ジャズCDレビュー
ジャス・サックス   アドマックス「カフェ・マキシマム」  
blues cd review ワールド・ミュージック クラシックCD brass and wind ensemble book review jazz index
WOODWINDS 1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 / 7 / [8] / 9 / 10
11 / 12 / 13
TRUMPET / TROMBONE / PIANO / GUITAR / ORGAN
VIBES / DRUMS / MISCELLANEOUS / BIG BAND / COMBO / VOCAL
 
ジミー・フォレスト

Jimmy Forrest: All the Gin is Gone

R&Bの大ヒット『ナイト・トレイン』で知られるジミー・フォレスト。これは1959年に録音された正統派ハードバップ・アルバムだ。
フォレストは優れたテナー職人であり、しょうもない演奏はまずない。なんでも巧みにまとめてしまう。軽く流してしまうこともある。ところがここでは大まじめに、気合いの入った演奏を聴かせてくれる。手クセで間をもたせるようなことはせず、かれ独特の太い音色でインスピレーションゆたかに歌いつづける。豪快なテナーの響きはほんとうに心地よい。
ブルーノート以前のグラント・グリーンが聴けるのもポイント。トレードマークの針飛びフレーズはないがグリーンらしさはちゃんと出ている。エルヴィン・ジョーンズのうまさにも注目。コルトレーンとの共演で脱皮を果たしていた時代だ。スティック、ブラシを使い分けてなかなか多彩。ソロもいくつかあり、とくに“Caravan”のブラシワークが素晴らしい。

○同じ顔ぶれの“Black Forrest ”もCD化されている。

 

Jimmy Forrest, tenor sax
Harold Mabern, piano
Grant Green, guitar
Gene Ramey, bass
Elvin Jones, drums

・Recorded in 1959
Delmark Records
DD-404

All the Gin is Gone

Black Forrest
Forrest Fire
Out of the Forrest
Soul Street
Soul Battle

 
1. All the Gin is Gone
2. Laura
3. You Go to My Head
4. Myra
  5. Caravan
6. What's New
7. Sunkenfoal
ビリー・ミッチェル

This is Billy Mitchell

ベイシー・バンドのスター・プレイヤーだった時代に録音されたビリー・ミッチェルのリーダー作。かれはコンボ演奏じたいがめずらしい気もするが、リーダーとしての録音もあまり見あたらないのが不思議。
ジャケットに「ジャズ界のもっともエキサイティングなテナーサックス」とあるのはベイシー・バンドでのイメージで、このアルバムのミッチェルはそれほどでもない。おいらは豪快なだけじゃないんだぜってのを示したかったのかも知れない。ミッチェルの軽快さ、やさしさ、美しさが味わえる貴重な録音と言えるだろう。なんつうかその、多彩にうまいんである。
ボビー・ハッチャーソンが全トラックに参加している。大活躍とまではいかないがさすがにうまいし美しい。クラレンス・アンダーソンのブルージーなオルガンも効果的だ。期間限定発売なのでお早めに。

 

Billy Mitchell, tenor sax
Bobby Hutcherson, vibes
Dave Burns, trumpet**
Clarence Anderson, organ*
Billy Wallace, piano**
Herman Wright, bass
Otis Finch, drums

・Recorded in 1962
Smash Records
SRS 67027

This is Billy Mitchell

The Magnificent Thad Jones
Dizzy Atmosphere

 
1. J & B*
2. Sophisticated Lady*
3. You Turned the Tables on Me**
4. Passionova**
 

5. Tamra**
6. Automation**
7. Just Waiting*
8. Siam**

ジーン・アモンズ Gene Ammons Hi-Fi Jam Session: Funky

ジーン・アモンズを中心にしたプレスティッジのスター・プレイヤーたちによるジャムセッション。右記のようになかなかリッチな顔ぶれだ。コールマン・ホーキンスの伝統を感じさせる貫禄充分のアモンズ、パーカー派アルトとして若手の筆頭格だったマクリーン、ハードバップのソフト化計画第一人者のアート・ファーマー。このフロントがのびのび個性を発揮し、味のあるソロをリレーしていく。まあさすがにアモンズは「あんたがボスだよ」というしかない素晴らしさで、1957年という時点での格の違いを感じさせる。ただボスという呼び名から豪快な吹きまくりを想像しないように。力まかせの演奏をする人ではないんですよ、念のため。
ケニー・バレルの参加もミソ。かれのソロが始まると一陣の爽風が吹き抜けていくように感じる。ブルーズでもスタンダードでもなめらかで美しい。マルは曲により出番が少ないが、さすが個性派、控えめでも存在感あり。
 

Art Farmer, trumpet
Jackie McLean, alto sax
Gene Ammons, tenor sax
Mal Waldron, piano
Kenny Burrell, guitar
Doug Watkins, bass
Arthur Taylor, drums

