ジャズCDレビュー
ジャズ・ヴォーカル   アドマックス「カフェ・マキシマム」  
ブルーズCD ワールドミュージック クラシックCD ブラスバンドCD book review jazz index
VOCAL 1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 / [7] / 8 / 9 / 10
11
TRUMPET / TROMBONE / WOODWONDS / PIANO / GUITAR / ORGAN
VIBES / DRUMS / MISCELLANEOUS / BIG BAND / COMBO
 

カム・シャイン

Come Shine

ノルウェーの新グループ、カム・シャイン。スールヴァイグ・シュレッタイェルと同じ"Curling Legs"レーベルから出ている当アルバムはかれらのデビュー作。2000年5月にオスロで録音されている。グループ名はスタンダード“Come Rain or Come Shine”から採ったものだろう。
このアルバムも下記第2作もスタンダード中心の選曲。これら耳タコの素材をアレンジの工夫でフレッシュに聴かせるのがかれらのウリだ。北欧ジャズに慣れている人にはさほど違和感がないと思う。原曲イメージにこだわらない自由で先進的なアレンジが新鮮そのもの。リズムもハーモニーも心地よく意表をついてくる。
女性シンガーのロッゲンはとくにうまいわけではないが、ちょっと難しめのアレンジにうまく乗り、キュートな歌声を聴かせてくれる。

 

<Come Shine>
Erlend Skomsvoll, piano
Sondre Meisfjord, bass
Hakon Mjaset Johansen, drums
Live Maria Roggen, vocals

・Recorded in 2000
Curling Legs
CLP CD 61

Come Shine

see also→www.comeshine.com

 
1. Fascinating Rhythm
2. Do Nothing Till You Hear from Me
3. I Like To Hear It Sometime
4. September Song
5. Let's Do It (Let's Fall in Love)
  6. When I Fall in Love
7. My Funny Valentine
8. Lush Life
9. You Don't Know What Love Is
come shine

Come Shine: Do Do That Voodoo

どっちがグループ名でどっちがアルバムタイトルなんだか判りにくいって?カム・シャインがグループ名で、コール・ポーターの“You Do Something to Me”(10)の歌詞の一部がアルバムタイトルなんだな、ジッサイ。
上記デビュー盤と路線は同じ。おなじみの曲をひねりの効いたかっこいいアレンジで聴かせる。さすがに新盤のほうがグループとしての成熟が見られ、「ほどほどのエキセントリック」が心地よい。トリオはみんなうまいが、とくにピアニストのセンスのいいアプローチに魅せられる。

 

<Come Shine>
Erlend Skomsvoll, piano
Sondre Meisfjord, bass
Hakon Mjaset Johansen, drums
Live Maria Roggen, vocals

・Recorded in 2002
Curling Legs
CLP CD 75

Do Do That Voodoo

New Release
"Come Shine with the Norwegian
Radio Orchestra in Concert"
CLP CD 78

 
1. Saga of Harrison Crabfeathes
2. My Favorite Things
3. Memories of You
4. You'll Have To Swing It
5. You've Changed
  6. Somewhere Over the Rainbow
7. Nature Boy
8. April in Paris
9. Love for Sale
10. You Do Something To Me
セシリア・ノービー

Caecilie Norby

かっこいいヴォーカルを聴きたいなら、セシリア・ノービィは要チェック。デンマークのシンガーで、ロックを歌っていた経験があるという。さもありなんというパンチの効いた唱法。フェイクが一般的ジャズシンガーとはちがうのはそのせいだろう。
典型的4ビートは少なく、ポップスを聴いているような感じがするかも知れない。しかしかの女の自由なヴォーカルは十分にジャズのスリルが味わえるもの。ドミートリー・ティオムキンの“Wild is the Wind”にしても、ジム・ウェブの“By the Time I Get to Phoenix”、カーティス・メイフィールドの“Man's Got Soul”にしても、うまさ、柔軟さがそれぞれの曲に新たな魅力を加えている。
アレンジも今ふうだし、ランディ・ブレッカーを始めとするつわものたちが素晴らしいバックをつけている。

 

