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クラナド、デュラマン

Clannad: Dulaman

団塊の世代の皆さん、その後輩の皆さんも、ピーター、ポール&マリー(メアリーではなかった)の『虹と共に消えた恋』を覚えていらっしゃるだろう。その原曲が(7)だ。美しい歌声はモイア・ブレナン。エンヤの姉(つまりネエヤですな)。このグループにはエンヤの兄たち(ニイヤ)も参加している。
内容は全編アコースティックのアイリッシュ・フォーク。クラナドはその後電化されて「ニュー・エイジ」などという不思議なジャンルに分類されているが、この1976年のアルバムは素朴な響きがさわやかでよろしい。メロディもたいへん美しい。
曲目はケルトの常道、エアとダンスの組み合わせ。とはいえリールやジグのようなせわしないテンポの曲はない。ケルティック・ダンスが苦手な人や『ハリーズ・ゲーム』以降のクラナドしか知らない人にも抵抗なく聴けるだろう。お若い人もどうぞ。

 

Clannad: Dulaman
クラナド:デュラマン

こちらもおすすめ
Banba

 
  1. デュラマン
2. オウエン・ロウへの哀歌
3. トゥー・シスターズ
4. 恋人よ目覚めよ
5. ガルティ・ハント
6. 起きて着替えなさい
  7. シューリ・ルゥ
8. わたしのモイア
9. ジグサ・ダウサ
10. クカナンディ
11. ザ・ジャグ・オブ・ブラウン・エール
 
ドーナル・ラニー

Common Ground: Voices of Modern Irish Music

「現代ケルトの潮流」といった感じのアルバム。プロデュースは御大ドーナル・ラニーである。ケルトを代表するさまざまなアーティストのコンピだ。
モイア・ブレナン、U2のボノ&アダム・クレイトン、アコーディオンのシャロン・シャノン、シンニード・オコナー、ブライアン・ケネディ、エルヴィス・コステロ、ケイト・ブッシュ、クリスティ・ムーアなどなど。ラニー自身もイーリアン・パイプのデイヴィ・スピラーンと組んで参加している。個性的な連中ばかりで聴き応えは充分。大成功のコンピである。
ケルト入門用として聴くのもいいかも知れない。お気に入りのアーティストを見つけてその人のアルバムを買うとか。でもこれじゃ全員気に入ってしまうかもね。

 

Common Ground

ザ・ベスト・オヴ・モダン・アイリッシュ

 
  1.O' Bhean A'Ti
2.Mary Of The South Seas
3.Tomorrow
4.Cavan Potholes
5.Help Me To Believe
6.On Reglan Road
7.As I Roved Out
  8.The Night Before Larry Was Stretched
9.Mna' Na H-eireann
10.Whistling Low/Errigal
11.My Heart's Tonight In Ireland
12.Cathain
13.Bogie's Bonnie Bell
 
キャロル・トンプソン

The Enchanted Isles
Harp Music of Ireland, Scotland, England and Wales

キャロル・トンプソンはウェールズ系の米国人ハーパー。ケルトファンはご承知と思うが米国にはケルト系の人々が多く、ケルト音楽を手がけるレーベルもいくつかある。キャロルは当レーベルではクリス・ノーマン(フルート)と並ぶ主要ミュージシャンだ。アルバムも6枚ほど出ている。
『魅せられし島々』と題するこのアルバムはアイルランド、スコットランド、ウェールズの旋律を集めたもの。オキャロランの作品が3曲あるが全体に民謡が多い。『とねりこの木立ち』など有名曲も含まれている。『ブライアン・ボルーのマーチ』はケルト好きやアイルランド史をかじったことのある人には気になる曲だろう。『丘を越えてはるかに』はディーリアス好き(つまりわたし)には気になる。が、ブックレットには楽曲解説がない。
おもにネオ・ケルティック・ハープを使用。さすがに素朴さを感じさせる。曲によりトリプル・ハープ、ペダル・ハープも使われている。確実ていねいなアプローチでかの女の愛する旋律が魅力的に奏でられていく。おそらく歌詞を知っているのだろう、歌うようなハープだ。聴いているとふうっと肩の力が抜けていくから、リラクゼーションCDとしても聴ける。

