ジャズCDレビュー
ジャズ・ヴァイブ   アドマックス「カフェ・マキシマム」  
ブルーズCD ボサノバCD クラシックCD 吹奏楽CD ブックレビュー ジャズのトップページへ
VIBES 1 / 2 / 3 / [4] TRUMPET / TROMBONE / WOODWINDS / PIANO / GUITAR / ORGAN
DRUMS / MISCELLANEOUS / BIG BAND / COMBO / VOCAL
 
ボビー・ハッチャーソン

Bobby Hutcherson: Dialogue

ボビー・ハッチャーソンの初リーダー作。ジャッキー・マクリーンの『ワンステップ・ビヨンド』でブルーノートに登場して、すでに2年近く経っていた。もちろんドルフィの『アウト・トゥ・ランチ』(1964年)も録音済み。ちょっと遅かった気もするがまだ24歳、充分若いか。ちなみにジョー・ヘンダーソンと組んだ63年の暮れの録音“The Kicker”は後からリリースされた(右記参照)。
顔ぶれはこっちの方がはるかに強力、侮れない初リーダー作となっている。サム・リヴァースとフレディ・ハバードがフロント。リズムはアンドリュー・ヒル、リチャード・デイヴィス、ジョー・チェンバース。半数が『アウト・トゥ・ランチ』のときのメンバーだ。
曲はヒルとチェンバースが提供。さすが個性的な曲が多いが、演奏はこの時代の新主流派。モードによるフレッシュでアグレッシヴなアドリブを満喫できる。当時の感覚で過激に聴こえた曲(フリー)も今の耳には違和感がなく、普通にかっこいいと感じられる。ドライなマリンバの響き(打楽器的って、当たり前か)も心地よい。
サイドメンはどちらかといえば当時ハッチャーソンより格が上だったわけで、とくにサム・リヴァースの堂々としたブロウイングは聴きもの。ヒルのセンスのよさにも耳を傾けていただきたい。

 

Freddie Hubbard, trumpet
Sam Rivers, tenor & soprano saxes, bass clarinet, flute
Bobby Hutcherson, vibes & marimba
Andrew Hill, piano
Richard Davis, bass
Joe Chambers, drums

・Recorded in 1965
Blue Note Records
7243 5 35586 2 8

Bobby Hutcherson: Dialogue
ダイアローグ

本当の初リーダー作
Bobby Hutcherson: The Kicker

ジャッジメント
アウト・トゥ・ランチ

 
1. Catta
2. Idle While
3. Les Noirs Marchant
  4. Dialogue
5. Ghetto Lights
7. Jasper
ボビー・ハッチャーソン

Bobby Hutcherson: Components

上記アルバムの3か月後に録音されたもので、人気作『ハプニングス』同様ハービー・ハンコックが参加している。今回はハッチャーソン作品とチェンバース作品が半分ずつ。チェンバースは兄スティーヴが作曲家だったそうで、その影響で曲を作るようになったという。後半4曲がかれの作品だ。
『ダイアローグ』と同様の編成だがハッチャーソンのファンは当アルバムを最高傑作と見なす人が多い。確かに聴きやすい。サックスのスポールディングがリヴァースより保守的だからじゃないだろうか。あるいは美しいバラッド、軽快な3拍子の曲、ブルーズなど、曲ごとに表情が異なって単調さがないせいか。
ただLPのときB面だった4曲はおもむきが違う。マクリーンの『デスティネーション・アウト』をご存知の方は、その路線に近いと思っていただければいい。少々理屈っぽいのである。

 

Freddie Hubbard, trumpet
James Spaulding, alto sax & flute
Bobby Hutcherson, vibes & marimba
Herbie Hancock, piano
Ron Carter, bass
Joe Chambers, drums

・Recorded in 1965
Blue Note Records
CDP 7243 8 29027 2 0

Bobby Hutcherson: Components

ザ・ファントム
デスティネーション・アウト

 
1. Components
2. Tranquillity
3. Little B's Poem
4. West 22nd Street
  5. Movement
6. Juba Dance
7. Air
8. Pastoral
ハプニングス

Bobby Hutcherson: Happenings

ハービー・ハンコックと組んだ『ハプニングス』はボビー・ハッチャーソン最大の人気アルバム。相方がハンコックであるとか、『処女航海』をやっているとか、理由はいろいろあるだろうが、かっこよさと多彩さで聴き手を飽きさせない優れた作品である。ホーンがいないので涼しげで美しいヴァイブの音色にどっぷり浸っていられる。叙情的表現の巧さや疾走するバカテクも心おきなく味わえる。
かっこよく多彩なのはハンコックも同じ。モードに基づく自由でスリリングなピアノがハッチャーソンを煽るほどにホット。フリーすれすれのバックをつけたり、ほとんどやりたい放題の大活躍。自作『処女航海』のリリカルな美しさもいい。
ほんとにフリーしてるのは最後の“The Omen”(「前兆」もしくは「お告げ」って怪しいタイトル!)で、マリンバ叩きまくりのハッチャーソンを中心にドシャメシャフリーを展開。この時期少なくとも1曲はフリーをやるって申し合わせがあったんだろうか。下記“Total Eclipse”でも最後はフリーである。ハッチャーソンはこの前年にアーチー・シェップのバンドでニューポートに出ていた。ドルフィともアルバム3枚を録音しており、フリーはお手のものだったのである。

