ジャズCDレビュー
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VOCAL 1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 / 7 / 8 / 9 / [10]
11
TRUMPET / TROMBONE / WOODWONDS / PIANO / GUITAR / ORGAN
VIBES / DRUMS / MISCELLANEOUS / BIG BAND / COMBO
 

ギネス・ハーバート

Gwyneth Herbert: Bittersweet and Blue

英国産女性シンガー、ギネス・ハーバート。くつろぎ系モダンスタイル。例えていうならセシリー・ノービイをソフトにした感じ。レパートリーが下記のようにポップ寄りなのだ。ビル・ウィザース、トム・ウェイツ、ニール・ヤングがあり、ジャニス・イアン(影響を受けたそうである)もある。ペギー・リーの『フィーバー』もカヴァーしており、自作曲(フォークロックみたい)もいくつか。そしてそれらがすべてリラックスしたポップな仕上がりになっている。バックはコンボ中心。ホーンを含むスウィンギーなトラック、ストリングスを入れた美しいトラックもある。
ギネスのささやくような歌声は癒し系チャーミング。安定感も声量もあり、やっとこさ歌っている甘ちゃん歌手ではない。大人の女の歌い方。曲によっては少々ドスを利かせることもできる。『フィーバー』など強烈なブラスをバックにぐいぐい迫ってくる。(6)や(13)のスタンダードで聴かせるしみじみした味わいとの落差がかの女の実力を感じさせる。あんまりジャズっぽくないのは確かだが、そもそもポップスを無理やりジャズ化しようという意識がないのだろう。

 

Gwyneth Herbert, vocals
Steve Sidwell, trumpet
Neil Sidwell, trombone
NIgel Hitchcock, tenor sax
John Parricelli, guitar
Tom Cawley, piano & organ
Mark Hodgson, bass
Jeremy Stacey, drums
and others

・Recorded in 2004
Universal/ UCJ
0602498710913

Bittersweet and Blue
ビタースウィート・アンド・ブルー

First Songs

www.gwynethherbert.com

 
1. Bittersweet and Blue
2. Grandma's Hands
3. A Little Less
4. The Heart of Saturday Night
5. Glory Box
6. The Very Thought of You
7. Fallen
  8. It's Alright with Me
9. Only Love Can Break Your Heart
10. White Elephant Town
11. At Seventeen
12. Fever
13. Ev'rytime We Say Goodbye
コニー・エヴィンソン

Connie Evingson: Fever
A Tribute to Peggy Lee

コニー・エヴィンソンによるペギー・リーへのトリビュート・アルバム。ペギー若き日の十八番“It's a Good Day”や“Why Don't You Do Right”から大ヒットした“Black Coffee”“Fever”そしてグラミー受賞作“Is That All There Is?”まで、ペギーファンにはたまらないラインナップだ。そして困ったことに、歌はペギーよりうまいんである。他の頁でも書いたけれども、軽く歌っているのに素晴らしいヴォイスコントロール。かっこいいったらありゃしない。マスターの場合かの女の声が生理的に好きなのでどうしようもないんだが、キュート、セクシー、なおかつ上品。この三位一体にノックアウトされっぱなし…。
ピアノトリオにギターとサックス(クラリネットとフルート持ち替え)という小編成のバックも小粋でうまい。ことにデイヴ・カーは大活躍である。
追記)ペギー・リー自ら詩を書いた作品が6曲採り上げられている。かの女は作詞家としても優れていたのである。(10)はエリントン、(11)はヴィクター・ヤングが作曲。こういう憎い選曲にもマスターは弱い。

 

Connie Evingson, vocals
Dave Karr, tenor sax, clarinet & flute
Sanford Moore, piano
Reuben Ristrom or Joan Griffith, guitar
Terry Burns, bass
Phil Hey or Nathan Norman, drums

・Recorded in 1999
Minnehaha Music MN 55419

Connie Evingson: Fever

ジプシー・イン・マイ・ソウル
Let It Be Jazz

www.connieevingson.com

 
1. I Love Being Here with You
2. Some Cats Know
3. I Wanna Be Loved
4. He's a Tramp
5. Black Coffee
6. It's a Good Day
7. Why Don't You Do Right?
  8. Fever
9. I Don't Know Enough About You
10. I'm Gonna Go Fishin'
11. Where Can I Go Without You?
12. Is That All There Is?
13. Can't Buy Me Love [bonus track]
ヒュイツィンガー Ilse Huizinga: Beyond Broadway