 

Carol Thompson, harps

・Recorded in 1988
Dorian Recordings
DOR-90120

The Enchanted Isles

アイルランドの旋律
Carolan's Welcome
The Peacock's Feather

クリス・ノーマンは
Man With The Wooden Flute
The Flower of Port Williams

 
  1. Women of Ireland
2. Brian Boru's March
3. Father Brian Macdermot Roe
4. Lord Inchiquin
5. Miss Hamilton
6. Lord Mayo
7. Planxty Murphy
8. Irish Lullaby
9. Hugh O'Donnell
10. Jenny
  11. Joy to the Person of My Love
12. Over the Hills and Far Away
13. The Irish Lady
14. The Royal Dream
15. Winter Has Come
16. Maid from the Parish of Penderyn
17. All Through the Night
18. The Ash Grove
19. David of the White Rock

Hossam Ramzy: El Amar

ホッサン・ラムジーはエジプトのパーカッション奏者。ロック・ミュージシャンたちとの共演で知られるがリーダー作も多い。このアルバムは、アコーディオン奏者のモフセン・アッラームをゲストに迎えたもの。
このアコーディオンが面白い。四分音アコーディオンなのだ。半音のさらに半分の音程が出せる。左のジャケットに写っているが、鍵盤のちがいがわかるだろうか。妖しげな雰囲気はこの楽器のせいなのだ。慣れていないと(ふつう慣れていないか)音程がはずれているようにも感じる。でもこれは奇をてらったものではなく、中東では伝統音楽にこういう微分音が当たり前のように含まれている。変拍子も多く、3/4とか4/4とかいうわたしたちになじみのリズムは、いくらでもある可能性のうちのほんの一部でしかないと思われる。
ジャンルがちがうが、ジャズのドン・エリスが中東の音楽にヒントを得たユニークな音楽をやっていた。ご参考までに。

 

El Amar

The Best of Hossam Ramzy
Baladi Plus
Faddah

 
 

1. I Have Pleaded with You for Two Years
2. My Beloved is Baladi, and is as Beautiful
3. They Are Telling Me to Give up Loving
4. Ammoura

  5. Why Are You Inquiring About Me?
6. Have Mercy. My Beloved
7. Mother, the Moon is at Our Doorstep
8. The Moon is My Country/My Beloved is a Baladi Girl
 
フラメンコ・ファンタジー

Gustavo Montesano: Flamenco Fantasy

ロバでも知ってるクラシックの名曲を、フルオーケストラをバックに、よりによってフラメンコにしてしまったという珍品。モーツァルトやパッヒェルベルがフラメンコギターや手拍子、足拍子とともに情熱的に、ときに哀愁をこめて演奏される。モンテサーノ氏によれば、生まれたときから身のまわりにフラメンコとクラシック音楽があったそうで、こげなアルバムの誕生は必然だったのだとか。曲によってはこれがオリジナルなんじゃないかと思えるほどハマっているものもあり、強烈なインパクトに病みつきになるかも。オケはロイヤル・フィル。うまさにかけては文句なし。

 

Gustavo Montesano, guitar, piano
Royal Philharmonic Orchestra
Carlos Gomez, cond.

・Released in 2000

♪ Fandango for Elise

Flamenco Fantasy

 
  1. Tango Adagio (Albinoni)
2. Moonlight Rumba (Beethoven)
3. Solea Canon (Pachelbel)
4. Rumba Allegro (Mozart)
5. Tango Aria (Bach)
6. Tango Serenata (Schubert)
  7. Buleria Adagio (Mozart)
8. Andanre Rumba (Mendelssohn)
9. Fandango for Elise (Beethoven) ♪
10. Flamenco Bolero (Ravel)
11. Primavera Tango (Vivaldi)
チーフタンズ

