クラシックレビュー
ギター曲   アドマックス「カフェ・マキシマム」  
ジャズのページ ブルースのページ ワールドミュージックのページ 吹奏楽のページ ブックレビュー クラシックの目次
器楽曲 1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 / 7 / 8 / 9 / [10]
11
early music / baroque / orchestral / concerto / chamber
theatrical / vocal works / contemporary / historical recordings / etc.
 

Guitare-Passion
Various Artists

初心者からマニアまで楽しめるギター・オムニバス。なぜ初心者にいいかというと、誰でも知っている『禁じられた遊び』『アランブラの思い出』からメキシコやヴェネズエラ、フランス、イタリアの作曲家まで、幅広い作品が聴けるから。ギターといえばスペインだと思っている人にはとくにお奨め。年代的にもルネサンスから20世紀まであり、ギター音楽の肥沃な大地を時空を超えて旅する楽しみがある。
なぜマニアにもいいかというと、入手しにくい往年の名手の録音が収められているから。ラゴヤ、ディアス、フィスクといった面々の1950年代、60年代の録音が含まれている。新しいところではマヌエル・バルエコ、アンヘル・ロメロもある。
それぞれの作曲家の代表的なところが選ばれているが、個人的にはカルッリの『ヴェネツィアの謝肉祭』(ギターデュオ)やルーセルの『セゴビア』、プーランクの『サラバンド』が貴重でよかった。ポンセの『エストレリータ』もギター独奏で聴くと趣があって素晴らしい。
ほかにも新しい出逢いがあった。ギターファンならずとも、聴き飽きない一枚としてお奨め。

Andres Segovia, Oscar Ghiglia, Alirio Diaz, Alexandre Lagoya, Eliot Fisk, Angel Romero, Mauel Barrueco, etc.

・Released in 1953 - 1992
EMI Records
CZS 7 67530 2 [2CDs]

Guitare-Passion

Miniatures for Guitar

 
<CD 1>
1. Anon. Romance
2. Narvaez: Variations on 'Guardam las vacas'
3. Sanz: Airs de danse
4. Weiss: Fantasia in E minor
5. Bach: Prelude in D minor
6. Bach: Gavotte from BWV1006
7. Bach: Bouree from BWV996
8. Sor: Variations on 'The Magic Flute'
9. Carulli: Carnaval de Venice
10. Tarrega: Recuerdos de la Alhambra
11. Malats: Serenata Espanola
12. Granados: La Maja de Goya
13. Granados: Andaluza
14. Albeniz: Asturias
15. Albeniz: Tango
16. de Falla: Danse du Meunier
17. de Falla: Hommage a Debussy
18. Satie: Gymnopedie
19. Poulenc: Sarabande
20. Roussel: Segovia
21. Ohana: Tiento antigo
  <CD 2>
1. Rodrigo: Adagio from Concierto de Aranjuez
2. Turina: Hommage a Tarrega
3. Moreno-Torroba: Madronos
4. Moreno-Torroba: Romances de los Pinos
5. Castelnuovo-Tedesco: Tarantella
6. Mompou: Cancion
7. Llobet: 3 Catalan Folk Songs
8. Villa-Lobos: Etude No.1 in E minor
9. Villa-Lobos: Prelude No.1 in E minor
10. Villa-Lobos: Choro No.1 in E minor
11. Barrios-Mangore: Aconquija
12. Barrios-Mangore: Las Abeias
13. Barrios-Mangore: Aire de Zamba
14. Barrios-Mangore: Danza Paraguaya
15. Barrios-Mangore: Cueca
16. Aguirre: Triste No.4
17. Ponce: 3 Chansons Mexicaines
18. Ponce: Estrellita
19. Alvarado: El Tragalochas
20. Lauro: 6 Valses Venezuellennes
legnani

Luigi Legnani : 36 Capricci, Op.20
Lucio Matarazzo

19世紀を代表するギター・ヴァーチュオーソの一人、ルイジ・レニャーニ(1790-1877)。この『36のカプリース』はその技のすごさを窺い知るには最適の曲集だ。初版は1822年頃ヴィーンのアルタリア社から出版されたという。
その初版には「すべての長調と短調のために」と記されていたそうだが、現在の版では嬰ハ長調、変ト長調などいくつかの調性がない。難しすぎて移調されたのか。ギターには不向きな(=演奏至難な)調性というものがあり、それをこういう超絶技巧でこなせというのは無理がある。原調どおりに弾けたとしたらレニャーニはとてつもないギタリストだったということになる。
調性の話をさておいても難しいことに変わりはない。思いつく限りの技を盛り込んだと思える超絶の曲集だ。しかし機械的に作られたものではなく、疾走する曲でさえ美しい旋律が使われている。叙情的小品の美しさは言わずもがなで、イタリア人作曲家ならではのカンタービレなのかと思われる。
同曲にはNaxos盤もあり、そちらはレニャーニ・モデルと呼ばれるギターを使用している。高音域対応型の変形ギター。

 

