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Saariaho:
Du Cristal/...a la Fumee/ Nymphea
Los Angeles Philharmonic/ Kronos SQ/ Salonen
フィンランドの作曲家カイヤ・サーリアホ(1952-)作品集。フィンランドで1993年のレコード・オヴ・ジ・イヤーを受賞している。
かの女の作風はいわゆるゲンダイオンガク。たとえばクロノス・クァルテットの委嘱作『睡蓮』(3)ではエレクトロニクスを大胆に使用している。リゲティやシュトックハウゼンの1960年代の作風を引き継いでいるのだ。耳当たりのいい旋律、和音、リズム、音色はどれも出てこない。副題にあるように「庭」を描いたもので、池のさざ波を思わせる音型や、秋のメランコリーを感じる響きが聴かれる。
(1)は『水晶から』の邦題をもつ。これと(2)の『...煙の中へ』はセットで構想されたもので「水晶から煙の中へ(from cristal into
smoke)」をイメージしているという。不協和音で水晶の澄んだイメージを出そうというのが恐ろしい発想だ。打楽器のきらきらした音色が印象的。(2)では混沌が深まり、アルト・フルートやチェロのトリルが電気的処理を施されて不思議な効果を挙げる。思索的でずっしりと手応えを感じる力作である。
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Petri Alanko, alto flute*
Anssi Karttunen, cello*
Los Angeles Philharmonic Orchestra
Esa-Pekka Salonen, conductor
Kronos Quartet**
・Recorded in 1989 - 92
Ondine Inc.
ODE 804-2
Saariaho:
Du Cristal/...a la Fumee/ Nymphea
Saariaho:
Chateau de l'Ame
サーリアホ作品集
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1. Du Cristal for Symphony Orchestra (1990)
2. ...a la Fumee for Alto Flute, Cello and Symphony Orchestra* (1990)
3. Nymphea (Secret Garden III) for String Quartet and Electronics** (1987)
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Saariaho:
Private Gardens
サーリアホ作品集。こちらはアルバム・タイトルに「庭」がついている。日本滞在中に着想したという『6つの日本の庭園』がわたしたちとしては気になる。代表的観光地をまわったようで、金閣寺や竜安寺の庭の印象が打楽器とエレクトロニクスで描かれていく。枯山水が「ドライ・マウンテン・ストリーム」というのは違和感があるが、曲は面白い。かの女が実際に聴いたであろう読経、木魚、鉦鼓や風鐸の音が巧みに模されており、ほんとに古都の寺院にいるような気がしてくる。「金閣寺」は観光客が多かったのかにぎやか。「石橋」は祭囃子のエコーがきこえてくる。この曲は国立音楽大学の委嘱作で東京で初演されている。
いちばん聴き応えのあるのはチェロとエレクトロニクスのための“Pres”(2)だ。技巧の限りをつくすチェロ(カルットゥネンがすごい)にカイヤのあやつる電子音が多彩に絡みつき、スリルのある展開を見せる。(3)も趣向は同じ。タイトルはゴーギャンから採られている。
(1)のソロがドーン・アップショウというのも贅沢だ。タイトルは「遠方から」という意味だそうで、 中世のテキストが使われている。
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Dawn Upshaw, soprano
Anssi Karttunen, cello
Camilla Hoitenga, flute
Florent Jodelet, percussion
Kaija Saariaho, electronics
・Recorded in 1996 & 97
Ondine Inc.
