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サッチモ、パリライブ

ルイ・アームストロング

Louis Armstrong: The best live concert vol.1 & 2

サッチモ1965年のライヴ。それにしてもサッチモは人を幸せにする術を心得ている男だ。サービス精神のかたまり。それが決して下品にならないのがこの人の人気の秘密だろう。
大ヒット“Hello, Dolly”などおなじみの曲ばかりのメニュー。オールド・ジャズ名曲集かと思うと、カンツォーネの“Volare”があったりトニー・ベネットの“I left my heart in San Francisco”があったり、手広いところをみせる。
サッチモの名を冠したオールスターズだが、実はみんなが主役だ。曲ごとにタイリー・グレン(この人のソロはすごい)やビリー・カイル、エディー・シューが交代で主役を演じるのだ。芸達者な連中ばかり揃っており、ベースやドラムスもご機嫌なソロをとる。
サッチモ・ファンはもちろん、ふだんオールド・ジャズを聴かない人にもお奨めだ。みんなでサッチモを聴いて幸せになろう。

 

<Jazz in Paris 01 &02>
Louis Armstrong, trumpet & vocals
Tyree Glenn, trombone
Eddie Shu, clarinet
Billy Kyle, piano
Buddy Catlett, bass
Danny Barcelona, drums
Jewell Brown, vocals

・Recorded in 1965

Best Live Concert, Vol. 1
Best Live Concert, Vol. 2
国内盤は
ハロー・ドーリー・コンサート

若き日のサッチモは
こちら

 
-Volume 1
1. When it's sleepy time down south
2. Back home again in Indiana
3. Tiger rag
4. When I grow too old to dream
5. Perdido
6. Hello, Dolly
7. On the Alamo
8. A kiss to build a dream on
9. Lover come back to me
10. Can't help lovin' that man of mine
11. Mop mop
12. Blueberry hill
  -Volume 2
1. Muskrat ramble
2. Volare
3. Cocktails for two
4. Stompin' at the Savoy
5. It's easy to remember
6. Teach me tonight
7. I left my heart in San Francisco
8. My man
9. Bill Bailey won't you please come home
10. When the saints go marchin' in
11. Hello, Dolly
死刑台のエレベーター/マイルス・デイビス

マスターのおすすめ

Miles Davis: Ascenseur pour l'echafaud

ルイ・マル監督の映画『死刑台のエレベーター』。スポーツカーもかっこよかったがマイルズの音楽はもっとかっこよかった。とくにハイウェイのシーンは。緊張感あふれるミュートばかり耳にこびりついていたが、こうやって音楽だけ聴くと、バルネ・ウィランもちゃんとソロをとっているのだった。ケニー・クラークのブラシワークもすごい。はっきり「曲」と言えるようなものがなく、簡単なモチーフからアドリブを展開していくという手法。これが功を奏した。中心となる「音」はあるがコードは設定されていないようだ。モード導入への第一歩と考えられる。
映画とジャズの相性のよさを証明した本作は、先駆的作品というだけでなく、ジャズのサントラとして最高ランクに位置づけられる。

 

<Jazz in Paris 03>
Miles Davis, trumpet
Barney Wilen, tenor sax
Rene Urtreger, piano
Pierre Michelot, bass
Kenny Clarke, drums

・Recorded in 1957

《完全版》てのがある
Ascenseur pour L'Echafaud
国内盤は
死刑台のエレベーター[完全版]

 
1. テーマ
2. カララの殺人
3. ドライヴウェイのスリル
4. エレベーターの中のジュリアン
5. シャンゼリゼを歩むフロランス
  6. モーテルのディナー
7. ジュリアンの脱出
8. 夜警の見回り
9. プティバックの酒場にて
10. モーテルの写真展
ドナルド・バード

Donald Byrd: Byrd in Paris

ドナルド・バードがボビー・ジャスパーを迎えてオランピア劇場で行ったライヴ。典型的ハード・バッパーだった時代のものだ。平均年齢の若いクインテットだが肩肘張ったところはなく、リラックスした成熟した演奏を繰り広げる。なめらかで美しいフレーズを繰り出しながら気持ちよさそうに歌っていくバード。『フュエゴ』とはひと味ちがう魅力がある。
ボビー・ジャスパーの太い音色はドン・バイアスの影響を示すもの。いかにもジャズ・テナーといった感じだ。テクは申し分ない。自作のブルース・チューン(3)で聴かせるフルートも美しい。渋い存在ウォルター・デイヴィスは(4)で全面的にフィーチャーされている。この人のこんな長いソロ、この時期ほかにあったかなあ。

 

<Jazz in Paris 04>
Donald Byrd, trumpet
Bobby Jaspar, tenor sax and flute
Walter Davis, Jr., piano
Doug Watkins, bass
Arthur Taylor, drums

