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Mosaic:
Piano Concertos
(Gorecki/ Gubaidulina/ Ustvolskaya/ Pelecis)
東欧、ロシアのピアノ協奏曲を4曲。作風がバラバラで面白く、だから『モザイク』なのかね〜とも思わせる。
初めて聴いたときたまげたのがペレシスの『白い小協奏曲 ハ長調』。バルトークがかつて「20世紀でもハ長調で曲が書ける」と言っていたが、こりゃバルトークの緊張感とは対極にある作品だ。まるでリチャード・クレイダーマンかフランク・ミルズ。そう、イージーリスニングみたいなのだ。
ガリーナ・ウストヴォリスカヤの作品はアレクセイ・リュビモフに献呈されたもの。突き抜けたような明快さ、力強さをもった曲で、打ちのめされているうちにささいな悩みや悲しみなどどこかへすっ飛んでしまう。
グバイドゥリーナの『入祭文』は対称的に寄り添う感じ。密教の呪術みたいという人もあるが、抒情的なうねりに身を委ねられる(連続する24分!)という快感があり、人気の秘密を見る思い。
グレツキ作品はホイナッカによって初演されたもの。ミニマルを消化してからの作品といえばだいたい想像がつくのではないかな。
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Alexei Lubimov, piano
Deutsche Kammerphilharmonie Bremen
Heinrich Schiff, conductor
・Recorede in 1995
Erato Disques
0630-12709-2
Mosaic:
Piano Concertos
廉価盤で
Mosaic:
Piano Concertos (Apex)
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1. Ustvolskaya:
Piano Concerto
2. Gubaidulina: Piano Concerto "Introitus" |
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3. Gorecki: Piano Concerto
4. Pelecis: Concertino Bianco in C major |
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Piano
and Percussion in the XXth Century
(Tailleferre/Maderna/Donatoni)
タイユフェールが3曲あるので「現代音楽」に分類するかどうか迷った。かの女はフランス六人組の紅一点であり、最も長寿(1892-1983)でもあった。コクトーはかの女を「音楽のマリー・ローランサン」と呼んだというが、適切な比喩だったかどうか。長い生涯のうちにかの女の作風は変貌していったからだ。『ラモーへのオマージュ』は二台のピアノとさまざまな打楽器を用いた意欲的な作品だ。バルトークの『二台のピアノと打楽器のためのソナタ』(1937)を意識したものと思われる。カノンふうの構造を持つがフランス近代音楽の和声が土台にある。難しいところは全くない楽しい曲だ。(2)と(3)はいかにも六人組らしい連弾曲。1分ていどの小品が連なるきれいでお洒落な組曲になっている。
マデルナはイタリア前衛音楽初期の重要人物。『二台のピアノと各種楽器のための協奏曲』と『ある衛星のためのセレナータ』の2曲。こちらはいわゆる「ゲンダイオンガク」だ。前者は二台のピアノとハープ、チェレスタ、シロフォン、スネアなどで演奏される。グラーヴェで始まり次第に盛り上がっていく。響きの美しい作品だ。後者は管楽器を含むアンサンブル。調性感が全くなく、前者より難解かも知れない。
ドナトーニはマデルナの影響から出発した作曲家。『鐘』はいくつかのヴァージョンがあり、これはアンサンブル・アンテルコンタンポランに献呈されたもの。ピアノが打楽器的に使用され、凝縮された濃密な音世界を創り出す。聴き手に緊張を強いるが、充実感のある素晴らしい作品だ。
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Tammittam Percussion Ensemble
Guido Facchin, conductor
with
Aldo Orvieto & Renato Maioli, pianos
・Released in 1992
Dynamic Produzioni
S 2010
Piano
& Percussion in the XXth Century
タイユフェールの本
ちょっと辛口―タイユフェール回想録
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1. Tailleferre: Hommage a Rameau (Partita for two pianos and four percussion
- 1964)
2. Tailleferre: Suite burlesque (piano four hands)
