クラシックレビュー
ギター曲   アドマックス「カフェ・マキシマム」  
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器楽曲・サラサーテ 1 / 2 / 3 / [4] / 5 / 6 / 7 / 8 / 9 / 10
11
early music / baroque / orchestral / concerto / chamber
theatrical / vocal works / contemporary / historical recordings / etc.
 
プロジェット・アヴァンティ

Orchestral Classics for Two Guitars
Progetto Avanti

ギターデュオ“プロジェット・アヴァンティ”のデビューアルバム。名前はイタリア語だがスウェーデンのグループ。'progetto' は英語の 'project' のことで 'avanti' は 'advance' のこと。活動歴は長いらしい。
タイトルどおりオーケストラのための曲をギター2本でやってしまおうという試み。できる訳ゃないって?んー、それをやっちまうから面白いんですよっ。『アランフェス協奏曲』の編曲はロドリーゴ本人から承認を得たという、いわばお墨付きのもの。これが4曲中いちばん面白い。なにせギター協奏曲なわけで、一人がソロギターやるからあと一人がオーケストラの役目をすることになる。ベースラインを刻みながらピツィカートを入れる、なんていうワザを使いながらこなしていくそのテクニック。かっこいいのひとこと。
『ペール・ギュント組曲』もギター2本とは思えないドラマチックな演奏。『オーゼの死』で聴かれる叙情的表現も美しい。『アイネ・クライネ』はいかにもセレナーデらしいおだやかさが魅力。BGMにしてもいいくらいの心地よさだ。
ヴィヴァルディは何を思ったかスペイン風味が混じる。原曲を知らないのでどこがどうちがうのか判然としないが、スパニッシュギターの奏法を採り入れているのは確かだ。ラテンタッチのヴィヴァルディ。

<Progetto Avanti>
Max Gossell, guitar
Hakan Frennesson, guitar

・Released in 1997
Finlandia Records
0630 18915-2

Orchestral Classics for Two Guitars
二人だけのオーケストラ

山下和仁のアルバム
シェエラザード

 
1. ロドリーゴ:アランフェス協奏曲
2. グリーク:ペール・ギュント組曲 第1番 作品46
3. モーツァルト:セレナーデ ト長調“アイネ・クライネ・ナハトムジーク”K.525
4. ヴィヴァルディ:協奏曲 ニ長調
プロジェット・アヴァンティ

Baroque Illusions
Progetto Avanti

“プロジェット・アヴァンティ”のセカンドアルバム。今回はヴィヴァルディの『四季』を中心としたバロック作品のコレクション。
ブックレットに『四季』のスコアに書かれた作曲者のコメント(というかプログラムというか…、泉が湧き出ますよとか、ここで犬が吠えますよとか書いてある、あれ)が掲載されている。これを読みながら聴くと面白い。いやそれにしてもこの二人、うまいよな〜。とくにマックス・イェッセル。これ持ってたら原曲なんか要らないよって気がしてくる。
パッヒェルベルの『カノンとジーグ』がいい。人気がありすぎて単純な曲だと思われているらしいが、たしかに単純。しかしここまで単純化するのが難しいのである。バロック多声音楽のお手本といえる名作だ。この名作を二人は…、いや、言わないでおこう。単純化できないから(笑)。
最後のアレック・テンプルトン(1909-63)て人は英国育ちの米国人。“Bach Goes to Town”はバロックふうの前奏曲とフーガなのだが、バッハがもし現代に生きていたら、という前提のもとに書かれている。20世紀中ごろの作品なので、ジャズっぽくスウィングしている。

 

<Progetto Avanti>
Max Gossell, guitar
Hakan Frennesson, guitar

・Recorded in 1999
Finlandia Records
3984-25326-2

Baroque Illusions
二人だけのバロック〜四季、カノン

この人たちも
ギター・オデッセイ〜四季

 
1. ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲 ホ長調 作品8-1「春」
2. ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲 ト短調 作品8-2「夏」
3. ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲 ヘ長調 作品8-3「秋」
4. ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲 ヘ短調 作品8-4「冬」
5. パッヒェルベル:カノンとジーグ
6. バッハ:二つのヴァイオリンのための協奏曲〜第2楽章
7. テンプルトン:バッハ・ゴーズ・トゥ・タウン(スウィングする前奏曲とフーガ)
LAGQ Dances from Renaissance to Nutcracker
The Los Angeles Guitar Quartet

