ジャズCDレビュー
マイルス・デイビス   アドマックス「カフェ・マキシマム」  
ブルーズ ワールド・ミュージック クラシックCD ブラスバンド book review jazz index
GUITAR [1] / 2 / 3 / 4 TRUMPET / TROMBONE / WOODWINDS / PIANO / ORGAN
VIBES / DRUMS / MISCELLANEOUS / BIG BAND / COMBO / VOCAL
 
グラント・グリーン


Grant Green: Feelin' the Spirit

グラント・グリーンの代表作のひとつ。曲目がスピリチュアルズ(黒人霊歌)であること、ハービー・ハンコックが参加していることが理由だろうが、演奏も初期グリーンのベストといえる出来映えだ。
おなじみ針飛びフレーズもまじえてメロウな旋律を紡いでいくグリーン。素材のせいかブルーズ演奏時とはちがったタイプの「黒っぽい」雰囲気が楽しめる。初出トラック“Deep River”のしみじみした情感も大きな収穫だ。
マイルズのバンドに参加する前のハンコックがたっぷり聴けるのも魅力。誰ですか、ハンコックにもアーシーな演奏ができたんだなぁ、なんて言ってるのは。
忘れられがちなタンバリンについても。このシンプルな打楽器こそスピリチュアルズの重要な伴奏楽器。これが加わったことで、教会で黒人たちがタンバリンを打ち鳴らしながら歌うさまをイメージすることができる。

 

Grant Green, guitar
Herbie Hancock, piano
Butch Warren, bass
Billy Higgins, drums
Garvin Masseaux, tambourine

・Recorded in 1962

Feelin the Spirit
フィーリン・ザ・スピリット

グリーン・ストリート
グランツ・ファースト・スタンド
サンデイ・モーニン

 
1. Just a Closer Walk with Thee
2. Joshua Fit de Battle ob Jericho
3. Nobody Knows the Trouble I've Seen
  4. Go Down Moses
5. Sometimes I Feel Like a Motherless Child
6. Deep River

マタドール

Grant Green: Matador

上記アルバムがハービー・ハンコックでこちらはマッコイ・タイナー。ドラマーがエルヴィン・ジョーンズで、演っているのが“My Favorite Things”ときた。これがまたいいんである。トレーンの呪術的なしつこさとはちがう針飛びのしつこさで押しまくる。タイナーもしつこい。マイルズがかれのピアノを「単調」の一言で評していたが、それがどうした。いつまでも同じところをぐるぐる廻っているようなピアノがかれの持ち味なのさ。エルヴィンもあまり複雑なことはやらずにうまさを発揮。ほかのドラマーと較べたらうるさいが、これがこの時代のエルヴィンだ。
オリジナルLPは日本でしか発売されず、このCDが米国での初出。売れないと判断する理由でもあったんだろうか。

 

Grant Green, guitar
McCoy Tyner, piano
Bob Cranshaw, bass
Elvin Jones, drums

・Recorded in 1965

Grant Green: Matador

Live at Club Mozambique

 
1. Matador
2. My Favorite Things
3. Green Jeans
  4. Bedouin
5. Wives and Lovers
スタンダーズ Grant Green: Standards

これも上記 『マタドール』同様、日本でしか発売されなかったLPのCD化。日本で売るべく日本で企画されたもので、この時期ブルーノートには同じ『スタンダーズ』と称するアルバムがいくつかあった。1961年、まだこれといった代表作のないグリーンの日本向けアルバムが制作されたのは、企画した人に先見の明があったか、すでにかれは日本で人気があったのか、わたしは小学生だったのでわからない。
ピアノのいないトリオ編成でシングルトーンのギターというのは涼しい。スカスカである。ブルーズがないからかも知れない。針飛びフレーズもなくてだれだか分からない…というほどでもないが、アーシーな魅力は味わえないんである。こんなん誰が聴くんやねんと思ったら「お洒落な」ジャズが好きな人にいいんだそうだ。なるほどね、ウチとちがって小ぎれいなカフェのBGMなら抜群に似合いそうだ。
 

Grant Green, guitar
Wilber Ware, bass
Al Harewood, drums

・Recorded in 1961

Grant Green: Standards

ジミー・スミスの
Standards
ソニー・クラークの
Standards

 
1. You Stepped Out of a Dream
2. Love Walked in
3. If I Had You
4. I'll Remember April
  5. You and the Night and the Music
6. All the Things You Are
7. I Remember You
8. If I Had You [Alternate Take]
アイドル・モーメンツ

Grant Green: Idle Moments

平岡精二が出てきそうなタイトル曲が苦手だ。演奏はいいけどね。とくにボビー・ハッチャーソンがいい。平岡氏とはちがう(当たり前か)タイプのリリカルなプレイはさすがに清新なものがある。グリーンのソロもきれいだ。しかしジョー・ヘンダーソンの口ごもったようなソロは…。
しかし2曲目以降は文句なし。軽快な“Django”もよく走る“Nomad”もお薦めだ。ヘンダーソンが息を吹きかえし、迷いのないのびのびしたソロを聴かせる。ホーンが一人しかいないんだからこうでなくちゃ。リーダーも緊張から解き放たれたように自在に歌い出す。ピアソンも弾むように快調で“Nomad”がとくによい。ジャムみたいに演奏時間が長いので各人のソロが長〜く聴けて大満足。

