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ファブリツィオ・ボッソ

Fabrizio Bosso: Rome After Midnight

〔Owner's Review〕ここ近年、イタ公のズージャが元気であります。アメリカで流行ってるスムースジャズなんて、酢で作ったムース(こじつけ)じゃあるまいし聴いてためになりません。イタリアの主流派シーンにあって目ざましい活躍を見せ、Red/ West Sound/ Philologyのリーダーアルバムの他、サイドマンとしても膨大なレコーディングに名を連ねて急速に株を上げている若手tp奏者ファブリツィオ・ボッソ。名前はボッソですが、ラッパはボッソボソいいません。パツラー!と気持ちよく鳴ります。もうフレーズの流れも止まりません。循環呼吸マスターしてます(きっと)。
この作品、いうなれば、リー・モーガン、ショーターのフロント時代のジャズメッセンジャーズを髣髴させます。いや、モーガンより50倍上手いね、上手くてだめだな、とわけのわからんオヤジもいるが、私は好きです。テナーのダニエルも正統派の音色で「ボッソ、俺もオメーについてくぜ」といった心意気も感じるほどで「ハード・バップはこうやるんじゃワレェ」の見本であります。アルバムの出だしが『台風の目』なのでちょっと引きましたが、各ソロもコンパクトめに凝縮し、緩・急・ラテン・ブルースと巧みに織り混ぜた選曲は通して聴く者を飽きさせず、また楽器練習中の諸兄にも「正しい奏法で正しい音楽」の指針となるべき美しいテイクを採用しております。やたらハイノートやフラジオ域でピーピーキューキューいう軽業ジャズとは明らかに一線を引いております。
リズム陣もちょっと固めながら乗り心地のいいシートで、「なんだピアノはマイク・メリロ君じゃないかねきみぃ、がんばっとるねえ」と声を掛けたくなるし、ベース&ドラムスはマッシモとロレンツォだから任せて大丈夫(あんた知り合いか?)。張りと厚みで聴かせる重量級大盛りのイタリアン・ハード・バップ。さあパルメザンチーズをかけてゆっくりと召し上がれ。但し手前ども、タバスコは置いておりません。

Fabrizio Bosso, trumpet & flugelhorn
Daniele Scannapieco, tenor sax
Mike Melillo, piano
Massimo Moriconi, bass
Lorenzo Tucci, drums

・Recorded in 2004
Sound Hills SSCD 8129

recommended
Fabrizio Bosso: Fast Flight
(Red 123287)

フィル・ウッズとの共演
Dameronia

マイク・メリロは
Alternate Changes

 
1. Eye of the Hurricane
2. Ceora
3. Honeysuckle Rose
4. Road Song
5. Johnny Comes Lately
6. You Don't Know What Love Is
  7. Birdlike
8. Have You Met Miss Jones?
9. Crisis
10. There Is No A Greater Love
11. I Remember April
ブライアン・リンチ

Brian Lynch: 24/7

よくもまあ、こうあっけらかんと「普通のジャズ」ができるものだ。屈託のないメインストリーム・ジャズ。米国人はしがらみがあって素直なジャズはやりにくいものと思っていたのだが…。メンバーの国籍が多彩なようだし、レーベルがドイツってことも関係しているかも知れない。
ブライアン・リンチ(1956年イリノイ生まれ)は最近のフィル・ウッズのアルバムに参加していたラッパ吹き。音色がきれいでブラウニーみたいな輝かしいソロを聴かせる。ミュートもうまい。アルトのミゲル・セノンというスペイン風の名前の男はデヴィッド・サンチェスやチャーリー・ヘイデンと共演歴があるという。かれもなかなかテクニシャンである。
リズムセクションもご機嫌だ。リック・ジャーマンソンのピアノがアーシーなアプローチを見せ、ハンス・グラヴィシュニヒが自在なベースラインを聴かせる。ソロを聴くとピッチが正確で、確かな腕前なのがわかる。ドラマーはニール・スミス。トム・ハレルあたりのバンドで聴いた人もいるだろう。ここでも軽快で推進力のあるバックをつけている。
メンバーの力量が平均しているので安心して聴いていられる。なにより音楽が素直なのがいい。多くのオリジナルに混じってアイズレー・ブラザーズや『恋のフェニックス』が入っているけれど違和感なし。

 

Brian Lynch, trumpet
Miguel Zenon, alto sax
Rick Germanson, piano
Hans Glawischnig, bass
Neal Smith, drums

・Recorded in 2002
Nagel Heyer Records 2055

Brian Lynch: 24/7

ブライアン・リンチのアルバム
Meets Bill Charlap
Que Viva Coltrane
スーヴェニール

ミゲル・セノンは
Looking Forward
リック・ジャーマンソンは
Heights
ハンス・グラヴィシュニヒは
Common Ground

 
1. 210 centre st.
2. Who Loves You Better
3. Nobody Else But Me
4. Azalea
5. The Magmillion Caper
6. 24/7
  7. West End Blues
8. Afinque
9. Game Theory
10. By the Time I Get to Phoenix
11. Beholding
プリンタップ Marcus Printup: The New Boogaloo

マッチョなラッパ吹きマーカス・プリンタップ。マルサリスの組の者なんだそうで、なるほど楽器を気持ちよく鳴らしてくれる。健康的なリー・モーガンてところか。鍛えてるヤツは音色もちがうんだな。で、音楽も体育会系らしく威勢がいい。
といっても一本調子なわけではない。憧れの女性に捧げたという(2)の美しさ。マルコムXへのエレジー(3)の情感はなかなかのものだ。エリントンの(6)などむしろ過剰なくらいの表現が聴かれる。もっとあっさりやらんかね。
タイトル曲などのリズミカルな作品がうまい。テナーのウォルター・ブランディングもこの手の曲のほうが力を発揮する。パワフルで魅力的な音色の持ち主だ。軽快なソニー・ロリンズっていう雰囲気。トロンボニストはそれほどのテクニックはないが個性的で、いろいろ工夫してくる。ときにエキサイティングなほどに。
4ビートの演奏は少ないがハードバップの流れに沿った正統派のジャズ。体育会系と書いたが、スポーツ的に空疎なテクニックを弄する連中ではない。じっくり聴いても満足度が高いんである。これは注目に値する。

 

Marcus Printup, trumpet
Wycliffe Gordon, trombone
Walter Blanding, tenor sax
George Colligan or Eric Lewis, piano
Vicente Archer, bass
Donald Edwards, drums

・Recorded in 2001
Nagel Heyer Records 2019

The New Boogaloo

Unveiled
Song for the Beautiful Woman
All Rise
ブルー・プレリュード

 
1. The Bullet Train
2. Sardinian Princess
3. The Weeping Prince (for Malcolm X)
4. The New Boogaloo
5. Soul Waltz
  6. In a Sentimental Mood
7. Printupian Prance
8. The Inception
9. Speak Low
 
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