ジャズCDレビュー
ジョー・ヘンダースン   アドマックス「カフェ・マキシマム」  
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WOODWINDS 1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 / 7 / 8 / 9 / 10
[11] / 12 / 13
TRUMPET / TROMBONE / PIANO / GUITAR / ORGAN
VIBES / DRUMS / MISCELLANEOUS / BIG BAND / COMBO / VOCAL
 
ページ・ワン

Joe Henderson: Page One

ケニー・ドーハムの人気曲『ブルー・ボッサ』を作曲者本人が演奏した唯一の録音…ではないだろうか。魅力的なカヴァーがいろいろあるが、本人によるこの演奏はあまり面白くない。ボッサだからソフトに演ろうという意識がのびやかさを奪ってしまったのかも知れない。マッコイが意外にうまいし、悪くはないのだけれど。
そんなわけで出鼻をくじかれてしまうのだが、つづく5曲はさすがこの顔ぶれならではの充実ぶり。(3)以降のジョーのオリジナルがとくにかっこいい。『ジンリキシャ』という謎のタイトルの曲(ちょっとオリエンタル)もかっこいい。期待の若手の初リーダー作というにふさわしい仕上がりなのだ。下記『インナー・アージ』のようなバリバリのモードによるドライな高揚はまだないものの、ハードバップの枠組みの中で充分に個性を発揮し、イマジネーション豊かなところを聴かせる。マッコイの和声を活かしながらも涼しげなピアノが好印象。

 

Kenny Dorham, trumpet
Joe Henderson, tenor sax
McCoy Tyner, piano
Butch Warren, bass
Pete LaRoca, drums

・Recorded in 1963
Blue Note Records (BST 84140)
7243 4 98795 2 2

Joe Henderson: Page One
ページ・ワン

Joe Henderson: In'n'Out
イン・ン・アウト
Joe Henderson: Our Thing
アワ・シング

 
1. Blue Bossa
2. La Mesha
3. Homestretch
  4. Recorda Me
5. Jinrikisha
6. Out of the Night
インナー・アージ

Joe Henderson: Inner Urge

ジョー・ヘンダーソンは1937年4月24日、オハイオ州リマの生まれ。2001年6月30日、シスコで亡くなっている。決してジャズミュージシャンとして順調な生涯だったとは言えないが、1960年代中ごろからの最盛期にブルーノート、マイルストーンあたりに数々の名演を遺している。
なかでも『インナー・アージ(内なる衝動)』と題されたこのワンホーンアルバムは、かれが27歳にして絶頂に登りつめたことを示す熱演が収められている。まず気づくのは自信に満ちたスケールの大きさ。当時同じく絶頂期にあったコルトレーンのクァルテットからマッコイ・タイナー、エルヴィン・ジョーンズを借り出し、かれらの圧倒的パワーをみずからのパワーの源泉として取り込みながら力強く果てしなく羽ばたいていく。音色の魅力も増している。ヌケのいい男っぽい音色に磨きがかかり、聴き手にそれだけで快感を覚えさす。奏法では「ジョーのモード」の確立。コルトレーンともショーターとも違う、妖しさのない(語弊があるか)世界。
テンションの高い演奏が続く。デューク・ピアソンの美曲(4)やコール・ポーターのスタンダード(5)でも迷いのないソロが心地よい。マッコイの厚さを増したピアノがソロでもバックでも重要な役回りを演じている。そしてエルヴィンの間断することのない強烈なプッシュ。

○このクァルテットのベーシストが変わっただけの『ザ・リアル・マッコイ』もおすすめ。リーダーが変わると音楽が変わるという好例。

 

Joe Henderson, teonr sax
McCoy Tyner, piano
Bob Cranshaw, bass
Elvin Jones, drums

・Recorded in 1964
Blue Note Records (BST 84189)
7243 5 78727 2 0

Joe Henderson: Inner Urge
インナー・アージ

The Real McCoy
ザ・リアル・マッコイ

 
1. Inner Urge
2. Isotope
3. El Barrio
 

4. You Know I Care
5. Night and Day

モード・フォー・ジョー Joe Henderson: Mode for Joe

この時代のブルーノート系新主流派はフロントを厚くした編成の録音が少なくない。ジョー・ヘンダーソンの場合はこの『モード・フォー・ジョー』が代表。顔ぶれからファンクなジャズを想像するかも知れないが、1966年である。メッセンジャーズふうにはなっていない。
とはいえ悪ガキ、リー・モーガンが暴れるなぁ。遠慮を知らないのがこいつのいいところ(?)だ。ベテラン、カーティス・フラーがハイテンションでなかなか聴かせるじゃないか。リーダーのジョーヘンも堂々たるものだ。キレはさらに鋭くなっているようだ。ボビー・ハッチャーソンがお友だちのジョー・チェンバースと参加してるのもナイスなアイディア。ハッチャーソンのめくるめくテクニックと美しい音色もいいが、チェンバースのスピード感がどれだけ貢献していることか。みんなすっかり煽られているじゃないか。
シダー・ウォルトンの貢献にも触れておこう。(2)(3)という魅力的な曲を提供し、渋くて安定感のあるピアノで全体を引き締めている。
 

Lee Morgan, trumpet
Curtis Fuller, trombone
Joe Henderson, tenor sax
Bobby Hutcherson, vibes
Cedar Walton, piano
Ron Carter, bass
Joe Chambers, drums

