ジャズCDレビュー
キャノンボール・アダレイ   アドマックス「カフェ・マキシマム」  
ジャズ・トップページブルースワールド・ミュージッククラシックCD吹奏楽

演奏家インデクス
サックス

TRUMPET / TROMBONE / PIANO / GUITAR / ORGAN
VIBES / DRUMS / MISCELLANEOUS / BIG BAND / COMBO / VOCAL
Page 1 / 2 / [3] / 4 / 5 / 6 / 7 / 8 / 9 / 10 / 11 / 12 / 13
 
キャノンボール・アダレイ「枯葉」

Cannonball Adderley: Somethin' Else

定番中の定番であること『サキコロ』『モーニン』にも劣らない『サムシン・エルス』。ことに入門書の類にはこれを載せていない本を探すのが困難なほど「人口に膾炙した」(むつかしいのう!)作品だ。
キャノンボール・アダレイの名義で録音された『サムシン・エルス』は、実質的にはマイルズ・デイヴィスのリーダー作だといわれる。1958年3月の時点でキャノンボールはマイルズのサイドマンであり、マイルズはコロンビアの専属だった。ブルーノートは自社レーベルに人気絶頂のマイルズの録音をのこすため、主従逆転のカタチでこのセッションを組んだのだった。
最初の『枯葉』はマイルズがアーマッド・ジャマルをイメージして編曲したと伝えられる。かれのミュートの主題提示によって曲の雰囲気が決定づけられ、聴き手の脳味噌を震わせる独特の鋭さを持ったミュートが、寡黙で美しいソロを聴かせてくれる。「吹きまくりゃいいってもんじゃねェんだよ」というマイルズのダミ声がきこえてきそうだ。キャノンボールも真面目なインプロヴァイザーになってそれに従う。抑制の効いたソロ。
知人のジャズファンはこの『枯葉』だけが目的で、他はオマケだと言ってのける。それがひとりやふたりじゃないのだ。個人の自由とはいえあんまりな…。そういう偏った人はほっとくとして、ほかの曲やほかの人の演奏にも耳を傾けよう。名手ばっかりのグループなのだから。とくに一番渋い存在のハンク・ジョーンズ。この人こそが全体を引き締めているんだがな〜。

Miles Davis, trumpet
Cannonball Adderley, alto sax
Hank Jones, piano
Sam Jones, bass
Art Blakey, drums

・Recorded in 1958

Somethin' Else (Rmst)
サムシン・エルス

こんな豪華メンバー盤も
Bohemia After Dark

 
1. Autumn Leaves
2. Love for Sale
3. Somethin' Else
  4. One for Daddy
5. Dancing in the Dark
6. Bangoon
キャノンボール・アダレイ

Cannonball Adderley: Takes Charge

キャノンボール・アダレイ1959年の当録音はウィントン・ケリー・トリオとの顔合わせ。アプローチは上記『サムシン・エルス』とあまり変わらず、ハードバップの流れに素直に収まった演奏になっている。
ワンホーンということもあり、キャノンボールの歌心が満喫できる。曲目もスタンダード好きの人には魅力だろう。(4)はソニー・ロリンズにチャーミングな演奏があるので聴き較べるのも一興。キャノンボールも軽やかにノリのいいところを聴かせてくれる。バラッド(2)の美しさ、ダルな雰囲気も格別。ちょっと引きずるような感じが面白い。もう一つくらいバラッドを入れといてくれればよかったのに。
ウィントン・ケリーも上出来だ。このセッションはシックにいこうと決めていたのか、落ち着いた端正なソロを展開。ブルーズ(5)などとくに聴き応えがある。

 

Cannnonball Adderley, alto sax
Wynton Kelly, piano
Paul Chambers, bass
Percy Heath, bass (5 - 9)
Jimmy Cobb, drums
Albert "Tootie" Heath, drums (5 - 9)

・Recroded in 1959

Cannonball Takes Charge

ビル・エヴァンスとの顔合わせ
Know What I Mean
ノウ・ホワット・アイ・ミーン

 
1. If This Isn't Love
2. I Guess I'll Hang My Tears Out to Dry
3. Serenata
4. I've Told Ev'ry Little Star
5. Barefoot Sunday Blues
  6. Poor Butterfly
7. I Remember You
8. Barefoot Sunday Blues [Alternate take]
9. I Remember You [Alternate take]