オランダの若きママさん歌手イルセ・ヒュイツィンガの2005年録音。アルバムタイトルどおりブロードウェイが産んだ名曲を中心とするメニュー。『マイ・フェア・レディ』などネタ元はみんな古い。バックはダンナのエリク・ヴァン・デル・リューイトを含むクァルテットで、編曲もエリクが担当。
エラ、サラ、カーメンを聴き漁ったという経歴からわかるように、ジャズヴォーカルの王道が基本にある。とびきりうまいわけではないが声はよく伸びるし、危うさはないし、フェイクも自然だし、なにより声がきれいだし、うっとり気を抜いて、安心して聴いていられる。ゴードン・ジェンキンスの『グッバイ』なんてシナトラで聴くと涙が出てしまうけれど、イルセだと哀しみもほどほど。ほかの曲も歌詞を大切にしているのはわかるが、重くならないのである。マスターお気に入りトラックはしっとりバラッドで始まってぐいぐい加速していく『あなたと夜と音楽と』かな。おおっ、やるじゃないかって感じで…。

 

Ilse Huizinga, vocals
Enno Spaanderman, saxes
Erik van der Luijt, piano
Branko Teuwen, bass
Victor de Boo, drums

・Recorded in 2005
Gats Production, Japan
GFVS013

Ilse Huizinga: Beyond Broadway

Sings Music of Richard Rodgers

 
1. I Loves You, Porgy
2. Wouldn't It Be Lovely?
3. Someone to Watch Over Me
4 .I Got Plenty of Nuttin'
5. Goodbye
6. Mad About the Boy
  7. On the Sreet Where You Live
8. I Could Have Danced All Night
9. I'll Close My Eyes
10. You and the Night and the Music
11. Ev'rytime We Say Goodbye
12. Manhattan
リサ・バソンジュ Lisa Bassenge Trio: A Sigh, a Song

ドイツのレーベルだし、リザ・バセンゲというのかと思ったらリサ・バソンジュというフランス風表記を見た。ベルリンで活動している女性なのだが…。ジャケット写真のおみ足はかの女のもの。お顔はブックレットを開かないとお目にかかれない。で、このリサ嬢、ヴォーカルはリサ・エクダール(次項)みたい。あっちのリサより気持ち大人っぽいから、エクダールのお姉さんてところか。
その「守ってあげたい」系の歌い方で新旧のポップスをあれこれほわほわとつづっていく脱力系ジャズ・ヴォーカルなのですな。だから究極のブリッコソング『わたしの心はパパのもの』などお好きな人にはたまらないのでは。ただアンニュイの度合いはエクダールより上かも。あまりロリータ系ではないのだ。
プレスリーの『今夜はひとりかい』も全然イメージがちがう。同じプレスリーの(4)は『オー・ソレ・ミオ』が原曲。これもだるい。(7)はR&Bの大ヒット『マイ・ガール』。ほかにはエドゥ・ロボ、トム・ウェイツ、ジョニ・ミッチェル、カール・パーキンス(ロカビリー!)など。多彩な選曲だ。
トリオというのは右記のような編成で、ホリー・コール・トリオと同じ。曲によって他のミュージシャンが加わるのも同じ。知らない人ばかりだがけっこううまく、『黄金の耳飾り』(ペギー・リーのヒット曲)で聴かれるヴァイブなどいい味を出している。メンバー共作の(9)と(14)はなにやらアヴァンギャルド。最後のトラックにも仕掛けが…。

 

<Lisa Bassenge Trio>
Lisa Bassenge, vocal
Andress Schmidt, piano
Paul Kleber, bass
with
Michael Merkelbach, trumpet
David Friedman, vibes
Julia-Maria Kretz, violin
Martin von der Nahmer, viola
Rouven Schirmer, cello
Rainer Winch, percussion
Daniel Matter, vocals