ODE 906-2
Saariaho:
Private Gardens
Saariaho:
Graal Theatre
Saariaho:
From the Grammer of Dreams
Saariaho:
Chamber Music
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1. Lonh for Soprano and Electronics (1996)
2. Pres for Cello and Electronics (1992)
3. Noanoa for Flute and Electronics (1992)
4. Six Japanese Gardens for Percussion and Electronics (1993-95)
I. Tenju-an Garden of Nanzen-ji Temple
II. Many Pleasures (Garden of the Kinkaku-ji)
III. Dry Mountain Stream
IV. Rock Garden of Ryoan-ji
V. Moss Garden of the Saiho-ji
VI. Stone Bridges
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Peteris
Vasks: Cello Concerto
Geringas/ Riga Philharmonic/ Aleksa
ヴァスクス(1946-)のこのアルバムを買ったのはカール・ブロッスフェルトの写真「南瓜の蔓」が使ってあったから。いわゆるひとつのジャケ買い。ヴァスクスがラトヴィアの作曲家であることは知らなかった。
バルト三国の作曲家というとペルト(エストニア)やトゥビン(同)あたりが有名だが、ヴァスクスももっと知られていい作曲家だ。ヨーロッパ中央と較べると若干保守的ではあるが、力強さと抒情性をもつ魅力的な作風。バルトークの影が感じられることもある。
『チェロ協奏曲』はゲリンガスに献呈されたもの。きっぱりとした主張が小気味のいい作品で、シンメトリカルな5楽章で構成される。ショスタコーヴィッチを今ふうにした感じもあって爽快。チェロはたいへんな技巧を要求される。
『弦楽交響曲“声”』はモノトーンの思索的な作品だ。「静寂の声」「いのちの声」「良心の声」という三つの部分に分かれている。祈りのような、はたまた星ふる夜のような第一部、祖国の自然を讃えるような第二部、そして思索の深みに降りていく第三部。背景にあるのはソ連による支配の記憶なのだという。調性感は希薄だが一応短調が基本になっている。第三部が希望に満ちて終わらず、むしろ不協和音が重ねられていくのはどういうメッセージなのだろう。不安の時代はまだ続くというのか。最後の最後にようやく冒頭のような静寂が訪れはするのだが。
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David Geringas, cello
Riga Philharmonic Orchestra
Jonas Aleksa, conductor
・Recorded in 1995
Conifer Records
75605 51271 2
Vasks:
Cello Concerto
遠き光&声
Music
of Peteris Vasks
Symphony
No.2 Symphony
No.3
Baltic
Voices
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1. Concerto for
Cello and Orchestra (1993/4)
2. String Symphony - Voices (1991) |
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Peteris
Vasks: Chamber Music
Krenberga/ Zandmane/ Blaumane/ The Latvian
Philharmonic Trio, etc.
ラトヴィアは美しい森、河川、湖に恵まれているそうだ。最初の2曲はそのラトヴィアの自然をイメージしたもの。描写音楽ではなくて、それぞれの楽器の表現力を極限まで追求した技巧的作品。緊張感のある和声やダイナミックな音量の変化で祖国の風景が描かれる。『幻想曲』の痛々しい響きは大地が「燃え尽きて」しまったからだ。
ピアノ三重奏のための『エピソードと終わりなき歌』はメシアンへのオマージュ。6つの変化に富むエピソードの後に静謐な歌が奏される。こういう「祈り」はヴァスクスの得意とするところだ。
つづく『死んだ友人のための音楽』はフルート/アルト・フルート、オーボエ、クラリネット、ホルン、バスーンという木管五重奏。ヴァスクスは5つの声部をブレンドさせず、それぞれ独立したものとして扱う。
独奏チェロのための『書物』は「フォルティッシモ」と「ピアニッシモ」の2つの部分に分かれる。チェロの音域をすべて使い、ピツィカートも織りまぜた超絶技巧の第一部、8分に及ぶ静かな歌が続く第二部(チェリストがほんとうに弾きながら歌う)。奏者はしんどいに違いないが、聴いているほうはこの緊張感がたまらない快感となる。
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Dita Krenberga, flute
Inara Zandmane, piano
Kristine Blaumane, cello
The Latvian Philharmonic Trio
The Riga Wind Quintet
・Recorded in 1995
Conifer Records
75605 51272 2
Vasks:
Chamber Music
Vasks:
String Quartets
電脳世界のパストラル
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1. Landscape with
Birds (1980) for Solo Flute
2. Fantasia - Landscape of a Burnt-Out Earth (1992) for Piano
3. Episodi e Canto Perpetuo (1985) for Piano Trio
4. Music for a Deceased Friend (1981) for Wind Quintet
5. Book (1978) for Solo Cello |
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Peteris
Vasks: Message
Riga Philharmonic/ Rusmanis
なんともセクシーなジャケットだけど、これもブロッスフェルトによる植物写真。ただアルバムの内容は哀しみ、祈り、悔恨、追憶のイメージに満たされている。その名もずばり『哀しみの音楽(ムジカ・ドロローサ)』があるくらいだ。
面白いのは『コーラングレ協奏曲』。これの第1楽章「悲歌」が『トゥオネラの白鳥』そっくりなのだ。楽器が同じというだけでなく、ワグネリアンなたゆたう感じがよく似ている。ひるがえって考えてみるとシベリウスの作品は和声の面でモダンだった。影響関係でいうとヴァスクスは近隣の作曲家たちを思わせる部分が多い。トゥビン、ルトスワフスキ、グレツキあたりである。もちろんそれ以前の流れを汲んだ上でのことで、伝統的な印象が強い作曲家といえる。上記室内楽集に較べてこちらは耳あたりがいい作品が多いので、別の面を見せられた感じがして興味深い。
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Normunds Schnee, cor anglais
Ligita Zemberga, cello
Nora Novik, Raffi Kharajanyan, pianos
Riga Philharmonic Orchestra
Kriss Rusmanis, conductor
・Recorded in 1994
Conifer Records
75605 51236 2
Vasks:
Message
別レーベルから
Vasks:
Message
Musica Dolorosa, etc.
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1. Cantabile for
String Orchestra (1979)
2. Cor anglais Concerto (1989)
3. Message for String Orchestra, Percussion and 2 pianos (1982)
4. Musica Dolorosa for string Orchestra (1983)
5. Lauda (1986) |
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Wolfgang
Rihm: Chiffre-Zyklus
musikFabrik/ Asbury
ヴォルフガング・リーム(1952-)の2006年リリース。1982年から書き続けていた『暗号』連作(シフレ・ツィクルス)の全曲録音である。演奏はドイツのアンサンブル「ムジーク・ファブリーク」で、2004年3月14日、つまりリームの52歳の誕生日の翌日にライヴ録音されている。
バス・クラリネット、チェロ、ピアノというトリオから17人のアンサンブルまで、さまざまな編成の小品が10曲。リゲティあたりの流れを汲む、いわば中央ヨーロッパの伝統的アブストラクト。小気味のいいパルスがそこそこソフトに突き刺さる。そう、リームのアブストラクトはあまりとんがっていないのだ。
“Bild”(絵)と題された8分ほどの曲はドイツの放送局WDRに委嘱されたもの。ルイス・ブニュエルとサルヴァドール・ダリの名作無声映画『アンダルシアの犬』放映に際して伴奏音楽として使用された。もちろん映画はシュルレアリスムだが、あの衝撃映像の連続する作品にこういう抽象的音楽が使われたというのが面白い。
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musikFabrik (ensemble)
Stefan Asbury, conductor
・Recorded in 2004 (Live)
CPO 777 169-2 (2CDs)
Rihm:
Chiffre-Zyklus
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<CD 1>
1. Chiffre I (1982)
2. Silence to be beaten (Chiffre II) (1983)
3. Chiffre III (1983)
4. Chiffre IV (1983/84)
5. Chiffre V (1984)
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<CD 2>
1. Bild (eine Chiffre) (1984)
2. Chiffre VI (1984)
3. Chiffre VII (1985)
4. Chiffre VIII (1985/88)
5. Nach-Schrift (eine Chiffre) (1982/2004) |
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