ジャズCDレビュー
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TRUMPET / TROMBONE / WOODWONDS / PIANO / GUITAR / ORGAN
VIBES / DRUMS / MISCELLANEOUS / BIG BAND / COMBO
 

スールヴァイグ

Solveig Slettahjell: Slow Motion Orchestra

ノルウェーのシンガー、スールヴァイグ・シュレッタイェルはアカペラ・グループのメンバーだという。これが初ソロらしい。いかにもアカペラ・シンガーらしいていねいな歌い方で、ピッチも安定しているから安心して聴いていられる。(5)などかなり軽快にすっ飛ばすが、バラッドが多いので全体のイメージはしっとりしたもの。フェイクも自然でジャズ慣れした感じがする。ちょっとハスキーな声も悪くない。とくに個性的とは思えないが力はありそうだ。
弦楽四重奏を含むバックもアレンジが工夫されていて変化がある。ヨーロッパ系ジャズによくあるエキセントリックなアプローチも聴かれるものの、しつこくないので気にならない。聴き慣れた曲が一ひねりした新鮮なアレンジで聴けるのは楽しいし、トランペットなどソリストのレベルも高い。あなどれませんぞ。

○マイナーレーベル "Curling Legs" の原盤で、左の写真はそのオリジナル。国内盤はジャケットが異なる。

 

Solveig Slettahjell, vocal
Morten Qvenild, piano
Mats Eilertsen, bass
Per Oddvar Johansen, drums
Sjur Miljeteig, trumpet
Henrik Hannisdal, violin
Sidsel Scheen, violin
Marek Konstantynowicz, viola
Morten Hannisdal, cello
Rolf Steinar Borch, bass clarinet
Lene Lindquist, flute
Tone Reichelt,, horn
Christian Jaksjo, trombone
Sissel Walstad, harp
Nils Olav Johansen, guitar

・Recorded in 2001

スールヴァイグ・シュレッタイェル

新作はこちら
シルヴァー

 
1. All the way
2. Comes Love
3. Blame it on My Youth
4. My Heart Belongs to Daddy
5. What a Little Moonlight Can Do
6. Little Girl Blue
  7. I've Got a Crush on You
8. I Remember Clifford
9. Reaching for the Moon
10. Beatiful Love
11. Wild is the Wind
ビョーク、ジャズアルバム

Bjork Gudmundsdottir: Gling Glo

マスターのコレクションでアイスランドのミュージシャンというとシグルビョルンソンとかレイフスといったクラシックの作曲家が目立つけれど、一般的にはビョークが代表格だろう。なにしろアイスランドが何処にあるか知らない人でも知っている。
これはそのビョークがジャズを歌ったもの。伴奏はかの女の親爺さんのトリオだという。ジャズ・スタンダードも歌っているがほとんどが民謡、もしくは童謡っぽい曲。シンプルで親しみやすい曲ばかりで、むちゃくちゃノリがいい。中にはちょっと「歌のお姉さん」みたいに聴こえるものもある。残念ながら解説がアイスランド語しかなくて、何を歌ってんだかさっぱり分からない。
雑誌『ローリング・ストーン』のレビューでは星3つ(5つが満点)だったという。ロックファンが聴けばそんなものだろう。知人に聴かせても一発でハマる人と、勘弁してくれという人に分かれる。ともあれ何の加工もしていないナマのビョークが聴けるのは珍しいかも。かの女は1965年レイキャビクの生まれだから25歳の頃の声ということになる。それじゃ現在の年齢は…、うぅっ。

 

Bjork Gudmundsdottir, vocals
Gudmundur Ingolfsson, piano
Thordur Hognason, bass
Gudmundur Steingrimsson, drums

・Recorded in 1990

Gling Glo

ビョークの新作は
メダラ

 
1. Gling Glo
2. Luktar-Gvendur
3. Kata Rokkar
4. Pabbi Minn
5. Brestir Og Brak
6. Astartfrar
7. Bella Simamaer
8. Litli Tlistarmadurinn (12 September)
  9. Pad St Ekki Saetari Mey
10. Bilavisur
11. Tondeleyo
12. Eg Veit el Hvad Skal Segja
13. I Dansi Med Per
14. Bnin Vid Tjornina
15. Ruby Baby
16. I Can't Help Loving That Man

