クラシックレビュー
ギター曲   アドマックス「カフェ・マキシマム」  
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early music / baroque / orchestral / concerto / chamber
theatrical / vocal works / contemporary / historical recordings / etc.
 
ナイジェル・ノース Guitar Collection
Nigel North

ルネサンスから19世紀まで、ギターの変遷をたどることができるアルバム。演奏はおもに古楽分野で知られるナイジェル・ノース。ルネサンス・ギター、ビウエラ、バロック・ギター、フランス風5コースのギターなど9種類の演奏が聴かれる。
作曲家はムダーラ、ナルヴァエスからコルベッタ、サンスを経てメルツに至るまで。時代も国もさまざまだ。有名なのはソルの『魔笛の主題による変奏曲』(13)。ほかはナルヴァエスの『皇帝の歌』(6)、ムダーラの『ルドヴィーコのハープを模した幻想曲』(7)が古楽ファンに知られているくらいだろうか。
マギー・コールがヴァージナルで(8)に、ピアノで(14)に参加している。編曲ではなくて、実際にこういう二重奏が行われていたのだ。カルッリは古典派(ベートーヴェンと同年の生まれ)だが、当時のピアノはまだ音が小さかったのでギターとのデュオを組むことができた。今では忘れられた演奏形態。しかしこれがなかなかいい。
演奏は名手ならではの安定感のあるもの。クセがなくて聴きやすい。歴史をたどる楽しみ方もあるけれど、楽器そのものや時代への興味もわいてくる楽しいアルバムだ。ギターファンならずとも広くお奨めしたい。

Nigel North, guitars and vihuera
Maggie Cole, fortepiano and virginal

・Recorded in 1984
Amon Ra Records
CD-SAR 18

Guitar Collection

David Russell Plays Baroque Music

 
1. Mudarra: Fantasia del quatro tono
2. Mudarra: Romanesca
3. le Roy/Ballard: Branle de Poictou
4. le Roy/Ballard: Peimontoyse
5. Milan: Fantasia del quatro tono
6. Narvaez: La Cansion del Emperador
7. Mudarra: Fantasia que contrahaze la harpa
  en la manera de Ludvico
8. Corbetta: Sinfonia a 2
  9. Sanz: Passacalles
10. Sanz: Canarios
11. de Visee: Suite in D minor
12. Giuliani: Grand Overture, Op.61
13. Sor: Introduction and Variations on a theme
  of Mozart, Op.9
14. Carulli: Variations de Beethoven arrangees
15. Mertz: Lied ohne Worte
ギターの歴史

Guitar Histories
Bernd Ahlert & Michael Dossow

二人のギタリストが9種類のギターを使い分けた「ギターの歴史」。ほぼ400年をカヴァーしており、使用楽器はヴィウエラ、ルネサンス・ギター、バロック・ギター、テルツ・ギターなど。16世紀から20世紀までの作品がほぼ万遍なく収められており、デュオとソロがある。
いきなりコレッリの『ラ・フォリア』があるようにすべてがオリジナルではない。『亡き王女のためのパヴァーヌ』のデュオ版もある。上記ノース盤のような資料的興味でも聴けるが、もっと気楽に楽しむこともできる。テルツ・ギターのデュオで聴くロビンソンが新鮮だ。ナポレオン・コストなどロマン派の3曲(12)〜(14)も美しい。ギターの音色がこのころからふくよかになっているのが判る。20世紀のブローウェル、ブルクハルトになるとギタリストの腕前が冴えてくる。技巧的でドライな作品をかっこよく聴かせてくれる。

 

Bernd Ahlert & Michael Dossow, guitars

・Recorded in 1996
Ambitus Musikproduktion
amb 97 986

Classical Favorites for Guitar Duo

 
1. Corelli: Folias
2. Milan: Fantasia XIII
3. Narvaez: Diferencias de Conde Claros
4. Brayssing: Fantasie
5. Morlaye: Buffon
6. Robinson: A Toy
7. Robinson: A Plain Song
8. Robinson: A Fantasie
9. Sanz: Preludio
  10. Sanz: Fuga
11. Sanz: Canarios
12. Mertz: Tarantelle
13. Coste: Valse Favourite, Op.46
14. Ferrer: La Danse des Naiades
15. Ravel: Pavane pour une Infante defunte
16. Brouwer: Elogio de la Danza
17. Burkhart: Toccata 81946)
ホプシュトック

Classical Guitar
Tilman Hoppstock

なんとかならんのかってくらいシンプルなタイトル。ホプシュトックがクリストフォルスに録音した古典派のギター作品をコンピレーションしたものだ。フランツ・ヴェルトミューラー(1769-1841)とハインリヒ・マルシュナー(1795-1861)はほとんど知られていない作曲家だが、バカテク・ギタリストが選んだだけのことはある難しい作品。前者はピアノソナタをフランツ・パイファというギタリストがギター用に書き直したものだという。マルシュナーはかろうじて音楽事典に名前のある作曲家。生前は名声を博したオペラ作家だったというが、今では相手にされていない。まさかギター作品を書いていたとは…。
ソル(1778-1839)は言うまでもなく古典派時代の最大のギタリストだった。ここに収められた二つの変奏曲はそれぞれパイジェッロ、モーツァルトの主題による。さすがに聴き応えのある名品だ。またいくつかの曲集から集められた練習曲、メヌエットが楽しくていい。ギター奏法のカタログといった感じもする。ホプシュトックは余裕綽々でこれらの小品をこなしていく。ほどほどの感情の込めかたが作品のロマン性をさりげなく引きだしている。

