ジャズCDレビュー
ジャス・ピアノ   アドマックス「カフェ・マキシマム」  
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PIANO

1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 / [7] / 8 / 9 / 10
11
TRUMPET / TROMBONE / WOODWINDS / GUITAR / ORGAN
VIBES / DRUMS / MISCELLANEOUS / BIG BAND / COMBO / VOCAL
 
ジャッキー・バイアード Jaki Byard: Here's Jaki

鬼才ジャキ・バイアード(1922-99)のプレスティッジ初アルバム。つき合っているのはロイ・ヘインズ、ロン・カーターの二人。すでにエリック・ドルフィの傑作アルバム“Outward Bound”で個性的な演奏を聴かせてタダ者ではないことを示していたのだが、このアルバムで聴く限り、はちゃめちゃな迫力はそれほどでもない。
スペイン語タイトルの(1)は名前どおりラテンタッチで5/4拍子のオリジナル。不思議なハーモニーの曲でロン・カーターが難しいラインをやらされる。リズミカルな(3)はエロール・ガーナーへのトリビュート。ガーナーを模倣してみせるが、似てない。
10分近い“Porgy & Bess”のメドレー(5)が美しい。深々とした抒情的なバラッド。中間部に軽快にスウィングする“It Ain't Necessarily So”を置くという面白い構成だ。カーター、ヘインズのサポートも素晴らしい。

 

Jaki Byard, piano
Ron Carter, bass
Roy Haynes, drums

・Recorded in 1961

Jaki Byard: Here's Jaki
ヒアズ・ジャキ

Candidへの録音
Blues for Smoke
ブルーズ・フォー・スモーク

 
1. Cinco y Quatro
2. Mellow Septet
3. Garnerin' a Bit
4. Giant Steps
  5. Bess, You is My Woman/
  It Ain't Necessarily So
6. To My Wife
7. D.D.L.J.
ジャッキー・バイアード

Jaki Byard: Hi-Fly

ジャキ・バイアードが広く注目を集めるようになったのはこのアルバムからだった。前項“Here's Jaki”よりまとまりがよく、聴きやすい仕上がりになっている。バイアードはこの時40歳になっていたので、いかにも遅咲きの印象がある。
かれはここでも視野の広さを示し、ジェイムス・P・ジョンソンの“Yamecraw”(「ニグロ狂詩曲」)を採り上げている。1928年に発表された組曲で、当時としては画期的な大作だったもの。興味のある方はジャズ史をひもといてみていただきたい。
自作(5)は抒情的部分と疾走する部分が交錯する変化のある構成。並はずれたテクニックが発揮された聴き応え満点の演奏。(6)(7)(9)の有名曲もバイアードの感性のなせるわざか、だれにも似ていない仕上がりで面白い。
ロン・カーターがアルコでソロをとっている(8)のが珍しい。ピート・ラロカの起用も成功。かれの積極性はアルバムに多彩さをもたらしている。

 

Jaki Byard, piano
Ron Carter, bass
Pete LaRoca, drums

・Recorded in 1962

Jaki Byard: Hi-Fly
ハイ・フライ

ジェイムス・P・ジョンソンは
James P. Johnson 1944 - 1945
The Original James P. Johnson

 
1. Hi-Fly
2. Tillie Butterball
3. Excerpts from "Yamecraw"
4. There Are Many Worlds
  5. Here to Hear
6. Lullaby of Birdland
7. 'Round Midnight
8. Blues in the Closet
ジャッキー・バイアード Jaki Byard: Out Front!

ジャキ・バイアードのアルバム中いちばん落ち着いて聴ける一枚。いちばん美しいアルバムといってもいいかも知れない。意外性こそバイアードの持ち味と思っている人には別人みたいに感じられると思う。アルバム全体のトーンがシックにまとめられ、らしくないけど素晴らしい仕上がりだ。テクニックの出し惜しみはしていないのだが、ちっともうるさくない。
リチャード・ウィリアムスとブッカー・アーヴィンが2曲に参加。アルバム中最長の曲“European Episode”で聴かせる情感のこもったソロがいい。この曲は構成が凝っていて、12分もあるが単純なブロウイング・セッションにはなっていない。テンポや雰囲気が変化するのだ。バイアードのピアノも大胆になったり繊細になったり、多彩なところを聴かせる。

“When Sunny Gets Blue”は上記“Here's Jaki”と同日のセッションで、バイアードがアルトを吹いている。かれのプロデビューはサックス奏者としてだったそうだ。意外にうまいが、わざわざ入れてくれなくてもよかったのにという程度のもの。ボーナストラックの(7)(8)は未発表だったもので、ホーンが入った普通のセッション。アレンジがご機嫌で、バイアードが快調なソロを展開。(8)ではアーヴィンの楽しげなソロ、ウィリアムスのブリリアントなソロが聴ける。こっちは入れてくれてよかった。

 

Jaki Byard, piano & alto sax (6)
Richard Williams, trumpet (3,4)
Booker Ervin, tenor sax (3,4)
Bob Cranshaw or Ron Carter (6), bass
Walter Perkins or Roy Haynes (6), drums

・Recorded in 1961 (6) & 64

Jaki Byard: Out Front!

