ジャズCDレビュー
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PIANO

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11
TRUMPET / TROMBONE / WOODWINDS / GUITAR / ORGAN
VIBES / DRUMS / MISCELLANEOUS / BIG BAND / COMBO / VOCAL
 
ピート・ジョリー

The Pete Jolly Trio: Timeless
featuring Chuck Berghofer and Nick Ceroli

発掘ものの1969年ライヴ録音。ピート・ジョリーは1950年代から活動している西海岸を代表するピアニストで、ハードバップの流れを汲むテクニシャン。チャック・バーグホーファー、ニック・セロリを従えたトリオ編成だ。ドラマーはハーブ・アルパートのティファナ・ブラスのメンバーだったそうだ。ジョリーはアルパートの興したレーベル(A&M)に録音があるから、なにかつながりがあったのだろう。
演奏は快速の『マイルストーンズ』で始まる。よく採り上げられる曲だが、これほどエキサイティングなトリオ演奏は珍しいだろう。とにかく「かっこいい〜」のひと言。約12分にわたって充実したスリリングな演奏が展開される。
ほやほやの大ヒットだった『ヘイ・ジュード』をさっそく採り上げているのも当時のジョリーらしいところ。かれはこの頃、ポップでライトなアルバムを何枚も作っていたのだ。ただここでの演奏はポップでもライトでもない。プロデューサの意向なんてものがないからやりたいようにやれる。ぐいぐいスウィングしていくご機嫌な『ヘイ・ジュード』が聴ける。
面白いのは『星条旗よ永遠なれ』。珍品の部類かも知れないけど、行進曲がちゃんとジャズになっている!

 

Pete Jolly, piano
Chuck Berghofer, bass
Nick Ceroli, drums

・Recorded in 1969 (Live)

Pete Jolly: Timeless

同じレーベルから
The Red Chimney and Sherry's Bar

 
1. Milestones
2. Tea For Two
3. That Old Devil Moon
4. Don't Worry About Me
  5. Stars and Stripes Forever
6. I Should Care
7. Hey Jude
ピート・ジョリー

The Pete Jolly Trio: Yeah!

1932年の生まれだからピート・ジョリー63歳の時の録音。ベーシストのバーグホーファーは58歳。ドラマーのニック・マルティニスは64歳という高齢トリオだ。年齢相応に肩の力の抜けた、こなれた演奏を想像したが、なんのなんの、三人とも元気溌剌アグレッシブな演奏を聴かせてくれる。とくにジョリーは鬼のようなテクニックに微塵の衰えもなく、ぐいぐいドライヴしていく。4ビートの王道をゆくようなスウィング感だ。スローな曲で見せる若干ドライな情感も昔どおり。この人のバラッドは甘くならないのがいい。
おなじみのスタンダードのほかにホレス・シルヴァー(1)、ジョージ・ウォーリントン(2)、アル・コーン(4)、ズート・シムズ(8)、ショーティー・ロジャース(12)のオリジナルが採り上げられているのはかれらへのトリビュートなんだろうか。アルの(4)はタッチの美しさが冴えるスローバラッド。ズートの(8)ではベースソロ、ドラムスとのチェイスをまじえて軽快に飛ばす。
各曲平均5分半ほどの演奏時間。いずれもまとまりのよい仕上がりだがこぢんまりした印象はまったくない。若手のトリオもいいけど、たまには活きのいい大ベテランの演奏もいかが?

 

Pete Jolly, piano
Chuck Berghofer, bass
Nick Martinis, drums

・Recorded in 1995

Pete Jolly: Yeah!

