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中世・ルネサンスの音楽 1 / 2 / [3]
baroque / orchestral / concerto / chamber / instrumental
theatrical / vocal works / contemporary / historical recordings / etc.
 
フレットワーク

John Dowland: Lachrimae or Seaven Teares 1604
Fretwork

ダウランドの『流れよわが涙("Flow My Teares")』は空前の大ヒットとなり、ヨーロッパ中で数々の編曲版が作られた。この曲集は自分の曲で他人が儲けているのを見かねたダウランドが、そんな状況に「対抗すべく」発表したものだといわれている。当時の英国で人気のあった演奏形態、ヴィオール・コンソートのために書かれている。
副題に「7つの情熱的パヴァーヌの形式による」とあり、 おなじみ『ラクリメ』の主題による合奏曲がならぶ。情熱的という形容はあてはまらず、ダウランドらしいメランコリーに被われた曲ばかりだ。8曲目以降は『ラクリメ』から離れ、ガイヤルドなどの舞曲が中心になる(バヴァーヌももとは舞曲だった)。
5本のヴィオールとリュートという地味なコンソートは英国以外では愛されなかったけれども、ダウランドの憂愁に沈んだ音楽にはぴったりの編成だ。フレットワークのていねいでしなやかなアプローチは、聴き手を素直にダウランドの世界に引き込んでいく。

<Fretwork>
Wendy Gillespie, Richard Campbell
Julia Hodgson, William Hunt
Richard Boothby, viols
with
Christpher Wilson, lute

・Recorded in 1987 & 89
Virgin Classics
VC 5 45005 2

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Lachrimae or Seaven Teares

バードとの組み合わせ
Goe Nightly Cares
ほかの団体で
Jordi Savall
The Dowland Consort

 

1. 古いラクリメ
2. 新・古いラクリメ
3. ため息のラクリメ
4. 悲しみのラクリメ
5. いつわりのラクリメ
6. 愛のラクリメ
7. まことのラクリメ
8. ダウランドはつねに悲しむ
9. サー・ヘンリー・アップトンの葬送
10. ジョン・ラングトン氏のパヴァーヌ
11. デンマーク王のガイヤルド

  12. エセックス伯爵のガイヤルド
13. サー・ジョン・スーチのガイヤルド
14. ヘンリー・ノエル氏のガイヤルド
15. ジャイルズ・ホビー氏のガイヤルド
16. ニコラス・グリフィス氏のガイヤルド
17. トマス・コリア氏のガイヤルド
18. パイパー大佐のガイヤルド
19. バクトン氏のガイヤルド
20. ニコルズ夫人のアルマンド
21. ジョージ・ホワイトヘッド氏のアルマンド

ポール・アグニュー

John Dowland: Flow My Teares
Paul Agnew/ Christopher Wilson

ジョン・ダウランド(1563-1626)のリュート伴奏歌曲集。第1巻(1597)、第2巻(1600)から8曲ずつ選曲されている。これらの作品は4声ないし5声で歌うように書かれており、ルーリーやカークビーたちのアルバム(オワゾリール盤)ではそれに忠実に演奏されていた。あれはあれで素晴らしかったけれども、多声音楽に慣れていない耳にはソロのほうが聴きやすい。またカウンターテノールではないため、歌の内容が身近なものとして迫ってくるのもアグニュー盤の特徴だ。
好き嫌いがわかれるのもその点だと思う。哀しみや憂鬱がカウンターテノールやソプラノ(とくにカークビー)のように昇華されず、生々しいものに感じられる。しかしこの浮世離れしていない歌唱に説得力があるのは否めない。ヒーリングやBGMには向かない、人間味のあるルネッサンス歌曲である。

 

Paul Agnew, tenor
Christopher Wilson, lute

・Recorded in 1995
Metronome Recordings
MET CD 1010

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Flow My Teares

ルーリーたちの抜粋盤
流れよわが涙
第1巻全曲
The First Booke of Songes

 
1. 目覚めよ甘き恋人、あなたは帰ってきた
2. 行け、透きとおった涙よ
3. わたしの苦しみが情熱を動かすなら
4. 帰っておいで、やさしい恋人よ
5. かの女は過ちを許してくれるだろうか
6. 愛しい人よ、あなたが心変わりするなら
7. 愛と運命に背かれたきみたち
8. 眠れ、とりとめのない思いよ
  9. 流れよわが涙
10. 涙が過去の愚かさを洗い流せるものなら
11. ご婦人たちをつかむこつ
12. あの人が泣くのを見た
13. 時間の長男(三部作)
14. 重苦しい夜よ来たれ
15. 訴えるべきか、慈悲を請うべきか
16. 悲しみよとどまれ
ダウランド歌曲集 John Dowland: In Darknesse Let Me Dwell
Paul Agnew/ Christopher Wilson