ブッカー・アーヴィンとの共演
ザ・トランス
ザ・フリーダム・ブック
ヘヴィー!!!

 
1. Out Front
2. Two Different Worlds
3. Searchlight
4. European Episode
  5. Lush Life
6. When Sunny Gets Blue
7. I Like to Lead When I Dance
8. After the Lights Go Down Low
ジャッキー・バイアード

Jaki Byard Quartet Live!

ジャキ・バイアードとジョー・ファレルのクァルテット1965年のライヴ。4月15日、クラブ「レニーズ」での録音。4曲ずつVol.1/ Vol.2の二枚のLPで出ていたものだ。Vol.2に入っていたバラッド・メドレーは次項のCDに収められている。
ここまで紹介してきた中でもっともバイアードらしい演奏が聴かれる。すなわち多彩で奔放、意外性のかたまり。テクニックもけた外れだが、いったいどういうアタマをしているとこういうフレーズが出てくるのだろう。ソロのときもすごいがファレルのバックをつけているときもおそろしいテクニックで音の海を叩き出す。
ファレルは私見によれば、よかったのは10年足らず。エルヴィンのトリオやこのクァルテットで活動していた時期だ。コルトレーンの奏法をみずからのものとして、エネルギッシュなスタイルを確立していた。(1986年49歳で死去)
アラン・ドウソンがヴァイブを聴かせるのも楽しい。のちに“With Strings”でも名手ぶりを示すが、このうまさ、余技ではない。ちなみに交替でドラムスを叩いているのはファレル。器用な奴だ。
人名のついた2曲“Denise”と“Cathy”はバラッド。前者ではジョージ・タッカーのソロがたっぷりフィーチャーされている。

 

Jaki Byard, piano
Joe Farrell, tenor & soprano sax, flute
George Tucker, bass
Alan Dawson, drums & vibes

・Recorded in 1965 (Live)

Jaki Byard Quartet Live!

 
1. Twelve
2. Denise
3. Thing What Is
4. Broadway
  5. Alan's Got Rhythm
6. Cathy
7. Bass-Ment Blues
ジャッキー・バイアード

The Jaki Byard Quartet with Joe Farrell
The Last from Lennie's

上記“Live!”がCD化されたとき割愛されていた(6)以外はすべて未発表テイク。演奏は既発表テイクに劣らない出来映えで、このリリースは大歓迎だ。
バイアードの奔放で多彩なピアノがたっぷり楽しめるのはもちろん、ファレルのソロもひらめきに満ちて素晴らしい。二人とも熱気は十分あるが、コントロールが効いているため、決してはちゃめちゃにはなっていない。充実した名演。
アラン・ドウソンの熱い演奏も聴きものだ。スタジオ録音では分かりにくいテクニシャンぶりがよく出ているし、センスのよさも光る。普段は保守的なイメージのあるタッカーのベースも、ここでは見事にはまっていて違和感なし。ソロもクリアにとらえられており、なかなか聴き応えがある。

◎クラブ「レニーズ」での録音はもう一曲“Spanish Tinge”があり、それはアルバム“On the Spot!”に入っている。

 

Jaki Byard, piano
Joe Farrell, tenor & soprano sax, flute
George Tucker, bass
Alan Dawson, drums & vibes

・Recorded in 1965 (Live)

The Last from Lennie's

ジョー・ファレルは
アウト・バック
Moon Germs
リターン・トゥ・フォーエヴァー

 
1. Twelve [Alternate Take]
2. Dolphy #1
3. After You've Gone/ Strolling Along
4. St. Mark's Place Among the Sewers
5. Dolphy #2
  6. Jaki Byard's Ballad Medley:
  Tea for Two/ Lover/ Strolling Along/
  Cherokee/ Shiny Stockings
7. King David
リチャード・デイヴィス

Jaki Byard: Freedom Together!

