ジャズCDレビュー
jazz organ   カフェ・マキシマム  
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ORGAN [1] / 2

TRUMPET / TROMBONE / WOODWINDS / PIANO / GUITAR
VIBES / DRUMS / MISCELLANEOUS / BIG BAND / COMBO / VOCAL

 
ビッグ・ジョン・パットン

Big John Patton: Let 'Em Roll

“ビッグ”ジョン・パットンのハッピーでスウィンギーなオルガンが楽しめる。つき合ってるのはグラント・グリーン、ボビー・ハッチャーソンという、ブルーノートおなじみのスターたち。オルガントリオにヴァイブが加わった編成ってことだ。
パットンの演奏はソウルフルとはいっても涼しげで軽快。むちゃくちゃな速弾きはしない(できない)ので気楽に聴ける。ロングトーンの多い、ジミー・スミスとはちがうスタイル。技巧派ではないが、なによりリズミカルなのがいい。ジャケットのお姉さんならずとも思わず腰がふれてしまうだろう。
グリーンのギターも抜群のノリ。アーシーな曲もうまいがダンサブルな曲もうまいんである。ソロもバッキングもセンスがいい。
ハッチャーソンの参加もこのアルバムの魅力のひとつだ。まったくヴァーサタイルなやつで、アーチー・シェップやエリック・ドルフィとやっても、こういう気楽なセッションをやっても、主役の座を奪いかねないほどの演奏を聴かせてくれる。

 

John Patton, organ
Grant Green, guitar
Bobby Hutcherdon, vibes
Otis Finch, drums

・Recorded in 1965

Let 'em Roll
レッテム・ロール

ダンサブルなこちらも
Got a Good Thing Goin'

 
1. Let ' Em Roll
2. Latona
3. The Shadow of Your Smile
  4. The Turnaround
5. Jakey
6. One Step Ahead

シャーリー・スコット

Shirley Scott & Stanley Turrentine: Blue Flames

真っ赤な炎をあげているのに『ブルー・フレイム』とはこれいかに。ストーブなら不完全燃焼だが、この夫婦コンビの演奏は素晴らしい。ナチュラルで暖かい。
アトランティック録音のシャーリーは(会社の方針か)過剰にR&Bしているけれど、これくらいのほどほどのファンクが〈素〉のままのかの女なんじゃあるまいか。オリジナルの(1)や(2)で聴くのびのびしたプレイは見事に〈はまった〉心地よさを感じさせる。
ダンナのスタンリーもふくよかな音色を活かして余裕たっぷりのソロをとる。ゴルソンのファンク・チューン『ファイブ・スポット・アフター・ダーク』(この演奏、昔どっかのFM番組のテーマに使われてた)のかっこよさ、『フラミンゴ』の情感あふれるプレイなど、聴きどころの多いアルバムだ。

 

Shirley Scott, organ
Stanley Turrentine, tenor sax
Bob Cranshaw, bass
Otis Finch, drums

・Recorded in 1964

Blue Flames

これもおすすめ
Blue Seven
アトランティック盤なら
Shirley Scott & the Soul Saxes

 
1. The Funky Fox
2. Hips Knees an' Legs
3. Five Spot After Dark
  4. Grand Street
5. Flamingo
ザ・サーモン

Jimmy Smith: The Sermon!

ジミー・スミスの代表作であるだけでなく、ジャムセッション物の代表的名盤でもある。参加ミュージシャンが豪華だ。右の一覧を見ていただきたい。曲ごとに顔ぶれがかわり、それぞれ6名、5名、4名という編成。3曲とも演奏時間が長く、タイトル曲は20分を超える。ソロも長い。これがジャムセッションの醍醐味だ。ライヴを聴いているような満足感が味わえる。アルバム・コンセプトなんてものがあるはずもなく、全員がのびのびプレイしている。
ジミーのエネルギッシュでソウルフルなオルガンが全体を引っ張る。鍵盤上を自在に駆けめぐる指のなめらかさ、イマジネーションのゆたかさ。さすがオルガン・キングである。ケニー・バレルのブルージーなギター、二十歳そこそこのリー・モーガンのフレッシュなソロ、そしてティナ・ブルックスのテナーがいい。
それはそうと、マスターの学生時代にこのアルバムを『鮭』と呼んではばからない友人がいた。なんと今でもそう信じている人がいるらしい。“Salmon”と“Sermon”のちがいくらい気がついてくれよ。

