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BBC Legends

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instrumental / theatrical / vocal works / contemporary / etc.
 
バルビローリ:シューベルト

Schubert & Mozart: Symphonies
Halle Orchestra/ Barbirolli

シューベルトの『交響曲 第5番 変ロ長調』は1968年ロイヤル・アルバート・ホールのプロムス・ライヴでモノラル。『未完成』とモーツァルトの『第40番 ト短調』はともにBBCスタジオでの収録でステレオ録音。内容の濃い組み合わせだ。
バルビローリとハレ管は「ヴィーンの夜」と題するコンサートをウリにしており、プロムスにもヴィーンの音楽をひっさげてたびたび登場していた。正規録音は多くないがシューベルトも主要レパートリーだった。20年を超すつき合いとなっていたこのコンビはさすがに息が合っており、どっぷりJBカラーの美しいシューベルトを聴かせてくれる。『第5番』の愉悦感あふれるアプローチはとくによい。快活で好もしい若者といった印象だ。
『未完成』は1965年の大晦日にラジオ放送されたらしい。わたしの好みからいうともう少し凛とした面持ちが欲しい。リズムに軽さが感じられないのは晩年の作品だということを意識したのか。それにしてもいまいちスッキリしない仕上がり。
これも超有名な『ト短調』はバルビローリらしいカンタービレが典型的にあらわれている。つまり最近の指揮者たちのアプローチとはだいぶ違うぞという意味で、違和感を覚える人がありそうだ。でもこういう弦の扱いを楽しむところにバルビローリを聴く楽しみってものがあるわけで、ファンにはこれが魅力。

Halle Orchestra
John Barbirolli, conductor

・Recorded in 1962 - 68
BBC Legends
BBCL 4120-2

Schubert & Mozart: Symphonies

 
1. Schubert: Symphony No.5 in B-flat major, D.485 (1968.08.09)
2. Schubert: Symphony No.8 in B minor, D.759 (1962.02.31)
3. Mozart: Symphony No.40 in G minor, K.550 (1962.09.14)
フルニエ/フランチェスカッティ Fournier/ Francescatti: Dvorak & Brhams
BBC Symphony Orchestra/ Davis/ Sargent

BBCレジェンズには録音状態のよくないものが少なくない。1973年3月のピエール・フルニエ、コリン・デイヴィスによるドヴォルザーク『チェロ協奏曲』は海賊盤を聴いているかのようなもやもやした音。演奏は悪くないのに。
フルニエにはドイツ・グラモフォンに神々しいばかりの録音があり、名盤とされている。しかし立派すぎてわたしには違和感があり、シュタルケル&ドラティの田舎っぽい演奏ばかり聴いている。貴公子にドヴォルザークは似合わないのか。しかしこの英国録音はそれほど神々しくはなく、品がよくて都会的ではあるがほどほどのスケールで聴きやすかった。それにしても音が…。
フランチェスカッティとフルニエはヴァルターの棒でブラームスを録音していた。そちらは聴いたことがないのだが、サージェント指揮のエヂィンバラ録音はほどほどの出来映え。フランチェスカッティというヴァイオリニストはブラームスには線が細い。ベートーヴェンはうまい(カザドシュとのソナタ!)のだが、ブラームスをやるには太さ、渋さが足りないのだ。浮き上がりがちになってしまう。フルニエのほうはまずまずといったところ。サージェントもちょいとクセっぽいがまずまず。美しい第2楽章でかれらの上品さが活かされている。

 

Zino Francescatti, violin (2)
Pierre Fournier, cello
BBC Symphony Orchestra
Colin Davis, conductor (1)
Malcolm Sargent, conductor (2)

・Recorded in 1955 & 73 (Live)
BBC Legends
BBCL 4149-2

Fournier/ Francescatti: Dvorak & Brhams

ヴァルター盤
ブラームス:二重協奏曲
デュプレ盤
Dvorak: Cello Concerto

 

1. Dvorak: Cello Concerto in B minor, Op.104 (1973.03.14)
2. Brahms: Concerto for Violin, Cello and Orchestra in A minor, Op.102 (1955.08.30)

ブルックナー:交響曲第3番 Bruckner: Symphony No.3 in D minor
Halle Orchestra/ Barbirolli

バルビローリ待望の『ブル3』登場。第一印象は悪くなかった。モノラルで音はよくないものの、ぐいぐい進む音楽の快適さを楽しんだ。しかし、これはおかしい。ブルックナー特有の悠然とした歩みはどこへいった。この作品はモーツァルトからシューベルトに連なる美旋律の伝統をヴァグナーの和声で支えるという、ブルックナーの試みが実を結んだ最初の交響曲ではなかったか。バルビローリの演奏からはそれが感じられない。ブルックナー作品のもつ自然への賛美と畏敬もきこえてこない。そもそも第1楽章は「ミステリオーソ」と書かれているはず。
真摯な姿勢がない、といったら不真面目なようだが、JBは勘違いしているのではないだろうか。少なくとも作曲者の頭の中で響いていたであろう音楽からかけ離れているであろうことは間違いない。そう気づくと、バルビローリのブルックナーはどれも端正さがないのだった。マーラーみたいにやったらブルックナーは別物になってしまう。ヨッフムは、ベームは、そこをちゃんと分かっていた。

 

Halle Orchestra
John Barbirolli, conductor

・Recorded in 1964 & 69(Live)
BBC Legends
BBCL 4161-2

Bruckner: Symphony No.3

 
1. Bruckner: Symphony No.3 in D minor (1964.12.18)
2. Wagner: Tannhauser and the Song Contest on the Wartburg (1969.10.03)
クリフォード・カーゾン Curzon Plays Delius, Mozart and Beethoven
BBC Symphony Orchestra/ Pritchard, etc.

