ジャズ・イン・パリ

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アドマックス「カフェ・マキシマム」  

シャンゼリゼのピアノ

Piano aux Champs-Elysees

アート・シモンズとロネル・ブライトにスポットを当てたアルバム。シモンズは40年代からパリに住んで活動していたが、56年までリーダー・アルバムがなかったという。ここでは欧州ツアー中のジェリー・マリガン・セクステットからベーシストとドラマーを借りてきて録音。この辺のいきさつやツアーの面白いエピソードについては、ベーシストのビル・クロウが書いているので、一読をお奨めする。
演奏は肩の凝らない軽いもの。「小粋な」という表現がふさわしい。ドナヒューのギターが美しく、クロウもシュアなウォーキングを聴かせる。
ブライトの録音はトリオ編成でリチャード・デイヴィスが参加。オリジナル曲中心になかなかアグレッシブな演奏を展開している。シモンズに較べたらはるかに聴き応えのあるセッション。ブルージーな感覚が気持ちいい。

 

<Jazz in Paris 61>
Art Simmons, piano
Terry Donoughue, guitar
Bill Crow, bass
Dave Bailey, drums

・Recorded in 1956
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Ronnel Bright, piano
Richard Davis, bass
Art Morgan, drums

・Recorded in 1958

Piano aux Champs-Elysees
シャンゼリゼのピアノ

 
-Art Simmons
1. Art's blues
2. My funny Valentine
3. Hommage to Neal Hefti
4. Too marvelous for words
5. The lady is a tramp
6. What is this thing called love?
7. Nice work if you can get it
  -Ronnel Bright
8. Sail 'em
9. Things ain't what they used to be
10. Johnnie Pate's blues
11. R and R groove
12. The champ
13. Easy listening
14. Chasing Sarah
15. Doxology
ルー・ベネット

Lou Bennett: Pentacostal Feeling

ルー・ベネットはマルティニーク島生まれの黒人オルガン奏者で、本名はジャン=ルイ・ブノワという。1966年録音の当アルバムはギタリストのルネ・トマ、ドラマーのケニー・クラークをしたがえたトリオ盤。前半3曲のみビッグバンドが加わっており、アレンジはドナルド・バードが担当している。
ヴァーヴ時代のジミー・スミスのような感じがしなくもない。シンプルでソリストを巧みに盛り立てるオリヴァー・ネルソンみたいなアレンジ。バードのオリジナル曲(1)と(3)はかっこいい作品だ。どうでもいいけど‘pentacostal’って何だろう。‘pentecostal’なら分かるんだが。‘penta(=5)’と‘costal(ろっ骨の)’の合成?はてさて…。
ベネットはジミーのようなソウルフルな奏者ではない。テクニックはあるがぐいぐい迫ってくるようなタイプでもない。聴き疲れしない、軽さをもったソロ。ルネのギターも軽い(リーダーじゃないからしょうがないかも知れないが、もう少し長いソロをとって欲しかった)。唯一のスタンダード(何故かオルガン奏者がよく採りあげる)“Easy Living”だけがこってりした表現。ロングトーンを活かしながら、ベネットはローダ・スコットみたいな演奏を聴かせる。

 

<Jazz in Paris 62>
Lou Bennett, organ
Rene Thomas, guitar
Kenny Clarke, drums
with The Paris Jazz All Stars (1, 2 & 3)
Donald Byrd, arrangements

・Recorded in 1966

Pentacostal Feeling

ルネ・トーマのアルバム
Meeting Mister Thomas

 
1. Pentacostal feeling
2. Echoes
3. That preachin' man
4. Peter's waltz
  5. Easy living
6. Repetition
7. Meeting
ローダ・スコット