 
1. Yeah!
2. Variations
3. The Man I Love
4. Ah-Moore
5. Lullaby of the Leaves
6. Crazeology
  7. Dream Dancing
8. The Red Door
9. Ill Wind
10. Never Never Land
11. Wonder Why
12. Diablo's Dance
ピート・ジョリー

Pete Jolly-Jan Lundgren Quartet: Collaboration

ピート・ジョリーとヤン・ラングレンのピアノ・デュオ。楽しい掛け合いが聴ける。ワンコーラス単位でソロを交替する曲が多いので少々めまぐるしいが、こういうやり方だとお互い相手の出方を意識するので、スリルのある演奏になりやすい。二人が左右のチャンネルに分かれているから聴いていて混乱することはない。
(1)はラヴェルの『亡き王女のためのパヴァーヌ』をベースにしたスタンダード。ただ演奏はかなり白熱しており、原曲のイメージはあまり感じられない。ベース、ドラムスのソロも入るかっこいいトラックだ。『ピート・ケリーズ・ブルーズ』(2)はピート・ジョリーにひっかけたシャレ。ペギー・リーが出ていた映画の主題曲だったと思う。(5)はジョリー、(9)はラングレンのソロで、リラックスした美しい演奏だ。
この二人、年齢はかなり違うと思うが、大ベテランのジョリーがまだまだ元気なのがうれしい。バリバリ弾きまくったりしっとりしたソロを聴かせたり、変幻自在。ラングレンがそれに触発されているように感じる。

 

Pete Jolly, piano (right channel)
Jan Lundgren, piano (left channel)
Chuck Berghofer, bass
Joe LaBarbera, drums

・Recorded in 2001

Collaboration

ヤン・ラングレンは
California Connection
ニューヨーク・コーリング
タッチ・オブ・ユー
シャレード

 
1. The lamp is low
2. Pete Kelly's blues
3. Sonny Speaks
4. You stepped out of a dream
5. But beautiful
6. Summer night
  7. Strollin'
8. Minority
9. Why did I choose you
10. I've never been in love before
11. When the sun comes out
12. Lover
ピート・ジョリー

The Pete Jolly trio: When Lights Are Low

キュートなお姉さんが微笑んでいるからソフトなジャズだと思ったら大ハズレ。いちおうバラッドもやっているけどドライなタッチだし、アップテンポの曲はバリバリ。かの女と甘いひとときを、なんていう用途(?)にはちょっと…。
ピート・ジョリー1950年代の、たしか唯一のトリオ盤。スタジオミュージシャンとして多忙な一方で多くのジャズアルバムに参加し、重宝されていた時代のものだ。技術的には申し分なく、軽快なスウィング感覚も抜群。ただ器用なだけのピアニストなら西海岸にはいくらもいたが、ジョリーはリーダーとしてもやれるだけの個性をもったミュージシャンだった。ゆたかなイマジネーションと優れたテクニックで音楽をぐいぐい盛り上げていくそのスリル。そしてお洒落でドライな雰囲気を産み出すハーモニー感覚。ジャケ写とはうらはらにウキウキするような即興演奏の楽しみを味わうことができる。

 

Pete Jolly, piano
Bob Bertaux, bass
Bob Neal, drums

・Recorded in 1956

When Lights Are Low
ホエン・ライツ・アー・ロウ
紙ジャケでも
ホエン・ライツ・アー・ロウ(紙)

この時代のジョリー
ジョリー・ジャンプス・イン
デュオ・トリオ・カルテット
ザ・ファイヴ

 
1. Skating
2. Ah-Moore
3. When Lights Are Low
4. Groovin' with Gus
5. Unconcerned
6. Whistle While You Work
  7. Broadway
8. My Old Flame
9. Jordu
10. That Old Feeling
11. Five Brothers
12. Thou Swell
ジョージ・シアリング

George Shearing: The Shearing Piano

ジョージ・シアリングのソロアルバム。かつてフランソワ・グロリューがビートルズの曲をクラシック風にアレンジしたものがヒットしたことがある。このシアリング盤も同様の趣向。ジャズ・スタンダードや映画主題歌を素材に、バッハ風、ラフマニノフ風、プーランク風、サティ風など、さまざまに料理してみせる。シアリングのクラシックの知識、素養が並々ならぬものであることがうかがえる。
単に誰それ風というばかりでもない。イントロにディーリアスのモティーフがまるまる使われていたり、ドビュッシーの『夢』(20)がラヴェルと合体していたり、発想の宝庫といった感じ。エロール・ガーナーやアート・テイタムを思わせるアプローチを見せる曲もあるので、全部がクラシック風ということもない。未発表テイクを入れて曲数が倍になったので通して聴くのはしんどいが、なかなかお洒落なアルバムだ。