ハ短調の曲ばかり3曲というのもすごいが作風がバラバラというのもすごい。この中でいちばん予想しやすくてかつ予想どおりだったのがモーツァルトの『ピアノ協奏曲 第24番』。クリフォード・カーゾン卿得意中の得意レパートリーだ。まろやかなタッチを活かし、決して浮かれることのない上品で思慮深いモーツァルトを聴かせてくれる。ラルゲットの繊細な美しさもカーゾンにしか出せないもの。ハイティンクの寄り添うような指揮もいい。
ディーリアスの協奏曲は1906年に完成を見たもので、リストのそれのように単一楽章で不定型な、いわばとりとめのない作品。ただグリーグの影響が指摘されるように音楽は平明であり、かれらしい田園ふうのやすらぎ、のびやかさをもっている。カーゾンはここでも繊細なタッチを駆使して愛情のこもった演奏を聴かせてくれる。残念なことにベートーヴェンの『合唱幻想曲』は音質が気になる。

 

Clifford Curzon, piano
BBC Symphony Orchestra (1)
London Philharmonic Choir & Orchestra
John Pritchard, conductor (1)
Bernard Haitink, conductor

・Recorded in 1970 - 81 (Live)
BBC Legends
BBCL 4181-2

Curzon Plays Delius, Mozart and Beethoven

 
1. Delius: Piano Concerto in C minor (1981.09.03)
2. Mozart: Piano Concerto No.24 in C minor, K.491 (1979.11.06)
3. Beethoven: Fantasia for Piano, Chorus and Orchestra in C minor, Op.80 (1970.01.28)
ブルックナー:交響曲第7番 Bruckner: Symphony No.7 in E major
Halle Orchestra/ Barbirolli

バルビローリ&ハレ管によるブルックナーの『交響曲 第7番』。1967年4月のモノラル録音。『第3番』のところでも書いたが、崇高さのないブルックナー。
この曲はブルックナーが初めて一般にその真価を認められた交響曲だった。1884年のニキシュによる初演は大成功だったと伝えられる。わかりやすくて美しいからなのだが、それだけでもないだろう。聴衆の耳がようやくブルックナーに追いついてきたのだとも考えられる。
最初にあらわれるモチーフ、つまり第一主題登場前の旋律からすでに天国的な美しさ、祈りにも似た情感をたたえ、全曲のありようを予告する。そしてオルガン的ともいわれる重層する声部が織りなす巧みな対位法。このあたりをバルビローリは見事に描き分けていく。平明で親しみやすいブルックナー。ぬくもりもある。しかし何か足りない。こんなに気楽に聴けちゃっていいんだろうか。
これがバルビローリの考えるブルックナーなのだろうが、悠然としたスケール感というもの、もしくはシューリヒトが聴かせるような、スケール感はないが淡々とした歩みから自然にわき上がってくる威厳のようなもの、それがどうしても欲しくなるのである。

 

The Halle Orchestra
John Barbirolli, conductor

・Recorded in 1966 - 69 (Live)
BBC Legends
BBCL 4186-2

Bruckner: Symphony No.7

 
1. Bruckner: Symphony No.7 in E major (1967.04.26)
2. Beethoven: Egmont Overture, Op.84 (1966.02.01)
3. Beethoven: The Creatures of Prometheus Overture, Op.43 (1969.04.30)
ギーゼキング Gieseking Plays Debussy, Ravel & Schumann

ヴァルター・ギーゼキングの得意レパートリーばかり集めたBBCスタジオ録音。え?シューマンは違うだろうって?いやいや、正規録音が少ないだけで、かれはソナタを含むシューマンのピアノ独奏曲をたびたび採り上げていたのだ。発掘もの録音を見る限り、ロマン派ではブラームスを抑えていちばん多いかも知れない。
その『クライスレリアーナ』は1953年の録音。さすがに音がよくないが、この曲のもつピアニスティックな効果、うつろう表情、哀感や喜悦といったものがごく自然に表現された香り高い演奏だ。
ドビュッシーとラヴェルは1956年9月29日収録。翌月26日に亡くなっているのでまさに最晩年のもの。ドビュッシーは『ベルガマスク組曲』のほか『パゴダ』(『版画』から)、『グラナダの夕べ』(同)、『水の反映』(『映像第1集』から)、そして『喜びの島』。ラヴェルは『ソナチネ』と『鐘の谷』(『鏡』から)。EMIへの正規録音と較べると今ひとつ流れがなめらかでない曲もあるものの、精妙なタッチははっきり聴きとれる。『ソナチネ』などちょっと遅い気もするが、繊細さが加わっておりこれはこれで納得できる。