・Recorded in 1958

Byrd in Paris
懐かしのストックホルム

 
1. Dear old Stockholm
2. Paul's pal
3. Flute blues
  4. Ray's idea
5. The blues walk
ドナルド・バード

Donald Byrd Quintet: Parisian Thoroughfare

上記アルバムと同日のライヴ。バードはこのころが一番よかったというファンがいるくらいだが、これらの録音は何故かしばらく「幻」となっていた。まさか廉価シリーズで出てくるとは。
演奏は“Byrd in Paris”よりこっちの方が白熱している。リズムセクションが抜群のノリをみせ、フロントラインも見事にそれに応えている。アーサー・テイラーがスタジオ録音とは別人みたいな熱い演奏を聴かせるのも面白い。

 

<Jazz in Paris 05>
Donald Byrd, trumpet
Bobby Jaspar, tenor sax
Walter Davis, Jr., piano
Doug Watkins, bass
Arthur Taylor, drums

・Recorded in 1958

Donald Byrd Quintet
パリの目抜き通りで

 
1. Salt peanuts
2. Parisian thoroughfare
3. Stardust
4. 52nd street theme
  5. At this time
6. Formidable
7. Two-bass hit
8. Salt peanuts

バック・クレイトン

Peanuts Holland / Buck Clayton / Charlie Singleton

トランペットをフューチャーした3つのクラブ・セッションを集めたもの。ただし3つ目のものはサックス奏者チャーリー・シングルトンがリーダー。
バック・クレイトン(1〜5)がさすがに聴かせる。やわらかな美しい音色、なめらかなフレージング。ほとんどオリジナル曲だが古風な作りなので、古い映画を見ているような、なんだか懐かしい気持になる。ピアニストもうまいし、サッスーンの粋なギターがいいアクセントになっている。
ピーナッツ・ホランド(6〜9)は一転して有名曲ばかり。“Flying Home”はギ・ラフィットのテナーが素晴らしくスウィングしてみせ、ホランドのエネルギッシュなソロを導く。ごきげんなヴァイブのソロも入るし、フランス人ばかりのリズムセクションも思いきりスウィングしている。続く“That's My Desire”はヴァイブ主役のバラッドでしっとり聴かせる。変化に富んだ楽しいセッションである。
シングルトンのセッション(10〜15)はおなじみ“Lester Leaps in”でスタート。さすが3管編成の厚みがあるがスウィング感は抜群。無名のトランペッターがなかなかうまい。古いタイプのミュージシャンがガレスピーの曲(12)を採りあげているのも面白い。緩急とり混ぜた選曲だが、アップテンポの曲になるとリーダーのソロが短いのはなんでじゃ。

 

<Jazz in Paris 06>
Buck Clayton, trumpet
Michel de Villers, tenor & baritone saxes
Andre Persiany, piano
Jean-Pierre Sasson, guitar
Gerard Pochonet, drums
with unkown bass player

・Recorded in 1953
--------
Peanuts Holland, trumpet
Guy Lafitte, tenor sax
Geo Daly, vibes
Jean-Claude Pelietier, piano
Charlie Blareau, bass
Jean-Baptiste Reilles, drums

・Recorded in 1954
--------
Bernard Hulin, trumpet
Charles Verstraete, trombone
Charlie Singleton, tenor sax
Andre Persiany, piano
Eddie de Haas, bass
Reggie Jackson, drums

・Recorded in 1955

Club Session

 
1. Buck's bon voyage
2. Fast bus soft
3. Please don't talk about me when I'm gone
4. Easy to riff
5. Gift for the club
6. Flying home
7. That's my desire
8. It's wonderful
  9. Blue feeling
10. Lester leaps in
11. These foolish things
12. Purple sound
13. Lullaby of Birdland
14. Yesterdays
15. Blues a la schola
ビル・コールマン

Bill Coleman: From Boogie to Funk

ビル・コールマン・セプテットのダウンホームな演奏が満喫できる。かれは30年代から活動しているラッパ吹きで、たしかに『ブギからファンクまで』を身をもって知っている人物。しかしジャズの歴史を絵巻物みたいにたどっているわけではなくて、ごく普通の南部っぽいジャズをやっている。
そうはいってももはや昔のニューオリンズ・スタイルではない。時代相応にコールマンは新しくなっている。なめらかなフレーズと美しい音色で多彩なソロを聴かせ、実にかっこいい。クウェンティン・ジャクソンの芸達者なトロンボーン、バド・ジョンソンの男っぽい豪快なテナーも素晴らしく、かれらのソロがたっぷり聴けるのもこのアルバムの大きな収穫だ。
リズムセクションではパッティ・ブラウンのアーシーなソロが楽しい。テクニックはさておき、味のあるピアニストだ。