 

George Shearing, solo piano

・Recorded in 1956 & 57

The Shearing Piano

ジョージ・シアリングの代名詞
バードランドの子守歌
グロリューのビートルズ
決定盤ビートルズを弾く

 
1. Stella by Starlight
2. On the Street Where You Live
3. Guilty
4. Friendly Persuasion
5. For Every Man There's a Woman
6. It Might as Well Be Spring
7. High on a Windy Hill
8. If
9. Tune for Humming
10. Sigh No More
  11. My Funny Valentine
12. In the Still of the Night
13. So Would I
14. Tenderly
15. Can't We Be Friends?
16. It Never Entered My Mind
17. Memories of You
18. Don't Explain
19. Homesick, That's All
20. Reverie
ダブルプレイ

Double Play!: Andre Previn & Russ Freeman

アルバムタイトルとジャケ写から想像がつくように野球ネタの曲ばかりを集めたアルバム。もちろんダブル・ピアノとダブルプレイをかけたシャレ。(1)が有名曲であるほかはほとんどオリジナル。『1塁にいるのは誰?』とか『降雨のためコールドゲーム』とか、面白いタイトルの曲が並ぶ。さいごの曲はガーシュウィンの“Strike Up the Band”のもじりだ。
ベースなしでシェリー・マンのドラムスだけをしたがえた変則トリオ。アンドレ・プレヴィンの手数(てかず)が多いピアノとラス・フリーマンのブルージーなピアノとの掛け合いが楽しい。お互い触発されあってイマジネーションゆたかな演奏を繰り広げる。アップテンポの曲の疾走ぶりもすごいが、スローナンバーも味わいがある。ブルーズ(4)の演奏はとくにお奨めだ。控えめにサポートするシェリー・マンも、よく聴くと驚くほどのテクニックを披露している。ブラシワークのセンスのよさはさすが名手と思わせる。

 

Andre Previn, Russ Freeman, pianos
Shelly Manne, drums

・Recorded in 1957

Double Play!

 
1. Take Me Out to the Ball Game
2. Who's on First?
3. Called on Account of Rain
4. In the Cellar Blues
5. Batter Up
  6. Double Play
7. Safe at Home
8. Fungo
9. Strike Out the Band
アンドレ・プレヴィン

Andre Previn's Trio Jazz: King Size!

これが昔LPだったんですよ、皆さん。迫力あったよな〜。上のアルバムのお姉さんジャケットも今の三倍くらいあったわけで、さすがに飾るのが恥ずかしかったっけ。カーティス・カウンスのセクシー女医さんとか…。
さて、内容は百獣の王のイラストと“King Size”っちゅうタイトルにいつわりのない堂々たるトリオ。プレヴィンはこの録音より先にシェリー・マンのトリオで名演を聴かせていたが、かれのすごさはこっちの方がキングサイズで味わえる。雄弁な左手の繰り出すゴリゴリした低音、巧みなコードチェンジを活かして駆け回る右手の意表をつくフレージング。まさに自由自在なのだ。バラッドでも甘ったるいアプローチはない。知的なコントロールでドライな叙情を展開する。ピート・ジョリー、ルー・レヴィなどに通じるところがあるが、ブルーズのうまさはラス・フリーマンなみ。

 

Andre Previn, piano
Red Mitchell, bass
Frankie Capp, drums

・Recorded in 1958

King Size!
キングサイズ

Like Previn!