Lucio Matarazzo, guitar

・Released in 1996
Agora Musica
AG 058.1

Legnani : 36 Capricci, Op.20

Legnani : 36 Capricci e Fantasia
レニャーニ:ファンタジア&カプリッチョ

 
1. 36 Capricci, Op.20
carcassi

Matteo Carcassi : Studi e Capricci
Lucio Matarazzo

マテオ・カルカッシ(1792-1853)というと、教則本を使った人もいると思う。かれは作曲家としても300ほどの作品を書いているそうだ。このアルバムで聴ける練習曲は『25の旋律的で上達する練習曲』というもの。パリで出版されている。
タイトルどおり無味乾燥な練習曲とは一線を画し、美しい旋律と和声に満ちた、聴いても楽しい練習曲になっている。アルペジオやポジション・チェンジなどのほか抒情的表現の練習も考えていたようで、雰囲気のあるゆったりした曲も多い。
もうひとつの『6つのカプリッチョ』はアルペジオ練習曲集といったところだ。メランコリックな曲、情熱的な曲が交替し、聴いている分には変化があっていい。ただアルペジオの波の中からくっきり旋律線を浮かび上がらせるのは難しいんだろうなぁ。

ギタリストのルチオ・マタラッゾはイタリアの中堅。かつてデュオを組んでいたことがあり、その頃カステルヌオーヴォ=テデスコの『平均律ギター曲集』を初演しているそうだ。

 

Lucio Matarazzo, guitar

・Released in 1994
Agora Musica
AG 025.1

Estudios [2CDs]

カルカッシ:ギター教則本(入門)
カルカッシ:ギター教則本(楽典付)
Carcassi: 25 Melodic and Progressive Studies, Op.60
Carcassi: Etude 1

 
1. 25 Studi, Op.60   2. 6 Capricci, Op.26
パガニーニ、メルツ、ポンセ

Paganini, Mertz, Villa-Lobos & Ponce: Guitar Works
Francesco Biraghi

パガニーニ、メルツ、ヴィラ=ロボス、ポンセのギター作品集。つまり19世紀と20世紀のイタリア、ハンガリー、ブラジル、メキシコの作品ということになる。
パガニーニ(1782-1840)の曲はヴァイオリンをともなうのがオリジナル。かれは恋人の弾くギターと競演するためにデュエット曲をいくつも書いており、ギターはなじみの楽器だった。愛用するギターをベルリオーズに贈ったりしている。この『グランド・ソナタ』は難しいので誰を想定したかわからないが、くっきりした印象の聴きやすい作品だ。第2楽章の「ロマンス」は甘く寂しげな旋律をもち、マスターは往年のイタリア映画を思い出した。あのやるせない映画のサウンド・トラックを。
メルツ(1806-1856)の『3つの小品』は「ハンガリー幻想曲」「東洋幻想曲」「ゴンドラ漕ぎの女」の3曲。民族的旋律を使用した親しみやすい作品で、難易度の高いパッセージも盛り込まれている。
ヴィラ=ロボスは珍しくないからいいだろう。ポンセ(1882-1948)はラテンヒットで有名な『エストレリータ』の作者。この『南国風のソナティナ』は1939年に書かれており、スペイン風を意識したもの。さすがにモダンな響きをもっている。

 

Francesco Biraghi, guitar

・Recorded in 1991
fone (Italy)
92 F 06 CD

パガニーニ:ヴァイオリンとギター
メルツ:吟遊詩人の調べ
ヴィラ=ロボス:ギター曲全集
ポンセ:南の協奏曲

 
1. Paganini: Grand Sonata
2. Mertz: 3 Pieces, Op.65
  3. Villa-Lobos: 5 Preludes
4. Ponce: Sonatina Meridional
ナポレオン・コスト

Napoleon Coste: Guitar Works Vol.1
Jeffrey McFadden

ナポレオン・コスト(1806-1883)が活動していた19世紀中ごろというのは、ヨーロッパのギターブームが下火に向かっていた時期だったとされる。フランス出身のギタリストとしてはロベール・ド・ヴィゼ以来の名手でありながら、不遇だったというのだ。確かにソル、アグアド、ジュリアーニ、カルカッシらに少し遅れて登場したというのはハンデだったかも知れないが、遺された作品は魅力的なものが多い。
このアルバムは既存の旋律をモチーフとした気楽な作品が中心。『ヨハン・シュトラウスの16のお気に入りのワルツ』はシュトラウス1世のワルツによるギター用ポプリ。ドニゼッティ(2)から旋律を借りたり、スペインの舞曲(5)を活かしたりしながら手際のよいところを聴かせる。当時の有名曲がそのまま現代の有名曲でないのがつらいところだが、19世紀のパリのサロンの雰囲気が伝わってくるような曲であり演奏である。

 

Jeffrey McFadden, guitar

・Recorded in 1997
Naxos 8.554192

Guitar Works Vol.1

 
1. Seize valses favorites de Johann Strauss, Op.7
2. Divertissement sur Lucia di Lammermoor, Op.9
3. Grand Caprice, Op.11
  4. Rondeau de concert avec introduction, Op.12
5. Caprice sur l'air espagnol 'La Cachucha', Op.13
ナポレオン・コスト