 

Bobby Hutcherson, vibes
Herbie Hancock, piano
Bob Cranshaw, bass
Joe Chambers, drums

・Recorded in 1966
Blue Note Records
0946 3 62667 2 5

Bobby Hutcherson: Happenings
ハプニングス

 
1. Aquarian Moon
2. Bouquet
3. Rojo
4. Maiden Voyage
  5. Head Start
6. When You Are Near
7. The Omen
ボビー・ハッチャーソン

Bobby Hutcherson: Oblique

ボビー・ハッチャーソンがハービー・ハンコックと組んだクァルテットはもう一枚あった。1980年に日本で発売された当アルバムで、1967年に録音されてそのまんまお蔵入りしていたものだ。
おそらくハッチャーソンが一番活きのいい時期のもの。テクニックもイマジネーションも無敵のアドリブを堪能させてくれる。アヴァンギャルドへの傾斜が苦手な人にはドンピシャで気に入ってもらえそうだ。というのはグラント・グリーンやデクスター・ゴードンとのセッションで聴かれるような、なじみやすいタイプの演奏に(ほぼ)終始しているから。
ただホントにホットなのでのんびり聴いてはいられませんぞ。ハンコックもマイルズのバンドの重鎮(若いけど)だった時代で、モーダルなかっこいいソロを連発。この燃える二人にチェンバースのドラムスが阿修羅のように積極的にからみ、夭折したスティンソンのベースがブンブンかぶってくる。いいアルバムが出たものだ。

 

Bobby Hutcherson, vibes
Herbie Hancock, piano
Albert Stinson, bass
Joe Chambers, drums

・Recorded in 1967
Blue Note Records
7243 5 63835 2 4

Bobby Hutcherson: Oblique

ゲッティン・アラウンド
エヴォリューション
アイドル・モーメンツ

 
1. 'Til Then
2. My Joy
3. Theme from Blow-Up
  4. Subtle Neptune
5. Oblique
6. Bi-Sectional
ボビー・ハッチャーソン

Bobby Hutcherson: Total Eclipse

こちらはチック・コリアが参加した1968年の録音。初出時のLPは『皆既食』となっていた。チックが“Now He Sings...”でやっていた“Matrix”が3曲目に入っている。が、わたしはハロルド・ランドの参加が嬉しかった。あのブラウン=ローチ・クインテットにいた人と同一人物。しかし13年後のランドはみごとに別人28号になっていた。ハードバップから決別し、モードを自家薬籠中のものとしたかっこいいテナーマンに生まれ変わっていたのだ。
ハッチャーソンのヴァイブはよくこなれたものになっていて、次から次へとなめらかに豊かな楽想をあふれさせていく。なんとけた外れのテクニックだろう。そしてつき合いの長いチェンバースの的を射た絶妙のバック。当カフェのヴァイブアルバムで一二を争うかっこいい一枚。

 

Harold Land, tenor sax & flute
Bobby Hutcherson, vibes
Chick Corea, piano
Reggie Johnson, bass
Joe Chambers, drums

・Released in 1968
Blue Note Records
CDP 7 84291 2

Bobby Hutcherson: Total Eclipse

San Francisco

 
1. Herzog
2. Total Eclipse
3. Matrix
  4. Same Shame
5. Popeian
モンタラ

Bobby Hutcherson: Montara

新主流派からフリーまでカヴァーしていたボビー・ハッチャーソンがポップに向かった時代があった。ちょうどマスターがジャズ離れし始めた時代と重なるのでよく知らないのだが、これを聴くとカル・ジェイダーのようなラテン系のポップジャズだったことがわかる。ヴァイブやマリンバはラテンによく合うのである。当盤はほとんどマリンバなのでちょっとデイヴ・パイク(前頁)あたりも思い出す。ハッチャーソンはかれらに遅れてこの分野に参入したのである。食えなかったのかなぁなどと、つい考えてしまった。
しかしさすがにうまい。右記のようなけっこう豪華なメンバーを従え、曲により編成を変えながらご機嫌なラテンジャズを聴かせてくれる。ただ、例のあっけにとられるようなテクニックはさほど出ておらず、刺激的でもなく、聞き流してくれてかまいませんて感じ。最後の曲『オイ・コモ・ヴァ』はラテン界の大物ティト・プエンテの作品でサンタナが採り上げていたもの。ハッチャーソン盤もヴォーカル入りだ。

 

Blue Mitchel, trumpet
Plus Johnson, flute & soprano sax
Ernie Watts, flute & tenor sax
Eddie Cano, piano
Bobby Hutcherson, vibes & marimba
Chuck Domanico, bass
Harvey Mason, drums
Willie Bobo, percussion
and others

・Recorded in 1975
Blue Note Records
7243 5 90956 2 2

Bobby Hutcherson: Montara
モンタラ

 

1. Camel Rise
2. Montara
3. La Malanga
4. Love Song

  5. Little Angel
6. Yuyo
7. Oye Como Va
 
  VIBES 1 / 2 / 3 / [4] TRUMPET / TROMBONE / WOODWINDS / PIANO / GUITAR / ORGAN
DRUMS / MISCELLANEOUS / BIG BAND / COMBO / VOCAL