 

Walter Gieseking, piano

・Recorded in 1953 & 56
BBC Legends
BBCL 4030-2

Gieseking Plays Debussy, Ravel & Schumann

 
1. Debussy: Suite Bergamasque (1956.09.29)
2. Debussy: Pagodes
3. Debussy: La Soiree dans Grenade
4. Reflets dans l'eau
  5. L'isle joyeuse
6. Ravel: Sonatine
7. Ravel: La Vallee des cloches
8. Schumann: Kreisleriana, Op.16 (1953.12.06)
ムラビンスキー Shostakovich: Symphony No.8 in C minor
Leningrad Philharmonic/ Mravinsky

ムラヴィンスキー&レニングラードフィルによるショスタコーヴィチ『交響曲 第8番』英国初演の記録。1960年9月23日のコンサートの模様を収録したもので、ボーナスCDとして同日録音のモーツァルトの『交響曲第33番』がついている。運のいいことにステレオ録音であり、音質もかなりよい。
ムラヴィンスキー(1906-88)はショスタコと同年生まれ。親交があっただけでなく初演も多く、この曲も1943年11月にムラヴィンスキーが初演していた。ただ例のジダーノフ批判によって12年間封印されてしまった経緯があり、一般的評価も決して高いとはいえない作品だ。暗くて悲痛な交響曲だからだろう。スケルツォをなす第2、第3楽章は戦争の愚かさと非人間的な暴力を表現しており、虚無感さえただよう他の楽章は戦争がもたらす深い傷をあらわしていると思われる。
ムラヴィンスキーの一切の感傷を排した引き締まった演奏は作曲者の視線を冷徹なまでに再現する。名演奏である。封印直前のモノラル録音(右記参照)もあるが演奏も音質もこの英国録音が聴きやすい。オマケのモーツァルトもかれらしい厳しい彫琢の施されたものだが、こちらは音楽の愉悦や温もり、やさしさが滲み出す。同曲は晩年のライヴがエラートから出ていた。

 

Leningrad Philharmonic Orchestra
Evgeny Mravinsky, conductor

・Recorded in 1960 (Live)
BBC Legends
BBCL 4002-2 (2CDs)

Shostakovich: Symphony No.8

ショスタコーヴィチ:交響曲 第5番
ショスタコーヴィチ:交響曲 第8番
ショスタコーヴィチ:交響曲 第11番
ショスタコーヴィチ:交響曲 第12番

 
<CD 1>
1. Shostakovich: Symphony No.8 in C minor, Op.65 (1960.09.23)
<CD 2>
1. Mozart: Symphony No.33 in B-flat major, K.319 (1960.09.23)
フィルクスニー Firkusny Plays Haydn, Brahms & Schubert

モラヴィア生まれの名ピアニスト、ルドルフ・フィルクシュニー(1912-94)の英国リサイタル。1969年1月4日ステレオ録音。もとよりレパートリーの広いピアニストだがこの4曲は初めて聴いた。驚いたのはハイドン。このやさしさ、柔軟さをなんと表現したらいいのだろう。一瞬初期シューベルトを聴いているような気がしたくらいにロマンチックなのだ。優美といったらいいだろうか。モーツァルトで聴かせるときのようなフィルクシュニーのあのやさしさ、上品さが、ハイドンのイメージをくつがえす。様式的にはおかしいのかも知れないのだが、美女に変身したハイドンは素晴らしく魅力的だ。ハマりそうなくらいに。
ブラームスも基本的に同じ路線なので重さ、渋さがない。晩年の枯淡の境地ってものも感じられない。ただわたしはこれらの小品のチャーミングさを愛しているので、フィルクシュニーのアプローチは納得できる。爺さん(=ブラームス)まだまだ色気があるわい、という感じがいいのである。
ところがシューベルト最後のソナタは優美な側面が影をひそめる。最近一部のピアニストが演るように、死に直面した恐怖を感じさせる深刻さが漂うのだ。彫りの深い表現が聴き手から笑顔を奪っていく。もちろんフィルクシュニーのことだから大袈裟になることはない。淡々としたダイナミズムとでもいうか、無理のない流れの中から作品のドラマ性が浮かび上がってくる。

 

Rudolf Firkusny, piano

・Recorded in 1969 (Live)
BBC Legends
BBCL 4173-2

Firkusny Plays Haydn, Brahms & Schubert

ドヴォルザーク:ピアノ協奏曲
モーツァルト:「ジュノーム」
Mozart: Piano Concertos
Janacek: Piano Works

 
1. Haydn: Piano Sonata No.59 in E-flat major, Hob.XVI:49
2. Haydn: Piano Sonata No.33 in C minor, Hob.XVI:20
3. Brahms: Four Piano Pieces, Op.119
4. Schubert: Piano Sonata in B-flat major, D.960
 
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