirolli, conductor

・Recorded in 1940 & 42
Dutton Laboratories
CDSJB 1027

Berlioz, Debussy, Ravel & Bruch

 
1. Berlioz: La Carnaval romain - Overture (1940.11.16)
2. Debussy: Ballet from Petite Suite (1940.12.16)
3. Debussy: Premiere Rapsodie (1940.12.16)
4. Ravel: La Valse (1940.11.16)
5. Bruch: Violin Concerto No.1 in G major, Op.26 (1942.04.12)
バルビローリ:ブラームス Brahms: Symphony No.2, etc.
The Columbia Masters - Vol.4/ Barbirolli

第4集はブラームスが中心。得意曲といわれる『交響曲 第2番』の、おそらく最初の録音と思われる。まだねっとりした表現はそれほどあらわれておらず、青年ぽいすがすがしさが心地よい。カンタービレは充分だが音楽はすいすい進んでいくのである。これは掘り出し物。
『大学祝典序曲』も思いきりのいいかっこいい演奏だ。同じことは『売られた花嫁』序曲にも言える。起伏はたっぷりとっているが推進力のある仕上がり。
『エリザベス朝組曲』は初出。ハレ管との演奏がすでに出ているが、ニューヨークでも録音していたとは知らなかった。

 

New York Philharmonic-Symphony Orchestra
John Barbirolli, conductor

・Recorded in 1940 & 42
Dutton Laboratories
CDSJB 1028

Brahms: Symphony No.2, etc.

 
1. Brahms: Academic Festival Overture, Op.80 (1940.11.16)
2. Brahms: Symphony No.2 in D major, Op.73 (1940.04.02)
3. Smetana: The Bartered Bride - Overture (1940.08.02)
4. Barbirolli: An Elizabethan Suite (1942.04.12)
オルウィン:交響曲集 William Alwyn: Symphonies Nos.1 & 2
BBC Symphony Orchestra/ Halle Orchestra/ Barbirolli

ウィリアム・オルウィン(1905-85)の『交響曲 第1番』は1949年7月に被献呈者バルビローリによって初演された。伝統的な4楽章形式で書かれた、戦後の再スタートを切るべく意欲に満ちた作品である。このCDには1952年に収録されたBBCのラジオ放送用録音が収められている。オケはBBC交響楽団。
『第1番』の初演直後、バルビローリはオルウィンに『交響曲 第2番』の作曲を依頼した。こちらではオルウィンは4楽章構成を捨ててしまい、曲は大まかに二つの部分に分かれている。そのいずれもが元気に勢いよく始まって次第に沈静していくというもの。1953年10月にバルビローリがハレ管を指揮して初演。CDにはその10日ほど後に行われた同じハレ管とのスタジオ録音が収められている。
オルウィンはウォルトンやティペットと同時代の作曲家だった。聴いているとかれらに通じるものがあるので再認識させられる。いかにも20世紀中葉の英国。和声などにはブラームスやヴァグナーの影も濃い。そして映画音楽の名手らしさも…。
「すべての交響曲はドラマである」という作曲者の言葉どおり、変化、起伏のはっきりしたエモーショナルな作品たち。12音を導入した『第4番』やインド音楽を活かした『第3番』に較べると当盤の2曲は保守的な印象があるが、聴き応えに差はない。時代相応の新しさ、ややこしさを盛り込みながらも晦渋さに陥ることがない。このあたりの手際のよさが映画音楽で培った技だろうか。

 

BBC Symphony Orchestra (1)
Halle Orchestra (2)
John Barbirolli, conductor

・Recorded in 1952& 53
Dutton Laboratories
CDSJB 1029

Alwyn: Symphonies Nos.1 & 2

Alwyn: Complete Symphonies

 
1. Symphony No.1 (1949) (1952.06.11)
2. Symphony No.2 (1953) (1953.10.25)
 
ヒストリカル 1 / 2 / 3 / 4 / [5] / 6 / 7 / 8 / 9 / 10
early music / baroque / orchestral / concerto / chamber
instrumental / theatrical / vocal works / contemporary / etc.