ジャズCDレビュー
ジャズ・ボーカル   アドマックス「カフェ・マキシマム」  
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VOCAL 1 / 2 / 3 / [4] / 5 / 6 / 7 / 8 / 9 / 10
11
TRUMPET / TROMBONE / WOODWONDS / PIANO / GUITAR / ORGAN
VIBES / DRUMS / MISCELLANEOUS / BIG BAND / COMBO
 

ジェーン・モンハイト

Jane Monheit: Never Never Land

マイナーレーベルからのリリースだったためか、ジェーン・モンハイトというシンガーの評判はじわじわ広がった感がある。近年まれに見る実力派として、あるいは声や外見(美人なんだそうだ)によって。そのきっかけがこのアルバム。ケニー・バロン、ロン・カーターら大ベテランたちのサポートを得て軽やかにスウィングするかの女の美声に参ってしまったファンは少なくない。
うまいけど軽い、というのがかの女の特徴。メゾの音域のなめらかな声。芯のあるはっきりした発声で安定した歌唱を聴かせる。あやふやなところ、不安定なところはない。フェイクも自然だ。そこそこスリルのあるくずしでジャズヴォーカルの楽しみを味わわせてくれる。実にうまいのだけれど堂々としていない。むしろチャーミング。そこがいいのだろう、当カフェのオーナーなんか「一家に一枚ジェーン・モンハイト」というくらいのお気に入りだ。
有名スタンダード中心のオーソドックスな選曲。(4)がジョビン。(8)がエリントンで(9)はアニー・ロスのカヴァー。バックはトリオが基本だが、ピアノとギター(3)とかクロフォードとニューマンの2ホーン入りとか変化がつけられている。かれらのソロもきっちりフューチャーされているので、小さいクラブかなんかで聴いているような雰囲気もある。いちばん味があるのはケニー・バロンかな。かれがバックをつとめるバラッドを聴くと夢の世界(Never-never land)に引き込まれる。

 

Jane Monheit, vocals
Kenny Barron, piano
Ron Carter, bass
Lewis Nash, drums
with
Hank Crawford, alto sax (5,7,8,9)
David Newman, tenor sax (2,4,5,6)
 or flute (4,7)
Bucky Pizzarelli, guitar (1,3)

・Recorded in 2000
N-Coded Music NC-4207-2

♪ Never Let Me Go

Never Never Land

これでも聴ける
Let's Get Lost
レッツ・ゲット・ロスト
In Full Swing

 
1. Please Be Kind
2. Detour Ahead
3. More Than You Know
4. Dindi
5. Save Your Love for Me
  6. Never Let Me Go
7. My Foolish Heart
8. I Got It Bad (And That Ain't Good)
9. Twisted
10. Never Never Land
ジェーン・モンハイト

Jane Monheit: Come Dream with Me

前作と同様ジェーンのカラー写真満載のブックレット。アイドルだったのか。
前作と同様ピアノはケニー・バロン。しかしベースはクリスチャン・マクブライド。これは期待できる。トム・ハレルとマイケル・ブレッカーもいる。最近この人歌伴が多いなあ、など思いながら最初の『虹の彼方に』でいきなり脱帽。
ヴァースから歌っているんだな、これが。インストはともかく、ヴァースのある曲はちゃんとヴァースから歌って欲しい。詩だって一部しか歌わないことになるし、それじゃ曲が完結しないではないか。
わずか一年しか違わないのにさらに安定感が増していて驚いた。自在といってもいい境地。トリオをバックにした『イフ』(誰のヒットだっけ)の繊細でいながらよく伸びる歌声にはつい聴き惚れる。『若気の至り』とか、バラッドのうまさがたっぷり味わえるのが前作との違いだ。
スタンダード主体なのは前回と同じ。ブラジルが二つとエリントン、ジョニ・ミッチェルが入っている。

 

Jane Monheit, vocals
Kenny Barron, piano
Christian McBride, bass
Gregory Hutchinson, drums
Richard Bona, guitar & fretless bass (11)
Tom Harrell, trumpet
Michael Brecker, saxes
with unknown strings

・Recorded in 2001

Come Dream with Me
カム・ドリーム・ウィズ・ミー

ジェーンの映像を見る
Live at the Rainbow Room (DVD)
音だけなら
Live at the Rainbow Room

 
1. Over the Rainbow
2. Hit the Road to Dreamland
3. Spring Can Really Hang You Up the Most
4. Waters of March
5. I'm Through With Love
6. I'll Be Seeing You
  7. Something to Live for
8. So Many Stars
9. If
10. Blame It on My Youth
11. A Case of You
12. Hidden Track
ジェーン・モンハイト

