ジャズCDレビュー
ジャス・ピアノ   アドマックス「カフェ・マキシマム」  
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PIANO

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TRUMPET / TROMBONE / WOODWINDS / GUITAR / ORGAN
VIBES / DRUMS / MISCELLANEOUS / BIG BAND / COMBO / VOCAL
 
キューン/マクファーランド

Steve Kuhn/ Gary McFarland: The October Suite

ゲイリー・マクファーランドは1963年、ヴァーヴ・レーベルにビル・エヴァンスを迎えて同様のアルバムを作っていた。今回はスティーヴ・キューンがソロイストに選ばれている。今回もすべてマクファーランドのオリジナル。ヴァイオリン2本、ヴィオラ、チェロにロン・カーター、マーティ・モレルという編成で3曲、木管4本にハープ、同じベースとドラムスというのが3曲。マクファーランドは演奏に参加していない。初出の1967年、ダウンビート誌で5つ星を獲得したアルバム。
サウンドは前回よりクラシカルになっている。といってもソロイストへの制約はほとんどなくなっており、がっちり書き込まれたものではない。キューンのリリカルなピアノが自在に静かな歌を繰りひろげ、ときおりアヴァンギャルドな打鍵をまじえてくる。精妙な和声は印象派以降の西洋音楽を思わせる。不協和音をいとわないアレンジが斬新。ただ耳障りなところはなく、非常にお洒落な仕上がりだ。知的なジャズにシンパシーがある方はまちがいなく楽しめると思う。

 

Steve Kuhn, piano
Ron Carter, bass
Marty Morell, drums
with strings or woodwinds
Gary McFarland, arrangements

・Recorded in 1966

The October Suite

スティーヴ・キューンは
Mostly Ballads
忍びよる恋
バット・ビューティフル

 
1. One I Could Have Loved (Theme from 13)
2. St. Tropez Shuffle
3. Remember When
  4. Traffic Patterns
5. Childhood Dreams
6. Open Highway
ロジャー・キャラウェイ

The Roger Kellaway Trio

ロジャー・ケラウェイ26歳時のトリオ録音。ベン・ウェブスター、オリヴァー・ネルソンやクラーク・テリー/ボブ・ブルックマイヤーらと共演して個性的な若手ピアニストとして注目を集めていた時期のもの。
“Brats”でプリペアード・ピアノを導入し、ジャズファンをあっといわせたアルバムだった。それまで現代音楽固有の楽器と思われていたからだ。難解な音楽ではない。時代相応のポスト・バップ・スタイルと思っていただければいい。ビル・エヴァンスやスティーヴ・キューンがお好きなら抵抗なく楽しめるだろう。かれらより和声が少々大胆でフリージャズの感覚がまじるのが特徴といえる。
奥さんが書いたという“Organ Morgan”はキャッチーでロックっぽい作品。自作の“Sigma: O.N.”はモダンな風貌のブルーズ・ワルツ。ドライなアプローチが新鮮でなめらかに鍵盤上を駆けめぐる指の動きに感心させられる。ビートルズの“I'll Follow the Sun”で聴かせる繊細なタッチも聴きものだ。

 

Roger Kellaway, piano
Russell George, bass
Dave Bailey, drums

・Recorded in 1965

The Roger Kellaway Trio

ロジャー・ケラウェイのアルバム
Roger Kellaway Meets The Duo
Roger Kellaway Cello Quartet
クレオパトラの夢
雨に唄えば

 
1. Organ Morgan
2. One Night Stand
3. I'll Follow the Sun
4. Brats
5. Can't You See It
  6. Sweet and Lovely
7. Sigma: O.N.
8. Ballad of the Sad Young Men
9. No More
10. The Fall of Love
ドン・フリードマン

Don Friedman Trio: Circle Waltz

ドン・フリードマンがビル・エヴァンスに似ているというのは、もはや言い古された感がある。手法の上でエヴァンスの影響を受けたピアニストは何人も(何十人もか)いるわけで、持って生まれた感覚の違いで、似て聴こえたり聴こえなかったりするだけのこと。でも似ているという理由で『サークル・ワルツ』がよく売れたのは間違いのないところだろう。ベーシストが同じだし、アルバムづくりのコンセプトも似ているからだ。ピアノだけが主役という旧来のトリオではなく、ベースがピアノと対等にわたりあうスタイルはエヴァンス・トリオと共通する。
タイトル曲がワルツというのも“Waltz for Debby”を思わせる。この曲の美しさに魅せられたファンは少なくない。ほかの自作曲もスタンダードも美しく、人気のほどが納得できるというもの。美しいのは曲だけではない。繊細なタッチが冴えるソロも美しい。モードの自由さゆえか、フレッシュな演奏が30年以上経った今でも聴き手を新鮮な感動に誘う。
最大の聴きものは唯一のソロトラック“So in Love ”。ここで聴かれるダイナミズムはフリードマンとエヴァンスの個性の違いを際立たせている。