・Released in 2002
Minor Music Records
MM801100

A Sigh, a Song

Going Home
Three

Lisa Bassenge Trio

 
1. Can't Get You Out of My Head
2. Adeus
3. Blue Suede Shoes
4. It's Now or Never
5. Everybody Loves Somebody Sometime
6. Shake the Disease
7. My Guy
8. Blue
  9. A Sigh, a Song
10. My Heart Belongs to Daddy
11. Are You Lonesome Tonight?
12. Ol'55
13. Golden Earrings
14. Interlude
15. Junimond
16. hidden track
リサ・エクダール Lisa Ekdahl: Heaven, Earth and Beyond

カワユ〜イ歌声大好きの一部ファンには絶大な人気を誇り、また一部女性からは馬鹿っぽいといわれて敬遠されているのがリサ・エクダール。見た目も童顔だし、このスウェーデン娘は放っておけない気持にさせるのだろう。何も知らずに聴けば子どもが歌っていると思うかも。舌ったらずの脱力系ヴォーカルはたしかに和むだろうが、マスターんとこにはこのベスト盤一枚しかない。
で、聴いていて気がついたのだが、アレンジがうまいことカワユイ脱力に合わせてあるのだ。ちょいとひきずるようなダルなアレンジがほわほわ軽いアンニュイなヴォーカルにぴったり。対比でなく一体感を狙っているのだ。1960年代米国の可愛い子ちゃんポップスの伴奏アレンジみたいな気もする。ま、それが若干ジャズっぽく仕上がっているわけだ。
ジュリー・ロンドンの十八番『クライ・ミー・ア・リヴァー』やナット・コールでおなじみ『ネイチャー・ボーイ』はオリジナルを知っているだけにコケた。が、好きな人はこれがいいのだろう、きっと。『わたしの心はパパのもの』(10)は予想どおりの甘ったれ。アンリ・サルヴァドールとの(5)は爺ちゃんと孫娘みたい。どーしても力を抜きたいときには最適の一枚。
新盤“En Samling Sanger”(右記参照)も出ているし、かの女もブロッサム・ディアリーみたいになっていくんだろうか。

 

Lisa Ekdahl, vocal
Salvadore Poe, guitar
Peter Nordahl, piano
Backa Hans Eriksson, Patrik Boman, bass
Ronnie Gardiner, Johan Loefcrantz, drums
Magnus Lindgren, piano & woodwinds
Stockholm Session Strings
Henri Salvador, vocal
and others

・Released in 2002
BMG France 74321 973082

Heaven, Earth and Beyond
ベスト・オヴ・リサ・エクダール

もしあなただったら
When Did You Leave Heaven
Back to Earth
En Samling Sanger

 
1. Rivers of Love
2. Open Door
3. Deep Inside Your Dreams
4. Whe Did You Leave Heaven
5. All I Really Want Is Love (w. Henri Salvador)
6. It's Oh So Quiet
7. Daybreak
8. Cry Me a River
9. Now or Never
  10. My Heart Belongs to Daddy
11. The Color of You
12. Nature Boy
13. Sunny Weather
14. I Can't Get Started
15. But Not for Me
16. Stranger on Earth
17. Open Door [Alt. version]
ブロッサム・ディアリー Blossom Dearie

元祖登場。女チェット・ベイカーとかビバップ・ベティ・ブープとか言われたブロッサム・ディアリーの、これは初期の代表盤。かの女のピアノ弾き語りをレイ・ブラウン、ジョー・ジョーンズ、ハーブ・エリスという超弩級の3人がサポートする。明記されていないが『コマンタレ・ブー』や『春の如くに』など数曲に混声コーラスが加わっている。これらの歌唱はフランス語。このほかにもブロッサムはフランス語歌唱を含むアルバムを出しているが、かの女はちょうどこのころパリでブルースターズというヴォーカルチームに参加していたのだ。
甘ったるい歌声に酔うのもいいが、かの女は弾き語りの名手でもある。味のあるピアノにも耳を傾けてやっていただきたい。歌もピアノもけっこう繊細でうまいのである。この小粋な感じは一節聴いただけでブロッサムとわかる独特のもの。
CDはボーナストラックが3曲追加されている。最後の『ブロッサムのブルーズ』がおかしい。この声で悪女ぶった歌詞を歌っているのだ。

 

Blossom Dearie, piano & vocals
Herb Ellis, guitar
Ray Brown, bass
Jo Jones, drums