 

Tilman Hoppstock, guitar

・Recorded in 1985 - 2001
Christophorus Entree
CHE 0118-2

Classical Guitar

Sor: Works for Guitar
Piano Works in Transcription for Guitar

Play Classical Guitar
Classic Etudes
ソル:25のエチュード

 
1. Werthmueller: Sonata in A major, Op.17
2. Sor: 12 Etudes
3. Marschner: Six Bagatelles
  4. Sor: 9 Menuets
5. Sor: Variations on "Nel cor piu non mi sento"
6. Sor: Variations on a theme by Mozart, Op.9
ソル:ギター二重奏曲 Fernando Sor: Duos para Guitarra
Jordi Codina & Josep M. Mangado

なんて美しいのだろう、ソルの二重奏曲は。すべてを忘れて浸ってしまおう。19世紀のクラプトンだぜ…なんて無責任か。では一応説明を。
ギター二重奏のための『ディベルティメント』はたしか二つあって、これはあとの方だろう。ひたすらカンタービレしていくそれはそれは美しい作品。
変奏曲『ロシアの思い出』はソルが実際にロシアに滞在していたことによる。かれはロンドン、パリなど欧州各地で演奏活動、ギター教授を行っていたが、招かれてロシアを訪問、かの地でギターブームを巻き起こしている。短い主題提示の後、旋律的な9つの変奏がつづく14分ほどの作品。変奏の一つひとつにこれだけ魅力的な旋律を用いることのできる発想のゆたかさには驚くしかない。
『6つのワルツ』はピアノ版もある。清楚なたたずまいの愛すべき小品たち。最後に入っている『幻想曲』は3つの部分に分かれていて、小規模なソナタのようでもある。端正な面持ちが第3部でスペイン風の情熱を帯びたものに変わっていく。気がついたらスペインのお祭りの真っ只中にいましたって感じ。むむむ。

 

Jordi Codina, Josep M. Mangado, guitars

・Recorded in 1985
Discos Ensayo Barcelona
ENY-CD-9719

Sor: Duos para Guitarra

Sor: Guitar Duets, Vol.1
Sor: Guitar Duets, Vol.2

ソル:二重奏曲集

 
1. Divertissement, Op.62
2. Souvenir de Russie, Op.63
  3. Six Valses, Op.44bis
4. Fantasia, Op.54bis
ジュリアーニ/ディアベリ

Three Viennese Guitar Sonatas
Diego Milanese

ヴィーンで活動していた3人のギタリスト、ジュリアーニ(1781-1829)とマティエカ(1773-1830)、ディアベリ(1781-1858)によるギターソナタ。1820年頃のギターのレプリカを使用している。元になったギターの写真を見るとパガニーニとベルリオーズのサインがある。パガニーニが自身の愛用していた楽器をベルリオーズに贈ったのだという。ヴァイオリンの魔神はギターの愛好家でもあった。
さて、この3曲は1807年から1811年にかけてヴィーンで出版されたもの。ベートーヴェンやフンメルの書くようなソナタをわずか6本の弦でも演奏できるんだ、すごーい、という驚きを人々に与えたのがこのギタリストたち。かれらは技を競い合いながらそれを音楽表現に活かし、芸術性の高いギター作品の誕生に貢献したのだ。3曲とも古典派ソナタの形式に則って書かれ、技巧的華やかさも叙情的深みも兼ね備えた名品。日本でもこういう作品を採り上げるギタリストが増えることを望む。

 

Diego Milanese, guitar

・Recorded in 1997
Phoenix Classics
PH 98421

Three Viennese Guitar Sonatas

Giuliani: Guitar Sonata, etc.
Matiegka: Grand Sonata, etc.
Classical Romantic Music for Guitar

Sonatas of Sor, Giuliani & Diabelli

 
1. Giuliani: Sonata in D major, Op.15
2. Matiegka: Sonata in B minor, Op.23
  3. Diabelli: Sonata in A major, Op.29 No.2
ジュリアーニ:変奏曲集