Caecilie Norby, vocals
Randy Brecker, trumpet
Rick Margitza, soprano sax
Scott Robinson, tenor sax
Niels Lan Doky or Lars Jansson, piano
Ben Besiakow, piano & organ
Jakob Fischer, guitar
Lennart Ginman, bass
Billy Hart, drums
Jakob Andersen, percussion

・Recorded in 1994
Blue Note 8534222

このCDを見る
Caecilie Norby

 
1. Wild Is the Wind
2. A Brand New Life
3. Girl Talk
4. I've Been to Town
5. Summertime
6. By the Time I Get to Phoenix
  7. All You Could Ever Want
8. Gentle Is My Love
9. A Feather in the Wind
10. Night Road
11. Man's Got Soul
12. So It Is
セシリア・ノービー

Caecilie Norby: My Corner of the Sky

セシリア・ノービィ。今回はロックのレパートリーが多くなっていて、スティング(3)、デヴィッド・ボウイ(6)、BS&T(7)やレオン・ラッセル(11)の曲がさすがにうまい。まさにドンピシャといった感じだ。ロック&ジャズの幸福な融合。
ご機嫌なオルガンソロの入った(3)のかっこよさ。ウェイン・ショーターの特徴的な旋律にノービィが歌詞をつけた(5)では、巧みなスキャットが披露される。ホリー・コールでおなじみの(12)では、トリオをバックに繊細なフェイクをまじえてゆたかな情感を表出する。マスター強力にお奨めの一枚。

 

Caecilie Norby, vocals
Randy Brecker, flugelhorn
Michael Brecker, tenor sax
Scott Robinson, flute
Dave Kikoski, piano
Lars Jansson, piano & organ
Lars Danielsson or Lennart Ginman, bass
Terri Lyne Carrington or Alex Riel, drums
and others

・Recorded in 1996
Blue Note 8322222

My Corner of the Sky

Queen of Bad Excuses
甘い生活

 
1. The Look of Love
2. The Right to Love
3. Set Them Free
4. Suppertime
5. African Fairytale
6. Life on Mars
  7. Spinning Wheel
8. What Do You See in Her
9. Just One of Those Things
10. Snow
11. Song for You
12. Calling You
セシリア・ノービイ

Caecilie Norby: First Conversation

セシリア・ノービィ2002年リリース。ジャズ・ナンバーはほとんど姿を消し、ポップス色が濃厚になっている。レナード・コーエン(5)、ポリス(11)、往年のカントリー『ジェントル・オン・マイ・マインド』のほか自作曲もポップスしている。無理にジャズを探すならサイドメンのアドリブくらい。聴いたことのない顔ぶれだが、センス抜群だしうまい。
んなわけで典型的ジャズヴォーカルをお求めの方には向かない。かの女の自在な解釈と歌い回しのうまさ、今ふうのかっこいいアレンジを味わえるならお奨めだ。事実アレンジが上記アルバムよりさらにポップスふうになっている。(1)や(9)のジャズ・スタンダードも、言われないとポップスだと思うかも知れない。

 

Caecilie Norby, vocals
Tore Brunborg, saxes
Ulf Wakenius, guitar
Jesper Nordenstrom, piano
Carsten Dahl, piano
Lars Danielsson, bass or organ
Jon Christensen, drums
and others

・Released in 2002
Blue Note 5406222

このCDを見る
First Conversation
ファースト・カンヴァセーション

 
1. For Heaven's Sake
2. Leaving Town for the Weekend
3. Never Let Me Go
4. First Converstation
5. Hallelujah
6. Here's to Life
  7. Gentle on My Mind
8. Kyrie
9. Midnight Sun
10. You Must Believe in Spring
11. Tea in the Sahara
12. Only the Young
カサンドラ・ウィルソン