Cannonball Adderley & the Poll Winners
featuring Ray Brown and Wes Montgomery

ふつうポール・ウィナーズというとケッセル/ブラウン/マンのトリオを思い出すだろう。人気投票トップの3人が吹き込んだ一連のアルバムは素晴らしいできばえだった。1960年、レイ・ブラウンは残ったがギター部門のトップはウェス・モンゴメリーに代わっており、このアルバムの誕生となった。
名人ふたりを招いてのセッションだが演奏はリラックスしたもの。バリバリのソロは誰もとらない。余裕しゃくしゃくの演奏ばかりだ。キャノンボールの太い音色のアルトがイマジネイティヴでいい。のちのアーシーなスタイルとは違う典型的ハードバップ。レイ・ブラウンのベースソロもパワフルだが渋い。ウェスは大ブレイク以前の姿。オクターヴ奏法はあまり顔を出さず、シングルトーン主体の涼しくてスムーズなソロを聴くことができる。
この時期のキャノンボールのピアニストは英国生まれのヴィクター・フェルドマン。マイルズが自分のバンドに入れたがったほどのうまさとセンスを持った男だ。魅力的なオリジナル(1)(3)を提供して作曲家としての力量もみせる。かれはヴァイブの名手でもあり、技巧派ぶりを示してバンドに美しい彩りを添えている。一人三役。

 

Cannonball Adderley, alto sax
Wes Montgomery, guitar
Victor Feldman, piano & vibes
Ray Brown, bass
Louis Hayes, drums

・Recorded in 1960

Cannonball Adderley & the Poll Winners

ヴァイブとの共演ならこれも
Things Are Getting Better

 
1. The Chant
2. Lolita
3. Azule Serape
4. Au Privave
  5. Yours Is My Heart Alone
6. Never Will I Marry
7. Au Privave [Alternate take]
キャノンボール・アダレイ

Cannonball Adderley: Them Dirty Blues

キャノンボール・アダレイはキャピトルに移籍する際、リヴァーサイド時代のマスターテープを何本か手みやげに持ってきた。これもそのうちの一つで、大ヒット『ワークソング』『ダット・デア』、サム・ジョーンズの名作『デル・サッサ』(化学ぞうきんの名前じゃありません)が含まれるゴキゲンな一枚。
曲目でお判りのようにコテコテになる前のファンキージャズ。ウケねらいのない素直さがいい。ファンキーは米国黒人の自覚から産み出されたもので、最初からコマーシャリズムどっぷりだったわけではない。『ダット・デア』を聴いてみると、ティモンズがソロに黒人霊歌『行け、モーゼよ』のフレーズを入れている。自分たちの伝統文化を見直そうという気運が高まっていた時代、ジャズも例外ではなかった。なんてなことを言うと気負っているかと思うかも知れないけれど、ほどほどの緊張感をもった暑苦しくない仕上がり。

 

Cannonball Adderley, alto sax
Nat Adderley, cornet
Barry Harris or Bobby Timmons, piano
Sam Jones, bass
Louis Hayes, drums

・Recorded in 1960

Them Dirty Blues

こってりファンクは
マーシー・マーシー・マーシー

 
1. Work Song
2. Jeannine
3. Easy Living
4. Them Dirty Blues
5. Dat Dere
  6. Del Sasser
7. Soon
8. Work Song [Alternate take]
9. Dat Dere [Alternate take]
キャノンボール・アダレイ

Cannonball Adderley: Jazz Workshop Revisited

弟ナット・アダレイとマルチ・リード奏者ユセフ・ラティーフを加えたキャノンボール・アダレイ・セクステット。1962年のサンフランシスコ・ライヴである。
冒頭の“Primitivo”は衝撃的だ。これがキャノンボールか。演奏に先立ってみずから原始的なリズム、原始的なハーモニーによる曲だと紹介しているが、咆吼するフリーキーな管楽器はミンガスの『直立猿人』を思い出させる。ナットのソロはモーダルなものだし、ラティーフがオーボエでソロをとるが、これも洗練されたもの。それほど原始的な音楽にはきこえない。
つづくクインシーの“Jessica's Day”は3本の管を活かしたアレンジが冴える。モダンなかっこいいジャズ。キャノンボール、ナット、ラティーフの順で素晴らしいソロを聴かせてくれる。オーストリアからのピアニスト、ジョー・ザウィヌルものちのオーバーファンクが想像できない「まっとうな」ジャズをやっている。ファンクな雰囲気は(4)あたりでようやく味わうことができる。
マスターお気に入りの曲“The Jive Samba”はナット・アダレイの作品。サンバとは名ばかりでロックふうリズムの演奏だ。いかにも時代に合っている。フルートが加わることによってサウンドに柔らかさが出ているのも新鮮。この曲にはサド/メルのオーケストラによる録音があるのでご参考までに。

