クラシックレビュー
協奏曲   アドマックス「カフェ・マキシマム」  
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協奏曲レビュー 1 / 2 / 3 / [4] / 5
early music / baroque / orchestral / chamber / instrumental
theatrical / vocal works / contemporary / historical recordings / etc.
 

トロンボーン協奏曲

Slokar Plays Trombone Concertos
(Bloch, Grondahl, Arutiunian, Rota)

ブラニーミル・スローカーによるトロンボーン協奏曲集。米国のブロッホ、デンマークのグレンダール、アルメニアのアルチュニアン、イタリアのロータ。すべて20世紀作品だ。ロータというのは映画音楽で有名なあのニーノ・ロータ(1911-79)その人である。かれはクラシックの作曲家でもあった。
そのロータ作品は意外に保守的。というのももっとアヴァンギャルドな作品も書いているからで、この曲に関しては映画音楽の大家が書いたことが納得できるロマンチックさが聴きとれる。保守的といえばグレンダールもそうだ。1924年という古さもあるが、後期ロマン派の作風が残っていて調性感もはっきりしている。いちばん聴きやすい作品だろう。
アルチュニアンはかの難曲『トランペット協奏曲』を書いた人物。「アダージョ・マエストーソ」に始まって次第にテンポを速めていくという構成が面白い。打楽器群を活かして派手に盛り上がる最終楽章まで、一気に聴かせてしまう。技巧的にもきわめて難易度が高い。
ブロッホは『トロンボーンと管弦楽のための交響曲』。典型的な協奏曲ではないが、トロンボーンをうまく活かした聴き応え充分の作品だ。威風堂々、高貴さとやさしさが感じられる。

Branimir Slokar, trombone
Berliner Symphoniker
Lior Shambadal, conductor

・Recorded in 1996
Claves Records
CD 50-9606

Slokar Plays Trombone Concertos

Slokar Trombones
British Trombone Concertos
American Trombone Concertos

 
1. Bloch: Symphony for Trombone and Orchestra (1954)
2. Grondahl: Concerto for Trombone and Orchestra (1924)
3. Arutiunian: Concerto for Trombone and Orchestra (1991)
4. Rota: Concerto for Trombone and Orchestra (1969)
サクソフォン協奏曲 Virtuoso Saxophone Concertos
(Glazunov/ Martin/ Rivier/ Villa-Lobos)

グラズノフ、マルタン、リヴィエ、ヴィラ=ロボスとインターナショナルなサクソフォン協奏曲集。サックス好きにはおなじみの曲が多いと思う。
この分野では古典ともいうべきグラズノフ。1933年にパリで書かれたもので、ときにグラズノフ68歳。ストリングスを背景にたゆたうようなラプソディックな旋律がつづく。ジャズっぽさを持つ意欲的作品としても評価が高い。
スイスの作曲家マルタンは独奏楽器と管弦楽のための『バラッド』を6曲遺した。このテナー・サクソフォン版は1940年に書かれており、本来トロンボーン用だったもの。初演がテナー・サクソフォンで行われており、当盤はその版による演奏。ピアノ、打楽器が加わった力強い作品だ。かれの曲は美しいけれど甘くないのが特徴。
ヴィラ=ロボスの『幻想曲』(1948)もテナーを使い、3本のホルンと組み合わせている。サクソフォンの故郷フランスからはジャン・リヴィエ。こちらはトランペットとの組み合わせだ。効果のちがいが面白い。

 

Detlef Bensmann, saxophones
Heinz-Peter Send, trumpet (3)
RIAS-Sinfonietta, Berlin
David Shallon, conductor

・Released in 1988
Koch International
CD 311025 F1

Virtuoso Saxophone Concertos

Music for Saxophone & Orchestra
マルセル・ミュールに捧ぐ
The French Saxophone

 

1. Glazunov: Concerto in E-flat major for Alto Saxophone and Strings, Op.109 (1933)
2. Martin: Ballade for Tenor Saxophone and Orchestra (1940)
3. Rivier: Concerto for Alto Saxophone, trumpet and Strings (1948)
4. Villa-Lobos: Fantasia for Saxophone, 3 Horns and Strings (1955)

須川展也

サイバーバード: 須川展也サクソフォン協奏曲集
(Yoshimatsu/ Glazunov/ Debussy/ Ibert)

現代に生きる日本人が書いた作品、それが吉松隆の『サイバーバード協奏曲』だ。かれの音楽にはわたしたちに染みついた現代の音楽、ジャズやロックやワールド・ミュージック、クラシック音楽が活き活きと息づいている。プーランクの作品にシャンソンやジャズが溶け込んでいるように。この自然さは驚異と言ってもいい。そしてロマン派の復活を思わせる深い叙情。吉松の一大特徴である。
吉松の楽器への理解も驚くべきものだ。サクソフォンの能力を限界まで引き出し、イマジネーションを限りなく飛翔させていく。サクソフォンはここまでできるのか。まさに目から鱗の連続。須川はテクニックが秀でているだけでなく、楽譜の読みが深い。至難なフレーズをさらりとこなしながら、作曲者が曲に込めた熱い思いを熱っぽく歌っていくのだ。感動のあまり涙が出てしまうほどに。