・Recorded in 1966
Blue Note Records (BST 84227)
7243 5 91894 2 0

Joe Henderson: Mode for Joe
モード・フォー・ジョー

 
1. A Shade of Jade
2. Mode for Joe
3. Black
4. Caribbean Fire Dance
  5. Granted
6. Free Wheelin'
7. Black [Alt. take]
テトラゴン Joe Henderson: Tetragon

マイルストーン移籍後のワンホーン・アルバム。ドン・フリードマン、ロン・カーター、ジャック・デジョネットというセッション(1968年)と、ケニー・バロン、ロン・カーター、ルイス・ヘイズというセッション(1967年)が収められている。顔ぶれからいってフリードマンとのセッションの方が感覚が新しいが優劣があるわけではなく、マイルストーンへの録音中最高の出来映えになっている。
ブロニスラウ・ケイパーの名曲『インヴィテイション』であたしゃノックアウトされた。ひと皮むけている。まぶしい。ブルーノート時代後半に兆しはあったのだが、暗さ、重さが完全に払拭され、さらに明るく軽い音色に変わっている。そして強靱さ、キレの鋭さが増しているのである。かれの音楽はコルトレーン一派とは明らかに一線を画しており、ロリンズとも違う。甘さのない独特のリリシズムが優れたリズム感覚と上記のようなヌケのよい音色によって昇華され、かれ独自の世界を創り出している。若干フリーに近づいた感はあるが、フリードマンのアプローチも(3)あたりではアヴァンギャルドだが、新主流派の範ちゅうから逸脱するところまではいかない。「ジョーのモード」完成形というべきだろうか。
 

Joe Henderson, tenor saxes
Don Friedman, piano (1,2,3,5)
Kenny Barron, piano
Ron Carter, bass
Jack DeJohnette, drums (1,2,3,5)
Louis Hayes, drums

・Recorded in 1967 & 68
Milestone Records (MSP 9017)
OJCCD 844-2

Joe Henderson: Tetragon
テトラゴン

The Kicker
Joe Henderson in Japan
Double Rainbow

 
1. Invitation
2. R. J.
3. The Bead Game
4. Tetragon
  5. Waltz for Zweetie
6. First Trip
7. I've Got You Under My Skin
スタン・ゲッツ Stan Getz: Big Band Bossa Nova

スタン・ゲッツのボサノヴァといえば1963年の『ゲッツ/ジルベルト』の大ヒットが有名。しかしこれはその前年にゲイリー・マクファーランド編曲指揮のビッグバンドをバックに録音されたもの。『カーニヴァルの朝』『思いあふれて(ノー・モア・ブルーズ)』『ワン・ノート・サンバ』など有名曲にマクファーランドのオリジナル4曲をまじえたラインナップ。
マスターはいわゆる「ボサノヴァ・ゲッツ」をあまり面白いと思わず(手抜きと言っちゃ悪いが流してる感じがする)、ほとんど聴かない。このアルバムはまだ初期だったせいか、気を抜かず手を抜かず、ゲッツならではののびのびしたソロが楽しめる。アレンジはマクファーランドだけにクセがあるし、 『ゲッツ/ジルベルト』路線とはえらく違う押しの強い音楽なので敬遠する人も少なくないだろう。しかしこれはジャズなんである。バンドの顔ぶれがまたいかにもヴァーヴらしい必要以上の豪華メンバー、あぁもったいない。
 

Stan Getz, tenor sax
Arranged and Conducted by Gary McFarland

・Recorded in 1962
Verve Records
825 771-2

Stan Getz: Big Band Bossa Nova

Getz/Gilberto
ゲッツ/ジルベルト

 
1. Morning of the Carnival
2. Street Dance
3. Melancolico
4. Entre Amigos
  5. Chega de Saudade (No More Blues)
6. Noite Triste
7. One Note Samba
8. Bim Bom
スタン・ゲッツ:スイート・レイン Stan Getz: Sweet Rain

スタン・ゲッツ1967年のヴァーヴ録音。マスターは『ストーリーヴィル』あたりのゲッツが好きだが、リラックスして聴きたいときはこの『スウィート・レイン』を引っぱり出すことが多い。チック・コリア、ロン・カーター、グラディ・テイトと組んだワンホーン・クァルテット。やさしい雨のように甘く憂いを含んだ音色が降り注ぎ、魅力的なフレージングが聴くものを酔わす。40歳を迎えて円熟したというかこなれたというか、危なげのない演奏だが新鮮さを失わない見事な出来映え。活きのいい新主流派の連中との組み合わせも功を奏している。
最後に入っている『ウィンドウズ』という曲はコリア作品で、同時期のヒューバート・ロウズのアトランティック盤“Laws' Cause”でも採り上げられていた。ロウズのフルートの他はメンバーが同じ。ロウズ盤がそよ風吹く快晴のイメージなのに対し、ゲッツ盤は雨降りなのが面白い。いつまでも打たれていたい雨である。
 

Stan Getz, tenor sax
Chick Corea, piano
Ron Carter, bass
Grady Tate, drums

・Recorded in 1967
Verve Records
815 054-2

スウィート・レイン

Stan Getz: Focus
Stan Getz and the Cool Sounds

 
1. Litha
2. O Grande Amor
3. Sweet Rain
  4. Con Alma
5. Windows
 
  WOODWINDS 1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 / 7 / 8 / 9 / 10
[11] / 12 / 13
TRUMPET / TROMBONE / PIANO / GUITAR / ORGAN
VIBES / DRUMS / MISCELLANEOUS / BIG BAND / COMBO / VOCAL