Napoleon Coste: Guitar Works Vol.2
Frederic Zigante

少年時代のナポレオン・コストにギターの手ほどきをしたのはアマチュアギタリストだった母親だという。コストは父親と同じく軍人になろうとしていたが健康を害して断念。音楽で身を立てるためギターに専念し、ソルの生徒となった。作曲家としては60ほどの曲集がある。
初期の作品ばかり集めたこのアルバムは色々なタイプの曲が聴かれて楽しい。ヴァイクルのオペラによる『変奏曲』、軽快な舞曲集『カドリーユ』、愛らしいワルツが連なる『フランドルの思い出』、深刻な表情さえ見せる『演奏会用幻想曲』。まだあまり深みを感じないが、若いうちから多彩だったようだ。

 

Frederic Zigante, guitar

・Recorded in 1997
Naxos 8.554194

Guitar Works Vol.2

Sor & Coste: Guitar Works

 
1. Variations et finale sur un motif favori de la famille suisse de Weigl, Op.2
2. Duex Quadrilles de Contredanses, Op.3
3. Fantaisie sur un motif du ballet d'Armide, Op.4
4. Souvenir de Flandres, Op.5
5. Fantaisie de concert, Op.6
ナポレオン・コスト

Napoleon Coste: Guitar Works Vol.3
Pavel Steidl

ナポレオン・コスト第3集。上記2枚に較べて聴き応えを感じるのは起伏の大きい作品が入っているからだろう。相変わらず『ノルマ』(5)など他人の旋律を借用しているがスケールが違ってきている。
ベルリオーズに献呈されたという『騎馬試合』(2)はギターがファンファーレを模した音型を奏し、勇ましい試合の様子が描かれる12分に及ぶ幻想曲になっている。13分を超える(6)の変奏曲もあれこれ工夫を見せ、ダテに長いわけではない。

 

Pavel Steidl, guitar

・Recorded in 1998
Naxos 8.554353

Guitar Works Vol.3

Coste: Souvenir Op.17-23, etc.

 
1. Deuxieme polonaise, Op.14
2. Le tournoi, Op.15
3. Andante et Allegro (WoO)
4. La romanesca, Op.19b
  5. Fantaisie sur motifs de Norma de Bellini, Op.16
6. Introduction et variations (WoO)
7. Deux Quadrilles
ナポレオン・コスト

Napoleon Coste: Guitar Works Vol.4
Jeffrey McFadden

ナポレオン・コスト第4集は『25の練習曲』が聴きもの。数が半端な気もするがカルカッシも25曲のセットで書いており、珍しいわけではない。バッハやショパンのようにすべての調性をめぐることはせず、ギターでは無理な調性は選ばれていない。1分程度から4分弱まで、表情もテンポもさまざまな小品が連なる。カルカッシとの違いは凄まじさを感じさせる曲がないこと、こってりした旋律がないこと。技術的にはアマチュアのための練習曲、つまりステージで演奏することを想定していないのかも知れない。全体に上品なのでBGMとしてかけておける練習曲になっている。

 

Jeffrey McFadden, guitar

・Recorded in 1998
Naxos 8.554354

Guitar Works Vol.4

Coste: 25 Etudes

 
1. Introduction and Allegretto
2. 25 Etudes, Op.38
3. Reverie Nocturne
  4. 4 Etudes from "Complete Method for Guitar"
  by Fernando Sor
ナポレオン・コスト

Napoleon Coste: Guitar Works Vol.5
Marc Teicholz

ナクソスのナポレオン・コスト、ギター作品集はこれで打ち止めなのか、続編は出ていない。この第5集のメインは『12の秋の木の葉のワルツ集』(2)。ロマンチックな題名そのままの美しいワルツが次々とあらわれる佳品だ。コストは天性のメロディメーカーだったのか、歌詞をつけたら素敵なシャンソンができあがりそうな魅力的な旋律に満ちている。BGMにはちともったいない美しさ。
収録曲はほかに『5月のロンド』『葬送行進曲とロンド』『ジュラの思い出』『彷徨』。ジュラというのは「ジュラ紀」のジュラで、地名である。『葬送行進曲』は唯一暗い作品で、思わず耳をそばだてるほどの出来映え。亡き妻に捧げたというが、なぜロンドと組み合わせたのかは不明。

 

Marc Teicholz, guitar

・Recorded in 1998
Naxos 8.554355

Guitar Works Vol.5

Coste: Works for Guitar & Oboe

 
1. La Ronde de Mai, Op.42
2. Feuilles d'Automne Douze Valses, Op.41
3. Marche Funebre et Rondeau, Op.43
  4. Souvenir du Jura, Op.44
5. Divagation, Op.45
 
器楽曲 1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 / 7 / 8 / 9 / [10]
11
early music / baroque / orchestral / concerto / chamber
theatrical / vocal works / contemporary / historical recordings / etc.