 

Cannonball Adderley, alto sax
Nat Adderley, cornet
Yusef Lateef, tenor sax, flute & oboe
Joe Zawinul, piano
Sam Jones, bass
Louis Hayes, drums

・Recorded in 1962 (Live)

Jazz Workshop Revisited

1961年東海岸でのライヴ
Cannnonball in New York

地名シリーズ
イン・サンフランシスコ
イン・シカゴ
イン・ジャパン

 
1. Primitivo
2. Jessica's Day
3. Marney
4. Unit 7
  5. The Jive Samba
6. Lillie
7. Mellow Buno
キャノンボール・アダレイ

Cannonball's Bossa Nova
Cannonball Adderley and the Bossa Rio Sextet

キャノンボール・アダレイがブラジルのミュージシャンたちと共演したボッサアルバム。ブラジル65結成以前のセルジオ・メンデスが参加している。流行にのったといえばそれまでだが、なかなかご機嫌なアルバムでかなりのセールスを記録し、今でも人気が高い。アダレイ氏はボサノヴァとの相性がいいのである。
ふくよかな音色を活かして悠々と歌うアルトがなんとも快適。これならゲッツに負けてません。曲目もいい。サンバとハードバップが合体した『サンバップス』なんて、タイトルは笑わせるがえらくかっこいい演奏だ。
バラッド演奏時のセルジオ・メンデスのピアノがひっそりと繊細で、思わず耳をそばだてる美しさ。ブラジルのホレス・シルヴァーなんて呼ぶ人もいたけれど、適切な比喩だったかどうか。ほかのメンバーも本場物のリズムで心地よいバックを提供しており、大成功の他流試合になっている。

 

Cannonball Adderley, alto sax
Sergio Mendes, piano
Pedro Paulo, trumpet
Paulo Moura, alto sax
Durval Ferreira, guitar
Octavio Bailly, bass
Dom Um Romao, drums

・Recorded in 1962

Cannonball's Bossa Nova

 
1. Clouds
2. Minha Saudades
3. Corcovado
4. Batida Diferentes
5. Joyce's Sambas
  6. Groovy Sambas
7. O Amor Em Paz (Once I Loved)
8. Sambops
9. Corcovado [Alternate take]
10. Clouds [Alternate take]

キャノンボール・アダレイ

Cannonball Adderley with Bill Evans
"Know What I Mean?"

キャノンボール・アダレイとビル・エヴァンス、といえばマイルズのバンドの同級生ですな。そしてこの時期、ともにリヴァーサイドの看板スターだった。その二人が組んで『ワルツ・フォー・デビー』をやっているという、実においしいアルバム。
エヴァンスの繊細なピアノに寄り添うようなアダレイのやさしさ、軽やかさが素晴らしく、同じワンホーンでもウィントン・ケリーとのセッションとは雰囲気が異なる。バラッドの『グッバイ』『エルザ』『ナンシー』などで聴かれるひそやかさには思わず耳をそばだててしまう。
表題曲(エヴァンスのオリジナル)がいまいちなのは、某有名コンボから参加したベーシストとドラマーがダサいから。とくにドラマーのセンスのなさが目立つ。ためしに聴いてご覧になることをお奨めする(だったらするなよ)。

 

Cannonball Adderley, alto sax
Bill Evans, piano
Percy Heath, bass
Connie Kay, drums

・Recorded in 1961

Know What I Mean?
ノウ・ホワット・アイ・ミーン

音にこだわるなら
Know What I Mean? [Xrcd]
Know What I Mean? [SACD]

 
1. Waltz for Debby
2. Goodbye
3. Who Cares? [Take 5]
4. Who Cares? [Take 4]
5. Venice
  6. Toy
7. Elsa
8. Nancy (With The Laughing Face)
9. Know What I Mean? [Re-Take 7]
10. Know What I Mean? [Take 12]

ジェリー・マリガン

The Gerry Mulligan Quartet: What Is There to Say?