ロサンゼルス・ギター・クァルテット(LAGQ)は1980年に南カリフォルニア大学で結成された。これは1992年の、かれらの初録音だったもの。
題名どおりルネサンス期からチャイコフスキーまでの舞曲を集めている。プレトリウス、モーリー、ガブリエリがルネサンス作品。英国近代の作曲家ウォーロック(1894-1930)の『カプリオール組曲』(1926年)はエリザベス朝の舞曲を素材にして書かれたもので、オリジナルは弦楽合奏だ。口うるさいことを言えばガブリエリ作品は舞曲ではないが、ま、どうでもよろしい。
いちばん楽しいのは予想どおり『くるみ割り人形組曲』。よく知っているからこそ面白味がわかるわけで、へーこんな風になっちゃったか、すげー、なんて感心しながら聴くことになる。編曲はメンバーがみずから手がけていて、原曲をほぼそのままギター4本に移し替えている。難しいところもそのまんま。完璧に弾ききってしまうかれらのテクニックに圧倒される。

 

<The Los Angeles Guitar Quartet>
John Dearman, William Kanengiser,
Scott Tennant, Andrew York

・Recorded in 1992
Delos International
DE 3132

Dances from Renaissance to Nutcracker
くるみ割り人形

LAGQのアルバム
LAGQ: Air&Ground
LAGQ: Latin

 
1. チャイコフスキー:くるみ割り人形組曲
2. プレトリウス:舞踊組曲
3. ウォーロック:カプリオール組曲
  4. モーリー:4つの舞曲
5. G.ガブリエリ:4つの器楽合奏曲
アムステルダム・ギター・トリオ

バッハ:ブランデンブルク協奏曲
アムステルダム・ギター・トリオ

ギター3本の『ブランデンブルク協奏曲』。上質なBGMと言ったら失礼にあたるだろうか。明るく軽快で、重厚さのないバッハ。流しておくとお洒落、といった仕上がりなのだ。
唯一チェンバロの入っているのが『第5番』で、あの難しいパッセージを含め、チェンバロ・パートはそのまま演奏されている。この曲だけはチェンバロが主役なのだ。指の動きがなめらかで推進力のある演奏をする奏者だ。これがないとアルバムが単調になってしまったかも知れない。
これはなにもギターの3人がヘタだという意味ではなくて、じっくり聴いても飽きないだけの変化があるということ。実際かれらの〈リラックスしながらも緊密〉なアンサンブルは称讃に値する。ギターのアンサンブルやってる人には参考になるかも。

 

<Amsterdam Guitar Trio>
Helenus de Rijke, Johan Dorrestein,
Olga Fransen
with Tini Mathot, harpsichord (3)

・Recorded in 1985
RCA Classics
74321 427422

バッハ・インスピレーション

『四季』もやっている
Vivaldi: The Four Seasons
ヴィヴァルディの四季100%

 
1. バッハ:ブランデンブルク協奏曲 第6番 変ロ長調 BWV1051
2. バッハ:ブランデンブルク協奏曲 第3番 ト長調 BWV1048
3. バッハ:ブランデンブルク協奏曲 第5番 ニ長調 BWV1050
4. バッハ:ブランデンブルク協奏曲 第2番 ヘ長調 BWV1047
アンヘル・ロメロ

Angel Romero: A Touch of Class
Popular classics transcribed for guitar

ルネサンスから現代まで、アンヘル・ロメロによるギター編曲集。ご覧のとおり古今東西の有名曲オンパレードだ。息子のリトが3曲に参加している。
レスピーギの『シチリアーナ』はつのだかかしの演奏がTVCFで流れていたあれ。『グリーンスリーヴス』は英国のフランシス・カッティングが書いた“Greensleeves to a Ground”の前後に民謡の“Greensleeves”を配置したもの。カッティングは変奏部分しか書かなかったので、こうやって種明かしをしているわけだ。
モーツァルトは映画『みじかくも美しく燃え』で使われたあの旋律。息子リトがアルベルティ・バスで親爺アンヘルのソロを支えるうるわしの父子共演。映画といえば最後のマイヤースも『ディア・ハンター』ですな。
横尾の『「さくら」の主題による変奏曲』が面白い。コマの近くを弾いて箏のような音色を出しているのだ。アンヘルは大阪で日本の「花見」を見たことがあるそうで、その時耳にした箏曲の印象を再現したものらしい。