 

Jimmy Smith, organ
Lee Morgan, trumpet
Lou Donaldson, alto sax(1)
George Coleman, alto sax(2)
Tina Brooksk tenor sax(1)
Kenny Burrell, guitar(1, 3)
Eddie McFadden, guitar(2)
Art Blakey, drums(1, 3)
Donald Bailey, drums(2)

・Recorded in 1957 & 58

The Sermon!
ザ・サーモン

姉妹編は
House Party
ハウス・パーティ

 
1. The Sermon
2. J. O. S.
  3. Flamingo

ジミー・スミス「ザ・キャット」

Jimmy Smith: The Cat

ヴァーヴ時代の人気作『ザ・キャット』は「猫」と言えば通じるほどジャズファンの間では有名だった。ラロ・シフリンの編曲・指揮によるビッグバンドを相手に、ご機嫌なソロを聴かせてくれる。コンボもいいけど、ビッグバンドと組んだときのジミー・スミスは迫力がけた外れ。アレンジがいいとさらに迫力が増してくる。
曲名にある“Joy House”はアラン・ドロン主演映画『危険がいっぱい』のこと。シフリンが書いたものだ。もうひとつエルマー・バーンスタインの『大いなる野望』(4)も映画音楽。ほかは新旧のブルーズ。ジミーが得意とするレパートリー。
ジミーの演奏が素晴らしいのは言うまでもないが、ケニー・バレルがいい役どころを担っている。

 

Jimmy Smith, organ
with Lalo Schifrin Orchestra

・Recorded in 1964

Jimmy Smith: The Cat
ザ・キャット
ザ・キャット(紙ジャケット)

これは?
ミッション・インポッシブル2

 
1. Theme from 'Joy House'
2. The Cat (from 'Joy House')
3. Basin Street Blues
4. Main Title from 'The Carpetbaggers'
  5. Chicago Serenade
6. St. Louis Blues
7. Delon's Blues
8. Blues in the Night
ジミー・スミス Jimmy Smith: Organ Grinder Swing

ジミー・スミスのトリオ盤はいくつもあるが、これはケニー・バレル、グラディ・テイトと組んだもの。やっぱ名手と組んだものは出来映えがちがう。上記アルバム同様ヴァーヴ時代の人気盤のひとつで、ブルーズ感覚あふれるジミーとケニーの演奏が満喫できる。
キャッチーな“The Organ Grinder's Swing”につづく“Oh, No, Babe”の濃厚なブルーズ。ジミーのソロはブルーズ・シンガーのヴォーカルを聴いているような感じだ。ヶニーのなめらかなラインは都会的なブルーズといったところ。圧倒的テクニックを聴かせるのは“Blues for J”。民謡“Greensleeves”が一服の清涼剤かと思うと、これもソウルフルにぐいぐい迫る。グラディ・テイトのサポートもよく、6/8で豪快にスウィングする。
 

Jimmy Smith, organ
Kenny Burrell, guitar
Grady Tate, drums

・Recorded in 1965

Organ Grinder Swing
オルガン・グラインダー・スウィング

Root Down
Boss
Bashin'