アルバムタイトルは『何を言うことがあろうか(いや、ない=反語的表現)』だけど、何か言いたい。まずトランペットがチェット・ベイカーからアート・ファーマーに変わっていること。チェット&ジェリーは相性抜群だったが、新加入のファーマーのフレッシュな演奏がバンドに活気をもたらしている。
マリガンのアレンジの冴えは相変わらず。バラッドでもスウィングナンバーでも、シンプルなのに気が利いているというのが特徴だ。ソロも快調。バリトンサックスという鈍重な楽器のイメージをくつがえす、マリガンにしかできない軽快なアドリブ。実際こんなバリトン奏者はマリガンの前にも後にも見あたらない。ワン・アンド・オンリー。何を言うことがあろうか(いや、ない)。
ベーシスト、ビル・クロウの著書にこの録音のエピソードが紹介されている。それによると(3)の3拍子のブルーズがクロウの作品、(7)のブルーズはファーマーの曲だ。ブックレットの表記では名前が入れ替わっている。それはともかくどちらもかっこいい曲だ。ソロにも熱が入っていてスリルがある。たぶん一般的には『マイ・ファニー・ヴァレンタイン』に興味がいっちまうんだろうが、ほんとに聴き応えのあるのはこれらのオリジナル。ソロも聴きましょうね、ソロも。

 

Gerry Mulligan, baritone sax
Art Farmer, trumpet
Bill Crow, bass
Dave Bailey, drums

・Recorded in 1958 & 59

What Is There to Say?

チェット・ベイカーと
The Original Quartet With Chet Baker
オリジナル・マリガン・クァルテット
カリフォルニア・コンサーツ
Carnegie Hall Concert

 
1. What Is There To Say?
2. Just in Time
3. News from Blueport
4. Festive Minor
  5. As Catch Can
6. My Funny Valentine
7. Blueport
8. Utter Chaos
ナイト・ライツ

Gerry Mulligan: Night Lights

ずいぶん人気があるらしい。ジェリー・マリガンの『ナイト・ライツ』。マスターくらいの年代なら、FM番組“Aspect in Jazz”のテーマに使われていたショパンのアレンジ『前奏曲 ホ短調』が懐かしいってこともあるだろう。クラシックのジャズ化をやる連中がよく採り上げるが、きっかけはマリガンだったのではないかな。原曲のイメージそのままの美しく密やかな演奏は、油井正一氏の声とともに耳に焼きついている。ではお若い年代の方々は?
軽いから、夜の雰囲気だから、『黒いオルフェ』やってるから…。いや、真相はもっと深層にあるだろう。日本人の短調好き。マスターみたいな例外もあるから日本人すべてがそうだとは口裂け女になっても言わない。しかし周辺に短調好きが多いのは事実。このアルバムは好かれる条件が揃っているのだ。演奏もみんな耳あたりよくソフトだし、統一感を持ってお洒落に仕上がっている。
右記セクステットの演奏に加えて1965年録音の 『ナイト・ライツ』別ヴァージョンが収録されている。ピート・ジョリーが参加したクインテットにストリングスを加えたイージーリスニング仕上げ。

 

Gerry Mulligan, baritone sax & piano
Art Farmer, trumpet
Bob Brookmeyer, valve trombone
Jim Hall, guitar
Bill Crow, bass
Dave Bailey, drums

・Recorded in 1963

Night Lights
ナイト・ライツ

 
1. Night Lights
2. Morning of the Carnival
3. In the Wee Small Hours of the Morning
4. Prelude in E Minor
  5. Feative Minor
6. Tell Me When
7. Night Lights (1965 version)
 
Page 1 / 2 / [3] / 4 / 5 / 6 / 7 / 8 / 9 / 10 / 11 / 12 / 13
TRUMPET / TROMBONE / PIANO / GUITAR / ORGAN
VIBES / DRUMS / MISCELLANEOUS / BIG BAND / COMBO / VOCAL