Jane Monheit: In the Sun

ジェーン・モンハイト2002年の録音。前作からほぼ一年、メンバーはだいぶ入れ替わったが基本路線は前作とあまりちがわない。ブラジルものが増えていてイヴァン・リンスが二つある。そのうち(3)のほうはリンス本人が参加していて、ピアノを弾きながらかの女とのデュエットを聴かせる。
『想いあふれて』の日本題がある(2)はギター一本をバックにした面白い演奏。なぜ面白いかというと、ギタリストがヴォイス・パーカッションを聴かせるから。曲ごとに編成を変えながら、相変わらずお洒落でチャーミングなヴォーカルを楽しませてくれる。ジュディ・コリンズ(11)やってるのも新鮮。
曲目は古いスタンダードが半数を占めている。なかでもお気に入りは『サム・アザー・タイム』。メロディ・ラインのきれいなバラッドはジェーンにぴったり。陽気に歌われることの多い『二人でお茶を』がしっとり仕上がっているのもよかった。テンポを落とすと歌詞の意味までちがって聴こえてくる。おめでたい歌じゃなくなる!

◎歌詞といえば、今回は全曲歌詞が掲載されている(輸入盤)。

 

Jane Monheit, vocals
Michael Kanan or Kenny Ascher, piano
Joe Martin or Ron Carter, bass
Rick Montalbano or Kenny Washington, drums
Tom Harrell, trumpet (8)
Joel Frahm, tenor sax (5,9)
Rene Toledo, guitar (2,3)
Ivan Lins, piano & vocals (3)
with orchestra (4,8,10,11)

・Recorded in 2002

In the Sun
イン・ザ・サン

 
1. Just Squeeze Me
2. Chega de Saudade (No More Blues)
3. Once I Walked in the Sun
4. Some Other Time
5. Cheek To Cheek
6. Tea for Two
  7. Love Has No Pride
8. Comecar de Novo
9. It Never Entered My Mind
10. Haunted Heart
11. Since You've Asked
ジェーン・モンハイト

Jane Monheit: Taking a Chance on Love

ジェーン・モンハイトのメジャー移籍後初アルバム。これでかの女もノラ・ジョーンズなみに有名になるだろうと喜ぶ人と、つまらなくならないだろうかと心配する人がいる。写真のかの女の露出度が高くなったのを、喜ぶ人も嫌がる人もいる。
しかし音楽はそれほど変わっていない。ストリングスの入った曲が多くなったが、バックにはこれまでのメンバーが何人もいる。曲目がスタンダードばかりというのがちがうといえばちがう。
マクブライドのご機嫌なベースにのって歌い出す“Honeysuckle Rose”はマーク・オコナーのアルバム“In Full Swing”でもやっていた。こっちも同様の佳演だ。“Taking a Chance On Love”もアニタ・オデイを思い出すような快適なスウィング。意識したのか自在なアドリブを入れて盛り上げていく。(5)は売出し中のマイケル・ブーブレとのデュオ。つややかでチャーミングなジェーンと若々しいマイケルがブラス(なんとルー・ソロフが参加)をバックに軽快に歌う。(9)のサックス2本のからみも面白い。ジェーンはそれに応えるかのようにメロディにひねりを加えていく。
ほぼ半数がバラッド。ストリングス入りもいいが、ギター伴奏で歌う(10)のひそやかな表現が秀逸。メロディのくずしも無理がなくお洒落だ。さいごにある“Over the Rainbow”は再録音。ヴァースは省略されている。

 

Jane Monheit, vocals
Geoffrey Keezer or Michael Kanan, piano
Christian McBride, bass
Lewis Nash, drums
with
Donald Harrison, alto sax
Joel Frahm, tenor sax
Romero Lubambo, guitar
unknown strings
Michael Buble, vocals (5)
and others

・Recorded in 2004

Taking a Chance on Love
テイキング・ア・チャンス・オン・ラヴ

ブーブレは
Totally Buble
マイケル・ブーブレ
カム・フライ・ウィズ・ミー

 
1. Honeysuckle Rose
2. In the Still of the Night
3. Taking a Chance On Love
4. Bill
5. I Won't Dance
6. Too Late Now
  7. Why Can't You Behave
8. Do I Love You?
9. Love Me Or Leave Me
10. Embraceable You
11. Dancing in the Dark
12. Over the Rainbow
ニーナ・フリーロン