The Chieftains: The Long Black Veil

アイリッシュ・トラッドの老舗チーフタンズ1995年のリリース。かれらの名盤数あれど、とびきり内容の濃いアルバムだ。共演者の顔ぶれが濃いってことでもあるけれど。右記のゲスト一覧を見ていただきたい。スティング(ゲール語による歌唱)に始まりミック・ジャガー、ヴァン・モリソン、シニード・オコナー、マイク・ノップラーなどそうそうたるもの。
個性的なゲストが次々とあらわれるのであっという間に聴き終えてしまう。勇壮なスティング、うち震えるようなオコナー、粋なライ・クーダー、胸に迫るマリアンヌ・フェイスフル…、みんないつもどおりなのだが、チーフタンズの提供する素朴なバックグラウンドにすんなり溶け込んでいる。最後のローリング・ストーンズとの合同セッションも聴きものだ。曲はトラッドだがちらっと『サティスファクション』のフレーズが出てきたりダンサーのタップが聴こえたり、ご機嫌な仕上がり。

ただ大物と共演したというだけではない。ケルト音楽の流れが現在のさまざまな音楽の中に受け継がれていることを示した、たいへん興味深いアルバムだ。トム・ジョーンズとの『テネシー・ワルツ』はその典型。米国のカントリーにはケルトの伝統の色濃いものがある。この曲の作者ピー・ウィー・キングとレッド・ステュワートのコンビはフィドルとアコーディオンを入れたバンドを率いて活躍しており、リール、ジグなどケルトのダンスチューンをもとにした曲で人気を博していた。かれらの音楽はカントリー・スウィングと呼ばれ、『ハンプティ・ダンプティ・ハート』などのヒットで知られるハンク・トンプソンも同じ範ちゅうに入る。チーフタンズはレッド&ステュワートの『ナポレオンの退却』をこれ以前に採り上げていた。早くから幅広い視野で録音を行っていたのだ。
このアルバムには直接関係ないが、ブルーグラス、ブルーズの初期のものなど、米国の民衆音楽にはケルトの影響を受けたものが多いのである。右に参考になるアルバムを一部示したので、興味のある方はぜひ。

附記)輸入盤のブックレットは凝った作りで楽しい。ゲストの写真もいっぱい。ライ・クーダーとパディ・モロニーが談笑している微笑ましいショットもある。

 

The Chieftans with guests
Sting (1)
Mick Jagger (2)
Sinead O'Conner (3,10)
Van Morrison (4)
Mark Knopfler (6)
Ry Cooder (7,8)
Marianne Faithfull (9)
Tom Jones (12)
The Rolling Stones (13)

・Released in 1995

The Long Black Veil
ロング・ブラック・ヴェイル

ヴァン・モリソンとの共演
Irish Heartbeat
ナッシュビル録音
Another Country
カントリーミュージシャンとの共演
ダウン・ジ・オールド・プランク・ロード
スペイン、ガリシアに着目して
サンティアーゴ
矢野顕子が参加
ティアーズ・オブ・ストーン

P. W.キングは
Pee Wee King's Biggest Hits
ハンク・トンプソンは
Greatest Songs 1

 
  1. Mo Ghile Mear (Our Hero)
2. The Long Black Veil
3. Foggy Dew
4. Have I Told You Lately That I Love You?
5. Changing Your Demeanour
6. The Lily of the West
7. Coast of Malabar
  8. Dunmore Lassies [Instrumental]
9. Love Is Teasin'
10. He Moved Through the Fair
11. Ferny Hill [Instrumental]
12. Tennessee Waltz/Tennessee Mazurka
13. The Rocky Road to Dublin
 