…感動しすぎて疲れた。ほかの曲もいいのだが、マスターの好きなイベールについて一言。これはわたしがこれまで聴いた中でいちばん見事な演奏だ。とくにタンギングのうまさ。これだけうまいとリズムに切れ味が出るし、旋律も明快さを高めることができる。そしてメロウな音色。この曲には悩ましさが欲しいのだが、その点も須川は申し分ない。

○ちなみにこのアルバムは当カフェオーナーの秘蔵盤。

 

須川展也(サクソフォン)
フィルハーモニア管弦楽団
デヴィッド・バリー(指揮)

・Recorded in 1996
Toshiba EMI
TOCE 9152

サイバーバード

英国盤で
Saxophone Concerto 'Cyber-Bird'
Guitar Concerto, etc.

デューク・エリントンの時代から
美しい夕暮れ
Exhibition of Saxophone
Live 2004 [DVD]

サックス吹きなサイト
うまくなろう!サクソフォン
須川展也オフィシャルHP

 
1. 吉松 隆:サイバーバード協奏曲
2. グラズノフ:サクソフォン協奏曲
  3. ドビュッシー:ラプソディ
4. イベール:室内小協奏曲
ペトリ・アランコ Dances with the Winds - Flute Concertos
(Rautavaara/ Bashmakov/ Sallinen/ Marttinen)

ペトリ・アランコによるフィンランドのフルート協奏曲集。アルバムタイトルはラウタヴァーラ(b.1928)の協奏曲の副題。まだ現代音楽っぽさが残っていた時代の作品で、複数の旋法を同時に用いたような複雑な響きが聴かれる。題名どおりのダンスが顔を出し、そよ風やつむじ風や、風の諸相を表現しているようだ。ソロイストは通常のフルートのほかピッコロ、アルト・フルート、バス・フルートを使い分ける。
バシュマコフ(b.1927)は海の諸相といったところ。凪の海に始まり怒濤逆巻く海へと変容していくさまがダイナミックだ。この曲もフルート奏者に多彩なテクニックを要求する。
サリネン(b.1935)作品は調性感をもつ。アルト・フルートに軽快さを求め、細分された弦楽とのリズミカルなかけ合いを強いる。明快でロマンチックな旋律もあり、この中では一番親しみやすいかも知れない。
長老マルティネン(b.1912)は第1楽章にボレロ、第3楽章にホタのリズムを用いたスペイン風協奏曲。保守的で比較的明確なモードを用いているが響きは現代的だ。

 

Petri Alanko, flutes
Lahti Symphony Orchestra
Osmo Vanska, conductor

・Recorded in 1995
BIS CD-687

Dances with the Winds

Nordic Solo Flute Music
Finnish Wind Music

 
1. Rautavaara: Concerto for Flute & Orchestra "Dances with the Wind"(1974)
2. Bashmakov: Concerto for Flute & Orchestra "Impressioni Marine" (1974)
3. Sallinen: Chamber Music II, Op.41 for Alto Flute & Strings (1976)
4. Marttinen: Concerto Espagnole Op.144 for Flute & Orchestra (1978)
マルタン:バラード

Frank Martin: Ballades
The London Philmarmonic/ Bamert

フランク・マルタン(1890-1974)は独奏楽器と管弦楽のための『バラッド』を1938年から72年にかけて6曲書いている。とくに管楽器のための作品はそれぞれの分野の主要作として頻繁に演奏される。あまり演奏機会のない弦楽器用も含め、そのすべてを聴くことのできる当盤はペンギンガイドの☆☆☆を取得。指揮者バーメルトが作曲者と同じスイス出身ということもあってか、素晴らしく充実した演奏が聴かれる名盤である。
マルタン作品の特徴である厳しさは6曲に共通する。12音技法をかれなりに消化した明晰さ、力強さがみなぎる。くそまじめとでもいうのか、ジャズっぽい奏法もあるトロンボーン用でさえ聴き手に微笑みかけてこない。むしろじっと相手の目を見据えて真摯に語りかけてくるのだ。金管が咆吼するヴィオラ用もコントロールが効いておりワイルドにはならない。トゥッティとカデンツァとの対比も見事。テンションの高さは曲が続く限り維持される。

 

Roderick Elms, piano
Ian Bousfield, trombone
Peter Dixon, cello
Martin Robertson, alto saxophone
Philip Dukes, viola
Celia Chambers, flute
The London Philharmonic
Matthias Bamert, conductor

・Recorded in 1994
Chandos Records
CHAN 9380

Frank Martin: Ballades

Concerto for Wind Instruments
Passacaglia, etc.
The Four Elements, etc.

 
1. Ballade for Piano & Orchestra (1939)
2. Ballade for Trombone & Orchestra (1940)
3. Ballade for Cello & Small Orchestra (1949)
4. Ballade for Saxophone & Orchestra (1938)
  5. Ballade for Viola, Wind, Harp, Harpsichord
  & Perucussion (1972)
6. Ballade for Flute, String Orchestra & Piano
  (1939)
管楽器のアルバムはこちらも→BRASS & WINDS
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