 
1. The Organ Grinder's Swing
2. Oh, No, Babe
3. Blues for J
  4. Greensleeves
5. I'll Close My Eyes
6. Satin Doll

ジミー・スミス

Jimmy Smith: Got My Mojo Workin'/ Hoochie Coochie Man

ジミー・スミスの 2 in 1 アルバム。どっちのLPもブルーズの名曲をタイトルにしたもので、黒っぽさが前面に出ている。マディ・ウォーターズ(5)(9)、ジョン・リー・フッカー(12)などブルーズの代表曲、R&Bの(1)、ローリング・ストーンズの(2)など、曲がみんな黒い。レン・バリーのポップヒット『1-2-3』が例外的な気もするが、これも黒い仕上がりだ。
“Got My Mojo Workin'”のA面(1〜4)はクァルテット、B面(5〜8)はフィル・ウッズらを含むオクテットの演奏。“Hoocie Coochie Man”のほうはビッグバンドで、いずれもオリヴァー・ネルソンが編曲を担当している。
マディやストーンズの「真面目な」ファンが聴いたら怒りそうなデフォルメ。原曲のイメージはほとんどないのでそのつもりで。普通のカヴァーだと思うと見事に裏切られる。ヴォーカルをまじえながら豪快にグルーヴする迫力満点のジミー。ちょっとブッカー・Tを連想させるところもある。
ジャズ・オリジナルももちろんブルーズ。オリヴァー自作の『ブルーズの真実』もやっていて、これがまたかっこいい。編成が大きいのを活かしてアレンジを若干変えているのも興味深いところ。

 

Jimmy Smith, organ & vocals
Kenny Burrell, guitar
Ron Carter or Ben Tucker, bass
Grady Tate, drums
with Oliver Nelson Orchestra

・Recorded in 1965 & 66

Got My Mojo Workin'/Hoochie Coochie Man
ガット・マイ・モジョ・ワーキン

マディ・ウォーターズは
The Best Of Muddy Waters
ジョン・リー・フッカーは
Boom Boom

 
1. Hi-Heel Sneakers
2. Satisfaction [Master take]
3. 1-2-3
4. Mustard Greens
5. Got My Mojo Working
6. Johnny Come Lately
7. C Jam Blues
8. Hobson's Hop
  9. Hoochie Coochie Man
10. One Mint Julep
11. Ain't That Just Like a Woman
12. Boom Boom
13. Blues and the Abstract Truth
14. TNT
15. Satisfaction [Alternete take]
ジミー・スミス「ピーターと狼」

Jimmy Smith: Peter & the Wolf

知られざる傑作。プロコフィエフの青少年向け作品『ピーターと狼』をジャズ化したもので、主役はジミー・スミス(ジャケ写でオオカミの恰好してる!)。アレンジャーはオリヴァー・ネルソン。ジョー・ニューマン、フィル・ウッズ、リチャード・デイヴィスらを含む大きめのビッグバンドがバックをつとめる。
ネルソンのアレンジは原曲にこだわっておらず、要所要所はそれとわかるもののかなり自由。コードの読み替えもやっている。『ピーターと狼』の主題によるジャズ組曲という感じだ。ご機嫌なリフを入れたノリのいいパワフルアレンジでジミーをぐいぐいあおっていく。
ジミーも超絶技巧炸裂。「信じられない」ってのはこういうのを言うのだ。人間の指はこんなに速く動くものなのか。驚くのはテクニックばかりではない、汲めど尽きせぬイマジネーション。クリエイティヴなフレーズが次々とほとばしり出るスリル。とんでもないオルガニストである。
これはマスターがひそかにジミー・スミスの最高傑作と考えている一枚。なんだクラシックかと食わず嫌いを決め込んでいる人にこそ聴いていただきたい。

 

Jimmy Smith, organ
with Oliver Nelson Orchestra

・Recorded in 1966

Peter & the Wolf

こんなのもあります
Duke Ellington: Three Suites

 
1. The Bird/The Duck/The Cat/The Grandfather/
  The Wolf/The Hunter/Peter
2. Duck Theme/Jimmy And The Duck/Peter's Theme
  / Meal Time
  3. Elegy For A Duck
4. Cat in A Tree
5. Capture of the Wolf
6. Finale: Parade/Peter Plays Some Blues
ウェス・モンゴメリー