Cassandra Wilson Sings Standards

解説書を見るまでコンピレーションだとは気がつかなかった。寄せ集めとは思えない統一感があるからだ。1985年から1991年までの4枚のアルバムから採られており、いずれも小編成。スタンダードと銘打っているがエリントンナンバーもあるし、モンクやマイルズの曲もある。変化のある選曲だ。
カサンドラ節満開のスタンダードは渋さとかっこよさが特徴。ベースとドラムスだけを相手にした“Blue skies”はとくにかっこいい。コード楽器がいないのに安定感のある歌唱はさすがだが、ときに少々ぶっきらぼうな感じになるのが面白い。スローナンバーの乾いた感覚の仕上がりも個性的でよい。
歌もよいのだけれど、聴いているとどうしてもサイドメンが気になる。腕達者ばかりなのだ。マーク・ジョンソンの軽快なドラムス、グラチャン・モンカーのインスピレーションゆたかなトロンボーン、ロッド・ウィリアムスのドライなピアノetc. 「伴奏」という範ちゅうにおさまらない積極的なアプローチが演奏を聴き応えあるものにしている。演奏時間の長いものはとくにそうで、ヴォーカル入りジャムセッションみたいにきこえる。

 

Cassandra Wilson, vocals
Grachan Moncur III, trombone (2,10)
Mulgrew Miller, piano (1,5,7)
James Weidman, piano (3,8)
Rod Williams, piano (4,6,11)
Jean-Paul Bourelly, guitar (10)
Lonnie Plaxico, bass (1,2,5,7,9,10)
Kevin Bruce Harris, bass (3,8)
Reggie Washington, bass (4,6,11)
Mark Johnson, drums (2,3,4,6,10,11)
Terri Lyne Carrington, drums (1,7,9)

・Recorded in 1985 - 91
Verve 589 837-2

Sings Standards
スタンダーズ

Blue Light Til Dawn
トラヴェリング・マイルズ
ニュー・ムーン・ドーター
テネシー・ワルツ

 
1. Polka Dots and Moonbeams
2. I Wished on the Moon
3. 'Round Midnight
4. Angel
5. I've Grown Accustomed to His Face
6. Chelsea Bridge
  7. I'm Old Fashioned
8. Baubles, Bangles, and Beads
9. Blue Skies
10. Blue in Green
11. Body and Soul
ダイアン・リーブス

Dianne Reeves: I Remember

ダイアン・リーヴスはサラ・ヴォーンみたいだと思っているのはマスターだけかしらん。素晴らしい安定感と貫禄、多彩で深い表現力、どれをとっても当代一流のジャズシンガーと言えるんじゃないかな。アルバムはみな高い完成度をみせ、はずれってものがない。今ふうのサラ・ヴォーン?
この『アイ・リメンバー』も例外ではない。コルトレーンも採り上げたオスカー・ブラウンの名作『アフロ・ブルー』で聴かれる洗練されたアフリカ風味にいきなりノックアウトだ。昇華されたワイルドさ。スタンダードをやっても曲を新鮮に生まれ変わらせ、わくわくさせてくれる。広い音域、正確な音程を活かして器楽演奏家のような大胆なフレーズを披露。なんてかっこいい!
サイドメンもある時は寄り添い、ある時はあおり、しなやかに伴奏を付けていく。伝統的ジャズの雰囲気は弱く、ポップス、ソウル系のアレンジが少なくない。しかしこの自然発生的なアプローチはまさにジャズのものだ。

 

Dianne Reeves, vocals
Justo almario, saxes
Bobby Hutcherson, vibes
Billy Chaids, Mulgrew Miller, piano
Chris Severin, bass
Billy Kilson, drums
Bill Summers & Luis Conte, percussion
and others

・Recorded in 1988 & 90
Blue Note Records
0777 7 90264 2 5

I Remember

A Little Moonlight
The Grand Encounter
Christmas Time is Here
サラ・ヴォーンに捧ぐ

 
1. Afro Blue
2. The Nearness of You/ Misty
3. I Remember Sky
4. Love for Sale
5. Softly as in a Morning Sunrise
  6. Like a Lover
7. How High the Moon
8. You Taught My Heart to Sing
9. For All We Know
アンヌ・デュクロ