チーフタンズ

The Chieftains: The Celtic Harp

毎回何らかのテーマでアルバムを発表してくるチーフタンズ。これはアイリッシュ・トラッドに欠かせないハープをテーマにしたもの。ハープはケルト神話の中でも重要な楽器として描かれており、民族を象徴する楽器とも言える。
12曲のうち4曲にベルファスト・ハープ・オーケストラが参加。お姉さんたちのグループで、音で聴く限りでは10人弱の編成と思われる。ハープの団体さんというのも楽しいもので、リズミカルにボリュームのあるユニゾンを響かせる。ほかにメンバーのデレク・ベルのハープソロ(5)もある。大半がインストゥルメンタルだ。
ケルトおなじみのエアやダンスをまじえた選曲。超有名曲『ワイルド・ギース』もある。これはアイルランド兵を意味する言葉で、傭兵として勇敢に戦ったかれらに思いを馳せる内容だ。情感のこもったマット・モロイのフルートがアイルランド兵の悲しい運命を暗示し、パディ・モロニーのイーリアンパイプが涙のうちにそれを受け継いで歌っていく。12曲中いちばんしんみりした仕上がり。
モロニーがたった一人でパイプを聴かせる(7)も美しい。ふだんこんな長いソロをとらないので、貴重なものを聴いている気がする。
海外にまで目を向けた広角打法アルバムが多いチーフタンズ。祖国の作品でかためたこのアルバムはその点でも面白いと思う。

 

The Chieftans
with The Belfast Harp Orchestra

・Recorded in 1992

The Chieftains: The Celtic Harp
ケルティック・ハープ

ケルティック・ハープは
Celtic Harp Moods
Songs for Celtic Harp
Mosaic: Celtic Harp
Celtic Christmas Harp
ハープが奏でる幻想のケルト

参考文献:
ケルトの神話―女神と英雄と妖精と

 
  1. MacAllistrum's March-Mrseail Alasdroim
2. Tribute to Bunting
3. The Parting of Friends/Kerry Fling
4. Planxty Bunting
5. Madame Cole
6 The .Blackbird
  7. Taimse 'im Chodladh
8. Sonny Brogan's Mazurkas
9. The Wild Geese
10. The Green Fields of America
11. Carolan's Concerto
12. The Lament for Limerick
 

Carlos Nunez: Brotherhood of Stars

カルロス・ヌニェスがガリシアン・パイプ(ガイタ)のほか リコーダー、オカリナ、ホイッスルなどを担当。かれのバンド中心に、曲によってチーフタンズやナイトノイズのメンバー、ドゥルス・ポンテス、ヒラデラ(女声合唱)などが加わる、豪華で多彩なアルバム。ケルトとはいえイベリア半島の音楽であり、ラテンの響きが濃厚な曲が少なくない。聴いているとのどかな田園風景が広がってくるようなゆったりした曲、うきうきするリズミカルな舞曲など、曲調も変化に富む。メンバーの技術・音楽性のレベルが高く、総じて非常に洗練されたものになっている。土俗的な香りはそれほどでもない。そこが国際的な人気を博している所以だろう。
共演者では予想どおりポンテス(9)の歌唱がすばらしく、はじめて聴いたときはドキリとさせられた。女声合唱(6)の独特の響きにも魅せられる。肝腎のヌニェスのガリシアン・パイプは少々出番が少ない感じ。色々な楽器をやりすぎ?でもパディ・モロニーのイーリアン・パイプとの共演(7)とか、聴きどころは満載だ。アルバムとしての完成度が非常に高く、ケルトファンなら持っていて損はないと思う。アイルランド以外のケルトを知らなかった人にはとくにおすすめ。

 

Carlos Nunez, Galician pipes, whistle etc.
Matt Molloy, flute
Paddy Moloney, Uileann pipes
Derek Bell, Irish harp
Sean Keane, fiddle
Ry Cooder, guitar
Diego Bouzon, Spanish guitar
Dulce Pontes, vocals
Xiradela, vocal ensemble
and others

・Released in 1997

Brotherhood of Stars

ほかには
絆〜ガリシアからブルターニュへ
ケルティック・ビジョンズ
ダイヤモンド・マウンテン・セッションズ
ガリシアの誘惑
Dulce Pontes: Lagrimas

 
  1. Dawn
2. Brotherhood of Stars
3. Two Shores
4. Black Shadow
5. The Moonlight Piper
6. Cantigueiras
  7. Galician Carol
8. Dancing With Rosina
9. Lela
10. The Flight of the Earls
11. The Rainmaker's Air
12. Para Vigo Me Voy
 
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