上記アルバムにはダウランド畢生の大ヒット“Flow My Teares”はじめ有名曲が多数おさめられていた。この続編は曲目からいえば地味だが、“Time Stands Still”(9)など忘れがたい作品が多い。今回は歌曲集第3巻(1603)、『音楽の饗宴』(1610)、『巡礼の慰め』(1612)から選曲されている。
曲名からお判りのように、ほとんどが恋の歌。ダウランドならではの美しくメランコリックな旋律を、ポール・アグニューが情感豊かに歌いつづっていく。

 

Paul Agnew, tenor
Christopher Wilson, lute

・Recorded in 1995
Metronome Recordings
MET CD 1011

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In Darknesse Let Me Dwell

カークビーのソロで
Time Stands Still

 
1. わたしをそれほど困らせたいなら
2. わたしは暗闇に住みたい
3. わたしの悲しみに耳を貸してください
4. もしも思いがかなわないなら
5. 泉よ、そんなに早くあふれないで
6. アポロがダフネを初めて愛したとき
7. 泣かないで、悲しみの泉よ
8. 愛の神よ、見つけたことがあるなら話して
  9. 時間は静止して
10. 愛の神の眼を閉じた不思議を見よ
11. 嘆きながらもわたしは恋人を喜ぶ
12. 言葉で心を動かしてみようか
13. 罪人のため息が天使の糧であるなら
14. 愛の光は燃える炎を育て
15. 時よ、しばらく飛ぶのを待て
16. 汝、力強い神よ(三部作)
ダウランド John Dowland: The Collected Works
The Consort of Musicke/ Anthony Rooley

この大部のLPセットが発売されたときはショックを受けた。それ以前からダウランドは好きだったのだが、これほどの曲集が制作されるくらい評価の高い作曲家だとは思っていなかった。そして価格の高さ。買えない。バラ売りがなかったのだ。CD時代に入って枚数も減り、価格も下がったのは喜ばしい(豪華さはなくなったけど)。
ダウランド作品のほぼすべてが収められているほか、他の作曲家の手になる鍵盤楽器用トランスクリプション、コンソートへの編曲が含まれている。ダウランドのヒット曲は『流れよわが涙("Flow My Teares")』だけではなかった。さまざまな作品がヨーロッパ中で編曲され、演奏されていたのだ。雑多な感じもするが貴重な資料と言える。息子ロバート・ダウランドが編集した『音楽の饗宴』(1610)が入っているのも気が利いている。

歌曲集は上記アグニュー盤とちがってソロばかりではない。二重唱から最大五重唱までの編成が含まれる。要するに譜面どおり、ルネサンス・マドリガルのスタイルに忠実に演奏しているわけだ。慣れていないと判りにくいかも知れないが、複数声部がからみあう重唱の面白さを味わうことができる。エマ・カークビー若き日の清楚な歌声が聴けるのも貴重。
リュート作品はLPのときは5人の奏者がLP1枚ずつを担当していた。アンソニー・ベイルズ、ヤコブ・リンドベリ、ナイジェル・ノース、クリストファー・ウィルソン、そしてアンソニー・ルーリー。それがCDではわずか3枚半。盤の途中で奏者が変わってしまう。気にしなきゃいいんだけど。
トランスクリプションはわざわざコリン・ティルニーに演奏させたり、高度なレベルで統一された素晴らしいアルバム。約30年経っているのにこのアルバムでしか聴けない曲がいくつもあり、存在価値は当分の間揺らぎそうにない。

 

<The Consort of Musicke>
Emma Kirkby, soprano
Glenda Simpson, soprano
John York Skinner, countertenor
Martyn Hill, tenor
David Thomas, bass
Catherine Mackintosh, treble viol
Trevor Jones, tenor viol
Jakob Lindberg, lute
Christopher Wilson, lute
and others
Anthony Rooley, lute & director

・Recorded in 1976 - 77
Decca/ L'Oiseau-Lyre
452 563-2 (12CDs)

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The Collected Works

抜粋盤は
流れよわが涙
リュート曲集

ほかには
暗闇にひそむ歌
In Darkness Let Me Dwell
The Dowland Project
Greensleeves (Lute Songs)
Dowland: Lute Songs

 

<CD 1>
歌曲集 第1巻(21曲)
<CD 2>
歌曲集 第2巻(20曲)
<CD 3>
歌曲集 第3巻(21曲)
<CD 4>
歌曲集『巡礼者の慰め』<1>(16曲)
<CD 5>
歌曲集『巡礼者の慰め』<2>(5曲 )
他の作曲家によるトランスクリプション(12曲)
<CD 6>
歌曲集『ヘンリー・ノエル氏の嘆き』(7曲)
コンソート『ラクリメ』