 

<Jazz in Paris 07>
Bill Coleman, trumpet
Quentin Jackson, trombone
Budd Johnson, tenor sax
Patti Brown, piano
Les Spann, guitar
Buddy Catlett, bass
Joe Harris, drums

・Recorded in 1960

From Boogie to Funk

Complete Philips Recordings

 
1. From boogie to funk, Part. 1: The blues
2. From boogie to funk, Part. 2: The boogie
3. Bill, Budd and butter
  4. Afromotive in blue
5. Colemanonlogy
6. Have blues, will play 'em
ブロークン・ウィング

Chet Baker: Broken Wing

ずいぶんソフトな、耳あたりのいいチェット・ベイカー。中音域を活かし、情感ゆたかな歌を紡いでいく。ときにチェット49歳。冒険心を失ったか、もはやハイノートが出ないのか、50年代の演奏とは別人のようだ。聴かせる術は心得ているし、味のある演奏ではあるものの、なんだか寂しい。ところがマスターの息子はこれがお気に入りである。軽やかでかっこいいというのだ。世代間ギャップってやつか。
マルコヴィッツのクセの強いピアノも好き嫌いが分かれそうだ。ごつごつしたドライなピアノ。ちっともロマンチックじゃない。ベーシストのクラークは最近いろいろなセッションで鬼才ぶりを発揮している。このアルバムで聴くセンスのいい演奏はかれが早くから卓抜な奏者だったことを示すもの。

 

<Jazz in Paris 08>
Chet Baker, trumpet & vocals
Phil Markowitz, piano
Jean-Francois Jenny Clarke, bass
Jeff Brillinger, drums

・Rrecorded in 1978

Broken Wing
ブロークン・ウィング

Plays Standards

 
1. Broken wing
2. Black eyes
3. Oh you crazy moon
4. How deep is the ocean
  5. Blue Gilles
6. Black eyes [Alternate take]
7. How deep is the ocean [Alternate take]
ザ・ジャイアント

Dizzy Gillespie: The Giant

超豪華メンバーを従えたガレスピーの1973年パリ録音。あっけらかんと明るい『星影のステラ』でいきなりガレスピー・ワールドに突入。ガレスピーの自在なソロもすごいが、ペデルセンのソロ(長い!)もすごい。最大のききものは(4)。グリフィンとラテンパーカッションのカントが加わり、ハッピーな演奏が延々と続く。それにしてもグリフィンの参加がなんで1曲だけやねん。
ケニー・ドリューの参加もうれしいところ。相手がガレスピーだけに若干押されぎみだが、さすがに味のあるところを聴かせてくれる。バラッドが聴き応えあるものになっているのはかれのおかげだろう。

 

<Jazz in Paris 09>
Dizzy Gillespie, trumpet
Johnny Griffin, tenor sax (4)
Kenny Drew, piano
Niels-Henning Orsted Pedersen, bass
Kenny Clarke, drums
Humberto Canto, tumbas

・Recorded in 1973

The Giant
ザ・ジャイアント

 
1. Stella by starlight
2. I waited for you
3. Girl of my dreams
  4. Fiesta mojo
5. Serenity
スライド・ハンプトン

Slide Hampton: Exodus

冒頭の曲“Exodus”はウタダとは関係がない。ポール・ニューマンたちが出演した映画『栄光への脱出』の主題曲である。もちろん旧約聖書の『出エジプト記』にかけてある。サントラもかっこよかったがスライド・ハンプトンのアレンジもかっこいい。これがアルバム全体の序曲となっている。
“Star Eyes”と“I'll Take Romance”以外はジャズ・オリジナル。パーカーの“Confirmation”は12分を超える演奏で、ハンプトンのトロンボーンはじめフロントラインの充実したソロが楽しめる。名手を揃えただけのことはある。コルトレーンの“A Moment's Notice”もスリルがあってよいが、最後の曲、モンクの“Straight, No Chaser”が面白い。ハンプトンは優れたアレンジャーである。いいソロを導き出すにはいいアレンジが必要なのだ。
リチャード・ウィリアムスがスタンダードで聴かせるリリカルなトランペットにも触れておきたい。録音は多くないけれど素晴らしいラッパ吹きである。

 

<Jazz in Paris 10>
Slide Hampton, trombone & arrangement
Richard Williams & Nat Pavone, trumpet
Benjamin Jakobs, El., trombone
George Coleman, tenor sax
Jay Cameron, baritone sax
Butch Warren, bass
Vinnie Ruggiero, drums

・Recorded in 1962

Exodus

Slide Hampton: All Star 69

 
1. Exodus
2. Star eyes
3. Confirmation
4. Moment's notice
  5. I'll take romance
6. I remember Clifford
7. Straight, no chaser