3. Tailleferre: Premieres prouesses (piano four hands)
4. Maderna: Concerto for two pianos and instruments (1948)
5. Maderna: Serenata per un satellite (1969)
6. Donatoni: Cloches III (1991)
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佐藤聰明
:リタニア
佐藤聰明は1947年、仙台生まれ。ここにはピアノを中心とする5つの作品が収められている。ピアニストはシンガポール出身のマーガレット・レン=タン。(1)にソプラノと打楽器が加わり、(2)はヴァイオリンとの二重奏。ほかはソロだが、うち2曲はディジタルディレイを使用している。
ジャンルが違うが、コルトレーンのシーツ・オヴ・サウンドを思わせる音をびっしり敷きつめたような手法はかれのオリジナルだという。その手法のせいなのか、聴いていて時間の流れを意識させられる。もちろん音楽は時間芸術なわけだが、普通は音楽を聴きながら流れていく時間を意識したりしない。しかし佐藤の作品では、時間というものが伸縮したり昂揚したり色彩を微妙に変化させたりしながら聴き手の前に立ち現れる。アルバムタイトルがそもそも「リタニア(=連祷)」だし、時間とは切り離せない。いつ果てるとも知れない単調な繰り返し。とはいえミニマルのような無機的・機械的なものではなくて、情感というか、雰囲気がある。
(2)ではせせらぎのようにきこえるピアノの波の上をヴァイオリンがなだらかに飛翔していく。タイトルのように鳥のイメージだ。何事も起こらず、ただただ飛翔を続ける中に、次第に哀しみがにじんでくる。ここに諸行無常の東洋的諦観まで感じるといったら思い過ごしかも知れないが…。
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Margaret Leng Tan, piano
Lisa Messier, soprano (1)
Michael Pugliese, percussion (1)
Frank Almond, violon (2)
・Released in 1988
New Albion Records
NA 008
Somei
Satoh: Litania
ほかの作品はこちら
Toward the Night
Sun/Moon
Mandara
Trilogy
マイヤースの演奏がある
Anne
Akiko Meyers
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1. The heavenly spheres are illuminated
by lights (1979)
2. Birds in warped time II (1980)
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3. Incarnation II (1977)
4. A gate into the stars (1962)
5. Litania (1973) |
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Ingram
Marshall: Fog Tropes
イングラム・マーシャルの作品はアンビエント・ミュージックというかアンビエント・サウンドというか、聴いているとなんらかの情景が目に浮かんでくる。最初の曲では霧笛(サンフランシスコ湾で録音されたもの)がきこえてくるので、霧にけむる港に独りぽつねんと佇んでいるような気がしてくる。街や港の騒音が霧のむこうから漠然とした音となってきこえ、夕闇せまる頃合いの寂しさみたいなものを感じる。
三つの作品はそれぞれ編成が異なる。金管楽器やマンドリン、ピアノ、シンセサイザー、テープなどが使われており、指揮者もいるけれど、通常の音楽の概念には当てはまらない。音楽と言うより、音そのもの。音が創り出す「情景」といった感じだ。ただ二番目の「レクイエム」は和声があるので音楽っぽい。短調三和音といういわばありきたりの和声だが、それをどう扱っているのかにマーシャルの個性があるわけだ。ブライアン・イーノのアンビエント・ミュージックに近いものがある。
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John Adams, conductor
Foster Reed, mandolin
brass sextet, fog horns & other ambient sounds; synthesizer, mandolin,
voice,
gambuh, piano, electronics, tape delay
・Released in 1988 (CD)
New Albion Records
NA 002
Marshall:
Fog Tropes
こちらは大作
Alcatraz
Dark
Waters
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1. Fog tropes
2. Gradual requiem