 

Angel Romero, guitar
Lito Romero, second guitar (5,6,7)

・Recorded in 1987
Telarc CD-80134

A Touch of Class

同じ頃の録音
A Touch Of Romance
父親との共演盤
Granados: Spanish Dances

 
1. バッハ:ラルゴ〜協奏曲ヘ短調
2. レスピーギ:シチリアーナ
3. バッハ:メヌエットト長調
4. カッティング:グリーンスリーヴス
5. モーツァルト:アンダンテ〜ピアノ協奏曲
6. ジャゾット:アルビノーニのアダージョ
  7. ヴィヴァルディ:ラルゴ〜「冬」
8. 横尾:「さくら」の主題による変奏曲
9. ドビュッシー:月の光
10. サティ:ジムノペディ第1番
11. マイヤース:カヴァティーナ
ジョン・ウィリアムス

John Williams: Spirit of the Guitar
Music of the Americas

南北アメリカのギター作品オムニバス。村治佳織のTVCFで話題になった『はちすずめ(=ハチドリ)』を含む。ちなみに村治の『CAVATINA』にはここに収められたラウロ、ヨークの作品も入っていた。
うちのつれ合いが面白いことを言っていた。村治の『はちすずめ』はメスでウィリアムスの『はちすずめ』はオスだと。たしかに力強い羽ばたき。音楽の明晰さもちがう。わずか1分少々の曲でも力量の差がはっきり出てしまう。
充分なダイナミズムと明晰さによって作品の姿をくっきり浮かび上がらせるジョン・ウィリアムス。よくセゴビアが引き合いに出されるけれども、かれの音楽にはむしろイエペスに通じる端正さがある。ラウロみたいな甘くなりそうな曲でもテンポを動かしたり濃厚な表情付けは行わない。もの足りないと感じる人もいるだろうが、マスターはこっちが好みだな〜。
魅力的な曲が多い中で、ジャズギタリストのチャーリー・バードが書いたブルーズが面白かった。このスウィング感は米国人ならではかも知れない。

 

John Williams, guitar

・Recorded in 1988
CBS/Sony
MK 44898

Spirit of the Guitar
スピリット・オヴ・ザ・ギター

同趣向のアルバム
Latin American Guitar Music
Latin American Guitar Music [Naxos]
Aire Latino

村治佳織の「はちすずめ」は
CAVATINA
カヴァティーナ [XRCD]

 
1. ヨーク:サンバースト
2. バリオス=マンゴーレ:アコンキーハ
3. バリオス=マンゴーレ:最後のトレモロ
4. ピアソラ:ブエノスアイレスの夏
5. ヨーク:ララバイ
6. ポンセ:スケルツィーノ・メヒカーノ
7. ラウロ:ナタリア
8. ラウロ:エル・ニーニョ
9. ラウロ:マリア・ルイーサ
  10. バリオス=マンゴーレ:クエカ
11. ブローウェル:子守歌
12. ブローウェル:性格的な舞曲
13. バード:スパニッシュ・ギター・ブルース
14. バード:フェリックスへのブルース
15. バード:スウィング59
16. ヴィラ=ロボス:ショーロス第1番
17. サグレーラス:はちすずめ
18. クレスポ:ノルテーニャ
バリオス=マンゴーレ

Music of Barrios
David Russell

パラグアイのギター奏者アグスティン・バリオス=マンゴーレ(1885-1944)は民族色濃厚な作風で知られる。村治佳織が『CAVATINA』で採り上げていた『森に夢みる』(1918) はタレガの『アランブラの思い出』に代わってトレモロ練習曲の代表になりそうな勢いである。7分もかかるし音域も広いし、指がひきつりそう。演奏は難しくてもロマンチックで演奏効果抜群なので、これからも長く愛され続けるだろう。
練習曲といえば『みつばち』(11)も練習曲だ。アルペジオの練習曲で雰囲気が『はちすずめ』に似ているのが面白い。短い曲ばかりだが『大聖堂』(16)は3曲からなる組曲。哀愁に満ちた旋律と技巧的面白さを併せ持つ名品だ。
スコットランド生まれのデヴィッド・ラッセルは情感のこもった演奏を聴かせる。申し分のないテクニックでバリオスの難曲をさらりとこなし、リズムを伸縮させながらラテンアメリカの憂愁を巧みに表出していく。名手である。