フリージャズ最盛期に録音されたジャキ・バイアードのプレスティッジ第5作。基本はトリオだが、右記のように各人がさまざまな楽器をあやつり、アート・アンサンブル・オヴ・シカゴみたいに色んな音がきこえてくる。ただAECほどアヴァンギャルドしてるわけではなく、少人数でどれだけ多彩なことができるか試したような感じもある。バイアードは(3)と(5)でテナーサックスを吹き、レスター・ヤングへの敬愛を表明する。バイアードがサックス奏者としてプロの道を歩み始めた頃、プレスは大きな影響力を持ったテナーマンだった。奏法が似ているし、気持はわからないでもないが演奏はぱっとしない。
バイアードに注目せずに聴いたほうが、このアルバムは楽しめる。リチャード・デイヴィスとアラン・ドウソンが大活躍するのだ。チェロとベースを使い分けるデイヴィスはとくにすごい。ヨーデルしないレオン・トーマスみたいなジュニア・パーカーも悪くない。

 

Jaki Byard, piano, celeste, electric piano,
 vibes, tenor sax & drums
Richard Davis, bass & cello
Alan Dawson, drums, tympani & vibes
Junior Parker, vocals (2,6) & lagerphone

・Recorded in 1966

Freedom Together!

 
1. Freedom Together
2. Getting to Know You
3. Ode to Prez
4. Nocturne for Contrabass
  5. Just You, Just Me
6. Night Leaves
7. Young at Heart
ジミー・オーエンス

Jaki Byard: On the Spot!

ジミー・オウエンスを迎えたクァルテットによるかっこいいアルバム。つき合っているのはポール・チェンバースとビリー・ヒギンス。さっそうと駆け抜けるご機嫌な演奏が多い。
まっとうなメインストリームなので、とくにバイアードのファンでなくても楽しめるだろう。オウエンスの輝かしいソロ、チェンバースの渋いソロは聴き応えあり。バイアードものびのび個性を発揮。「ジャズピアノの百科事典」と呼ばれるだけのことはある多彩なスタイルが聴かれる。
例によって古〜い“Alexander's Ragtime Band”が採り上げられている。演奏は悪かないのだが、曲調がこれだけちがう。こういうことするから統一感がなくなるんだよなー。

◎(4)のみ別セッションで“Quartet Live!”と同日録音。特徴的なリズムをもつラテンタッチの面白い作品。

 

Jaki Byard, piano & alto sax
Jimmy Owens, trumpet & flugelhorn
Paul Chambers or George Tucker(4), bass
Billy Higgins or Alan Dawson(4), drums

・Recorded in 1965(4) & 67

Jaki Byard: On the Spot!

ジミー・オウエンスは
You Had Better Listen
ヘヴィー!!!

 
1. A-Toodle-Oo, Toodle-Oo
2. I Fall in Love Too Easily (piano solo)
3. Olean Visit
4. Spanish Tinge
5. Alexander's Ragtime Band
  6. On the Spot
7. GEB Piano Roll (piano solo)
8. Second Balcony Jump
9. P.C. Blues
10. Snow Flakes [Bonus track]
ジャッキー・バイアード

Jaki Byard: Sunshine of My Soul

オーネット・コールマン・トリオのデヴィッド・アイゼンゾン。コルトレーン・クァルテットのエルヴィン・ジョーンズ。この二人を向こうにまわして、アヴァンギャルドな演奏を展開するジャキ・バイアード。とにかく迫力満点のトリオである。
常人では思いつきそうもないフレーズを連発し、ピアノが悲鳴を上げそうな超絶技巧で弾きまくるバイアード。コルトレーンのもとで培った複雑でテクニカルなリズムを叩き出すジョーンズ、そして意表をつくアイゼンゾンのベースワーク。手に汗にぎる演奏の連続。
“St. Louis Blues”でさえアヴァンギャルドだ。ティンパニと弓弾きベースのグリッサンドが一種異様な雰囲気を醸し、調性が次第に失われていく。
完全にフリーになっているのが“Trendsition Zildjian”。バイアードのはちゃめちゃピアノが縦横に駆けめぐる。とんでもないテクニック!ベースもドラムスも力の限り熱い即興を繰りひろげ、すさまじい音の洪水だ。さすがに聴き疲れがするが、聴き終えての爽快感、満足感はバイアードのアルバム中随一。

 