Jimmy Smith & Wes Montgomery: The Dynamic Duo

ジミー・スミスが〈ギターの神さま〉ウェス・モンゴメリーと組んだ当アルバムは、かれの代表盤中の代表盤である。斯界の最高峰同士の組み合わせ。二人のけた外れのテクニックが炸裂するとんでもない名盤。
3曲でバックをつとめるビッグバンドもすごい。クラーク・テリー、フィル・ウッズらを含む豪華メンバーである。ソロとらせてやれよ、なんてつい思ってしまう。オリヴァー・ネルソンのシンプルで豪快なアレンジが効果的で、ソリストを巧みに盛り立てている。(1)(2)の抜群のドライヴ感はさすが。ゲイリー・マクファーランドの(4)で聴かせる繊細なアレンジも美しい。
オリヴァーはこの翌年、ほとんど同じアレンジで(1)(2)をライヴ録音しているのでご参考までに。

 

Jimmy Smith, organ
Wes Montgomery, guitar
Grady Tate, drums
Ray Barretto, conga & bells
with Oliver Nelson Orchestra (1, 2 & 4)

・Recorded in 1966

Jimmy & Wes: The Dynamic Duo
ダイナミック・デュオ

オリヴァーのライヴは
ライヴ・フロム・ロサンジェルス

 
1. Down by the Riverside
2. Night Train (Happy-Go-Lucky Local)
3. James and Wes
  4. 13 (Death March)
5. Baby, It's Cold Outside
6. O. G. D. (aka Road Song)[Alternate Take]
ジミー・スミス

Further Adventures of Jimmy & Wes

上記アルバムと同日の録音。落ち穂拾いではないのに地味な印象があるのは、アップテンポの演奏が少ないからだろう。オケの伴奏も2曲(5)(7)しかない。
あえてお奨めはしないが、マスターは『ダイナミック・デュオ』よりこちらが好み。「どうダッ!」て感じがしないのがいい。“Maybe September”のようなじっくり耳を傾けて聴けるバラッドがあるし“Road Song”もこっちのほうが出来がいい。神ワザのオクターヴ奏法はたっぷり聴けるし、タコみたいに鍵盤にからみつく超絶技巧もちゃんと楽しめる。ジルベルトでおなじみの“Call Me”もチャーミングだ。

 

Jimmy Smith, organ
Wes Montgomery, guitar
Grady Tate, drums
Ray Barretto, conga & bells
with Oliver Nelson Orchestra (5 & 7)

・Recorded in 1966

Further Adventures
新たなる冒険

 
1. King of the Road
2. Maybe September
3. O. G. D. (aka Road Song)
4. Call Me
  5. Milestones
6. Mellow Mood
7. 'Round Midnight
クリスマス・クッキン

Jimmy Smith: Christmas Cookin'

ジミー・スミスのソウルフルなクリスマス・アルバム。ビッグバンドの5曲はアル・コーンもしくはビリー・バイアースのアレンジ。あと5曲はトリオだが、(9)(10)は別アルバムから採られている。ウェス・モンゴメリーと組んだ“The Dynamic Duo”とケニー・バレルとの“Organ Grinder Swing”である。
演奏はご想像のとおり。ん?それじゃわからんってかい?んん…、なんというかそのう、天気晴朗というか明朗会計というか、これを聴いて楽しくならなかったら診てもらったほうがいい、というくらいのご機嫌なアルバムでやんすよ。

 

Jimmy Smith, organ
Quentin Warren, guitar
Billy Hart, drums
or orchestra includes
Ernie Royal, Joe Newman, Jimmy Cleveland,
Art Davis, Kenny Burrell and others

・Recorded in 1964

Christmas Cookin'

 
1. God Rest Ye Merry Gentlemen
2. Jingle Bells
3. We Three Kings
4. The Christmas Song
5. White Christmas
  6. Santa Claus is Coming to Town
7. Silent Night
8. God Rest Ye Merry Gentlemen
9. Baby, It's Cold Outside
10. Greensleeves
 
  ORGAN [1] / 2 TRUMPET / TROMBONE / WOODWINDS / PIANO / GUITAR
VIBES / DRUMS / MISCELLANEOUS / BIG BAND / COMBO / VOCAL