Rhoda Scott: Live at the Olympia

ローダ・スコットのオランピア劇場ライヴ。1971年10月録音。ローダは当シリーズにもう一枚録音があり、そちらはケニー・クラークとのデュオだった。このライヴもドラマー、コーネリアス・クラーネンブルクとのデュオが中心で、テナーとフルートのジョー・トーマスが4曲に加わる。
トゥーツ・シールマンスの書いたジャズワルツの名品“Bluesette”でスタート。幕開けにふさわしい、軽快で格好いい仕上がりだ。この曲は当録音の数年前にジミー・スミスが録音(Verve)しており、意識していたのかも知れない。つづいてしっとりしたシャンソン弾き語り。歌うとは知らなかったが、これが思いのほかうまい。感心していると、3曲目はがらりと雰囲気が変わってコルトレーン“Equinox”。ぐいぐいアグレッシヴに迫るオルガンに圧倒される。演奏時間も9分に近く、イマジネーションゆたかなかの女の力量がよくわかる。かと思うと“Wade in the Water”では一転してアーシーな魅力を聴かせる。スピリチュアルだ。米国黒人というルーツを明らかにしたということか。ヴォーカルもチャーミングだ。
全体を聴いてみて、渡仏してから芸の幅が何倍にもひろがったという印象だ。奏法も音色の変化やロングトーンの多用など、いかにも〈オルガンらしい〉ものになっている。じつはオルガンはとびきり多彩な楽器であり、ふだん聴いているオルガニストはその機能のほんの一部しか活かしていないのではないかと思える。

 

<Jazz in Paris 63>
Rhoda Scott, organ & vocals
Joe Thomas, flute & tenor sax
Cornelius Kranenburg, drums

・Recorded in 1971

Live at the Olympia

 
1. Bluesette
2. Hymne a l'amour
3. Equinox
4. Wade in the water
5. People
  6. Li'l darling
7. Ain't no use
8. Ca va mieux
9. Thank you for let me be myself
10. I hear music

ライオン・スミス

Willie "The Lion" Smith: Music on My Mind

ジャズの歴史とともに歩んできたザ・ライオン・スミス(1897-1973)。アート・テイタムより、アール・ハインズより古い人である。御歳68歳。枯れてません。たくましくスウィングする左手のベースライン。よく歌う右手。このバランスが心地よい。
さすがオールドタイマーだけあって“Shine”だの“Dinah”だの、思いきり古い曲が混じる。何百回、何千回となく弾いてきた曲。それがただの手クセの演奏になっていない。最後まで一流のピアニストであり続けた理由だろう。

 

<Jazz in Paris 64>
Willie "The Lion" Smith, piano

・Recorded in 1965

Music on My Mind

 

1. The stuff is here
2. In a minor groove
3. Some of these days
4. Ain't she sweet
5. H and M blues
6. Shine
7. Steeplechase
8. Summertime

  9. Sharps and flat
10. Sparklets
11. Dinah
12. Honeysuckle rose
13. Polonaise
14. All out of breath
15. Music on my mind
ベルナール・ペイフェ

Bernard Peiffer: La Vie en Rose

ジャケ写にご注目。バラを飾ったバルコニーからヴァンドーム広場が見えている。このアパルトマンの住人はココ・シャネル。いつの頃の撮影か書いてないのが残念だが〈時代〉が写ってるなあと思う。
中身はベルナール・ペイフェが52年から53年にかけて録音したソロ、トリオをまとめたもの。とにかくよく走る、よく弾むピアノである。タッチは決してなめらかな方ではないが素晴らしい推進力。トリオではバックにリズムの正確さを委ね、微妙にフレーズをずらしてみせたりしてスリルを感じさせる。バラッドの乾いた仕上がりもいい。バップがしっかり身についているんだろう。

 

<Jazz in Paris 65>
Bernard Peiffer, piano
Pierre Michelot or Joe Benjamin, bass
Jean-Louis Viale or Bill Clark, drums