Karrin Allyson: Ballads
(Remembering John Coltrane)

コルトレーンの人気アルバム『バラッズ』をそのまま歌ってしまった。8曲全部、順番もそのままで。カリン・アリソンは大胆なシンガーである。とはいえかの女はこれまでのアルバムでもバラッドのうまさを充分発揮していたわけで…。
ていねいで情感のこもった歌唱は大人向けといった印象。ミディアムテンポの曲もあるので単調にはならない。得意のスキャットがあまり出てこないが、曲が曲だし、アルバムとしての統一感があって落ち着いてじっくり聴ける。
サイドメンのソロも聴かせる。3人のサックス奏者が交代で参加しているが、コルトレーンを過剰に意識していないのがよい。
オマケの3曲はコルトレーン・ファンならニヤリとしそうな選曲。“Naima”のヴォーカル・ヴァージョンとは意表をついてくれたものだ。

 

Karrin Allyson, vocals
James Williams, piano
John Patitucci, bass
Lewis Nash, drums
Bob Berg and James Carter, tenor sax
Steve Wilson, soprano sax

・Recorded in 2000

Ballads: Remembering Coltrane
バラッズ-コルトレーンに捧ぐ

コルトレーン盤は
Ballads
バラード

 
1. Say it (Over and Over Again)
2. You Don't Know What Love is
3. Too Young to Go Steady
4. All or Nothing at All
5. I Wish I Knew
6. What's New
  7. It's Easy to Remember
8. Nancy (With the Laughing Face)
9. Naima
10. Why was I Born?
11. Ev'rytime We Say Goodbye
カリン・アリソン

Karrin Allyson: Daydream

カリン・アリソン1997年のリリース。ベストトラックは(8)。この曲がこんなに心に沁み入るように歌われるのを聴いたことがない。素晴らしいバラッドシンガーだ。面白いトラックは(9)。チャーリー・パーカーのレパートリー『ドナ・リー』は『インディアナ』のコード進行を拝借して作られた曲なので、2曲をかさねて演奏してもぴったり合ってしまうわけだ。パーカーのフレーズを歌うカリンは危なげなくて並みのシンガーでないのがよく分かる。アルバムタイトルの(1)はヘレン・メリルの印象的な歌唱があるが、カリンはちょっとクリス・コナーを思わせる軽めの仕上がり。
全般にスローでもアップテンポでも確かなテクニック(スキャットは聴きものだ)と安定感が感じられる。ゲイリー・バートンやランディ・ブレッカーというビッグネームのゲスト参加も楽しめる。

 

Karrin Allyson, piano & vocals
Paul Smith, piano
Bob Bowman, bass
Todd Strait, drums
Kim Park, alto sax & flute
Danny Embrey or Rod Fleeman, guitar
Laura Caviani, piano (7)
Randy Weinstein, harmonica
Gary Burton, vibes
Randy Brecker, trumpet & flugelhorn

・Recorded in 1997

Daydream
デイドリーム

こちらもおすすめ
アズール・テ

 
1. Daydream
2. Like Someone in Love
3. My Foolish Heart
4. So Danco Samba
5. Corcovado (Quiet Nights)
6. Show Me
  7. Monk Medley
8. Everything Must Change
9. Donna Lee/(Back Home Again in) Indiana
10. I Ain't Got Nothin' But the Blues
11. You Can't Rush Spring
カーリン・アリソン

Karrin Allyson: Collage

1996年の録音でメンバーの多くが上記『デイドリーム』と共通する。『枯葉』からビートルズまで幅広い選曲で楽しませてくれる。
その『枯葉』が面白い。フランス語でしっとりと歌い始め、途中からおなじみの英語の歌詞に変わってスウィングする。伴奏は往年のジャンゴ&グラッペリのスタイルを模倣。ヴァイオリンとギターのソロも入る。
普通はインストでやる『ジョイ・スプリング』(クリフォード・ブラウンですよ、これ)や『チェロキー』を歌っているのが面白い。スリルのあるスキャットをまじえてカリンは軽快に走っていく。恐るべきテクニック。その一方で情感あふれるバラッドもある。ピアノ弾き語りにチェロを入れた(5)の美しさ、フランシス・レイの(12)で聴かせるメランコリックな表情。カリンの確かな実力に魅せられっぱなしの一枚。

