ジャズ・イン・パリ

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Jazz & Cinema Vol.3

1959年のセルジュ・ゲンズブール『山小舎の狼』はアラン・ゴラゲールのアレンジによるセプテット。名手を揃えたご機嫌な演奏で『狼のチャチャチャ』の陽気なラテンリズムなどかなりのれる。
ベルナール=オベール監督の『太陽のはらわた』はアンドレ・オデールの作曲。ルグランの妹クリスティアーヌを含むヴォーカル・アンサンブルが参加している。かの女のヴォカリーズも聴けるがあまり面白いものではない。
ジャック・ゲルバーの『ザ・コネクション』はもとはリヴィングシアターが演っていたジャズをテーマにした舞台作品。これのハリウッド版にデクスター・ゴードンが出演したことでも知られる。音楽はピアニストのフレディ・レッドが担当し、ジャッキー・マクリーンのバンドが演奏していた。このフランス人たちのヴァージョンはルネ・ユートルジェたちのアレンジ。なかなかかっこいい演奏だ。エディ・ルイスがピアニストとして参加している。

 

<Jazz in Paris 71>
Alain Goraguer septet
includes
Roger Guerin, trumpet
Raymond Guiot, flute
and others
--------
Christiane Legrand, vocals
Pierre Gossez, tenor sax
and others
--------
Daniel Humair Soultet
includes
Sonny Grey, trumpet
Luis Fuentes, trombone & arrangements
Eddy Louiss, piano
and others

・Recorded in 1959 & 61

Jazz and Cinema, Vol. 3
ジャズ&シネマ(3)

Music from the Connection

 
<山小舎の狼>
1. ジェネリーク
2. フイト・ドゥ・ローキン
3. 山小舎の娘
4. 狼のチャチャチャ
5. 山小舎の娘(フィナーレ)
<太陽のはらわた>
6. リズム・アンド・ブルースNo.1
7. スピリチュアル
  8. ダンス
9. 砂漠
10. ブルース
<ザ・コネクション>
11. シスター・サルヴェーションのテーマ
12. オーヴァードーズ
13. ウィグリン
14. ミュージック・フォーエヴァー
15. ワン・ミント・ジュレップ
ビバップ ドン・バイアス

Bebop

前半はピーナッツ・ホランドが参加したドン・バイアス/タイリー・グレン双頭オクテットやらドン・バイアス・セクステットやら、あなたたちビバップやりましたっけという顔ぶれの1947年録音。バイアスはミントンズのメンバーだったけど、他の人は、ねえ。演奏はしかし、なかなか楽しい。パーカーやガレスピーの曲を演奏するホランド、グレンがうまいのだ。ビバップの語法ではないが、曲に触発されたのかいつもとは感覚が違う。それらに混じって十八番(おはこ)の“Laura”が出てくると「現実に引きもどされた」ような気がする。
ハワード・マギーのセクステットは人名のついた曲ばかり7曲やっている。シリアスでソフトなマギーのトランペットが美しい。ベストと言えるほどでもないがけっこういける。ジミーとパーシーのヒース兄弟やスペックス・ライトといった若い世代が参加していて“Dona-Lee”などいわゆるひとつのビバップである。
ムーディのコンボはもっといい。モダンなムーディ、ペイフェと少し古風なナット・ペック、ドン・バイアス。それが無理に歩み寄ろうとせず、それぞれわが道を行くという感じでやっているのだ。違和感もなく。

 

<Jazz in Paris 72>
Don Byas/Tyree Glenn Orchestra
includes
Hubert Rostaing, clarinet
Bill Taylor, piano
and others
--------
Don Byas Ree-Boppers
includes
Peanuts Holland, trumpet
Tyree Glenn, trombone
and others
--------
Howard McGhee sextet
includes
Jimmy Heath, alto sax
Percy Heath, bass
and others
--------
James Moody quintet
includes
Don Byas, tenor sax
Nat Peck, trombone
and others