・Recored in 1952 & 53

La Vie en Rose
バラ色の人生

もう一つのトリオ盤
Plays Srandards
こんなペイフェも
Modern Jazz at St-Germain des Pres

 
1. La vie en rose
2. Ballad in Paris
3. Jeepers creepers
4. Hit that jive Jack
5. Oh, lady be good
6. Jalousie
7. Don't blame me
8. Sometimes I'm happy
9. Jingles bells
10. Tired blues
11. Almost like being in love
  12. Steeplechase
13. Liza
14. Yesterdays
15. Midday on the Champs Elysees
16. Slow burn
17. Caravan
18. Caravan [Alternate take]
19. Jalousie [Alternate take]
20. Toccata
21. Prelude
四季 Raymond Fol: Les 4 Saisons

ピアニスト兼アレンジャーのレイモン・フォルがビッグバンドを率いてヴィヴァルディの『四季』を演奏したもの。
思わず笑ってしまった。『春』第1楽章がラテンリズムなのだ。あんたはティト・プエンテか。第2楽章では鳥の鳴き声を模したフルートが聴かれ、ヴァイブが静かに歌う。第3楽章はトランペット(おそらくゲラン)とテナー(きっとグリフィン)が景気よくスウィングし、リーダーのチロチロしたピアノも入る。全体としてみればまっとうなジャズ。よくあるクラシックのジャズ化であり、無理のないアレンジでおなじみの曲を楽しむことができる。アンサンブルの質が高いしソリストもうまい。ソロが短いのがもの足りないといえばもの足りないが。
 

<Jazz in Paris 66>
Raymond Fol Big Band
includes...
Roger Guerin, trumpet
Johnny Griffin, tenor sax
Raymond Guy, flute
Fats Sadi, vibes
Jimmy Woode, bass
Arthur Taylor, drums
and others

・Recorded in 1965

Les 4 Saisons

 
1. Concerto No.1 'le printemps'
2. Concerto No.2 'l'ete'
  3. Concerto No.3 'l'automne'
4. Concerto No.4 'l'hiver'
ルネ・ユルトルジェ

Rene Urtreger joue Bud Powell

最近のでっぷり貫禄ある姿しか知らなかったので、ジャケ裏のスマートな美青年を見てびっくり。みんな若い頃は若かったのね〜。
さて、若き日のユートルジェが吹き込んだこのトリオ盤はバド・パウエル作品集(但し(6)(7)はオリジナル)。パウエルに捧げた、というよりパウエルに挑戦した感のある強烈な演奏だ。見事なバップピアノだがパウエルに似ているわけではない。ドライで少々ごつごつした荒さをもったピアノ。バックの二人の全面協力を得てさっそうと駆け抜けていく。

 

<Jazz in Paris 67>
Rene Urtreger, piano
Benoit Quersin, bass
Jean-Louis Viale, drums

・Recorded in 1955

Joue Bud Powell
プレイズ・バド・パウエル

 
1. Dance of the infidels
2. Budo
3. Parisian Thoroughfare
4. So sorry please
  5. Bouncing with Bud
6. A la Bud
7. Mercedes
8. Celia
ライオネル・ハンプトン

Lionel Hampton: Mai 1956

Jazz in Paris シリーズのハンプトンのうち、わたしがいちばんよく聴くのがこのアルバム。アルバムタイトルどおり1956年5月のパリ録音。
なぜよく聴くかというと“Regina's drag”の二本指ピアノに「はまって」いるから。両手の人差し指だけで鍵盤を叩く、ハンプお得意のスタイルだ。マレットでヴァイブを叩くのと変わらない速さと正確さでよどみないソロを展開。5分近い演奏だが、とにかく叩きっぱなし。感心するというかあきれるというか…。
ほかの曲もそれぞれ聴き応えある演奏。なかでも映画『慕情』のテーマ“Love is a many splendored thing”は11分に及ぶ長丁場。元旋律をはっきりとは奏さないが、美しいこの曲の雰囲気を活かした長〜いソロを聴かせる。おなじみ“Lullaby of Birdland”でもイマジネーションゆたかによく歌う。
テナー、トランペット、ギターなどのサイドメンは出番が少なく、曲によっては完全にお休み。ハンプひとりが前面に出ているのだが、明らかに格が違うのでこれでよかったのかも知れない。