 
1. I'll Remember April
2. Much Too Late
3. You'd Be So Nice to Come Home to
  4. It Could Happen to You
5. Low and Inside
6. I'm Beginning to See the Light
ウェストサイドストーリー

Andre Previn & His Pals: West Side Story

ベン・シャーンの絵がいかにもアメリカって雰囲気を出している。バーンスタインの『ウェスト・サイド・ストーリー』も『ロメオとジュリエット』を下敷きにしたいかにもアメリカっていうミュージカルだった。
アンドレ・プレヴィンはこれより先、シェリー・マンと組んで『マイ・フェア・レディ』の大ヒットを飛ばしていた。これも同趣向のアルバムなのだが、少しばかり通好みに仕上がっている。上記『キングサイズ』と同じアプローチと思っていただければよい。おなじみの旋律が次々と現れるかと思うとさにあらず。自由なデフォルメが施されているので、あれ、これ何の曲だっけと思うものがある。仕上がりもドライでかっこいい。

 

Andre Previn, piano
Red Mitchell, bass
Shelly Manne, drums

・Recorded in 1959

Andre Previn: West Side Story

同趣向のアルバム
My Fair Lady
Pal Joey
Gigi

 
1. Something's Coming
2. Jet Song
3. Tonight
4. I Feel Pretty
  5. Gee, Officer Krupke!
6. Cool
7. Maria
8. America
アンドレ・プレヴィン

Andre Previn Plays Songs by Vernon Duke

こうしてみるとヴァーノン・デュークはスタンダードの宝庫みたいな作曲家だ。『ニューヨークの秋』『恋のチャンスを』『言い出しかねて』『パリの四月』…。アンドレ・プレヴィンがそれらの名曲をソロピアノでつづっていく美しいアルバム。
しかしただムーディなだけで終わらないのがプレヴィン。リズムを自由に動かして振幅の大きい音楽を産み出す。バラッドが途中からダブルタイムになり、ピーターソンなみの超絶技巧で聴き手を圧倒する。原曲のイメージから大きく離れてしまう演奏も少なくない。和声進行もオリジナルなものが用いられ、ソロだけ聴いていると何の曲だかわからないものもある。鍵盤上を自由自在に飛びまわる右手、それをがっちり支えつづける力強い左手。恐るべきピアノ弾きだ。

 

Andre Previn, piano

・Recorded in 1958

Plays Vernon Duke

Plays Jerome Kern
Plays Fats Waller

 
1. Cabin in the Sky
2. Autumn in New York
3. The Love I Long For
4. Ages Ago
5. Taking a Chance on Love
  6. What is There to Say?
7. I Can't Get Started
8. I Like the Likes of You
9. Round About
10. April in Paris
ハロルド・アーレン

Andre Previn Plays Harold Arlen

上記と同じソロピアノで、こちらはハロルド・アーレンのソングブック。“That Old Black Magic”の圧倒的演奏でいきなりノックアウトされる。軽快なはずの“Come Rain or Come Shine”は意表をついて音数の少ないバラッドだ。ただ元旋律はデフォルメされている。こんな調子でアーレンの美しい旋律が次々と料理されていく。
ビル・エヴァンスの名演がある“A Sleepin' Bee”もバラッド演奏。斬新な和声が加わって面白い効果を挙げている。超人気曲“Over the Rainbow”も同様にユニーク。美しいが甘さがないのだ。リハーモナイズのお手本を示されている感じ。
スタンダードばかりとはいえ、ビギナーが楽しむには難しいかも知れない。ジャズがある程度わかってくると、プレヴィンの知的なアプローチがいかに面白いか実感できるだろう。

 

Andre Previn, piano

・Recorded in 1960

Plays Harold Arlen

エヴァンスは
At the Montreux Jazz Festival

 
1. That Old Black Magic
2. Come Rain or Come Shine
3. My Shining Hour
4. Happiness is a Thing Called Joe
5. A Sleepin' Bee
  6. Stormy Weather
7. Over the Rainbow
8. Let's Fall in Love
9. For Every Man There's a Woman
10. Cocoanut Sweet
 
  PIANO 1 / 2 / 3 / 4 / [5] / 6 / 7 / 8 / 9 / 10
11
TRUMPET / TROMBONE / WOODWINDS / GUITAR / ORGAN
VIBES / DRUMS / MISCELLANEOUS / BIG BAND / COMBO / VOCAL