 

Don Friedman, piano
Chuck Israels, bass
Pete LaRoca, drums

・Recorded in 1962

Don Friedman Trio: Circle Waltz
サークル・ワルツ

前年の初リーダー作
A Day in the City
同時期のトリオ盤
Flashback
フラッシュバック
最近の録音は
Waltz for Debby
My Favorite Things

 
1. Circle Waltz
2. Sea's Breeze
3. I Hear a Rhapsody
4. In Your Own Sweet Way
  5. Loves Parting
6. So in Love
7. Modes Pivoting
ドン・フリードマン

Don Friedman: Metamorphosis

ハンガリー出身の個性的ギタリスト、アッティラ・ゾラーと組んだドン・フリードマン1966年の録音。リーダー作としては5作目にあたる。
最初の“Walkin' Up”はコルトレーンの“My Favorite Things”を連想させるリズミカルなオリジナル。フリードマンの美しく繊細なタッチは上記『サークル・ワルツ』の流れを汲むものだ。しかし“Spring Signs”になると典型的モードの展開からフリーになだれ込んでいき、リチャード・デイヴィス、ジョー・チェンバース(二人ともフリー経験者)のスリリングなソロが導かれる。ジミー・ジュフリの“Drive”は迫力ある集合即興演奏だ。ここまでくるとフリードマンに対する「エヴァンス派」という評価に疑問符がついてくる。
(4)から(6)はゾラーのオリジナル。12音を用いたり先進の技法で面白い曲作り。演奏はハンガリー生まれとはいってもジプシー(ロマ)色を強調していないので、ガボール・サボのようなテイストはない。ヨーロッパふうジミー・レイニーといったところ。爽快なシングルトーン中心のアドリブが聴かれる。
リチャード・デイヴィスの参加がアルバムの面白さを倍加している。出しゃばってはいないが何をやってくるかわからないところがある。

 

Don Friedman, piano
Attila Zoller, guitar
Richard Davis, bass
Joe Chambers, drums

・Recorded in 1966

Don Friedman: Metamorphosis

ゾラーとの共演はほかに
Dreams & Explorations
ゾラーのアルバム
Gypsy Cry

 
1. Wakin' Up
2. Spring Signs
3. Drive
  4. Extension
5. Troubadours Groovedour
6. Dream Bells
アンドリュー・ヒル

Andrew Hill: Point of Departure

全作品がオリジナル。メンバーはケニー・ドーハム、エリック・ドルフィ、ジョー・ヘンダーソン、リチャード・デイヴィス、トニー・ウィリアムスという素晴らしい顔ぶれ。アンドリュー・ヒル、文字どおりの意欲作だ。
ヒルの曲作りのうまさと個性的なピアノが満喫できる。これを聴いていると、モード時代のセロニアス・モンク、などという表現が思い浮かぶ。間を活かした寡黙なピアノが非凡な音世界を創り出し、魔法にかけられたような不思議な感覚にとらわれる。ソロのときはモンクみたいだが、伴奏にまわっているときの機械的なリフレインはサティを連想させる。意識していたのかも知れない。
ドーハムとヘンダーソンのアグレッシヴなソロにはわくわくさせられる。とくにドーハムはブリリアントで、“Quiet Kenny”しか知らない人は驚くだろう。しかし、やはりドルフィが群を抜いている。アトーナルなアプローチが生み出すスリルと高揚感は何ものにも代え難い。デイヴィスのベースワークもユニークで面白い。アイディアはいいがちょっと考えすぎか。トニーの天才ぶりもこのアルバムの聴きどころのひとつ。言ってみれば対位法的なアプローチで、伴奏の範疇から大きく逸脱した刺激的な演奏だ。1964年という時点で、すでに後年の大ブレイクを予感させる。

 

Kenny Dorham, trumpet
Eric Dolphy, alto sax, flute & bass clarinet
Joe Henderson, tenor sax
Andrew Hill, piano
Richard Davis, bass
Anthony Williams, drums

・Recorded in 1964
Blue Note Records
CDP 7 84167 2

Point of Departure
ポイント・オヴ・ディパーチャー

Judgment!
ジャッジメント
Grass Roots
Dance with Death
Strange Serenade

 
1. Refuge
2. New Monastery
3. Spectrum
4. Flight 19
  5. Flight 19 [Alt. take]
6. Dedication
7. Dedication [Alt. take]
セシル・テイラー