・Recorded in 1947 to 49

Bebop

 
-Don Byas/Tyree Glenn
1. Mad monk
2. Please don't talk about me when I'm gone
3. The hour of parting
4. I can't get started
5. Billie's bounce
6. I surrender, dear
-Don Byas
7. Walking around
8. How high the moon
9. Red cross
10. Laura
11. Cement mixer
12. Dynamo A
  -Howard McGhee
13. Denise
14. Nicole
15. Etoile
16. Punkins
17. Donna Lee
18. Big Will
19. Prelude to Nicole
-Jamed Moody
20. Oh well
21. Convulsions
22. Verso
23. Recto
ラッキー・トンプソン

Lucky Thompson with Dave Pochonet All Stars

ラッキー・トンプソンがドラマーのデイヴ・ポショネのバンドと共演したもの。二つのセッションからなり、マーシャル・ソラール、アンリ・ルノー、ミシェル・ド・ヴィレ、ジャン=ピエール・サッスーンらの名が見える。
ふだんハードバップ以降のジャズを聴いているが、たまに少々古いものが聴きたくなる。そんなとき「手頃」なのがラッキー・トンプソン。マイルズの“Walkin'”でもパーカーとのセッションでもなく、当盤のようなタイプのものがいい。リラックスした4ビートスウィングの心地よさ。ナチュラルなブルーズ感覚。バラッドでのふくよかな音色にも、なにやらほっとさせられる。
ラッキーが前面に出ているが、ちょこちょこ出てくるサイドメンのソロもよい。ヴィレの軽快なバリトンソロ、ブルージーなサッスーンのギターなど聴きどころに事欠かない楽しいアルバムだ。

 

<Jazz in Paris 73>
Lucky Thompson, tenor sax
Fernand Verstraete, trumpet
Joe Hrasko, alto sax & clarinet
Michel de Villers, baritone sax
Martial Solal or Henri Renaud, piano
Jean-Pierre Sasson, guitar
Benoit Quersin, bass
Dave Pochomet, drums
and others

・Recorded in 1956

With Dave Pochonet

Modern Jazz Group
Paris Blues

 
1. Fascinating blues
2. I should care
3. One for the boys and us
4. Home free
5. Bluebird blues
  6. Lullaby of the leaves
7. Easy going
8. Let's try again
9. Stewin' up a wig

アラン・ゴラゲール

Alain Goraguer: Go-go-Goraguer

映画音楽で知られるアラン・ゴラゲールはピアノの名手でもあった。スタンダード中心のこのトリオセッションではかれが一流のバップピアニストだったことが分かる。リハーモナイズを聴いてみていただきたい。バラッド演奏もコードチェンジによってウェットにならず、いわば〈ハードボイルド〉。残念ながらフレージングがあまり魅力的ではない。指はよく走っているのだが。
なかではオリジナルの『英国のスープ(意味がわからん)』とシャンソン『ポルトガルの洗濯女』がよかった。素晴らしいリズム感だ。

 

<Jazz in Paris 74>
Alain Goraguer, piano
Paul Rovere, bass
Christian Garros, drums

・Recorded in1956

Go-go-Goraguer
ゴー・ゴー・ゴラゲール

 
1. Gogo's goggles
2. Darn that dream
3. Demain je dors jusqu' a midi
4. It's easy to remember
5. Stella by starlight
6. You and the night and the music
7. Love or infatuation
8. You are too beautiful
  9. What is this thing called love?
10. Prelude to a kiss
11. British soup
12. Nearness of you
13. Les lavandieres du Portugal
14. With the wind and the rain in your hair
15. L'homme et l'enfant
16. Star eyes
アール・ハインズ

Earl Hines in Paris

アール・ハインズ1970年のトリオ録音で、ラリー・リチャードソン、リッチー・ゴールドバーグがバックをつとめる。ときにハインズ67歳。枯淡の境地かと思いきや、元気溌剌、ノリのいい楽しいセッションを繰り広げている。
この人はゆたかなテクニックがあっても音の洪水にはならず、シングルトーン主体の超速パッセージでスリルのあるソロを展開する。バップピアニストとちがって左手の比重が大きく、全体の響きに厚みがあるのが特徴だ。スローブルースのリラックスした演奏も格別。泥臭さのない、粋なブルース。スタンダードも若い世代のようなコードチェンジを行っていないので、たいへん聴きやすい仕上がりだ。
なにより本人が演奏を楽しんでいるのがわかり、聴いている方も楽しくなる。ハインズファンはもとより、ちょっと古めのピアノトリオをお探しの方にお奨め。