  <CD 7>
宗教的歌曲(3曲)
詩篇歌(6曲)
女王陛下への祈り
他の作曲家による編曲(14曲)
<CD 8>
リュート曲集<1>(28曲)
<CD 9>
リュート曲集<2>(27曲)
<CD 10>
リュート曲集<3>(26曲)
<CD 11>
リュート曲集<4>(11曲)
コンソートへの編曲集<1>(16曲)
<CD 12>
コンソートへの編曲集<2>(5曲)
歌曲集『音楽の饗宴』(20曲)
ジョン・ダウランド

John Dowland: The Complete Solo Lute Music
Jakob Lindberg

ジョン・ダウランド(1563-1626)のリュート曲全集はかつてオワゾリールに唯一の録音があり、リンドベルイはそこで20曲ほど担当していた。5人のリュート奏者による分担で、5枚組のLPだった。17年後の1994年、かれは一人で全集を完成させた。CD4枚に独奏曲92曲を収録。個人での全集録音はこれが世界初となる。使用楽器はリュートのほか複弦8コースのオーファリオン。響胴がフラットなルネサンス期特有の楽器である。
ダウランドを評するとき必ず言われるのがメランコリー。リュート作品も例外ではなく、憂鬱な影を持った曲が多い。当時の流行歌『ウォルシンガム』や『靴屋の女房』を素材にした作品でも同じ。みずからの大ヒット『流れよわが涙』による『ラクリメ』は言わずもがな。深いメランコリーに閉ざされた静謐な時が流れていく。
ガリアードなどのリズミカルな長調の曲がなかったら落ち込んでしまいそうになる。しかしその長調の曲でさえ底抜けの明るさを持たないのがダウランドである。
リンドベルイの演奏は17年の間にずいぶん変貌している。印象としては淡々としているのだが、若い頃の演奏よりゆとりがあり、メランコリーが深みを増している。この人、どこかでダウランドに逢ってきたのかも知れない。

 

Jakob Lindberg, lutes
8 course renaissance lute
10 course renaissance lute
8 course orpharion

・Recorded in 1994
BIS CD-722/724 (4 CDs)

◎全曲盤4枚組は上記番号参照
25曲の抜粋盤は
John Dowland: Selected Lute Music

1977年録音の抜粋盤
ダウランド:リュート曲集

リンドベリ

English Lute Duets
Jakob Lindberg/ Paul O'Dette

リンドベルイとオデットのリュートデュオ。この二人にはそれぞれ素晴らしい『ダウランド・リュート曲全集』があるのでライヴァルでもあるわけだが、ここでは仲良く息のあったところを聴かせる。
お得意のダウランド作品(4)〜(6)もよいが、聴いてみていただきたいのは8曲もあるジョン・ジョンソン。作曲者自身たいへんな名手だったようで、(11)や(20)は難易度の高いパッセージが次々とあらわれる華やかな作品。メランコリックなダウランドとは全く違うタイプだ。“Greensleeves”と題する(16)はカッティングの『グリーンスリーヴスによるグラウンド』と同趣向の曲。主題を奏さず、いきなり変奏が始まる。難しそうな変奏ももちろん用意されている。無名なのが不思議なくらい楽しい曲だ。残念なことにジョンソン作品の録音は少なく、デュオとなるとさらに少ない。こんなに魅力的なのに…。
録音は1984年。温かみと柔らかさをもった優秀アナログ録音。

 

Jakob Lindberg and Paul O'Dette
plays 8-course Renaissance lutes

・Recorded in 1984
BIS CD-267

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English Lute Duets
グリーンスリーヴス

この時代の作品
The Golden Age of English Lute Music
John Johnson: Lute Music
村治佳織:グリーンスリーヴス

 
1. Anonymous: Drewries Accordes
2. Anonymous: A Mery Moode
3. Ferrabosco: The Spanish Pavan
4. Dowland: Lord Willoughbies his Galliard
5. Dowland: My Lord Chamberlaine hid Galliard
6. Dowland: Complaint
7. Danyel: Passingmeasures Galliard
8. Johnson: Sellengers Rounde
9. Johnson: The Flatt Pavion
10. Johnson: The Galyard to the Flatt Pavion
11. Johnson: A Dump
  12. Robinson: A Fantasy
13. Robinson: Twenty Waies Upon the Bells
14. Robinson: A Toy
15. Robinson: The Queenes Goodnight
16. Johnson: Greensleeves
17. Johnson: Lavecheo Pavin
18. Johnson: Lavecheo Galliard
19. Marchant: A Fancy
20. Johnson: The New Hut is Up
21. Anonymous: La Rossignol
 
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