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3. Gambuh I |
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武満徹:
どですかでん
1970年生まれの若きギタリスト鈴木大介によるオール・タケミツ・アルバム。フルートとギターによる室内楽の傑作『海へ』は岩佐和弘との、映画音楽は渡辺香津美とのデュエット。そして武満が愛する曲を編曲した『ギターのための12の歌』が鈴木のソロである。
美しい音色でしなやかによく歌うギターに魅せられる。クセがないので心おきなく音楽に浸ることができる。メインの『ギターのための12の歌』は武満のアレンジがきわめて自然で、あたかも癒しの音楽といった趣だ。作風から武満は響き・音色の作曲家というイメージがあるが、こういう旋律の美しい曲が好きだったのだ。かれはビートルズも好きで、ここにも4曲が入っている。
さて、渡辺香津美は武満が高く評価していたギタリストであり、鈴木が憧れていたギタリストでもあった。共演にあたって鈴木は敬愛する渡辺に自由なアドリブ空間を提供し、みずからはそれを支える側にまわっている。息のあった素晴らしい共演。ジャズ好きの武満に聴かせてやりたかった。
岩佐との『海へ』は競合盤の多い曲だ。比較するとインパクトが弱いのだが、瞑想性という点では他の追随を許さない。
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鈴木大介(ギター)
渡辺香津美(ギター)
岩佐和弘(アルトフルート)
・Recorded in 2000
Fontec FOCD9145
武満徹:
どですかでん
師匠の録音で
イン・メモリアム〜武満徹ギター作品
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1. 小さな空(ラジオドラマ「ガンキング」)
2. 三月のうた(映画「最後の審判」)
<ギターのための12の歌>
3. ヒア・ゼア・アンド・エヴリウェア
4. ミッシェル
5. ヘイ・ジュード
6. イエスタデイ
7. 失われた恋
8. 星の世界
9. シークレット・ラヴ
10. 早春賦 |
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11. オーバー・ザ・レインボー
12. サマータイム
13. ロンドンデリーの歌
14. インターナショナル
15. 訓練と休息の音楽(映画「ホゼートレス」)
<海へ>
16. 夜
17. 白鯨
18. .鱈岬
19. どですかでん(映画「どですかでん」)
20. 青春群像(映画「写楽」)
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Lepo
Sumera: Symphony No.4 'Serena Borealis'
レポ・スメラ(1950-)はエストニアの作曲家。バルト三国の作曲家ではペルトが飛び抜けて有名だが、スメラやヴァスクスなど魅力的な連中はほかにもいる。かれらは作風もペルトとそれほど違わない。
1992年の作品“Musica tenera”は「やさしさの音楽」といった意味合い。シンプルな構造で音色の創造を主眼とする作品だ。明確なリズムはなく、先鋭的な和声と各種楽器のブレンドの変化で音のつづれ織りを構成していく。
『ピアノ協奏曲』は静かな瞑想の音楽として始まり、細かなフレーズの連鎖で次第に昂揚していく。なにか切迫したものを感じさせる、哀しみをたたえたクライマックス。ピアノ対管弦楽という従来の協奏曲概念には当てはまらない。両者はほとんど一体化している。
『交響曲第4番』はさらにドラマチックだ。永遠なるものへの憧れを歌う瞑想的部分と怒りに満ちた暴力的表現が交錯し、ついエストニアの苦難の歴史を思い浮かべてしまう。この曲は第3楽章にエレクトリックギターが加わっているというので話題になったことがある。少々ロックっぽいフレーズのギターとさまざまま打楽器が活躍する。奇をてらったのではない。音色の変化を求めた結果なのだ。ギターの登場部分も短いし、興味本位で聴くと失望するだろう。
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Kalle Randalu, piano
Malmo Symphony Orchestra
Paavo Jarvi, conductor
・Recorded in 1994
BIS CD 690
Musica
Tenera, Symphony No.4
スメラ:ムジカ・テネラ
こちらも
Sumera:
Symphonies Nos.1-3
参考文献
物語バルト三国の歴史
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1. Musica tenera
(1992)
2. Concerto for Piano and Orchestra (1989) |
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3. Symphony No.4 'Serena borealis'
(1992) |
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