Cecil Taylor: Unit Structures

フリージャズというと、一般にはどういうイメージで捉えられているのだろう。少なくともこのアルバムには、よく書き込まれた曲が収められている。よく計画されているというべきか、強固な額縁があり、各人はその枠の中でソロを展開している。何もかも自由なのではなく、かなりの部分が「作曲」されているのだ。
セシル・テイラーのピアノは「打楽器的奏法」といわれるもので、1960年頃の西欧現代音楽の手法の導入。じっさいかれのピアノはリゲティやシュトックハウゼンを思い起こさせる。この時代、ジャズと現代音楽との相互影響ははなはだ大きいものがあり、ジャズ・ミュージシャンとのコラボレーションを試みる作曲家が何人もいた。
そういうわけで、現代音楽に抵抗のない人には楽しめると思うが、根っからのジャズファンの中には聴いていてきゅうくつな感じを受ける人もありそうだ。「書かれた」部分が多すぎると感じられるかも知れない。
オーボエ、バス・クラリネットの参加(ケン・マッキンタイア大活躍)でサウンド的にもユニーク。テクニックも半端じゃない。アルコ(弓弾き)のベースが高音で走るのもスリルがある。テイラーのピアノもむやみに叩きまくることはなく、創造的なフレーズを連発して音の抽象画を描き出していく。ジャズのジャクソン・ポロック!

 

Eddie Gale Stevens, Jr., trumpet
Jimmy Lyons, alto sax
Ken McIntyre, alto sax, oboe & bass clarinet
Cecil Taylor, piano & bells
Henry Grimes, Alan Silva, bass
Andrew Cyrille, drums

・Recorded in 1966

Cecil Taylor: Unit Structures
ユニット・ストラクチャーズ

ほかに代表的なところは
Conquistador
コンキスタドール
初期のセシル・テイラー
Looking Ahead

 
1. Steps
2. Enter, Evening (Soft Line Structure)
3. Enter, Evening [Alternate take]
  4. Unit Structure/As of a Now/Section
5. Tales (8 Whisps)
リアル・マッコイ

McCoy Tyner: The Real McCoy

マッコイ・タイナー1967年の当アルバムは意味深長なタイトルを持っている。『リアル・マッコイ』というのは「紛れもない本人」をあらわす慣用句だからだ。洒落といえば洒落なのだが、コルトレーンのもとを離れたマッコイがありのままの自分をさらけ出したらこうなりましたと言っているように受け取れる。たしかに脱退以前とはちがうし、同じリーダー作でもインパルス時代のものとはちがう。呪術的とも言える暗さがなくなり、軽さと多彩さが感じられるのだ。モーダルなアプローチとリズム面での複雑さはコルトレーン・クァルテットの流れそのまま。しかしここには突き抜けたような明るさがある。
黄金期にあったジョー・ヘンダーソンの参加も大きな要因だろう。かれのモードはコルトレーンとはちがうし、ソノリティも異なる。パワフルだがその飛翔は軽やかである。

 

Joe Henderson, tenor sax
McCoy Tyner, piano
Ron Carter, bass
Elvin Jones, drums

・Recorded in 1967
Blue Note Records
7243 4 97807 2 9

McCoy Tyner: The Real McCoy
ザ・リアル・マッコイ

バラッドとブルーズの夜
インフィニティ

 
1. Passion Dance
2. Contemplation
3. Four by Five
  4. Search for Peace
5. Blues on the Corner

McCoy Tyner: Time for Tyner

マッコイ・タイナーとボビー・ハッチャーソンの共演盤。LPはA面がマッコイのオリジナル、B面がスタンダードという構成になっていた。上記『リアル・マッコイ』と較べたら知名度が低いが、ベーシストとドラマーの格の違いが理由かもしれない。しかし軽量リズムセクションならではの心地よさがあり、マスターはこっちを聴くほうがはるかに多い。
マッコイのピアノはコルトレーン・クァルテット時代に戻ったような、自分のしっぽを追いかけて同じところをぐるぐる回る犬みたいなスタイル。それはオリジナルでもスタンダードでも変わらない。こういう沈潜していくところがマッコイの魅力なのだが、人はこのスタイルを「恐怖のワンパターン」と呼ぶ。
ハッチャーソンはこの頃チック・コリアと“Total Eclipse”を録音していた。芸の幅が広がってもっとも活き活きしていた時期。かれは1970年くらいからちょっと生彩がなくなっていくので、最後の輝きだったのかも知れない。

 

Bobby Hutcherson, vibes
McCoy Tyner, piano
Herbie Lewis, bass
Freddie Waits, drums

・Recorded in 1968
Blue Note Records
7243 5 63840 2 6

McCoy Tyner: Time for Tyner
タイム・フォー・タイナー

 
1. African Village
2. Little Madimba
3. May Street
  4. I Didn't Know What Time It Was
5. The Surrey with the Fringe on Top
6. I've Grown Accustomed to Her Face
 
  PIANO 1 / 2 / 3 / 4 / 5 / [6] / 7 / 8 / 9 / 10
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TRUMPET / TROMBONE / WOODWINDS / GUITAR / ORGAN
VIBES / DRUMS / MISCELLANEOUS / BIG BAND / COMBO / VOCAL