Nnenna Freelon: Soulcall

グラミーにノミネートされるほどの歌手なのに、わたしのまわりのジャズファンがあまり興味を示さないニーナ・フリーロン。たぶんソウルっぽいからだろう。しかし、かつてアトランティックやモータウンのR&Bにはまっていたマスターは大喜びである。なにせ“I Say a Little Prayer”やってくれちゃってるし、スティーヴィー・ワンダー(8)もあるんだから。
しかしマスターいちばんのお気に入りはエヴァリー・ブラザーズの“Let It Be Me”。ビートルズじゃありまへん。ビートルズが現れるまで男性ヴォーカルグループの人気No.1だったチームだ。サイモンとガーファンクルがかれらの“Bye-bye Love”をカヴァーしてたの、知ってるかなー。
ニーナの歌いっぷりはたしかにソウルフル。しかしスキャットは抜群にうまいし、スタンダードで聴かせる4ビートへのノリも申し分ない。大胆なフェイクも確かな歌唱力があるから危なげない。そこまでやるか、というくらいにくずしてみせる。スリルもたっぷり味わえるのだ。

 

Nnenna Freelon, vocals
Tanaka Miyamoto, James Williams, piano
Wayne Batchelor, Ray Drummond,bass
Woody Williams, Ed Thigpen, drums
Joe Beck, guitar
Matt Shulman, trumpet
Chris Potter, tenor sax & alto flute
and others

・Recorded in 2000
Concord Jazz
CCD-4896-2

Nnenna Freelon: Soulcall
ソウルコール

スティーヴィー・ワンダー曲集
Tales of Wonder
テイルズ・オヴ・ワンダー
ケニー・バロンと
Listen

 
1. Better Than Anything
2. Let It Be Me
3. Straighten up and Fly Right
4. Amazing Grace [Duo Version]
5. Button up Your Overcoat
6. One Child at a Time
7. I Say a Little Prayer
  8. If It's Magic
9. Soulcall
10. Just in Time
11. It's Only a Paper Moon
12. You're Nearer/Nearer My God to Thee
13. Amazing Grace [Trio Version]
ホリー・コール Holly Cole Trio: Don't Smoke in Bed

ホリー・コールらしいあっちゃこっちゃから素材を集めたジャズ・アルバム。いきなりレゲエの“I Can See Clearly Now”で始まる。ジョニー・ナッシュだ。もちろんホリーがそのままレゲエしてるはずはなく、ストリングスを入れて美しく歌いあげていく。こういう意外性がホリーを聴く楽しみのひとつ。
ワルツの女王パティ・ペイジの“Tennessee Waltz”ではハーモニカを加え、パティじゃなくてオリジナルのキング&ステュワートの雰囲気。面白い試みだ。ハワード・レヴィもアコーディオンを意識している。
ゴールデン・ガールことドリス・デイ(こーゆー古いニックネーム出してくるあたりが年齢をあらわすってか。知識ですよ、知識)の“Que Sera Sera”では、ドリスの楽しい歌とは正反対にしんみりムード。はずむ三拍子は何処に行ってしまったのか。
かと思えばスタンダードにラテン・パーカッション入れたり、スティール・ギターのきこえる曲があったり、ヴァイル作品でフランス語歌ったり、アルバム作りが楽しくてしょうがないって感じだ。
楽しむのはいいけどやりすぎなんじゃないのって思うものもある。たしかにアレンジはうまいし、アーロンもデイヴィッドも素晴らしいプレイヤーだ。かれらの切れのいいセンスのある演奏を楽しむためにも、アイディア過剰にならないようにしといてもらいたいと思うんだが…。

 

<Holly Cole Trio>
Holly Cole, vocals
Aaron Davis, piano
David Piltch, bass & percussion
with
Howard Levy, harmonica
Joe Henderson, tenor sax
David Lindley, lap steel guitar
Art Avalos, percussion
and 17 piece strings

・Recorded in 1993

Don't Smoke in Bed
ドント・スモーク・イン・ベッド

ジョニー・ナッシュは
I Can See Clearly Now
懐かしのパティ・ペイジ
テネシー・ワルツ
オリジナル「テネシー・ワルツ」
Pee Wee King's Biggest Hits
ドリス・デイは
グレイテスト・ヒッツ

 
1. I Can See Clearly Now
2. Don't Let the Teardrops Rust Your Shining Heart
3. Get Out of Town
4. So and So
5. The Tennessee Waltz
6. Everyday Will Be Like a Holiday
  7. Blame It on My Youth
8. Ev'rything I've Got
9. Je Ne T'Aime Pas
10. Cry (If You Want To)
11. Que Sera Sera
12. Don't Smoke in Bed
ホリー・コール