 

Grant Green, guitar
Joe Henderson, tenor sax
Bobby Hutcherson, vibes
Duke Pearson, piano
Bob Cranshaw, bass
Al Harewood, drums

・Recorded in 1963

Idle Moments (Rmst)

ついでながら平岡精二の曲
ムード歌謡全曲集

 
1. Idle Moments
2. Jean de Fleur
3. Django
  4. Nomad
5. Jean de Fleur [Alternate Take]
6. Django [Alternate Take]
グラント・グリーン

Grant Green: I Want to Hold Your Hand

ビートルズの『抱きしめたい』がアルバムタイトル。ハンク・モブレーやエルヴィン・ジョーンズがビートルズかいな、なんて思うだろうが、いい。アレンジが粋なのだ。ボサっぽいタッチでじつに軽やか。グラント・グリーンのスムースなソロが美しく、モブレーのソフトなテナーがこれまたお洒落。ボサついでに言えば『コルコヴァド』もなかなか。この曲ではラリー・ヤングのしっとりしたアプローチが聴けるし、グリーンがめずらしくコードワークを聴かせる(一瞬だけどね)。
全体に軽くリラックスしたアルバムで気楽に聴ける。スタンダードが多いからブルージーなグリーンが聴きたい人には向かないが、お洒落でかっこいい演奏ばかり。曲調にも変化があって楽しい。快速の『スピーク・ロウ』(エルヴィンのソロ入り)、ゆったりしたテンポの『星影のステラ』はとくにおすすめのトラックだ。

 

Grant Green, guitar
Hank Mobley, tenor sax
Larry Young, organ
Elvin Jones, drums

・Recorded in 1965

I Want to Hold Your Hand
抱きしめたい

Grantstand
フェイス・トゥ・フェイス
ビートルズカヴァー集
カム・トゥゲザー

 
1. I Want to Hold Your Hand
2. Speak Low
3. Stella by Starlight
  4. Corcovado (Quiet Nights)
5. This Could Be the Start of Something
6. At Long Last Love
ストリート・オブ・ドリームス

Grant Green: Street of Dreams

ジャケ写がいいのとボビー・ハッチャーソンが参加しているのとでついついよく聴くアルバム。グラント・グリーンもさらっとした仕上がりでなめらかなラインが美しい。肩に力が入っておらず、歌うことだけに専念している感じだ。スタンダードばかりの選曲のせいもあり黒っぽいギターが聴きたい人には向かないのだが、上記『抱きしめたい』に共通するお洒落な感覚でまとめられた珠玉の一枚である。雰囲気はこちらのほうが大人っぽいかも知れない。『レイジー・アフタヌーン』なんて曲名どおりのレイジーな雰囲気に仕上がっている。
あまり有名な曲はないが旋律の美しいものばかり集められている。最初の曲はシャルル・トレネ(つまりシャンソン)だったりする。渋いのだが原曲のイメージをくずさないソロが連続するのでリラックスしたひとときが過ごせる。アップテンポの曲はない。ハッチャーソンが涼しげにガラス玉のような音を転がしてみせ、ラリー・ヤングの控えめなソロも好ましい。顔ぶれからしてド迫力の演奏もできる連中なのだが、ひけらかしゼロのこういう演奏もじつにうまいのである。

 

Grant Green, guitar
Bobby Hutcherson, vibes
Larry Young, organ
Elvin Jones, drums

・Recorded in 1964

Blue Note Records BST 84253
7243 8 21290 2 8

Street of Dreams
ストリート・オヴ・ドリームス

The Complete Quartets with Sonny Clark

 
1. I Wish You Love
2. Lazy Afternoon
  3. Street of Dreams
4. Somewhere in the Night
ケニー・バレル

Kenny Burrell & John Coltrane

ケニー・バレルとジョン・コルトレーンの双頭クインテット。マイルズのリズムセクションとトミー・フラナガンというリッチな組み合わせだ。ダウンビート誌で5つ星を獲得したアルバムである。
最初の曲は『貨物列車』かと思ったら“Train”じゃなくて“Trane”だった。これはフラナガンの作品。ギターとテナーがユニゾンでテーマを奏した後、Traneがエモーショナルなソロを聴かせ、バレルのスムーズなギターを導く。フラナガンの跳ねるようなピアノ、チェンバースのアルコを経てフォア。オープニングの顔見せである。
バレルの出来が一番いいのは(2)かな。快速のテンポで美しいフレーズを惜しげもなく披露してみせる。美しいと言えば(4)のバレルとトレーンのデュオ。思わず聴き惚れるくらい美しいバラッドだ。
最後の曲は再びフラナガンのオリジナル。14分に及ぶ長尺演奏で、チェンバースのイントロに続いてあらわれるピアノソロが渋くて渋くて…。リーダーたちがなかなか出てこないが、このままずっとトリオでやっててくれや、と言いたいほどの味のある演奏だ。もちろんトレーンもバレルも充実したソロをたっぷり聴かせてくれるんだけどね。