・Recorded in 1956 & 59
Verve 837 934-2

Blossom Dearie
ブロッサム・ディアリー+3

My Gentleman Friend

 
1. 'Deed I Do
2. Lover Man
3. Ev'rything I've Got
4. Comment Allez-Vous
5. More Than You Know
6. Thou Swell
7. It Might as Well Be Spring
8. Tout Doucement
9. You for Me
  10. Now at Last
11. I Hear Music
12. Wait Till You See Her
13. I Won't Dance
14. Fine Spring Morning
15. They Say It's Spring
16. Johnny One Note
17. Blossom's Blues
ブロッサム・ディアリー Blossom Dearie: Give Him the Ooh-La-La

フランスから戻ったブロッサムがヴァーヴに吹き込んだ二作目のアルバム。サイドメンは前作と同じで、プロデューサーもやはりノーマン・グランツ。こっちのほうが有名な曲が多いのでブロッサム入門にはいいかも。それにかの女のトレードマークともいえる『ギヴ・ヒム・ジ・ウー・ラ・ラ』が入っているってこともある。
この曲はブロッサムにお誂え向き。セクシーなとなりのお嬢さんをうっかり垣間見てしまった少年のような気分にさせられる(何じゃそりゃ)。囁きのようなソフトヴォイス、じつは巧みな歌い回し、洒落たアレンジ(ブロッサム自身による)やちょっとダルな味わいをもったピアノが、唯一無二なブロッサムワールドにいざなう。気がつくと脳みそ空っぽになって脱力している自分がいる。

 

Blossom Dearie, piano & vocals
Herb Ellis, guitar
Ray Brown, bass
Jo Jones, drums

・Recorded in 1957
Verve 314 517 067-2

♪ Give Him the 0oh-la-la

Give Him the Ooh-La-La
ギヴ・ヒム・ジ・ウー・ラ・ラ

 
1. Just One of Those Things
2. Like Someone in Love
3. Between the Devil and the Deep Blue Sea
4. They Say It's Spring
5. Try Your Wings
6. Bang Goes the Drum (and You're in Love)
7. The Riviera
  8. The Middle of Love
9. Plus Je T'embrasse
10. Give Him the Ooh-la-la
11. Let Me Love You
12. I Walk a Little Faster
13. Give Him the Ooh-la-la [Alt. take]
ブロッサム・ディアリー Blossom Dearie: Once upon a Summertime

ブロッサム・ディアリーのヴァーヴ三作目。今回はマンデル・ロウ、エド・シグペンが脇をかためている。このアルバムはミシェル・ルグランの(8)をフランス語で歌うのがウリ。聴いていると夏の日の恋の相手がほんの少女だったような錯覚にとらわれる。ほかの曲ではマイルズ・デイヴィスがオリジナル・クインテットで採り上げていた(2)と(5)が面白い。夢みる少女が歌っているみたいなのだ。それもちょっとおしゃまな…。ペギー・リーのレパートリー(11)にしてもペギーの姉御ふうの貫禄とはえらい違い。うわの空(doodling)のかの女に手を差しのべたくなりそう。
なわけで、はまる人ははまるがはまれない人ははまれない、というより気持ち悪いとか馬鹿っぽいとか感じて拒否してしまうのがブロッサム。まだご存知ない方は試してからになさったほうが…。

 

Blossom Dearie, piano & vocals
Mundell Lowe, guitar
Ray Brown, bass
Ed Thigpen, drums

・Recorded in 1958
Verve 314 517 223-2

Once upon a Summertime
ワンス・アポンナ・サマータイム

Sings Comden and Green
May I Come In?
メイ・アイ・カム・イン?

 
1. Tea for Two
2. Surrey with the Fringe on Top
3. Moonlight Saving Time
4. It Amezes Me
5. If I Were a Bell
6. We're Together
 

7. Teach Me Tonight
8. Once upon a Summertime
9. Down with Love
10. Manhattan
11. Doop-Doo-De Doop (a Doodlin' Song)
12. Our Love Is Here to Stay

 
  VOCAL 1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 / 7 / 8 / 9 / [10]
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TRUMPET / TROMBONE / WOODWONDS / PIANO / GUITAR / ORGAN
VIBES / DRUMS / MISCELLANEOUS / BIG BAND / COMBO