 

Karrin Allyson, piano & vocals
Paul Smith, piano
Bob Bowman, bass
Todd Strait, drums
Rod Fleeman or Danny Embrey, guitar
Kim Park, alto sax (6 & 8)
Randy Weinstein, harmonica (10 & 12)
Claude Williams, violin (2)
Carter Brey, cello (5)
Mike Metheny, flugelhorn (6)
Laura Caviani, piano (7)

・Recorded in 1996

Collage
コラージュ

『モーニン』を歌ったアルバム
イン・ブルー

 
1. It Could Happen To You/Fried Bananas
2. Autumn Leaves
3. Robert Frost
4. All Of You
5. And So It Goes
6. Joy Spring
  7 .Ask Me Now
8. Cherokee
9. Here, There and Everywhere
10. Give It Up or Let Me Go
11. Faltando Um Pedaco (Missing a Piece)
12. Live For Life
アン・ハンプトン・キャラウェイ Ann Hampton Callaway: Signature

アン・ハンプトン・キャラウェイ2002年のリリース。下の曲目一覧に参考までに書いておいたけれども、偉大な先輩シンガーたちの十八番(おはこ)をカヴァーしたアルバムだ。ゲスト・ミュージシャンも多彩で、なかなか贅沢な作り。
聴きながら較べるのはちょっとしんどいかも。ふつうのジャズ名曲集として聴けば、かの女の個性を素直に楽しめるだろう。耳鼻科の帰りみたいな声だが歌はうまいのだ。ニューヨーク・ヴォイセズとの“Route 66”などかっこいいし、サッチモのナンバー“A Kiss to Build a Dream on”のけだるくキュートなノリもよい。アニー・ロスの“Twisted”はニューヨーク・ヴォイセズが入っているせいか、ロスのオリジナルよりランバート、ヘンドリックス&ロスの雰囲気に近い。ナットの息子フレディ・コールが参加していて(6)でレイ・チャールズのパートを歌っている。ソフトな歌い方なのでまったく雰囲気が違って面白い。

 

Ann Hampton Callaway, vocals
Kenny Barron, piano
Ben Wolfe, bass
Lewis Nash or Neil Smith, drums
Rodney Jones, guitar
Wynton Marsalis, trumpet
Frank Wess, alto sax
Dan Block, clarinet
with
Freddy Cole, vocals
New York Voices, vocals

・Recorded in 2001

Signature

アニー・ロスは
Annie Ross Sings
こちらもおすすめ
Lambert, Hendricks & Ross

 

1. Tenderly (Sarah Vaughan)
2. You Turned the Tables on Me (Anta O'Day)
3. Route 66 (Nat King Cole)
4. A Kiss to Build a Dream on (Louis Armstrong)
5. The Best is Yet to Come (Tony Bennett)
6. For All We Know (Ray Charles & Betty Carter)
7. Mr. Paganini (Ella Fitzgerald)
8. In the Wee Small Hours of the Morning (Frank Sinatra)
9. Is that All There is? (Peggy Lee)
10. Twisted (Annie Ross)
11. Good Morning Heartache (Bille Holiday)
12. Pick Yourself Up (Mel Torme)

ティアニー・サットン

Tierney Sutton: Something Cool

ティアニー・サットンは正統派ジャズ・シンガーである。ロックっぽいとかソウルっぽいとかいうことがなくて、4ビートの伝統がきちんと守られている。しかし感覚は新しい。伴奏は普通のピアノトリオだがアレンジが斬新。かれらのセンスのよいサポートを得て、ティアニーは自在に、軽やかに、おなじみのスタンダードを歌いつづっていく。声の質が軽いので、少々迫力ある歌い方をしてもうるさくない。
ベースとのデュオ“Alone Together”がかの女の実力を示している。ピアノやギターなしでこれだけ正確な音程を保てるとは、なかなかのものである。フェイクも堂に入っている。原曲のイメージを活かしながら粋なアドリブを効かせてくる。14曲の中ではしっとりした“Something Cool”、チャーミングな“Comes Love”がマスターのお気に入り。