Holly Cole: Shade

ホリー2003年のリリース。例によってかの女のトリオが中心で、曲ごとにゲストが加わる。例によってアレンジは自分たちが担当。では例によっていろんなタイプの曲を集めているかと思うとさにあらず。ビーチボーイズの“God Only Knows”が目立つくらいで、ほとんどがスタンダードだ。
エラやメル・トーメの名唱がある“Too Darn Hot”はロックふうリズム。クールで抑えの効いたささやくような歌唱。バス・クラリネットが渋い合いの手を入れてくる。マット・デニスの十八番“A Cottage for Sale”も抑え気味のスウィング。ジューン・クリスティで有名な“Something Cool”や“The Midnight Sun”にしても、過去の大歌手たちとは違うアプローチを意識してやっている感じ。あたしならこうやるわよ。“God Only Knows”もずいぶんスローな演奏だ。
ときにやりすぎの感もあるホリーだがこのアルバムはほどほどの範囲におさまっていて聴きやすい。けだるい昼下がりの雰囲気でまとまっているのでリラックスしたい時にもうってつけだ。さいごの“Lazy Afternoon”で甘い午睡に落ちていく。

 

<Holly Cole trio>
Holly Cole, vocals
Aaron Davis, piano
David Piltch, bass
with
Guido Basso, trumpet & flugelhorn
Johnny Johnson, woodwinds
Kevin Breit, guitar
and others

・Released in 2003

シェイド
Shade

初期の代表盤
コーリング・ユー
スタンダード集
Girl Talk
ポップなホリー
私のいる時間
テンプテーション

 
1. Heatwave
2. Something Cool
3. Too Darn Hot
4. God Only Knows
5. A Cottage for Sale
6. We Kiss In a Shadow
  7. It Never Entered My Mind
8. Manhattan
9. Moonglow
10. Almost Like Being in Love
11. The Midnight Sun
12. Lazy Afternoon
リャンビコ/lyambiko

Lyambiko: Out of This Mood

リャンビコって名前も変わっているがアルバムの雰囲気も少々変わっている。普通じゃない。バックのトリオが通常のピアノトリオとは感覚がちがうのだ。いちばんちがうのがツヴィンゲンベルガーというパーカッショニスト。ジャズドラマーの範ちゅうに収まらない多彩なアプローチをみせる。ロックでもなくラテンでもなくアフロでもない、かといってクラシックとも言えない。伝統的4ビートスウィングの中で育ってこなかったのだろうが、この無国籍ぶりが新鮮で面白い。
ピアニストもときおりジャズっぽくないフレーズを入れてくる。ベーシストも同じ。個性的で面白く、スタンダードでは効果をあげているが、ブルーズ進行の曲では軽すぎると感じる人がいるかも知れない。ヨーロピアンジャズへの慣れが必要かな。
リャンビコのヴォーカルも軽やか、さわやか。とびきりうまいわけではないが、洒落たアレンジに乗ってかっこよく歌いこなしていく。黒人らしさを感じさせるのはブルーズ作品で、これだけは熱っぽく歌いあげる。ジャズっぽいフェイクはほどほどなので、広く受け容れられそうなシンガー。
今までにないタイプを聴いてみたいかたは是非。ビギナーの人でもかっこよさはわかると思うけど、ある程度知っている人のほうがユニークさが実感できるのでは。

 

Lyambiko, vocals
Marque Lowenthal, piano
Robin Draganic, bass
Torsten Zwingenberger, drums & percussion

・Recorded in 2001

Out of This Mood

もう一枚は
Shades of Delight

 
1. Some Other Time
2. If I Were a Bell
3. Chega De Saudade
4. Afro Blue
5. Gone With The Wind
6. Can't Get Out of This Mood
7. Our Love Is Here To Stay
8. I Ain't Got Nothin' But the Blues
  9. Parakeet Prowl
10. Mean To Me
11. Work Song
12. Do Nothin' Till You Hear from Me
13. Miss Celie's Blues
14. You'd Be So Nice To Come Home To
15. Skylark
 
  VOCAL 1 / 2 / 3 / [4] / 5 / 6 / 7 / 8 / 9 / 10
11
TRUMPET / TROMBONE / WOODWONDS / PIANO / GUITAR / ORGAN
VIBES / DRUMS / MISCELLANEOUS / BIG BAND / COMBO