 

<Jazz in Paris 75>
Earl Hines, piano
Larry Richardson, bass
Richie Goldberg, drums

・Recorded in 1970

Earl Hines in Paris

もう一枚のトリオ盤
Paris One Night Stand

 
1. No greater love
2. Foggy day
3. If it's true
4. Them there eyes
  5. Snugly but ugly
6. You're driving me crazy
7. Almost like being in love
クロード・ボラン Danse a Saint-Germain-des-Pres
(Michel de Villers/ Claude Bolling)

太股も露わなジャケ写のお姉さん、今頃何歳になってるんだろう。1950年代に撮影されたダンサーだそうだ。演奏されているのもダンス音楽としてのジャズ。前半はボリス・ヴィアンのプロデュースによるビッグバンド演奏で、リーダーはサックスのミシェル・ド・ヴィレ。編曲はピアニスト兼アレンジャーのアンドレ・パーシャニ。聴きなれないダンスチューンに混じってプラターズの曲が3曲、ご機嫌な演奏でおさめられている。じっくり聴くものではない。その代わりバッチリ踊れます。それにしても(12)の『アズナヴール万歳』って何だろう。
後半はTV番組のサントラで演奏はクロード・ボランのバンド。曲も全てかれのオリジナルだ。ダンサブルな曲ばかりだが、ボランのピアノがとびきりうまいし、サイドメンのソロもちゃんと楽しめる。曲も面白いしアレンジもモダン。
 

<Jazz in Paris 76>
Michl de Villers, saxophones
Andre Persiany, arrangements
with unknown orchestra

・Recorded in 1958 & 1959
--------
Claude Bolling, piano
and his nonet

・Recorded in 1961

Danse a Saint-Germain-des-Pres

クロード・ボランの代表作
Suite for Flute and Jazz Piano

 
-Michel de Viller and his orchestra
1. Topsy
2. Veal isn't goog for Leony
3. Mes freres (Manhattan spiritual)
4. Smoke gets in your eyes
5. Twilight time
6. My prayer
7. Symphonie d'un soir
8. Sarah
9. Rock de l'inauguration
10. Demain
11. Toi le venin
12. Vive Aznavour
  -Claude Bolling Special Show
13. En chantant cet air la
14. Lorraine blues
15. Presentation de musiciens
16. Bowling green
17. Rock a bye Bolling
18. Le piege
19. Bulles de savon
20. Tranquillement "Quietly"
21. Annonce
22. Bach to swing
レスター・ヤング Lester Young: Le dernier message de Lester Young

レスター・ヤング、よれよれ。なにしろ亡くなる11日前の録音である(1959年3月15日没)。往時の輝きはないが、聴くにたえない演奏というわけではない。破綻はない。さすがにモダンテナーの開祖、けっこう軽々とスウィングしてゆたかに歌ってみせるのだ。ユートルジェのバップピアノ、クラークの応援するかのような溌剌としたドラムスに支えられた、なかなかいい演奏になっている。
そうはいってもやはりねぇ。プレスのファンでない人にはお奨めしないでおこう。ファンなら記録として持っていてもいいと思うけど。
 

<Jazz in Paris 77>
Lester Young, tenor sax
Rene Urtreger, piano
Jimmy Gourley, guitar
Jamil Nasser, bass
Kenny Clarke, drums

・Recorded in 1959

Le Dernier Message
レスター、最後のメッセージ

 
1. I didn't know what time it was
2. Oh, Lady be good!
3. Almost like being in love
4. Three little words
5. I cover the waterfront
6. I can't get started
  7. (Back home again in) Indiana
8. Pennies from heaven
9. New D.B. blues
10. Lullaby of Birdland
11. There will never be another you
12. Tea for two
ドン・バイアス

Don Byas: En ce temps-la

タイトル曲はシャンソン界の大御所シャルル・トレネの曲。(2)はドヴォルザークの『ユモレスク』のジャズ化。ほかは自作と有名スタンダードで、変化を持たせた選曲だ。全体の雰囲気は当シリーズ中の『ローラ』と変わらない。バイアスはヴィブラートを効かせた太い音色でゆったりと歌っていく。(4)などときおりビバップする曲があるが、夜更けにアルコール度数の高い液体を片手に聴くのが似合う。
音源はすべて1947〜52年のSPだが音はいい。