・Recorded in 1957
Prestige P7083
OJCCD-244-2

Gene Ammons: Funky

Jammin' in Hi-Fi
Boss Tenors

 
1. Funky
2. Pint Size
  3. Stella by Starlight
4. King Size
ジョニー・グリフィン Johnny Griffin Quartet: Way Out

ジャケ写は20世紀を代表する彫刻家ナウム・ガボの作品。この時期リヴァーサイドはミョーにアートに傾斜したジャケットを作っていたが、これは文句なしにかっこいい。そしてアルバムの内容も文句なし。
とにかくリズムセクションが抜群だ。なかでもグリフィンと同郷(シカゴ出身)のウィルバー・ウェア。かれの積極的でクリエイティヴな関与がどれだけバンドの質を高めていることか。ソロもアイディアに満ち、傾聴に値する。
ジョニー・グリフィンも快調そのもので、ジャイアントぶりを存分に味わわせてくれる。ミディアムテンポの余裕しゃくしゃくの歌い回し、突っ走りテンポのスリル、どれをとっても脱帽もの。あの小さい身体でこれほどふくよかな音色、大きい音を出せるのも驚きだ。
面白い選曲だと思ったら、ウラ解説に6曲中5曲までがシカゴ出身者のペンになるものだと書いてあった。(5)を書いたテリ・ソーントンはデトロイトの生まれだから、それ以外はということだろう。ウィンディ・シティとモーター・シティか。
 

Johnny Griffin, tenor sax
Kenny Drew, piano
Wilbur Ware, bass
Philly Joe Jones, drums

・Recorded in 1958
Riverside RLP-274
OJCCD-1855-2

Johnny Griffin: Way Out
ウェイ・アウト

Johnny Griffin Sextet
Lookin' at Monk
The Little Giant
ザ・リトル・ジャイアント

 
1. Where's Your Overcoat, Boy?
2. Hot Sausage
3. Sunny Monday
  4. Cherokee
5. Teri's Tune
6. Little John
ジョニー・グリフィン Johnny Griffin: Change of Pace

これは面白い。え?写真のことかって?ま、たしかにジョニー・グリフィンが置物みたいに写っている面白い写真だ。しかし中身はもっと面白い。グリフィンのテナーのほかにフレンチホルン、ベース2本、ドラムスという超ユニークな編成なのだ。
ホルンのジュリアス・ワトキンスは5曲に参加。やわらかい音色が室内楽みたいな雰囲気をかもし出し、不思議なジャズを産み出している。たまにソロもとるがこれがけっこう聴かせる。
グリフィンはいつも通りの豪快なハードバップ。しかもむちゃくちゃうまい。ホルンなしのセッションではリー・コニッツのピアノレスを連想させるようなドライな疾走を展開。このドライさはモードではなくコードチェンジによるもの。
2本のベースは一人にアルコ(弓弾き)を多用させるなどさまざまな工夫でうまく活かしている。一時の思いつきではなかったようだ。そういえば自作の(7)はストラヴィンスキーの『ペトルーシュカ』の影が見え隠れ。ほかの曲もほとんどメンバーの持ち寄りだ。かれらの創作意欲の高さを感じさせる好アルバム。フツーのジャズに飽きたら気分転換(change of pace)に如何?
 

Johnny Griffin, tenor sax
Julius Watkins, French horn
Bill Lee, Larry Gales, basses
Ben Riley, drums

・Redorded in 1961
Riverside RLP-9368
OJCCD-1922-2

Johnny Griffin: Change of Pace

JG
The Big Soul Band
Grab This!
Blowin' Session
Tough Tenor Favorites

 
1. Soft and Furry
2. In the Still of the Night
3. The Last of the Fat Pants
4. Same to You
5. Connie's Bounce
  6. Situation
7. Nocturne
8. Why Not?
9. As We All Know
ブッカー・アーヴィン Booker Ervin: The Book Cooks

個性派テナーの筆頭格ブッカー・アーヴィン初期の代表作。初期とはいっても1970年にわずか39歳で亡くなっているから、10年ほどしか録音活動がなかったわけだ。これはミンガスのグループに参加してようやく認められ始めた頃、1960年(多分)に録音されている。レスター・ヤングをベースにロリンズやコルトレーンを消化したスタイルだというのが判って面白い。しかしのちのプレスティッジ時代に開花するかれの個性、独特の「うねり」「こぶし」はすでに現れており、聴き間違えることはない。
このアルバムの白眉は“The Book Cooks”で聴かれるブッカーとズート・シムズのテナー・バトル。しのぎを削るという表現がぴったりの白熱の演奏だ。
タレンタイン兄弟の弟トミー・タレンタインも好演。最高のバイプレイヤー、トミー・フラナガンとパワフルなジョージ・タッカーががっちりかれらを支え、ミンガスのドラマー、ダニー・リッチモンドが強力なプッシュを送りつづける。
 

Tommy Turrentine, trumpet
Booker Ervin, tenor sax
Zoot Sims, tenor sax
Tommy Flanagan, piano
George Tucker, bass
Danny Richmond, drums