Anne Ducros: PIANO, piano

アンヌ・デュクロ2005年リリース。4人のピアニスト、チック・コリア、ジャッキー・テラソン、エンリコ・ピエラヌンツィ、ルネ・ユートルジェの名前がカバー表にクレジットされているように、これらの大物が交代でつき合っている。もう一人ブノワ・ド・マスネーというピアニストもいるので、都合5人!
編成もさまざまで、たとえばチック・コリアは参加3曲すべてがデュクロとのデュオ。『枯葉』のひとひねりが面白く、雰囲気に流れないほどほどのスリルが心地よい。テラソン、ピエラヌンツィはすべてトリオ。ほかにサックス入りセッションもある。サティの『グノシェンヌ』には民族楽器サズが加わっている。この曲を歌うことじたい珍しいが、サズの音色が国籍不明でなんとなくミステリアス。
マイルズからコルトレーンに至る多彩な選曲が楽しい。デュクロも前作より安定感があり、スキャットのうまさもたっぷり味わえる。

 

Anne Ducros, vocals
Jacky Terrasson, piano (2,5)
Enrico Pieranunzi, piano (3,9)
Chick Corea, piano (4,8,11)
Rene Urtreger, piano (7, 10)
Benoit de Mesnay, piano & keyboards
Sal La Rocca, bass
Karl Jannuska or Manhu Roche, drums
Oliver Louvel, saz (6)
Bob Franceschini, tenor sax (1,12)

・Recorded in 2004
Dreyfus Jazz FDM 36 674-2

Anne Ducros: PIANO, piano

Close Your Eyes

 
1. Four
2. God Bless the Child
3. You Go to My Head
4. Les Feuilles Mortes
5. Never Let Me Go
6. Gnossienne No.1
  7. I Thought About You
8. My Foolish Heart
9. Moon and Sand
10. Just in Time
11. Body and Soul
12. Naima
カーリン・アリソン

Karrin Allyson: Footprints

毎回いろいろな趣向で楽しませてくれるカリン・アリソン。2006年リリースの『フットプリンツ』はフランク・ウェス、ジョン・ヘンドリックス、ナンシー・キングという「超」のつくベテランの参加に驚かされた。まだ元気だったんだ!
曲目も面白い。下記一覧の括弧の中をご覧いただきたい。ディジー・ガレスピー、ナット・アダレイ、ホレス・シルヴァー、サム・ジョーンズ、ウェイン・ショーター(タイトル曲ですね)、そしてコルトレーンなど、ジャズ界の王者たちの曲に歌詞をつけて歌っているのだ。これはヘンドリックスが得意としていたもの。しかしこのアルバムで歌詞を担当したのはクリス・キャスウェル(Chris Caswell)。ヘンドリックスの後継者がいる!
カリンは相変わらずのうまさでジャズヴォーカルの醍醐味をたっぷり味わわせてくれる。声の質は軽いが絶妙のコントロールで難易度の高いフレーズを歌いこなす。うるさ型ファンもこれなら脱帽だろう。ちなみに最後の曲はヘンドリックスのオリジナルで、かつてランバート、ヘンドリックス&ロスで録音していたもの。

 

Karrin Allyson, vocals
Jon Hendricks, vocals (5,13)
Nancy King, vocals (2,4,7,8,9,13)
Nick Philips, trumpet (7)
Frank Wess, tenor sax & flute (3,10,11)
Bruce Barth, piano
Peter Washington, bass
Todd Strait, drums

・Recorded in 2005
Concord Jazz CCD-2291-2

♪ Something Worth Waiting for

Karrin Allyson: Footprints
フットプリンツ

Karrin Allyson: Ballads

 
1. Something Worth Waiting for (Con Alma)
2. All You Need to Say (Never Say Yes)
3. Lightning (Lazy Bird)
4. A Long Way to Go (Equinox)
5. Strollin'
6. I Found the Turnaround (The Turnaround)
7. Follow the Footprints (Footprints)
 

8. Life Is a Groove (Jordu)
9. A Tree and Me
10. I Can't Say (Teaneck)
11. But I Was Cool
12. Give Me a Break (Unit 7)
13. Everybody's Boppin'

 
  VOCAL 1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 / [7] / 8 / 9 / 10
11
TRUMPET / TROMBONE / WOODWONDS / PIANO / GUITAR / ORGAN
VIBES / DRUMS / MISCELLANEOUS / BIG BAND / COMBO