 

<Jazz in Paris 78>
Don Byas, tenor sax
Jack Dieval or Art Simmons, piano
Jean-Jacques Tilche, guitar (1-6)
Lucien Simones or Joe Benjamin, bass
Armand Molinetti or Bill Clark, drums

・Recorded in 1947 & 52 (7-13)

En ce temps-la

 
1. These foolish things
2. Humoresque
3. Stormy weather
4. Riffin' and jivin'
5. I can't explain
6. Blues for Panassie
7. En ce temps-la
  8. La-bas
9. This is always
10. Cottage for sale
11. You can depend on me
12. That old feeling
13. Don't blame me

Stan Getz Quatet in Paris

1966年11月のある夜、アストラッド・ジルベルトがステージを終えた午後11時、ゲッツがステージに立った。聴衆は「ゲッツ/ジルベルト」をナマで聴くためにやってきたというのに。ライナーには「二人の関係はいつも好天だったわけではない」と書いてある。現地調達のミュージシャンをバックにしたジルベルトと、ジルベルトのいないゲッツのグループを別々に聴いたその夜の聴衆はがっかりしたか、喜んだか。喜ぶわけないって?喜んだね、わたしは!(そこにはいなかったけど)
このアルバム最大の聴きものはロイ・ヘインズ。ゲイリー・バートンは最近リリースしたアルバムの解説で「初めてロイの演奏をまのあたりにしたとき、スティーヴと僕は思わず顔を見合わせた」と語っているが、たぶんこのころのことだろう。共演者の顔色をなからしめる恐るべき超絶ドラミングを展開している。ジルベルトがいたらこんなことやらなかっただろう。リズム保持をスティーヴに任せてしまったかのように、ソリストに対位法的にからんでいく。本来のリズムとの微妙なズレが産み出す唯一無二のスリル。ソロの迫力、多彩さにも圧倒される。
バートンも好調で聴き応え充分。『エーデルヴァイス』のソロは忘れられない美しさだ。ついでながらゲッツもいい。後半に行くほど熱くなっている。

 

<Jazz in Paris 79>
Stan Getz, tenor sax
Gary Burton, vibes
Steve Swallow, bass
Roy Haynes, drums

・Recorded in 1966

Stan Getz Quartet in Paris
カーニヴァルの朝

 
1. Manha de carnaval
2. When the world was young
3. Singing song
4. On green dolphin street
  5. Stan's blues
6. Edelweiss
7. The knight rides again
アンリ・クロラ

Henri Crolla: Begin the beguine

アンリ・クロラ1955年の三つのセッションをまとめたもの。メロディアスな曲ばかり集めてリラックスしたひとときを過ごさせてくれる。演奏スタイルは(ジャンゴ・ラインハルト+ジミー・レイニー)÷2=アンリ・クロラといったところ。シングルトーンできれいに歌う一方でジプシーふうにジャカジャカかき鳴らす奏法も混じる。フレージングに哀愁が漂うところはいわゆる〈日本人好み〉なんじゃあるまいか。
バックはソラール、アルヴァニタスという一流どころ。耳あたりがいいので聴き流してしまいそうになるが、ちゃんと聴いてあげよう。ヴァイブのダリ(後半8曲に参加)なんてかなりの名手だ。

 

<Jazz in Paris 80>
Henri Crolla, guitar
Maurice Meunier, clarinet (12-16)
Geo Daly, vibes (9-16)
Martial Solal, piano
Georges Arvanitas, piano (9-16)
Emmanuel Soudieux, bass
Jacques David, drums

・Recorded in 1955

Begin the Beguine

Notre ami Django
Quand refleuriront les lilas...

 
1. Mon homme/C'est mon gigolo
2. Stardust
3. Sonny boy
4. The man I love
5. If I loved you
6. Begin the beguine
7. Little white lies
8. I'm in the mood for love
  9. There's a small hotel
10. Lullaby of Birdland
11. Body and soul
12. Alembert's
13. The continental
14. All the things you are
15. If I had you
16. These foolish things