 

David Russell, guitar

・Recorded in 1994
Telarc International
CD-80373

Music of Barrios

Concierto de Aranjuez
Music of Giuliani

バリオス=マンゴーレ作品集

 
1. Uno Sueno en la Floresta
2. Gavota Madrigal
3. Danza Paraguaya No.1
4. Danza Paraguaya No.2
5. Danza Paraguaya No.3
6. Julia Florida
7. Vals, Op.8 No.3
8. Vals de Primavera
9. Vals Tropical
10. Vals, Op.8 No.4
  11. Las Abejas
12. Fabiniana
13. Mazurka Apasionata
14. Paris de Abancio
15. Cueca
16. La Catedral
17. A Mi Madre
18. Caazapa
19. Una Limosna por el Amor de Dios
トローバ

Music of Torroba
David Russell

デヴィッド・ラッセル1996年の録音はマドリッド生まれの作曲家フェデリコ・モレーノ・トローバ(1891-1982)の作品集。『ソナチネ』(1)と小品『木いちご』(4)は昔から演奏されてきたが、まとまった曲集は珍しい。
上記バリオスと同じで20世紀の作曲家にしては保守的な作風。その分親しみやすくて民族的情緒もたっぷり味わえる。14の小品で構成された『スペインの城』(5)は観光旅行というか歴史紀行というか、各地の城をめぐりながら秘められた歴史に思いを馳せるという内容だ。『カスティーリャ組曲』(3)も『ラ・マンチャの風』(7)も懐古趣味であることで共通する。スペインの旋法から産み出されるもの憂い旋律。郷愁に満ちたギターの音色がはるかな異国の旅を体験させてくれる。

 

David Russell, guitar

・Recorded in 1996
Telarc International
CD-80451

Music of Torroba

Spanish Legends
Hogueras, Sombras y Brujas
Julian Bream Plays
トローバ:ソナチネ 他

トローバ作品集

 
1. Sonatina
2. Burgalesa
3. Suite Castellana
4. Madronos
  5. Castillos de Espana
6. Nocturno
7. Aires de la Mancha
アントニオ・ラウロ

Antonio Lauro: Venezuelan Waltzes

ジョン・ウィリアムスや村治佳織のファンならアントニオ・ラウロ(1916-86)の名前を知っているかも知れない。おもに『ヴェネズエラのワルツ』で(もしくはそれだけで)知られる作曲家だ。
ラウロだけで一枚のアルバムというのは珍しく、ソナタや変奏曲など、ワルツ以外の作品も聴くことができる。演奏はペルー生まれのヘスス・カストロ・バルビ。
生没年から判るように20世紀の作曲家なのだが、印象は保守的。『4つのヴェネズエラのワルツ』や『三部作』はヒスパニック文化圏の典型といった感じの情熱的かつメランコリックな作品。誰でもすんなり入っていけるタイプ。ほかの曲はモダンな響きをもち、バリオス=マンゴーレをちょっとヒナステラ寄りにした感じ。表情ゆたかで技巧的な聴きどころも用意され、もっと演奏されてもいいのにと思う。

 

Jesus Castro Balbi, guitar

・Recorded in 1990
EtCetera Records
KTC 1110

Lauro: Venezuelan Waltzes

廉価盤で
Venezuelan Waltzes [Naxos]
ほかには
Panorama
Journey to Amazon

 
1. ヴェネズエラ組曲(1963)
2. カローラ〜ワルツ(1968)
3. エル・マラビーノ〜ワルツ(1968)
4. ヴェネズエラの子供の歌による変奏曲(1969)
5. 4つのヴェネズエラのワルツ(1963)
  6. ソナタ(1975)
7. 三部作(1984)
8. マリア・ルイーサ〜ワルツ(1968)
9. アンゴストゥラ〜ワルツ(1968)
 
ギター 1 / 2 / 3 / [4] / 5 / 6 / 7 / 8 / 9 / 10
11
early music / baroque / orchestral / concerto / chamber
theatrical / vocal works / contemporary / historical recordings / etc.