 

Tierney Sutton, vocals
Christian Jacob, piano
Trey Henry, bass
Ray Brinker, drums

・Released in 2002

Something Cool

サットンのアルバムは
Blue in Green
Dancing in the Dark

Something Cool といえば
June Christy

 
1. Route 66
2. Something Cool
3. Wouldn't it be Lovely?
4. I've Grown Accustomed to His Face
5. Show Me
6. Comes Love
7. Reflections
  8. Alone Together
9. Out of This World
10. All or Nothing At All
11. Ding-Dong! The Witch is Dead
12. Walkin' After Midnight
13. Crazy
14. The Best is Yet to Come
ティアニー・サットン

Tierney Sutton: Dancing in the Dark

フランク・シナトラへのトリビュート。伴奏は前作と同じトリオで、12曲中5曲に弦を主体とするオーケストラが加わっている。全体にしっとりした仕上がりだ。
ソフトな歌い方だが実力充分の歌手なので、ピッチは正確。アドリブの入れ方も巧みだ。“All the Way”のアンニュイな雰囲気、“Where or When”や“Fly Me to the Moon”の軽妙なスウィング感、“Last Night Wheh We were Young”のしみじみした情感など、シナトラの名唱を意識せずかの女の個性をのびのび発揮しているのがよい。静かな夜にぴったりのアルバム。
伴奏のトリオも前作に劣らず快調。若干控えめながら相変わらずセンスのよいところを聴かせる。

 

Tierney Sutton, vocals
Christian Jacob, piano
Trey Henry, bass
Ray Brinker, drums
with Orchestra

・Recorded in 2003

Dancing in the Dark

シナトラのバラッドなら
Only the Lonely

 
1. What'll I Do
2. Only the Lonely
3. I'll be Around
4. All the Way
5. I Think of You
6. When or When
  7. Without a Song
8. I Could Have Told You
9. Emily
10. Last Night When We were Youg
11. Fly Me to the Moon
12. Last Dance/ Sncing in the Dark
johanne blouin

Johanne Blouin: Everything Must Change

ジョアンヌ・ブロウインはカナダのベテラン歌手で、すでに何枚ものアルバムをリリースしている。ミシェル・ルグランとの共演歴もあり、かれがこのアルバムに寄せた賛辞が掲載されている。ジャズアルバムはこれが最初だそうだが、ジョン・ヒックスら錚々たるメンバーとの顔合わせ。選曲にしてもジョビン、イヴァン・リンス、ジョニ・ミッチェル&チャールズ・ミンガスから超有名スタンダードまで変化に富む。
歌いっぷりも堂に入ったもので危なげない。というよりうまい。スキャットをまじえながらすいすい歌いこなしていく。素晴らしいジャズセンスの持ち主と見た。エラ・フィッツジェラルドのスキャットの物まね(10)なんて脱帽ものだ。そうかと思うと『おいしい水』(3)ではキュートなところも聴かせる。器用である。バラッドからアップテンポまで見事にこなすが、ミディアムテンポの曲で聴かせる粋なアプローチがさすがベテランの味。
バックも好調だ。とくにトリオの充実したサポートは素晴らしい。

 

Johanne Blouin, vocals
John Hicks, piano
Curtis Lundy, bass
Victor Lewis, drums
Bobby Watson, alto sax & clarinet
Terell Stafford, trumpet
Jason Jackson, trombone

・Recorded in 2000

Everything Must Change

Until I Met You

 
1. Angel Eyes
2. Desperately
3. Agua de Beber
4. Everything Must Change
5. The Dry Cleaner from des Moines
6. The Island
  7. When I Look in Your Eyes
8. Lullaby of Birdland
9. My Funny Valentine
10. Air Mail Special
11. You Don't Know What Love Is
12. Goodbye Pork Pie Hat
 
  VOCAL [1] / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 / 7 / 8 / 9 / 10
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TRUMPET / TROMBONE / WOODWONDS / PIANO / GUITAR / ORGAN
VIBES / DRUMS / MISCELLANEOUS / BIG BAND / COMBO