・Released in 1961
Bethlehem Archives
R2 76691

The Book Cooks
ザ・ブック・クックス

Happy Frame of Mind
ザ・クエスト
5ミンガス

 
1. The Blue Book
2. Git it
3. Little Jane
  4. The Book Cooks
5. Largo
6. Poor Butterfly
ブッカー・アーヴィン Booker Ervin: The Freedom Book

ブッカー・アーヴィン1962年のプレスティッジ録音。超絶のテクニックにさらに磨きがかかり、恐ろしいスピードと迫力で駆け抜けていく超弩級クァルテット盤だ。遅咲きの鬼才ジャキ・バイアード、稀代のテクニシャン、リチャード・デイヴィスとアラン・ドウソンというものすごい顔合わせ。最初の“A Lunar Tune”でいきなりノックアウトされてしまう。たたみかけるようなスリルのあるフレーズがあふれ出し、音楽はぐいぐい高揚していく。これぞ真剣勝負の迫力。
前項に「うねり」と「こぶし」と書いたが、演歌っぽいわけではなくてブルーズなんである。ん?てことは演歌か。よく泣き節なんて言われるしなー。バラッドではとくによくうねる。ブッカーならではの唯一無二のうねり。
 

Booker Ervin, tenor sax
Jaki Byard, piano
Richard Davis, bass
Alan Dawson, drums

・Recorded in 1962
Prestige P-7295
OJCCD-845-2

The Freedom Book
ザ・フリーダム・ブック

The Blues Book
The Space Book

 
1. A Lunar Tune
2. Cry Me Not
3. Grant's Stand
  4. A Day to Mourn
5. Al's in
ブッカー・アーヴィン:ソングブック

Booker Ervin: The Song Book

ブッカー・アーヴィン1964年の録音。上記アルバムとはピアニストが代わっただけのワンホーンなのだが、そのピアニストがトミフラであり、曲目がすべてスタンダードだというのがミソ。ブッカーのいちばん人気のあるアルバムである。
“The Lamp is Low”はラヴェルの『亡き王女のためのパヴァーヌ』をベースにしたスタンダード。しかし演奏は原曲のイメージ全くなしの突っ走りである。明快俊足のテナーが豪快に歌いまくり、フラナガンの渋く弾むソロがそれに続く。ドウソンの熱いソロも聴ける。
“Come Sunday”はエリントンの名曲。マヘリアの名唱を意識したような美しいバラッドに仕上がっており、フラナガンのピアノが珠玉の光を放つ。もう一つのバラッド“Yesterdays”も同様の美しさ。ブッカーの「泣き節」が苦手な人もこれならしみじみ聴き入ることだろう。

 

Booker Ervin, tenor sax
Tommy Flanagan, piano
Richard Davis, bass
Alan Dawson, drums

・Recorded in 1964
Prestige P-7318
OJCCD-779-2

The Song Book
ザ・ソング・ブック

Exultation!
ジ・イン・ビトウィーン

 
1. The Lamp is Low
2. Come Sunday
3. All the Things You Are
  4. Just Friends
5. Yesterdays
6. Our Love is Here to Stay
ブッカー・アーヴィン

The Booker Ervin Sextet: Heavy!!!

ブッカー・アーヴィン1966年の録音。バイアード、デイヴィス、ドウソンといういつもの超強力リズムセクションにジミー・オーウェンス、ガーネット・ブラウンを加えた3管編成。文字どおりヘヴィなアンサンブルがぐいぐい迫ってくる。(2)がスタンダード、(5)がアンドリュース・シスターズ往年の大ヒット『素敵なあなた』。他4曲はメンバーのオリジナルだ。
全体にブッカーの個性全開のこってりしたアルバム。ワンホーンで奏される(2)はとくにブッカー節が強烈なバラッドだ。有名な“SONG BOOK”で聴かれるバラッドよりさらに個性的。ピアニストがトミフラではないので雰囲気もだいぶ違う。
(1)のブラウン、オーウェンスのソロもエキサイティング。(5)は12分を超えるジャムセッションで、メンバーのテクニシャンぶりが充分に発揮された熱演。ブッカーのソロもスリリングだが、バイアードのピアノがすごい。バックでもソロのときも意外性に満ちたフレーズを連発。この聴き応えはまさにヘヴィだ。

 

Jimmy Owens, trumpet & flugelhorn
Garnett Brown, trombone
Booker Ervin, tenor sax
Jaki Byard, piano
Richard Davis, bass
Alan Dawson, drums

・Recorded in 1966
Prestige P-7499
OJCCD-981-2

Booker Ervin: Heavy!!!

Sounds of the Inner City
Tex Book Tenor

 
1. Bachafillen
2. You Don't Know What Love is
3. Aluminum Baby
  4. Not Quite That
5. Bei Mir bist Du Schoen
6. Ode to Charlie Parker
 
  WOODWINDS 1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 / 7 / [8] / 9 / 10
11 / 12 / 13
TRUMPET / TROMBONE / PIANO / GUITAR / ORGAN
VIBES / DRUMS / MISCELLANEOUS / BIG BAND / COMBO / VOCAL