Jaki Byard, piano & guitar (2)
David Izenzon, bass
Elvin Jones, drums & tympani

・Recorded in 1967

Sunshine of My Soul
サンシャイン・オヴ・マイ・ソウル

 
1. Sunshine
2. Cast Away
3. Chandra
  4. St. Louis Blues
5. Diane's Melody
6. Trendsition Zildjian

The Jaki Byard Experience

鬼才が奇人を迎えて録音したアルバム。奇人というのはもちろんローランド・カークのことで、かれは単にマルチ・リード奏者というだけでなく、複数の楽器を同時にくわえて吹き鳴らすという「特技」を持っていた。楽器もサックスのほかマンゼロとかカークバムという特殊なもの(自分で発明)を使う。登場した頃はずいぶんゲテ物扱いされた人物でもあった。
バド・パウエルの曲“Parisian Thoroughfare”では2本の管でパリの雑踏を表現し、そのままフリーの荒波に突っ込むかと思いきや、意外にまともなテナーソロを聴かせる。うまい。つづくバイアードのソロの方がアヴァンギャルドだ。ピアノを弾くエリック・ドルフィみたいな感じ。リチャード・デイヴィスのソロもスリル抜群。
古〜い曲“Shine on Me”はいかにもトラディショナルといった雰囲気。「ピアノの百科事典」バイアードらしいダウンホームなピアノが楽しい。カークも心得ていて古風なクラリネットを響かせる。ただオールド・ジャズの真似をしているわけではないので、甘い音色で古くさくやっていると思わないように。
バイアードとカークのデュオが聴かれるのは“ Memories of You”。ベニー・グッドマンの十八番だった曲だ。バイアードのストライドピアノが素晴らしく、カークのテクニックを活かしたテナーがたっぷり。ときおりダーティ・トーンが混じり、時代を感じさせる。

 

Jaki Byard, piano
Roland Kirk, tenor sax, clarinet, whistle,
manzello, kirkbam (except 2)
Richard Davis, bass (except 5)
Alan Dawson, drums (except 2, 5)

・Recorded in 1968

The Jaki Byard Experience
エクスペリエンス

ローランド・カークは
We Free Kings
Domino
Volunteered Slavery

 
1. Parisian Thoroughfare
2. Hazy Eve
3. Shine on Me
  4. Evidence
5. Memories of You
6. Teach Me Tonight

Jaki Byard: Solo/ Strings

“Jaki Byard: Solo Piano”(1969年録音)と“Jaki Byard with Strings”(1968年録音) の2 in 1。二つのアルバムの演奏がシャッフルしたみたいに入り混じっている。LPはちゃんと考えて曲順が決められていたわけで、こんなことはするべきではない。
『ウィズ・ストリングス』はよくあるストリングスものではなく、ヴァイオリン、チェロ、ギターといった弦楽器奏者との共演。バイアードらしいはちゃめちゃで豪快で明るいセッションも、しっとりしたバラッドも楽しめる。ポップヒット『恋はリズムにのせて』(“Music to Watch Girls By”)が面白いが、最大の聴きものは14分を超えるジャム“How High the Moon”だろう。メンバー全員がノリノリ。いちばんの収穫はレイ・ナンスだ。エリントン・バンドのスターだった人物。かれが思いきりアヴァンギャルドして暴れるので、全員の演奏が熱を帯びたものになっている。
若いジョージ・ベンソンのブルーズ・フィーリングも聴きもの。のちのスタイルとは別人の黒っぽい演奏が新鮮だ。

『ソロ』はバイアードの「ジャズピアノの百科事典」ぶりが現れたもので、よく言えば多彩(多才)。ブギウギ・ピアノ、ストライド・ピアノのスタイルなど、かれが身につけていた驚くべき広汎な奏法が開陳されている。

 

Jaki Byard, piano & organ (4)
-on 2, 4, 7, 10 & 13 only
Ray Nance, violin & vocal (7)
Ron Carter, cello
George Benson, guitar
Richard Davis, bass
Alan Dawson, drums & vibes (2 & 13)

・Recorded in 1968 & 69

Solo/ Strings

晩年の録音から
The Change of Life
Involution
This Happening
Phantasies

 
1. Spanish Tinge #2
2. Falling Rains of Life
3. Do You Know What It Means to Miss New Orleans?
4. Music to Watch Girls By
5. Medley: I Know a Place/ Let the Good Times Roll
6. New Orleans Strut
7. Ray's Blues
  8. Top of the Gate Rag
9. Seasons
10. How High the Moon
11. A Basin Street Ballad
12. The Hollis Stomp
13. Cat's Cradle Conference Rag
 
  PIANO 1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 / [7] / 8 / 9 / 10
11
TRUMPET / TROMBONE / WOODWINDS / GUITAR / ORGAN
VIBES / DRUMS / MISCELLANEOUS / BIG BAND / COMBO / VOCAL