Mauro Giuliani: Variations
Ricardo Gallen

マウロ・ジュリアーニ(1781-1829)の変奏曲コレクション。国内盤のたすきに「有名旋律てんこもり」とあるように、ヘンデルからケルビーニ、ロッシーニ、スペインのフォリアに至るまで、聴き覚えのあるあの旋律この旋律を素材にしたさまざまな変奏曲が楽しめる。ジュリアーニはソル同様変奏曲が得意で(2)(3)などは同じ素材を選んでいる。興味のある方は聴き較べも面白いだろう。
ヘンデルによる(4)はチェンバロ組曲第5番に含まれる『調子のよい鍛冶屋』の旋律が主題。ジュリアーニは対位法を用いた技巧的な変奏を重ねていくが、短調部分ではふっとロマンチックな美旋律が顔を出す。
変奏曲ではないが14分を超えるポプリ(短い旋律をいくつもつなぎ合わせたもの)も楽しい。いわばローマ民謡メドレー。さまざまな表情をもつ7つの旋律がさまざまな編曲を施されて次々とあらわれる。

 

Ricardo Gallen, guitar

・Recorded on 1999
Naxos International
8.555284

Giuliani: Variations

Giuliani: Potpourris, Sonata Eroica
Giuliani: Guitar Works
Vienna Guitar Duos

 
1.「ファンション」の主題による変奏曲 作品88
2. パイジェッロの主題による変奏曲 作品4
3.「スペインのフォリア」による変奏曲 作品45
4. ヘンデルの主題による変奏曲 作品107
  5. ケルビーニの主題による変奏曲 作品110
6. ローマの民謡のポプリ 作品108
7.「タンクレディ」の主題による変奏曲 作品87
アポロの黄金

Mauro Giuliani: Le Ore di Apollo, Op.111
Bruno Giuffredi

ジュリアーニの『アポロの黄金』は11のギター練習曲集。アポロの名を出すくらいで簡潔にして高貴なイメージの作品だ。ジュリアーニらしい人なつこい旋律もあらわれるけれど、なぜか端正なイメージが強いのだ。練習曲なので順を追って難しくなっていき、半端な技術では弾ききれなくなる。最後まで弾けたら芸術の神アポロの高みに達することができるか。
『12のワルツ』は一転してチャーミング。解説によるとジュリアーニは184曲の舞曲を書いているそうだ。この12曲では生徒の練習用に書かれたと思われる配慮が聴きとれる。ま、そんなこと考えると肩が凝るからおしゃれな仕上がりを楽しもう。
『ロッシニアーナ』は6曲あるうちの最後のもの。『セミラーミデ』や『コリントの包囲』の旋律が散りばめられた起伏に富む演奏効果抜群の作品だ。

 

Bruno Giuffredi, guitar

・Recorded in 1995
Agora AG 030.1

Giuliani: Le Ore di Apollo

Giuliani: Rossiniana
Giuliani: The Complete Studies

 
1. Le Ore di Apollo, Op.111
2. 12 Waltzes, Op.57
  3. Rossiniana No.6, Op.124
リョベート

Miguel Llobet: Guitar Music
Lorenzo Micheli

20世紀前半を代表するギタリスト、ミゲル・リョーベト(1878-1938)はタレガの高弟で、世界中をまわってギター音楽の普及に貢献した人物。セゴビアの先輩に当たる。ファリャが唯一のギター作品『ドビュッシーの墓碑へのオマージュ』を捧げたことでも知られている。
しかしなぜかかれの作品は録音が少なく、カタルーニャ民謡の編曲から『アメリアの遺言』『聖母の御子』『商人の娘』『盗賊の歌』など数曲が紹介されるのみだった。このようにリョーベト作品がまとまって紹介されるのはきわめてめずらしい。
その民謡編曲は13曲も選ばれている。『4つの民謡』はアルゼンチン民謡の編曲だ。かれのオリジナルである『練習曲』や『即興曲』の難易度の高さはかれがいかに素晴らしい技巧の持ち主だったかを示すもの。和声面でもかれが20世紀の作曲家だったことを認識させられる。そう思って民謡編曲を聴きなおすと、懐かしく親しみやすい民謡旋律に斬新で粋な和声が付せられていることに気がつく。
最後に入っている『変奏曲』はソルの「作品15」をそのまま演奏しはじめる。おかしいなと思っていると第3変奏からリョーベトのオリジナルになり、間奏曲をまじえた変化のあるコンサートピースを形成していく。ちなみにこの曲の主題はコレッリでおなじみの『ラ・フォリア』。

 

Lorenzo Micheli, guitar

・Recorded in 2002
Naxos Rights International
8.557351

Miguel Llobet: Guitar Music
リョーベト:ギター作品集

Segovia & His Contemporaries
Troster Plays Llobet
Llobet & Tarrega: Guitar Works
Evocacions Llobet (Llobet's Guitar)

 
1. スケルツォ-ワルツ
2. 奇想的練習曲
3. マズルカ
4. 13のカタルーニャ民謡
5. 即興曲
6. 5つの前奏曲
  7. フェデリコ・ブファレッティのためのマズルカ
8. 4つの民謡
9. 練習曲 ホ長調
10. ロマンス
11. ソルの主題に基づく変奏曲
 
器楽曲 1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 / 7 / [8] / 9 / 10
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early music / baroque / orchestral / concerto / chamber
theatrical / vocal works / contemporary / historical recordings / etc.