 

<Jazz in Paris 68>
Ed Mullens, trumpet
Eddie Chamblee, tenor sax
Lionel Hampton, vibes, piano & vocals
Jean-Claude Pelletier, piano
Robert Mosely, piano (2)
Billy Mackel, guitar
Paul Rovere, bass
Benoit Quersin, bass (2)
Albert Gardner, drums

・Recorded in 1956

Mai 1956
1956年5月「慕情」

こちらもいけます
French New Sound

 
1. Jammin' on 'High society"
2. Love is a many splendored thing
3. Lullaby of birdland
4. Blues for Monique
  5. Regina's drag
6. New Saint-Louis Blues
7. Just you, just me
8. Exactly like you
ブレイキー、オランピア

Art Blakey: 1958 Paris Olympia

ハードバップの伝道者ジャズ・メッセンジャーズが1958年11月と12月、パリのオランピア劇場で行ったライヴをおさめたもの。リー・モーガン、ベニー・ゴルソン、ボビー・ティモンズ、ジミー・メリット、アート・ブレイキーという顔ぶれ。
7曲中5曲までがゴルソンの作品。さっそうとした“Just by myself”、モーガンのバラッドプレイが冴える“I remember Clifford”、10分におよぶ熱演を聴かせる“Are you real?”など、演奏も素晴らしいがゴルソンの曲作りのうまさにも感心。最後の“Blues march”、“Whisper not”もおなじみのゴルソン作品だ。
モーガンの演奏に若干のムラがあるのと、ゴルソンがインプロヴァイザーとして今ひとつなのと、ハコが大きすぎて聴衆が遠いのが、気になるといえば気になる。親方のスーパードラマーぶりはたっぷり味わえるし、ティモンズも悪くないし、平均以上の出来映えではあると思うが。

 

<Jazz in Paris 69>
Lee Morgan, trumpet
Benny Golson, tenor sax
Bobby Timmons, piano
Jymie Merritt, bass
Art Blakey, drums

・Recorded in 1958 (live)

1958 Paris Olympia
モーニン:パリ・オランピア劇場

Paris Jam Session

 
1. Just by myself
2. I remember Clifford
3. Are you real?
4. Moanin'
  5. Justice
6. Blues march
7. Whisper not
アンドレ・オデール

Le Jazz Groupe de Paris joue Andre Hodeir

できれば避けて通りたかったアルバム。全タイトルレビューなんて宣言した手前、やめるわけにいかない。何か誉める材料はないかな。
ジャケ写がいい。シリーズ中屈指の傑作。ほとんど白と黒のシャープなコンポジション。ここまで単純化しながら雰囲気があるのが素晴らしい。
それからえーと、ミュージシャンがいい。当時の一流どころが勢揃いだ。クリエイティヴなソロで楽しませてくれる人もいる。特にヴァイブのサジの爽快な演奏は聴きもの。アルトの思索的なつぶやきもなかなか。
これでオデールの頭でっかちなアレンジがなかったら…。曲名を見ただけでいわゆる「実験的」ジャズだというのが臭ってくると思う。実験がいけないとは言わない、結果が問題なのだ。面白くなくちゃ。

 

<Jazz in Paris 70>
Jean Liesse & Roger Guerin, trumpets
Nat Peck, trombone
Jean Algedon, alto sax
Georges Grenu, tenor sax
Armand Migiani, piano
Fats Sadi, vibes
Pierre Michelot, bass
Christian Garros, drums
Andre Hodeir, arrangements

・Recorded in 1956

Joue Andre Hodeir

オデール作品集は
Jazz & Jazz

 
1. On a scale
2. Parisian thoroughfare
3. Bicinum
4. Evanescence
5. Jordu
  6. Tension detente
7. Paradoxe I
8. Criss cross
9. Triads
10. Milano