 

Kenny Burrell, guitar
John Coltrane, tenor sax
Tommy Flanagan, piano
Paul Chambers, bass
Jimmy Cobb, drums

・Recorded in 1958

Kenny Burrell & John Coltrane
ケニー・バレル&ジョン・コルトレーン

ケニー・バレルの人気盤
Midnight Blue
ミッドナイト・ブルー
On View at the Five Spot Cafe
5スポットのケニー・バレル

 
1. Freight Trane
2. I Never Knew
3. Lyresto
  4. Why Was I Born
5. Big Paul
ブルーライツ

Kenny Burrell: Blue Lights Vols.1 & 2

アンディ・ウォーホルのイラストをあしらったブルーノート時代ケニー・バレルを代表する名アルバム。LPでは2枚ばら売りだったがこれはCD2枚組。色違い2枚でもっていた人にはもの足りないかも知れないが、お買い得にはなっている。
上記プレスティッジ盤と同時期でダブる曲もあるがこちらはジャム。ジュニア・クック、ティナ・ブルックスという男っぽいテナーの代表格ふたりが参加し、気持ちのいい汗をかいている。ラッパのルイ・スミスの溌剌としたプレイも輝いており、ケニー・バレルのギターは決して主役ではない。ソロはほぼ均等割りなのだ。そこはそれジャムだからということで、ほどほどにホットな競り合いの中でバレルらしいお洒落なブルーズを堪能させてくれる。Vol.1の(4)でサム・ジョーンズが活躍するのも聴きどころだ。この日はノリがよかったらしく、バックをつとめているときのラインもただ者でないことを感じさせる。親爺ブレイキーがソロの時以外はしゃしゃり出てこないのもよろしい。それでいてちゃんとスーパードラマーぶりを発揮しちゃうんだから、困った親爺である。

 

Louis Smith, trumpet
Junior Cook, Tina Brooks, tenor saxes
Kenny Burrell, guitar
Duke Jordan or Bobby Timmons, piano
Sam Joned, bass
Art Blakey, drums

・Recorded in 1958
Blue Note Records
7243 8 57184 2 7 (2CDs)

Kenny Burrell: Blue Lights
ブルー・ライツVol.1
ブルー・ライツVol.2

ヴィレッジ・ヴァンガードの夜
イントロデューシング…

 
<CD 1>
1. Phinupi
2. Yes Baby
3. Scotch Blues
4. The Man I Love
5. I Never Knew
  <CD 2>
1. Caravan
2. Chuckin'
3. Rock Salt
4. Autumn in New York
ケニー・バレル Kenny Burrell & Jimmy Smith: Blue Bash!

1963年のお友だちセッション。ケニー・バレル、ジミー・スミスともブルーズの名手だから、予想どおりのアーシーな仕上がり。
オープニングの“Blue Bash”はジミー・スミスのキャッチーなオリジナル。意外に軽いが、バレルのフレーズが典型的ブルーズギターになるところが面白い。後半にギターとオルガンが1小節ずつ掛け合いをするのも楽しいアイディア。
次の“Travelin'”はゴスペルふう。快適にスウィングしながらアドリブがどんどん黒っぽくなっていく、いちばんご機嫌なナンバー。ゆったりブルーズは“Blues for Del”。“Soft Winds”と並ぶ聴き応えのあるトラックだ。
CDは別テイクが入ってほぼ2倍の収録時間。全部がいいわけではないが、迫力という点でマスターテイクを上まわる演奏がある。

 

Kenny Burrell, guitar
Jimmy Smith, organ
with
Mel Lewis or Bill English, drums
Milt Hinton or George Duvivier, bass

・Recorded in 1963

Blue Bash!
ブルー・バッシュ!

ほかの共演盤は
Organ Grinder Swing
Midnight Special
ソフトリー・アズ・ア・サマー・ブリーズ

 
1. Blue Bash
2. Travelin'
3. Fever
4. Blues for Del
5. Easy Living
6. Soft Winds
7. Kenny's Sound
 

8. Travelin' [Alternate take]
9. Fever [Alternate take]
10. Soft Winds [Alternate take]
11. Kenn's Sound [Alternate take]
12. Easy Living [Alternate take]
13. Travelin' [Breakdown take]
14. Kenny's Sound [Alternate take]

 
  GUITAR [1] / 2 / 3 / 4 TRUMPET / TROMBONE / WOODWINDS / PIANO / ORGAN
VIBES / DRUMS / MISCELLANEOUS / BIG BAND / COMBO / VOCAL